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『ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した』
- 2020/09/22(Tue) -
林信行 『ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した』(青春新書インテリジェンス)、読了。

ジョブズの本は何冊か読みましたが、
何冊読んでも、アップル社ってやっぱり興味深い組織ですよねー。

ジョブズ個人にはそんなに興味ないんですよ。
あまりにカリスマ性が突出しすぎてて、学ぶべきとっかかりが見つからないと言いますか。
逆に、アップル社という組織をどうやって作り上げたのかが気になります。
「カリスマに従う信者」というだけでは優秀な社員が集まることも、その能力を十分に発揮することも
難しいように思います。
しかも、かなり大きな組織に成長した後も、組織としての一体感を持っているのはすごいなと。

本作を読むと、いわゆる精鋭選抜のAチームと呼ばれる部分が肝で、
そこをジョブズが直接指導して、残りの従業員は、そのAチームに入るための熾烈な競争に
集中させるという感じでしょうかね。
ある種、ブラックな人間の使い方のように思えますが、
それに耐えうる人材を集めてるし、集まった側も自分はそんなにヤワじゃないと自信があるから
こういう運営ができるんでしょうね。

ジョブズ自身が商品を発明したのではなく、
ジョブズは、人間社会にどういう技術を提供したら社会が変わるのかという仮説を立てて
その仮説に基づいて従業員に技術を作り上げさせる手腕に富んでいたということがよくわかり
面白い本でした。

また、「5階層のシナリオ」として紹介されていた考え方も、
やっぱりモノゴトの順番って大事だよなぁと納得。
組織を仕組み化すること、また思考を仕組み化すること、
その重要性を感覚的に最も会得していたリーダーだったんだろうなと思います。




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『僕がアップルで学んだこと』
- 2019/02/23(Sat) -
松井博 『僕がアップルで学んだこと』(アスキー新書)、読了。

アップル日本法人をスタートに、アップル本社でも働いたという著者が
アップル時代を振り返って書く、サラリーマンの心得。

スティーブ・ジョブズが神格化されてしまった今、
アップルの社風とか持ち上げられている感があるのですが、
超ブラック企業ですよね(爆)。

わたくし、以前、アップルの方々とお仕事したことがあるのですが、
よくまぁ、こんなに働けるなぁと思うほどの労働時間、ハードワーク。
それで、厳しい要求にきちんと答えていく能力が凄いと思いました。

そんなアップルも、ジョブズ復帰前はダメダメ企業だったわけですし、
復帰後もジョブズの恐怖政治があったわけで、必ずしも良い企業かというと
そうではないと思います。

著者は、中に居たとはいえ、結構、辛辣にアップル社を見ていると思います。
ジョブズ前のダメなところはダメだと書き、ジョブズの統治方法は恐怖政治と書いています。
それでいて、どうやってダメダメな状況から世界を牽引する企業に復活したか
そのあたりを、製品とか技術とかに依らず、
組織論的な部分でわかりやすく解説しており、勉強になりました。

アップル社のことを包み隠さず、日本人的な目で見ているだけでなく、
自分自身のことも、アップル社をレイオフされたと素直に書いており、
隠したり誤魔化したりしないところが誠実だなと感じました。

本作はちょっとお上品にまとまってしまった感もあるので、
もっとゴリゴリのアップルの社風に迫ったレポートも読んでみたいなと思いました。




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『スティーブ・ジョブズ』
- 2018/01/09(Tue) -
ウォルター・アイザックソン 『スティーブ・ジョブズ』(講談社)、読了。

ようやく100円で見つけられたので買ってきました。
ジョブズ本人が伝記を書くことを許可し、
3年間にわたって取材してきた著者、渾身の作品です。

実は、Apple社と仕事をしたことがあり、
1年間ほど先方の社員さんと向き合う立場に居ました。
そのとき感じたのは、自社製品に対する思い入れ、
特にまだ形になっていない未来の製品に対する自信というものが漲ってました。
「俺たちは必ず作り上げるが、お前たちは出来るか?」という問いを
常に突き付けられる感じで、緊張感のある取引先でした。

その頃は、すでにジョブズはこの世にはいませんでしたが、
この本を読んで、彼のDNAというものが、残された社員にしっかり引き継がれているんだなと
いうことが良く分かりました。

美や機能を追求する一面と、
他人を思いやらない自己中心的な一面が
同居しているのだか、二重人格のようなんだか、
1人の頭の中でどうなっているのか最後まで分からなかったのですが、
結局、そこがジョブズらしさということなのでしょうかね。

「シンプルこそが最高の洗練」という考え方は、私もすごく共感できます。
デザインという面でも使いやすいですし、使い方が直感的に分かります。
そして、無駄がないのは気持ち良いです。

周りに当たり散らすというのも、
自分のやりたいところに向かって一直線で突っ込んでいくという
シンプルさの表れなのでしょうかね。
こんなトップが居たら、自分はついていけたでしょうか・・・・・。
意外と現実歪曲空間や熱量に飲み込まれて、何も考えずについていくようになるのかも。

この人は、組織のトップとして何が凄かったのかということを考えたときに、
クリエイターとしては、上述したようなポイントがあげられると思いますが、
経営者としては、堂々と真正面から失敗するところかなと感じました。

「俺はこれが正しいと思う」とはっきり宣言し、反対者もなぎ倒し、
堂々とやり通して、製品は良くても事業的には失敗する。
この姿勢が、成功しようがしまいが、自分の信念から逃げない人だということが
全ての人に明白に伝わることにより、経営者としてはともかく、
クリエイターとしては信頼されることになったのかなと思います。

よきサポート役がついているかどうかに、
事業としての成功がかかっているのでしょうね。
やっぱり、ティム・クックが後継者として上手くやっていけているのは、
ジョブズを上手くサポートしたという実績と、彼そのものの経営者としての実力が
両方認められたからなんでしょうね。

最後の最後、ジョブズが繰り返し語ったという、彼が後世に残したいことが綴られていますが、
この文章はすんなりと頭に入ってきました。
このように文章化できるというのは、自分の中で哲学として整理されているからだと思います。
自分の人生や仕事、社会における役割に真剣に向き合ってきた人だからこそ、
出来上がった文章なのかなと。

人間の可能性というものの、良い勉強になりました。

濃厚な本だったので、読み通すのに年末から10日間ぐらいかかりました。
年納め&年の始まりに良い読書体験でした。


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『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』
- 2016/06/30(Thu) -
カーマイン・ガロ 『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』(日経BP)、読了。

大ヒット本でございます。
実は来月、結構重たいプレゼンを銀行マンを前に行うことになり、
心を落ち着かせるために(苦笑)、本作を読んでみました。

もちろん、ジョブズのようなプレゼンを夢見ているわけではなく、
演出たっぷりな部分をそぎ落とした、プレゼンの基本の部分を学びたかったのです。

その点、本作では、具体的なジョブズのプレゼンをふんだんに材料に使いながら、
しかし、1つ1つの構成要素や役割に分解して解説してくれるので
非常にわかりやすかったです。

そのため、同じプレゼンにおける同じフレーズが
事例として何度も登場することになりますが、
逆に、このシンプルな一文に、それだけの意味や役割が込められているのかと驚く次第です。

この本を読むまで、自分のプレゼンは、
何を質問されても大丈夫なように情報モリモリで行こうかと思ってたのですが、
本作を通して、情報過多は自分で制御できなさそうだと気づいたので、
シンプルな本文にして、あとは資料編に回そうかと考えなおしました。

プレゼン頑張ります!


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『スティーブ・ジョブス 世界を変えた言葉』
- 2016/02/12(Fri) -
アラン・ケン・トーマス 『スティーブ・ジョブス 世界を変えた言葉』(イースト・プレス)、読了。

ジョブズの言葉を紹介した本。

解説も何もなく、ただ抜粋して紹介した本。

確かに、解説抜きに理解できるけれども。

解説がないほうがストレートに伝わって良いような気もするけど。

でも、それで「著者」って言われると、なんだか違和感。


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『1分間スティーブ・ジョブズ』
- 2014/10/07(Tue) -
桑原晃弥 『1分間スティーブ・ジョブズ』(ソフトバンククリエイティブ)、読了。

またまた1分間で読める本。
同じシリーズなのかしら?表紙の印象は違うけど・・・・。

スティーブ・ジョブズの発言を見開き2ページで紹介しています。

ただ、以前に、ジョブズの人となりを描いた本を読み、
ポジティブな面とともに、ネガティブな面というか、ダークサイド的な(苦笑)面を知ってしまったので、
本作で描かれているスティーブ・ジョブズは、片面しか見えないというか、
むしろ鬼神的な側面を隠してしまっていて、味気ないと感じてしまいました。

ジョブズという人は、確かに信念と行動力の塊のような人ですが、
決して、きれいに整理された人物なのではなく、
むしろ、自分の混沌としたキャラクターの中から、
突如としてパッションを噴出させるところに、面白さがあるのではないかと思います。

もう少し、骨のある本で、ジョブズのことは読んでみたいですね。


1分間スティーブ・ジョブズ 人生に革命を起こす77の原則 (1分間シリーズ)1分間スティーブ・ジョブズ 人生に革命を起こす77の原則 (1分間シリーズ)
桑原 晃弥

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『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』
- 2014/08/05(Tue) -
竹内一正 『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』(アステ新書)、読了。

ジョブズが亡くなった後に大量に出版された本の1つかと思っていたら、
初版は2007年、ガンの闘病から一度復活した頃でした。

私自身が、亡くなった後のあのブームの際にジョブズ関連の本を読まなかったこともあり、
本作で紹介されていたエピソードの1つ1つは新鮮で、面白く読みました。

天才としての面だけでなく、ジョブズの破天荒な行動も多数紹介し、
その奇人、もしくは鬼人ぶりによって、さらにジョブズの異彩さを強調するという演出です。

ただ、エピソードを並べているだけで、
全編を通して立ち上がってくるジョブズ像というものが無いのは残念。

本作では、「交渉力」の中でも、特に「行動」に関する要素に着目しています。
もう一つのジョブズの特徴である「言葉」については、
あまりスポットが当たっていないので、
次は、「ジョブズの言葉」に着目した本を読んでみたいですね。


スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)
竹内 一正

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