『この国を出よ』
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- 2018/03/02(Fri) -
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大前研一、柳井正 『この国を出よ』(小学館)、読了。
発売当時、かなり売れていた記憶があったのですが、 読んでみたら、それほど特長的な部分がないように思いました。 大前さんと柳井さんの文章が交互に語られるので、 対談という訳ではなく、 一応、お互いの文章の内容を受けて次の文章が書かれているようですが、 それほど相乗効果が生まれているようには思えませんでした。 もちろん、経営コンサルタントや大企業経営者の言葉として 刺さるものは見られますが、この2人の合作という形であえて出版するほどの 内容だったのかというと、イマイチでした。 それぞれが本を出した方が、 もっと体系的に言いたいことが書けたのではないかなという気がします。 読んでいくと、結構、当時の民主党政権への批判が並んでいるので、 有名経営者が現行政権を強く批判したという点で その当時はウケたのかもしれませんね。 今となっては・・・・・ですけれど。 ユニクロの人材教育システムなどの 具体的な経営論のところは興味深く読みました。
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『プロフェッショナルマネジャー・ノート』
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- 2014/09/22(Mon) -
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プレジデント書籍編集部 『プロフェッショナルマネジャー・ノート』(プレジデント社)、読了。
帯にデカデカとファストリの柳井会長の名前が書かれていますが、 解説というか、まえがきを寄せられています。 柳井会長が若い頃に読んで感銘を受けたという ITT会長のハロルド・ジェニーン氏の著作『プロフェッショナルマネジャー』について 簡潔に、でも熱く語っています。 本作は、その『プロフェッショナルマネジャー』のエッセンスを抜き出して プレジデント編集部なりの解説をつけています。 うーん、確かに1個1個の言葉は納得感があるのですが、 こうやって断片的に示されても、根底に流れる経営哲学みたいなものが見えにくくなっています。 これは、本題の『プロフェッショナルマネジャー』を売るための パンフレットみたいなものですね・・・・・・有料ですけど。
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『一勝九敗』
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- 2010/11/17(Wed) -
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柳井正 『一勝九敗』(新潮文庫)、読了。
UNIQLOの柳井会長の著作。 あの怒涛の快進撃は何だったんだろうか・・・と思い、この本を読んでみました。 文章は、非常に冷静で、控えめ。 なのに熱い意思がひしひしと伝わってきます。 一商店の主から、二店舗目、三店舗目と拡大していった時の想いが、 三十店舗、三百店舗となっていっても変わらないことに驚きました。 商売人としての芯が通った人物だと感服しました。 一方で、これだけの事業規模にまで成長していながら、 商店と同じような運営、つまりは、全てが柳井会長の判断で動いているところに ちょっと疑問も感じました。 巨大な企業組織を率いる雇われ社長の自伝等を読むと、 「誰々と意見が衝突したけれど、こう主張して自分を通した」などという 「議論」のシーンが出てくるものですが、本作では、ほとんど出てきません。 というか、「社員の誰と何をやった」ということ自体も、淡々と事実のみが 出てくる程度のものです。 なので、経営者としての熱意や、仕事人としての誇りを学ぶには良い本でしたが、 企業組織の中で周りを巻き込みながら、どうやって業績を上げるか、 自分が成長していくか・・・という点では、 なかなか参考にし難い本だったと思います。
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