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『さらば財務省!』
- 2021/04/01(Thu) -
高橋洋一 『さらば財務省!』(講談社+α文庫)、読了。

たくさん本を出している著者において、
一般向けの本というのは本作が最初なのかな?

財務省という組織の中でどういう仕事をしてきたのか、
そしてなぜ財務省を出る羽目になったのかを、詳細に語っています。
こんなに政治・行政の中枢の話を書いても大丈夫なんだろうか?と思ってしまうぐらいに。

「元財務省」という肩書で今もメディアに出ていますが、
正直、本作を読むと、財務省の本道の仕事からは早々に外れてしまい、
籍は財務省に残しながらも、時の大臣や有力政治家に上手く一本釣りされて
財務省からはフリーな立場で活動していたように感じます。
ま、むしろ敵対関係というか。

そんな人材を、本人が辞めると言うまで組織内に留めておいたというのは
ある意味包容力があるのか、それとも除外する理屈を見つけられなかったのか・・・・。

本作では、政治家個々人が、どんな思想・発想で行動しているのか
小泉純一郎氏、竹中平蔵氏、安倍晋三氏、麻生太郎氏、いろんな方が登場しますが
紹介されたエピソードを読むと、どんな人物かだいたいわかりますね。
麻生さんは昔から財務省の代弁者だったのねーとか。

竹中平蔵氏の、政治の思惑とか派閥の駆け引きとか省庁間の駆け引きとかを省いて、
純粋に自分が信じる理論を日本社会をより良くするために実現したいという
強い思いは理解できました。その理論の妥当性は評価しきれませんが。
そして、小泉純一郎氏の、独特な政治嗅覚というか、
政治課題に緩急をつけて対応するセンスは、誰にも真似できないものだなとも思いました。
安倍晋三氏の「高橋さん、あなたは入省前に天下りというシステムを知っていましたか?」という問い。
素直にシンプルに本質を考えようとする姿勢が垣間見えました。

竹中平蔵氏のスタッフとして岸信之氏が登場してきて、
「あぁ、よく2人は共演してるけど、こういう太いつながりがあるのね~」と納得。

出版当時読んでいたら、同時代性が強すぎて、
あれこれ財務省に反発を覚えたり、改革反対派の政治家の言動にうんざりしたり
素直に読めなかったような気がします。
10年以上経過した今だからこそ、
また、登場してくる政治家たちのその後の10年を見ているからこそ
興味深く読めた本だなと思いました。




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『大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実』
- 2020/09/14(Mon) -
高橋洋一 『大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実』(SB新書)、読了。

ここ1年程、保守系Youtube動画を見るようになったので、
高橋センセはよくお見掛けします。
かなり上から目線での物言いではありますが、
本人の状況把握力とか、本質を見抜く力とか、制度構築力とかを目の当たりにすると、
そりゃ他の人間がバカに見えちゃうのはしょうがないようなぁ・・・・・と思ってしまいます。

本作は、モリカケ問題から話が始まるのですが、
私の中では、安倍政権の問題点よりも、野党側の問題点が浮き彫りになった事件だと思ってます。
野党が、モリカケの騒ぎの中で、日本の国益を損ねる問題点がどこにあるのか、その本質を見極めずに
とにかくテレビ受けしそうなポイントばかりを闇雲に突き回して揚げ足取りみたいな表層的な
議論ばかりしているから、安倍政権側も「やってらんないわ・・・・」と答弁が適当になり、
ときどきオカシナことを口走ってしまうので、そこをまた野党が突き回すという構図。

ほんとクダラナイ。

もっと本質的な議論ができていたら、「安倍一強」になんてなってなかったでしょうし、
安倍政権の最後の方の雑な政権運営も、もう少しマシだったのではないかと思われ。

ま、国会の話は置いておいて。

本題の官僚機構の問題点ですが、私はぶっちゃけ、
優秀な官僚たちがある程度勝手に行政機構を運営していても、
それが最終的に国益になるんだったら任せちゃった方が楽だと思ってます。
行政も政治も正解はないんだから、トライ&エラーというか、毎日社会実験の繰り返しだと思ってます。
なので、特定の瞬間を切り取って、「この行政の判断は間違ってる!」とか「この仕組みは不十分だ!」とか
糾弾してもあまり意味がなくて、「だからどう改善するのか」という議論に全力を傾ければよいと思ってます。

今の野党の、テレビのコア視聴者層にウケルことを重視した国会論戦なんかに
官僚や政府首脳の時間を費やすよりも、彼らにしっかり行政を行い、立法の立案も含めて
議論させた方が効率的なんじゃないかと思ってます。

まぁ、政府の上層部も、官僚の幹部たちも、優秀な人ばかりではなさそうだし、
国民感情や世情を知らない人も多そうなので、
あんまり任せすぎると、明後日の方向に暴走する危険もありますが。
適度な三権分立の名目を保ちながら、優秀な人材が肝心なところを切り盛りする
本音と建て前をうまく使い分ける行政機能になったらなぁと思います。

コロナ対策を見ていると、数字の上では日本は結果を残しているとは思うのですが、
ちょっと日本の政府も官僚も、国民への説明が上手くないというか
マスコミよりも、物事の本質を見極めて分かりやすく解説してくれる論客やYouTuber等を上手く活用して、
政府の言いたいことを発言力のある人に代弁させて披露目させるようなテクニックを
使えるようになればいいのになぁ・・・・と思ってしまいました。




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『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』
- 2016/12/12(Mon) -
高橋洋一 『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』(文春新書)、読了。

「お国の経済」というタイトルですが、
大きな国家経済のビジョンを描いた著作ではなく、
インタビューを書き起こしたものでした。
なので、ちょっと軽めです。

「埋蔵金」が騒がれた当時の時事ネタ満載ですが、今の時点から読むと、
アベノミクスの考え方は、上げ潮派の延長線上にあるのですね。
この方のインフレ・ターゲット論の解説を読むと、
今の金融政策の目標が理解しやすいです。

アベノミクスが、最終的に成功するのか失敗するのかそこは分かりませんが、
政策の目標を明確に打ち出したことで、PDCAが回せるようになり、
政策を強力に推し進められるようになりましたし、反対派との議論も
中見のあるものになっているのではないかと思います。

まさに、著者が本作で主張したようにアベノミクスは展開しており、
さすがの進言力と実行力ですね。


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『日本の大問題が面白いほど解ける本』
- 2014/12/30(Tue) -
高橋洋一 『日本の大問題が面白いほど解ける本』(光文社新書)、読了。

経済のお勉強に。

2009年~2010年あたりの、民主党政権による経済政策を中心に
問題の本質と、その解決策として出された政策の効果について
分かりやすくシンプルに解説しています。

雑誌の連載をまとめたものでしょうかね?

国家レベルの経済政策となると
影響範囲が広く、また利害関係者も多いため、
一体何が本質なのかさっぱり分からなくなってしまうことが多いですが、
著者の整理により着目すべきポイントがすっきり理解できました。
(私の経済学の概念の理解は不十分ですが・・・・・・)

今の勤め先の子会社に居た頃、
主計ラインの人たちが、やたらと「ミルク補給」という言葉を連発していました。
赤字になりそうなので親会社からの取引金額を底上げしてもらうことだという
ザックリとした理解をしていたのですが、これは著者が作って浸透させた言葉だったんですね。
ま、郵貯の財政投融資ほどに狡猾な仕組みではなく、
当社の場合は露骨に赤字補填でしたが(苦笑)。

経済時事も、ちゃんとキャッチアップしていかないと
社内のブラックジョークにも乗っかれなくなっちゃいますわね。


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『この金融政策が日本経済を救う』
- 2014/08/04(Mon) -
高橋洋一 『この金融政策が日本経済を救う』(光文社新書)、読了。

経済学はわかんなーい・・・・・と諦めるのもどうかと思い
新書レベルで何とか理解を積み上げていこう作戦を取ってみることに。

そもそも誰の本を読めばよいのか知らないので、
目に付いたタイトルで、本作を買ってみました。

2008年発行で、当時の福井⇒白川・日銀総裁の金融政策を批判していますが、
読んでみると何だか現在の黒田・日銀総裁の推し進めている政策の解説本のような印象。

どうやら、第一次安倍内閣のときに、著者が政策提言をしていたようですね。
そのときは、あんな終わり方になってしまったので実現できず仕舞でしたが、
現政権において、ついに実行に移されたということなのでしょう。

ならば、今の政権運営に関わっているのかしら?と思って検索してみたら、
なんと数年前に高級時計の盗難事件を起こして第一線からは退いている様子。
ナンなんだ、この事件は!?
政策論争よりも、そっちの方に気をとられちゃいましたわ(苦笑)。

とりあえず、現在の「3本の矢」と呼ばれているアベノミクスの考え方の
大きな流れが理解できたので、たまたま選んだ本とはいえ、ラッキーでした。


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