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『釣師・釣場』
- 2017/08/05(Sat) -
井伏鱒二 『釣師・釣場』(講談社文芸文庫)、読了。

井伏翁が日本全国を釣り歩いたエッセイ。
ここまで釣りキチだったとは知りませんでした。

私自身、釣りの経験は、小学生の頃に父に連れて行ってもらった
2階のフナ釣りだけですので、全く釣りのことは分かりませんが、
海釣りの人と川釣りの人は、別の趣味の人なんだと思ってました。

が、著者は、海にも川にも釣りに行く。
何でも釣りに行く。
ホントの釣り好きの人っていうのは、こうなんでしょうかね。

地元の釣り名人に話を聞き、地元での釣り方や釣れるポイントを教わり、
果敢にチャレンジしながらも、適度なところで切り上げる。
全くもって、大人の楽しみという感じです。
余裕のある趣味人。

こういう大人に憧れますなぁ。


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『2時間でわかる日本の名著』
- 2017/01/21(Sat) -
夢プロジェクト 『2時間でわかる日本の名著』(KAWADE夢文庫)、読了。

暇つぶしに・・・・と思って手に取ったのですが、
意外と面白い本でした。

あらすじ紹介だけでなく、
著者や作品に関する蘊蓄が語られており、
蘊蓄2ページ+あらすじ2ページで一セットになっています。

この蘊蓄の部分が上手くまとまっていて面白いです。
そして、あらすじの方もコンパクトで分かりやすいです。

井伏鱒二の『山椒魚』とか、
また読みたくなっちゃいました。

紹介されている50の作品の中には、読み終わったものもいくつかありますが、
高校生や大学生の時に背伸びして手にしたものの挫折した作品もちらほら(苦笑)。
樋口一葉とか島崎藤村とか、断念した記憶しかありません。

今なら読み通せるでしょうか・・・・・・
自信ないなぁ。

ちなみに、本作を2時間で読み通すのは、
無理だと思います(爆)。


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『遙拝隊長・本日休診』
- 2016/04/22(Fri) -
井伏鱒二 『遙拝隊長・本日休診』(新潮文庫)、読了。

大けがを負って復員したものの精神に支障をきたした陸軍中尉の話と
町医者に休診日にやってくるおかしな面々の話。

私が常々、精神異常を扱った作品が苦手だと感じている理由が、
本作を読んでいて何となく分かりました。

それは、罹患している本人が、自分の病気のことを正しく認識していないため、
「そんなことをしていては病気が悪化してしまう・・・・・」というモヤモヤが
読んでいて募ってきてしまうからだと思います。

「本日休診」に出てくる患者さんたちも、
診察日にきちんと来れば良いものを、何じゃかんじゃと理由をつけて先延ばしし、
のっぴきならない状況になってから休診日にやってきます。
この判断の甘さというか、錯覚が、読んでいて不安をもたらすのだなと思いました。

薄いユーモアに包んでいるとはいえ、
私にはやはり不安の方を強く感じてしまいました。

でも、もちろん作品としては読ませる内容に仕上がっています。


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『珍品堂主人』
- 2010/02/11(Thu) -
井伏鱒二 『珍品堂主人』(中公文庫)、読了。

井伏鱒二先生というと、
教科書に載っていた『山椒魚』がまず思い浮かびますが、
この作品もユーモアがあふれていて面白かったです。

「骨董屋」という商売自体に馴染みがないので、
その仕入れの様子や営業の様子が詳しく描かれていて、
非常に興味深かったです。

単に価値のある商品を右から左に無くすのではなく、
一つ一つの商品に惚れこむところから始まるのだということに感心。
普通の商売とは一線を画すところです。

一方、戦後まもなくという時代設定のため、
いまいち物価の感覚がわからず、そこは困りました。

徳利ひとつで120万円、
これが現在の価値でどのくらいになるのかサッパリ。

そこまで時代背景を理解できると、もっともっと楽しめたと思います。


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