『蒼林堂古書店へようこそ』
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- 2017/02/21(Tue) -
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乾くるみ 『蒼林堂古書店へようこそ』(徳間文庫)、読了。
古本屋を舞台にした連作短編集。 店主と常連客達が日常の謎解きに挑戦します。 しかし、それよりも印象に残るのは ミステリ作品に関する多量の情報。 ミステリ好きたちが交わす会話がどんなのものなのか 体験できるようになってます。 日常の謎解き自体は、 謎が提示されたら、特に推理を戦わせるわけでもなく 店主がさらっと解いてしまうので、 ミステリ好きの登場人物がそろってる割には、 推理合戦を楽しめるわけではありません。 やはり、これは、どれだけ自分がミステリ好きかという その会話の応酬を楽しむ作品なのでしょうね。 著者もそれが書きたかったというのが本音ではないでしょうか? そして、各短編の章末に付いたミステリ作品案内を。 ミステリ「小説史」好きな人は非常に楽しめそうですが、 単なるミステリ好きの人にとっては、どうなんでしょうかね? あと、気になったのは古本の買取価格。 100円以上だと珈琲が無料サービスという設定のためか、 買取価格が非常に甘いように感じました。 そんな値段で買い取りしてて、利益の出る値段で売れるんでしょうかね?
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『イニシエーション・ラブ』
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- 2017/02/18(Sat) -
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乾くるみ 『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)、読了。
「最後から2行目で全く違った物語に変貌する」 という裏表紙のあらすじ紹介を読んだので、 素直に読めず、不自然なところはないか探すような目で読んでしまいました。 それが良かったのか、普段なら苦手な感じの恋愛モノでも 読み通すことができました。 で、肝心の最後から2行目の件ですが、 読んでいるうちは分からなかったです。 最後まで読んで、「え!?どういうこと??」とネットでネタバレ検索して なるほどねぇ~と納得。 確かに、読んでいるときの違和感はあったんですよね。 主人公から見た感想とは違って、意外と静かに迫ってくる感じの女の子だなぁとか、 主人公は上京してから随分ワイルドな感じになったなぁとか。 真相を知って、なるほどねぇ・・・・とはなりました。 恋愛小説としては、特に面白いものではなかったと思いますが、 パズルに向かったときのようなワクワク感は読んでいる間は感じました。 裏表紙のあらすじ紹介で 「最後から2行目!!」と強調されていなかったら、 普通の小説として読んでしまい、「大したことが起きずつまらない恋愛小説だなぁ」と 思ってしまっていたと思います。 結局、出版社のプロモーションが上手かったということですね。
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『六つの手掛り』
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- 2015/07/16(Thu) -
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乾くるみ 『六つの手掛り』(双葉文庫)、読了。
本格モノの短編集です。 最初の2編あたりはフムフムと読んでいたのですが、 理屈っぽい展開に、だんだんしんどくなってきて、最後の2編は流し読み。 探偵役の林茶父がイマイチな印象で、 短編集を通してキャラが立ち上がってきません。 設定がうまく活かせていないように思いました。 事件自体も、「何もそんなことで人を殺さなくても・・・・・」というものばかりで、 被害者にも加害者にも思い入れがないまま淡々と終わっていきます。 うーん、残念。
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