『法然親鸞一遍』
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- 2016/08/16(Tue) -
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釈徹宗 『法然親鸞一遍』(新潮新書)、通読。
法然と親鸞を比較して解説する本は多いですが、 そこに一遍を絡ませてくるのは珍しいですね。 日本史の教科書でも、 「踊念仏」というかなり変わった布教活動をした僧として記載されていたので、 私は、今でいうカルト的な教えだったのではないかという解釈をしていました。 より民衆に近いところに浄土教を引き寄せ、 南無阿弥陀仏に一心に帰依することを説いたというのが 一遍の教えの大事なところなのでしょうね。 ただ、著者が本作の冒頭に示した「比較することで客観視や相対化をする」という狙いは、 法然、親鸞、一遍という3人では、近すぎて上手く機能していないように感じました。 比較の手法においては、あまり目新しさを感じられませんでした。
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『歎異抄の謎』
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- 2014/02/08(Sat) -
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五木寛之 『歎異抄の謎』(祥伝社新書)、読了。
父の本棚から借りてきました。 五木氏の作品は、それほど読んだことはないのですが、 やや苦手意識を持ってます。 情緒的というか、感覚的というか、そういう文章に流される感覚を覚えるからです。 本作でも、「9.11後のアメリカは欝の時代に突入した」なーんて書かれていて、 確かに感覚的にはそうかもしれないと思うところもあるのですが、 「欝の時代」の定義も書かれていないし、何をもって欝の時代に入ったのかもはっきりせず。 その後立て続けに、「欝の戦争」「欝の経済」と出てくるので、 なんだか言いくるめられているような気分になります。 こういうところが苦手。 でも、本題の「歎異抄」は、私訳がついていて、興味深く読みました。 まずは、「『歎異抄』って、こんな短い本なんだー」という驚きから。 日本史の授業で学びましたが、「歎異抄」と「親鸞」と「唯円」という単語の組み合わせを 暗記しただけでしたから(苦笑)。 そして、私訳の言葉が、非常に簡易な言葉で表現されていて、 すーっと頭に入ってくる感覚がありました。 私は浄土宗なので、教えが近いという点でも、すんなり読むことが出来ました。 途中に出てくる「1,000人を殺せ」のくだりには驚きましたが。 何度か読み返して、「構造主義的なことを言っているのかしら?」と おぼろげながらも感じることが出来ました。 法然上人、親鸞聖人の教えは、南無阿弥陀仏とシンプルなだけに、 1つ1つの問いかけに照らして考えていくと奥が深いですね。
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『親鸞 その人と思想』
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- 2006/10/26(Thu) -
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菊村紀彦『親鸞 その人と思想』(現代教養文庫)、読了。
久々の仏教関係本。 これまで、仏教の教えを易しく説いた本を読んできたので、 今回も親鸞聖人の教えを説いてくれるものと期待して読み始めたら、 親鸞の生涯の軌跡を描き、エピソードの真偽を評価するといった内容でした。 「温かく教え諭されるものだ」という思い込みで読み始めたので、 その冷静な筆運びに、非常な「冷たさ」を感じてしまいました。 ニーズとのアンマッチのために上手く読めなくて残念です。 「親鸞はホントに存在したのか?」なんていう視点で読み始めたら 意外とはまったかも知れません。
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