『萩・津和野・山口殺人ライン』
- 2018/06/01(Fri) -
西村京太郎 『萩・津和野・山口殺人ライン』(徳間ノベルズ)、読了。

何だか仕事が異様な立て混み具合で、
バタバタした日々を送っています。
というわけで、本を読む時間が寝る前ぐらいしかなく・・・・・。
本作ならパパっと読めるかな?と思って手に取ったのに、
結局、3日ぐらいかかってしまいました。

そういう、邪念が入った状態で選本したせいか、内容は全然ノレず・・・・でした。

とある殺人事件で、
犯人が持っていた6名の名前が載ったリスト。
その先頭に書かれていた人物が殺され、犯人の服役後に、2人目が殺された!

・・・・・・って、なんで最初の捜査の時に6名をしっかり確認しないのよ!?
この事件に関しては、この疑問が全てでした。
警察の力を持ってすれば、戸籍で検索をかけるローラー作戦で絞り込めるでしょうに。

しかも、この6名が関与して法人組織まで作ってたというのですから、
なぜ当時、他の5人が「どこの誰か分からない」という結論で捜査が終わっていたのか意味不明。

そして、服役後に起きる事件に関しても、
ただ1人ずつ殺されていくだけで、そこにはトリックも人間描写もなく、
ただただ人が死んでいくだけです。

高杉晋作について書きたかったのでしょうけれど、
こんな事件とセットでは、全然、晋作の魅力が伝わってきませんでした。


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西村京太郎

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『つばさ111号の殺人』
- 2018/04/26(Thu) -
西村京太郎 『つばさ111号の殺人』(光文社文庫)、読了。

息抜きに十津川警部。

とある殺人事件の目撃者として裁判で証言した5人の男女。
事件から2年が経った頃、1人が事故死、1人が自殺、そして1人が行方不明に。
何らかの関係があると見て、十津川警部が捜査に動き出す。

前半は、どんどん事態が展開していき、
そのテンポの良さにぐいぐい読ませてくれました。

ところが、登場人物たちが出尽くしてしまうと、
中盤で一気に進捗が無くなり、中だるみの状態へ。
なんだか同じことをくどくど整理しているようで、全く進みません。

が、急に十津川警部の推理というか空想が発動して、
終盤は、その空想に沿って一気に犯人を追い詰めていきます。

うーん、リアリティがない。
事件の真相や動機も腑に落ちないですが、
そこは、まあ異常な思考を持った人の行動だとしたとしても、
捜査の進め方に何もロジカルな点がないところが、どうにも辛いです。

せっかく序盤は面白かったのになぁ。
残念。


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西村 京太郎

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『特急ワイドビューひだに乗り損ねた男』
- 2018/03/17(Sat) -
西村京太郎 『特急ワイドビューひだに乗り損ねた男』(カッパノベルズ)、読了。

なんにもやる気が出ないわぁ・・・・・ということで
十津川警部に逃げ込んでおります。

本作は、飛騨・高山出身の男が床下から白骨死体になって見つかった事件がきっかけで
高山を地盤とする政治家を巻き込んだ事件に発展していきます。

かなりドロドロとした政治の世界が展開しますが、
30億円という巨額のお金の生み出し方が
高山という場所を活かした仕組みになっていて、
ナルホドなぁと思ってしまいました。

政治家が雇っている秘書たちの中に、
詐欺師みたいなものやチンピラみたいなものが混じってて、
こんなのを足下に抱えてたらボロが出ちゃうだろうに・・・・・と思いますが、
でも、そういうダーティな人材も必要な世界ということなのでしょうね。

たまたま売れ残りの中古住宅が買われ、さらに床のリフォームということが
行われたから白骨死体が見つかり、そこから芋づる式に
何人もの殺人事件が明らかになったわけですが
そういう偶然がなかったら、行方不明者なり事故死者として扱われていたといことであり、
政治の世界って、怖いわぁ。


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『宮島・伝説の愛と死』
- 2018/03/16(Fri) -
西村京太郎 『宮島・伝説の愛と死』(新潮文庫)、読了。

息抜きに十津川警部。

本作では、殺された主婦の息子の目線で話が展開していき、
これまで読んだ十津川警部シリーズとは何だかちょっと印象が違いました。

この大学生の息子、彼女?にせっつかれて
殺された理由が掴めるかもしれないと、宮島まで2人で出かけてみるのですが、
おいおい、そんな行き当たりばったりな行動で調査してるつもりかい?てな感じ。

ところが、偶然にもトラブルに巻き込まれ、
それが母の過去と繋がる出来事だったという僥倖。
しかも、その場面に十津川警部が密かに送った刑事も居合わせるという
「なんだ、その都合の良い展開は~!」(苦笑)。

まぁ、過去に読んだ作品でも、似たり寄ったりのご都合主義なので、
このシリーズは、そんなものなのかもしれませんね。

と、批判ばかり書き連ねてしまいましたが、
なぜか本作は面白く感じたんですよねー。

一つは、殺人の動機を知りたいという部分、
そしてもう一つは、宮島という土地の特殊性。

前者は、正直、こんな動機があるのかいな?しかも21年越しに・・・・というもので
あまり納得感はなかったですが、
後者の方は、観光地に生きる人々の姿が、興味深かったです。

トラベルミステリーとは、結局、そういう市井を描いている部分を
楽しむべき作品なのかもしれませんね。


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『殺しの双曲線』
- 2018/02/18(Sun) -
西村京太郎 『殺しの双曲線』(講談社文庫)、読了。

先日読んだ『ミステリアス学園』で、傑作として紹介されていた本作。
そう言えば、積読状態だったなぁ・・・・・と思い出し、早速本の山の中から取り出してみました。

2つの物語が同時並行で進んでいきます。
一つは東京で起きた連続強盗事件。犯人は堂々と顔を見せて犯行に及びますが、
双子の兄弟ということで、どちらが犯行に及んだのか特定できないために
逮捕ができないというジレンマに。
もう一つは、東北の山荘から招待状が届き、正月休みに旅行に参加した6人の男女が
雪の山荘に閉じ込められ、そして1人ずつが死んでいくという異常事態発生。

この2つのストーリーが交互に語られていくのですが、
一体どこで繋がるのだろうか、もしかすると時間軸がズレているのかなとか
いろいろ考えながら読みましたが、結局、真相にたどり着けませんでした(苦笑)。

なるほどね。

犯人が使った逃走トリックは上手いと思いました。
あんまり無理がないので。

でも、やっぱり、殺人の手法に関しては疑問がいっぱい。
そもそも招待状一通で雪深い山荘に呼び出すとか、
無理があると思いませんか?
それで招待された6人ともが参加するなんて、
みんな警戒心なさすぎだし、年末年始が暇すぎるだろうと(苦笑)。

で、1人殺しては復讐の旨を書いたカードを現場に残すとか、
そんなことする人、いないと思うんですよね。
このカードによって、なぜ自分たちが殺されなければいけないのか気づいて
改心するとか、反省するとか、そういう心理になるならまだわかりますが、
誰1人として、なぜ復讐されているのか気づいていないので、無意味かと。

このあたりが、私が本格推理小説好きになれない理由です。
そして、『ミステリアス学園』内で、アンチ本格派が主張していた理屈に
大きくうなずいたのも、そういう理由です。

なぞなぞ、クイズを小説仕立てにしました・・・・・という感じが
どうにも拭えないので、苦手なのだろうなと思います。
ま、でも、一応、傑作とされるものについては
これからも読んでいこうかと思っていますが。

そして、サブストーリーの方の、双子による強盗事件。
これって、この作品の通りに実行したら、本当に逮捕されないのでしょうか?
まあ、2人のうちの1人が犯人というところまで特定されてしまうので、
数件しか犯行は出来ないとは思いますが、実行可能なのでしょうか?


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『十津川警部 赤と白のメロディ』
- 2018/01/25(Thu) -
西村京太郎 『赤と白のメロディ』(ジョイノベルス)、読了。

お客様からいただいた本。気分転換に。

法務大臣の娘が行方不明に。
警察が自宅マンションを捜索すると、
行方不明後に置かれたPCの画面に不思議なメッセージが・・・・・。

というわけで、十津川警部が秘密裏に捜査を開始するのですが
メッセージに導かれて行った長野県飯島町の歴史の話と
首相の献金問題で揺れる国政の状況の描写が続くだけで、
一向に事件の捜査は進まず。

首相が国会で献金疑惑を追及されている様子は、
何となく今の森・加計問題を想起しますし、
その後に出てくる憲法改正の議論なんて
現在真っ只中の時事ネタなので、
「え、西村センセ、安部政権を先読み!?」と驚きました。

しかし、途中で検察審査会が登場し、
「あれ、小沢さん??」となったところで、
ああ、これは民主党政権批判の作品なのか・・・・・と納得しながら、なぜかガッカリ。

2010年の国民投票法の施行や、
民主党党首のお金の問題などに着想を得た作品なんでしょうね。

興味を持った政治ネタの方は、私的には不発で終わり(爆)、
肝心の事件の方も、結局、行方不明事件は何だったんだ??という程度の尻すぼみ感。

法務大臣の指揮権発動の権限と、首相との盟友関係という
お友だち内閣の話で終わってしまい、
そこには青臭い十津川警部が居るという・・・・・。

うーん、こんな内容では消化不良ですわ。


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『十津川警部 愛と祈りのJR見延線』
- 2017/07/21(Fri) -
西村京太郎 『十津川警部 愛と祈りのJR見延線』(集英社文庫)、読了。

気分展開にお気軽ミステリー。

資産家のおばが見延山旅行中に消息不明に。
旅程を組み同行した旅行会社の社員は、実は在籍していなかった・・・・・・

って、もう、この時点で警察に相談するレベルな気がしますが、
なぜか甥は数日間放置。

一方で、叔母の旅行期間中に自らも仕事の合間に見延線に乗ってみて、
たまたま入った駅前の喫茶店のマスターに「変わった事件があったら知らせてください」と
名刺を置いていきます。

この時点では、おばさんが何か事件に巻き込まれたような気配はないのに、
なぜ、赤の他人のマスターに、こんな変なことを頼むの?

というわけで、ストーリー展開には物凄く違和感を覚えましたが、
舞台となる新興宗教の秘密の儀式「ポストマン」は、興味深いものでした。

重病に冒されるなどして、間もなく命が尽きる身寄りのない人に最期の良い思い出を提供し、
代わりに、あの世の世界にいる故人へのメッセージを託す。
メッセージが伝われば、故人が夢に出てきて御礼を言うという、
なんとも、悩める人間の心理状態を上手く手玉に取った詐欺の手口。

でも、死んでいく人も幸せ、メッセージを託す人も幸せになるという
一見、誰も不幸を感じないやり口がお見事。

この仕組みを考えた教団関係者は凄いなぁ・・・・と素直に思いましたが、
しかし、死期をコントロールするために薬で安楽死させたら、
日本では殺人罪でしょうに。
しかも、本作の捜査関係者は、誰もそこに突っ込まないという(爆)。

捜査の発端はホテルで死んだ男かもしれませんが、
下手したら新興宗教団体による安楽死という名の連続殺人事件の可能性もあるわけで、
警察だったら、そこに食いつきなさいよ!と思わずにはいられない変な展開。

新興宗教を扱った小説としては面白かったですが、
ミステリーとしては、何だかモヤモヤの募る読書でした。


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『飯田線・愛と死の旋律』
- 2017/05/23(Tue) -
西村京太郎 『飯田線・愛と死の旋律』(集英社文庫)、読了。

息抜きに十津川警部をば。

国土交通省(と思われるK省)の部長が帰宅途中に撲られ意識不明に陥る。
航空事故調査委員会の結論に強硬に反対していた部長は、
当該事故を起こした航空会社に命を狙われたのではないかと噂され・・・・。

というようにまとめると、社会派事件のような期待感を持ちますが、
被害者部長の意識を取り戻すべく、奥様が耳元でオルゴールで思い出の歌を聞かせて
必死に看病を続けるという夫婦愛の話に重きが置かれていて、
社会派サスペンスとしては掘りが浅かったです。

事故調査委員会と国策融資という興味深いテーマは、
上手く料理できれば重厚な作品になり得ただけに勿体ない!


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『ミステリー列車が消えた』
- 2017/03/08(Wed) -
西村京太郎 『ミステリー列車が消えた』(新潮文庫)、読了。

国鉄が企画した行き先不明の「ミステリー列車」。
相当な倍率の抽選を経て乗車できた400人の乗客は、
いつも間にか列車ごと行方不明になっていた・・・・・。

鉄道ミステリーを得意とする著者らしく、
ミステリー列車という企画モノの設定が事件に与える制約が面白く、
また、誘拐事件の犯行計画の組み立てなど、
「そんなことが可能なのか!」というマニアックな視点が活かされており、
プロットは面白かったです。

しかし、警察側の捜査体制があまりにリアリティがなく、
エンタメ性というか、十津川警部のスーパーマンぶりを誇示するために
荒唐無稽な推理小説になってしまった感があります。

400人もの乗客が行方不明になり、国鉄の総裁さえ巻き込んだ騒動になっているのに、
警察側も国鉄側も事件解決に投入されている人員は数名。
日本社会において最も統制のとれた組織の一つであろう警察と鉄道。
この2つが組み合わさりながら、個人プレーで解決しようとする設定は
キャラクタ・シリーズものの限界を覚えずにはいられません。

そして、捜査の進め方や推理の展開1つ1つにしても、疑問が。
ミステリ列車が行方不明になったことを隠ぺいするために
旅程が急遽1日延長されたと家族たちに発表したり、
川であがった死体の額に帽子の日焼け跡があっただけで鉄道マンだと判断したり、
民間飛行機の追跡を自衛隊に頼んだり。
そりゃぁ、ないでしょうに・・・・・。

エンタメ性を追求しすぎて、荒唐無稽さが目についてしまいました。

あと、現在の運行管理情報が細かく把握されている仕組みのもとでは、
このような犯行は不可能でしょうから、あくまで昭和の時代のお話というか、
もしかすると、私よりも若い世代の人たちは、もうこのようなアナログ社会を
想像できないのではないかと思ってしまいました。


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『びわ湖環状線に死す』
- 2016/11/04(Fri) -
西村京太郎 『びわ湖環状線に死す』(光文社文庫)、読了。

東京で末期の病状のホームレスを収容する施設で
老人が1人死んだ。
遺族を探し、数少ない遺品を手渡そうと職員が滋賀県に向かうが、
その道中で1人死に、2人死に・・・・。

舞台設定は現代風で面白いと思いました。
滋賀県に移ってからも、質屋が登場したり、地元企業の社長が登場したり、
話が大きくなっていく感じがあり、ワクワクしたのですが、
ページを進むにつれて、新事実の発見が間遠くなり、
なんだか物語のスピードがペースダウン。

そして、「あと数ページしかないのに、会議室で捜査方針を検討してて解決できるの?」
と思っていたら、まさかの展開であっけなく幕切れ。

え?って感じでした。


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