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『先を読む頭脳』
- 2023/03/04(Sat) -
羽生善治、伊藤毅志、松原仁 『先を読む頭脳』(新潮文庫)、読了。

羽生さんの本は何冊か読みましたが、
本作は、羽生さん、ひいてはトップ棋士のモノの考え方、頭の使い方を
本人が語るだけではなく、人工知能や認知科学の研究者が分析しているという点が
新しかったです。
対談とかではなく、あくまで羽生さんが自分語りをした文章に対して、
科学者が、科学者としての見地から「これはこういうことだと考えている」という分析を加える
二段構成になっており、そこが面白かったです。

将棋の強さを支える思考力とは何か、という点について、
羽生さんの回答を私なりに解釈すると、それはパターン分析における保有パターン量の多さと
パターン解析するスピード感なのかなと。
そうすると、デジタルネイティブ世代の情報処理能力や思考の集中力の継続性から、
圧倒的に若い人が有利になりますよね。

実際に、プロ棋士でA級に居られる人って、ほとんどが20代~40代で、
50歳を超えるとほとんどいないという事実が物語ってますよね。

現在、羽生さんが藤井聡太王将に挑戦していますが、
私はどちらかというと今回は羽生さんを応援しています。
やっぱり「タイトル100期」という前人未到の記録を見てみたいですよねー。
特に、年齢を重ねることによる不利さを本作で読んでしまうと、
目の前のチャンスで達成してほしいなと願ってしまいます。




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『直感力』
- 2018/11/18(Sun) -
羽生善治 『直感力』(PHP新書)、読了。

羽生さんの本は3冊目ですが、本作は内容が薄かったです。

タイトルの「直感力」について触れているのは数ページであり、
断片的なエッセイを一冊にまとめただけのような、まとまりのなさでした。
どこかの雑誌に連載されたコラムをまとめたものかな?と思ってしまうぐらい。

子供の頃、どのように将棋に出会って、
どのように将棋と向き合ってきたかというエピソードは興味深く読みましたが、
でもそれって、「直感力」とは違うよなぁ・・・・・なんて。

『決断力』『大局観』とヒットしたので、
それにあやかった名前を付けました・・・・・程度の本でした。
残念。




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『自分の頭で考えるということ』
- 2017/05/21(Sun) -
羽生善治、茂木健一郎 『自分の頭で考えるということ』(大和書房)、読了。

あまりに、ちきりんさんの本と似ているので、
このタイトルどうなのよ?と、編集者に言いたくなっちゃいましたが、
中身は面白かったです。

将棋の電脳戦の話から始まりますが、
将棋ソフトの計算ロジックの変遷や、棋士の局面の読み方のクセといったところが
比較されて話されており、特に、棋士の方があの長考の中で
一体何を考えているのかが分かったので、興味深かったです。

そして、その棋士の頭の使い方が、
日本の職業人として極めて特殊なものであるという分析を
茂木センセが行うことで、より広い視野から
将棋というものが見えてきて、面白かったです。

そもそも棋士の心情として、
対局で勝つこと以上に、以前の対戦とは同じ局面にしない、異なる手を打つことを
意識して、さらに棋士によっては自分が美しいと感じる将棋を指すという
様々な制約を設けていることに驚きました。
ものすごく歴史というものを大切にしていて、
しかも自分の差し手が記録され後世に残るということを
これほどまでに強烈に意識している職業はないだろなと。

ごく僅かな選ばれた人だけがなれるプロ棋士という職業の自負心が
強く感じられる対談で、将棋にそれほど興味のない私でも
面白く読める対談でした。


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『大局観』
- 2015/02/13(Fri) -
羽生善治 『大局観』(角川ONEテーマ21)、読了。

将棋の羽生さんの本。読むのは2冊目。

前作では、そのロジカルな考え方に驚き、非常に勉強になったと感じ入ったのですが、
ちょっと耐性ができてしまったのか、前回ほどには衝撃がありませんでした。

しかし、この方の抽象化力というか、経験から自己哲学に高める力というか、
本質を突くシンプル化の力が凄いと、改めて思いました。
そして、その本質が、他人にも分かりやすいように語ることが出来る力。

抽象化力と伝達力を兼ね備えているというのは、本当に羨ましいです。

将棋という、9×9の限られた盤面の上で、
無限ともいえる数の手を考え尽くす日々を送るからこそ
身につく能力なのでしょうかね。


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『決断力』
- 2012/10/05(Fri) -
羽生善治 『決断力』(角川ONEテーマ21)、読了。

『ウェブ進化論』で紹介されていた羽生哲学に興味を持ち、
本作を読んでみました。

いやぁ、この人、頭良いわ。

論旨が明快だし、
零時も読んでいる人の日常にあわせて会社員生活など理解しやすいものだったりして、
サクサク読めるのに、読んでいるこちらも頭がよくなった気持ちになれます。

将棋の話をきっかけとしながらも、
語っている内容は、みんなに共通するような考え方、行動の仕方について。
普遍的な内容なので、将棋自体をあまり知らなくても楽しめます。

小学生の頃、クラスで将棋が流行って、
飛車角落ちで父と将棋を指したことが何度かあります。
将棋自体は、取った駒を使い回せるという、いかにも日本的な戦のやり方が
面白いと思って気に入っていたのですが、
なにぶん、堪え性がないので、先の手を読むというのが苦手で・・・(苦笑)。

ま、結局、それきりになってしまいました。

続けることも偉大な才能の1つですね。

あ、そういえば、王座奪還、おめでとうございます!!


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