『死定席』
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- 2017/03/03(Fri) -
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森村誠一 『死定席』(中公文庫)、読了。
どこでもらってきたのか忘れましたが、 ずっと積読になっていた一冊。 アメリカ留学と称して、2年間アメリカで遊び呆けてた・・・・・ というか、アメリカのセレブ婦人連中を相手に 売春ビジネスをしていた主人公の男。 日本への帰路で若く美しい女に出会い、新たな獲物と思い近づいていくと、 財閥トップのお妾さんの娘だった。 というわけで、前半は、延々と主人公がこの娘を篭絡するまでの プロセスが描かれているのですが、これが退屈で・・・・・(苦笑)。 古びた色恋モノを読んでいるような展開の遅さと、 あまり目新しい要素が登場してこない平板な内容。 新しく狙った獲物と、これまでの生活を支えてくれた女の間で 上手く立ち回ろうとする男という、なんとも魅力のない人物で・・・・。 中盤、主人公が財閥トップの父親と顔を合わせてからは、 財閥内の人事闘争というか足の引っ張り合いが絡んできて、 ビジネス要素が強くなったので読み通すことができましたが、 それがなければ、途中で挫折してしまってたかも。 日常で起きる色恋沙汰の殺人事件というのは、 大半が、こういうつまらない人間関係の中から生まれるものなのでしょうね。
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『捜査線上のアリア』
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- 2009/03/25(Wed) -
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森村誠一 『捜査線上のアリア』(角川文庫)、読了。
最後のどんでん返しが面白かったです。 偶然の産物であるところがちょっと物足りない気もしますが、 まぁ、そこに至るまでの過程も面白く読めたので良し。 時に推理小説は、最後のどんでん返しだけに力が入っていて そこに至るまでの9割のページが色あせている作品がありますが、 本作は刑事が一つ一つヒントを掴んでいく進み方も じっくりと楽しめました。 一つ難をあげるとすれば、 どんでん返しのあとの数ページが蛇足な感じがしました。
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『黒い墜落機』
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- 2008/05/19(Mon) -
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森村誠一 『黒い墜落機』(集英社文庫)、読了。
イマイチかな。 30年も前の作品だからでしょうか? 人物描写もなんだか古臭くて、 自衛隊をめぐる合憲/違憲の議論も青臭く感じました。 何よりも、人里離れたオフシーズンの民宿に5人もの客が居て、 その客がいずれも特殊な能力を帯びているという都合のよさに 娯楽小説なんだと割り切ってもついていけませんでした。 妊娠しているから危機察知能力が高まるだなんて、 物語の説得力をそいでしまいます。 自衛隊のレンジャー部隊を相手に 民間人の抵抗が上手く決まり過ぎるのも興ざめになってしまいます。 もっと死闘になってもよかったのではないでのかなと思います。
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