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『文藝春秋SPECIAL 2012 SUMMER No.20』
- 2023/04/26(Wed) -
『文藝春秋SPECIAL 2012 SUMMER No.20』、通読。

実家で親が部屋の大片づけをしたら奥から雑誌がいくつか出てきたようで
積んであったので試し読み。

「日本史におけるリーダー」というテーマで組まれており、
信長とか家康とかのオーソドックスな名前も挙がってますが、
それ以上に、頼朝推しなのが興味深かったです。

私自身、鎌倉時代って、あんまり日本史を学んでいても粗野な印象があったというか、
どうしても徳川幕府の完成形を知ったうえで評価してしまうので
足りない部分に目が行ってしまってたのですが、しかし、初の武家政治・幕府を開いた
というのは、やはりすごいことですよね。

軍事的に強いから、主だったライバルを武力でなぎ倒したという人物は
他にもいたと思うのですが、瞬間的な輝きなんですよね。
それを「幕府」という組織にして、一族や北條氏が維持できる権力構造にしたのは
やはり革命的なことだったんでしょうね。

三代で潰えてしまい、北条氏に実権が移ってしまったので
後世での評価が少し低いのかなと感じます。

あと、浅田次郎氏の新選組の文章を読んで、新撰組自体にはそんなに興味がないのですが、
やっぱり売れている作家先生が書く文章って、短くても引き込まれるな~、と、
歴史とは直接関係ないところに感動したり。

白鵬関の相撲の歴史に関する文章も面白かったです。
なんだか力士人生の最後、悪役みたいな役回りになっちゃった気がして可哀想でしたけど、
もともとは相撲界に対してリスペクトがある外国人力士っていう位置づけでしたよね。
人の評判というのも、何か一つのきっかけで反転することがあるので、難しいものですね。




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『日本酒の愉しみ』
- 2021/04/14(Wed) -
文藝春秋編 『日本酒の愉しみ』(文春文庫)、読了。

ルポあり、インタビューあり、紀行文あり、居酒屋巡りあり、
いろんな企画がバランスよく配置されていて、
さすが文藝春秋がちゃんと企画構成しただけあるなぁ・・・・というレベルでした。

ムック本的な感じです。

カラー写真もふんだんに使われており
日本酒造りの様子も分かりやすいです。

書き手も、企画に応じてあった人を選んでおり
文章も読みやすく、臨場感もあり、良かったです。




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『老後の健康』
- 2017/05/15(Mon) -
文藝春秋編 『老後の健康』(文春文庫)、読了。

近所のおじいちゃんがくれた本。
私には、まだ早いのですが・・・・・・(笑)。

医師による専門分野の解説あり、
若々しい芸能人の生活習慣インタビューあり、
作家たちの対談あり、盛りだくさんの企画でした。

作家も芸能人も、自分をいかに凄い人物に見せるかという
闘志に溢れた人たちだと思っていたのですが、
本作での身の処し方を見ると、芸能人の方が自分自身で売っているだけあって
スマートに自分をPRするなあと思いました。

普段は小説等の作品で勝負している作家さんは、
あまりに露骨に自分を「凄い病気でしょ」「俺頑張ったでしょ」的に表現するので、
ガツガツしてると感じました。

というわけで、本題と関係のない感想になってしまいました。


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『快食快眠快便』
- 2017/05/03(Wed) -
文藝春秋編 『快食快眠快便』(文春文庫)、通読。

近所のおじいさんがくれた本の山の中にあったもの。
『オール読物』の連載をまとめたものということで、
著名人が「快食」「快眠」「快便」に関するエッセイを書いてます。

しかしまぁ、なんで、著名人という人たちは、
「快便」なんていうテーマを与えられると、露悪的で下品になっちゃうんでしょうね・・・・。

トイレの習慣の話だけでなく、
排出したブツに向き合って、観察したり、分析したり、
そういうことを、この企画のためにというわけではなく、
日常的に行っているという不気味さ。

軽い読み物なのですが、
作家とか芸能人とかいう職業の人の歪んだ性癖をたくさん並べられたようで、
途中で辟易としてしまいました。


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『文藝春秋 SPECIAL』
- 2007/10/13(Sat) -
『文藝春秋 SPECIAL 心の時代を生きる』(文藝春秋)、読了。

日本人の宗教観を取り上げた季刊創刊号。
興味深い内容で、一冊丸ごと楽しめました。

「あなたの信仰は?」と聞かれて「無宗教です」と答える日本人。
私は、日本人は決して信仰心がないのではなく、
「宗教」というものへの抵抗感と無関心があるのだと思っています。

日常に様々な慣習が残っており、
冠婚葬祭も何らかの宗教儀式に則って行うのが日本人です。
古来から伝わる「神道」や「儒教」が、
「宗教」としての体系だった枠組みを持ち得てこなかったために
「民間信仰」の枠を超え無かったのだと思います。

そして、明治以降の神道の政治利用により、体系だった宗教への抵抗感が
日本人の体内に出来上がってしまったのではないかと思います。
そこで、「無宗教」と答えることで、「自分はイデオロギー的に無色である」と
暗に無害さを主張しているようなところがあるように思われます。
そして、土着の信仰は宗教ではないと積極的に線引きして
安心感を得ようとしているような。

一方では、「宗教」や「信仰」について真剣に考えることをせず
「無宗教と言っておけば日本人なら許される」という手抜きの人も
多いと思いますが・・・。

今回、本誌を読むことで、日本人の宗教観というのは
非常に正常・真っ当なものなんじゃないかという気がしてきました。
一神教のようなガチガチに体系化された教えというのは、
信仰本来の姿を理論で覆いつくすようになり、
信じることの本質がどんどん見えなくなってしまっているような気がしました。
そして、型にはまること、規則に従うこと、禁止に耐えることにより
日常生活者としての感覚からどんどん離れたものになっていくんじゃないかと。

そうではなく、あくまで日常における一つ一つの教え、儀式、イベントとして
生活を主として土着の信仰があるというのが、非常に人間らしいように思えました。

まだ、うまく言葉にできず。もやもやとしているのですが、
地元のお祭りの神事などのことを思うと、
無理に体系化をせずに、一つ一つ積み上げてきた
日本に根付いている古来の慣習は、偉大な文化だと思います。

もし私自身が信仰について問われたら、
「八百万の神々の存在を信じ、死者への儀式は浄土教に依っています」
となります。






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『私の死亡記事』
- 2006/06/11(Sun) -
文藝春秋編 『私の死亡記事』(文春文庫)、読了。

各界の著名人が存命中に自身の死亡記事を創作するという試み。
発想は非常にユニークだったのですが、
人によって出来不出来がはっきりしすぎていて、
一冊の作品としては及第点レベルぎりぎりといったところでしょうか?

文藝春秋からの依頼文書に
「既成の死亡記事の形式にこだわる必要もなく」
とあるためか、手紙形式だったり依頼を受けたときの感想だったり・・・
ご当人は自分らしい工夫を凝らされたつもりなのでしょうが、
「本人による『死亡記事』」という企画趣旨を解していないものは
やはり失格ではないでしょうか?

依頼の時点で、フォーマットをきちんと定めて、
敢えてガチガチの制限がかかる中で、
各人物がどれだけ個性的な死亡記事を書けるかを競わせたほうが
面白かったと思います。
(まぁ、こんなルールだと出来不出来が余計に目立つかもしれませんが)。

本作品を読んで、有名作家といえども、
パロディやパスティーシュが出来るわけではないんだなと学びました。
清水義範氏は、やはり凄い!

そして、さらに厭味を加えるならば、
死因を「事故死」「自殺」「失踪の末遺体で発見」等と
書かれている方が相当数いらっしゃるのですが、その死因が似合う人と、
「何格好つけてんだ?!」と思う人とに分かれました。
「あんたは病院の高級個室でチューブ人間となって生きながらえるんでしょ?」
という反感が湧いてきたりして。

ちなみに、久々に阿部謹也先生のお名前を拝見し、
アベキンを自分の中で「過去の人」のカテゴリーに
入れてしまっていたことに気づいて驚きました。
結局、『ハーメルンの笛吹き男』しか読んでいません。
入学式で学長として式辞をもらっているのですから、
もう少し愛着があってもいいものですかね。


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