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『欲と収納』
- 2019/01/30(Wed) -
群ようこ 『欲と収納』(角川文庫)、通読。

また、やってしまいました。
ブックオフの50円ワゴンにあったので、あまり考えずに買ってきたのですが、
読み始めて「私ももう還暦」的な表現が出てきて、
え!?還暦???となったところで、「あ、辛酸なめ子さんと間違えてた!」という大ボケ。

前にも、勘違いして本を買ってきて
「思ったようなポップな文章じゃないなぁ・・・・」と違和感を覚えてたら、
辛酸なめ子さんを勝手にイメージして読んじゃってたという(苦笑)。

群ようこさんと辛酸なめ子さん、全然違うのに何故混同してしまうのか、自分でも意味不明。
決して、辛酸なめ子さんの本を見て群ようこさんと取り違えることはないので
あくまで一方通行な混乱。
どうしたら良いのでしょうか、どうしようもないか。

さて、そうやって勘違いで手に取ってしまった本作ですが、
物が溢れて収納もままならないという著者の悩みが延々と繰り広げられています。

正直、私自身は、物欲がないので、買う必要があるものしか買いません。
1回ぐらいは何かで代用できそうなら、買わずに済ませてしまいます。
引越しの時に「増えたなぁ」と感じるのは、CDとビデオテープ(古っ!)ぐらいです。

本も、普通の人よりはたくさん買ってると思いますが、
どんどん実家に送って自分の家には積読本しか置きませんし、
実家の本棚もパンパンなので、新しいのを1冊入れる場所を確保するために
本棚の中で最も要らないと思う1冊を捨てる(ブックオフ行き箱に入れる)という感じです。

部屋が物であふれているという状態になったことがないので、
著者の悩みに共感できませんでした。
というか、収納スペースがないと分かっているのに、なんで新しいの買っちゃうのよ?
実家の不要物をなんで引き取っちゃうのよ?と疑問ばかり。

片づけられない女が、困った困ったと独り相撲しているような感じで、
どんなに読み進んでも解決しないし、着物からバッグ、本、レーザーディスクと
対象物が変わるだけで話の内容に進展がないので
中盤から流し読みになりました。

うーん、残念。

同じテーマでも、辛酸なめ子さんなら、もっと笑える感じに料理できたかも(爆)。




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『浮世道場』
- 2017/12/22(Fri) -
群ようこ 『浮世道場』(講談社)、読了。

普通のエッセイかなと思ったら、古典のブックガイドでした。

最初に紹介されるのが『女重宝記』『男重宝記』。
聞いたことないわ・・・・・。

かなりマニアックなチョイスでスタートしましたが、
『蜻蛉日記』『方丈記』『解体新書』と、名前だけは知っている本も登場。
でも、名前だけの知識だと、内容までついていくのは大変です。

原文からの抜粋の量も多く、そこはほとんど読み飛ばし(苦笑)。
著者による要約で中身を知る始末。

で、著者による解説についても、解説内容よりも、
むしろ著者が作品を紹介するまでの枕の部分のエッセイの方が面白かったりして。

なんだか中途半端な読書になってしまいました。


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『鞄に本だけつめこんで』
- 2017/10/29(Sun) -
群ようこ 『鞄に本だけつめこんで』(新潮文庫)、読了。

エッセイ風ブックガイド。
文学少女だったという著者の紹介する本は、
古典や名作と呼ばれる作品が多く、少々敷居が高かったりしますが、
本の紹介が始まる前の、文学少女だった子供時代を振り返るくだりが
何とも面白いエッセイになっています。

そもそも、父親が売れない画家で仕事をしなかったことや、
母親が代わりに家計を支えていたこと、
著者自身は子供の頃から結婚したくないという思いを強く持っていたこと、
弟は女の子が好むような遊びが好きだったこと、
ちょっと変わった家族の姿が描かれています。

ガキ大将のような小学生時代を過ごしたのに、
中学校で周りの子どもたちが色気づき始めると、
それに影響されて髪の毛のスタイリングをしてみたり、
母の口紅を黙って借りてお化粧をしてみたり、
女の子らしいことにもチャレンジしようとします。
でも、必ず大きな失敗をして、すぐにガキ大将生活に戻っちゃいます。
このあたりの、子供心の描写が上手いです。

そして、働かない父や、そんな父と離婚しない母にいら立ちを覚えながらも、
でも、一緒に住む家族としての日々があり、
そこは案外良い思い出としてエッセイに書けるのも
著者が、その家族の様子を客観的に眺める視点を持っていたからなのかなと思います。

あと、弟が入院した時に著者が感じた弟への思いは、すごく共感できました。
生まれたときからずっと見ているので、成長の過程を知っている、
そこから湧き上がる親愛の情について、素直に書かれており、
本当にそうだなと、自分の弟のことを思いながら読みました。

視点と文才、両方を楽しめる良いエッセイです。


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『本取り虫』
- 2016/09/05(Mon) -
群ようこ 『本取り虫』(ちくま文庫)、読了。

又吉さんの本の本を読んだ流れで、
今度は群ようこさんの本の本を読んでみました。

又吉さんの本よりは、その本そのものの感想が
しっかりと書かれている印象です。
そして、著者がどれだけ本が好きかというのがヒシヒシと伝わってくるのは
両者に共通するところ。

古典から最新ヒット本まで
幅広くカバーしているのも同じです。

群さん、今まで読んだ本の印象と、
あと、なぜか辛酸なめ子さんとごっちゃになってしまっているところがあり、
かなり、ゆる~いジャンルの本だと思って買ってきてしまったのですが、
本作で認識を改めました。


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『アメリカ居すわり一人旅』
- 2016/03/31(Thu) -
群ようこ 『アメリカ居すわり一人旅』(角川文庫)、読了。

女子大学生が「アメリカに行きたい!」という一心で
貧乏暮らしをしてお金を溜め、留学でもインターンシップでもなく
ただただアメリカに居座るというエッセイ。

無目的にアメリカに渡って、数ヶ月ホテル暮らしをしてしまうという行動が
なんだかバブル期の日本人の浮かれ具合を表しているかのように
失われた10年世代の私は感じてしまいました。

アメリカでやっていたことと言えば、
ホテルに泊まり、ホテルの部屋と近所でぼーっと過ごし、
お金がなくなったら下着メーカーでサンプル試着のバイトをするという
正直、何の生産性もないような日々です。

そんな日々を、特に深く追求するわけでもなく、大きな不満を持つこともなく、
素直に受け入れて、時期が来たら帰国するというお話で、
深みはないですが、群ようこさん独特のユーモアがあり、サクサク読めます。

この読書から何を得るんだと言われると難しいですが、
あまり難しく考えずに、「アメリカに行きたい」と思ったら
お金を溜めて渡米してしまえばいいんだというシンプルな行動様式もあるんだということを
学んだような気がします。


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『小美代姐さん花乱万丈』
- 2015/08/13(Thu) -
群ようこ 『小美代姐さん花乱万丈』(集英社文庫)、読了。

売れっ子芸者の半生を描いた作品。
世間的に有名なモデルさんがいるのかと思ったのですが、どうやら著者の三味線の先生がモデルの様子。

そのような身近な人がモデルのせいか、それとも著者のキャラクターのせいか、
芸者世界を描いている割には、あまり色っぽさというか艶っぽさを感じさせません。
むしろ、腕一本で戦中戦後の混乱を生き抜いてきた女の一代記というような
力強さ、逞しさを感じさせてくれる作品です。

三味線のお稽古がなかなか身につかなくても、結婚した男が甲斐性なしでも、
ちょっと凹むだけで、すぐに前を向いて、ガンガン突き進んでいきます。
このケロッとしているところが、本作の明るさに繋がっている反面、
ちょっと掘りが浅いような印象も受けてしまいます。

ま、でも、何かにつけてクヨクヨよしている内向的な芸者さんでは、
座の華やかさは期待できないですね(苦笑)。
気持ちが切り替えられる人でないと、お客様を楽しませるという仕事を全うすることは
難しいのかもしれませんね。

昭和の芸者さんの世界という、最後の世代が作った世界を垣間見られたのも
面白かったです。


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