『せいめいのはなし』
- 2016/02/02(Tue) -
福岡伸一 『せいめいのはなし』(新潮文庫)、読了。

福岡センセと異分野の専門家との対談ですが、
「動的平衡」という概念を、それぞれの専門分野に置き換えて解説してくれるので
頭にすっと入ってきましたし、また、基本的な概念はどんな分野にでも応用できるということが
実感できる面白い読書でした。
(そういうパターン認識ことが人間の特徴であり、落とし穴でもあると福岡先生に指摘されそうですが・・・・)

対談相手が、養老先生は王道ですが、
内田樹(哲学者)、川上弘美(小説家)、朝吹真理子(小説家)と別世界だったので、
その学際的なアプローチが面白かったです。

特に内田センセとの対談。
生物学における「動的平衡」の概念が、人間の経済活動にも適用できるというので、
「グルグル回す仕組み」について解説されているのですが、
まるで一つの生命体のように経済活動を捉える視点が興味深かったです。

様々な構造を都合よくパターン認識しているだけなのかもしれませんが、
しかし、そういう見方もできるということ自体が面白いなと。
異なる分野が次元を超えて繋がっていく様子には、純粋に知的興奮を覚えます。

内田先生の話を聞いて、ES細胞の働きがイメージできるようになるだなんて、
不思議な経験です(笑)。


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『生物と無生物のあいだ』
- 2015/04/19(Sun) -
福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、読了。

やっぱり福岡センセの文章は、リズム感が心地よいですねぇ♪

そこに、最前線の生物学の研究成果と、生物とは何かというような哲学的な問いと
科学者としての倫理観のようなものとが絡み合い、非常に興味深い内容になっています。

冒頭の野口英世の業績についての話は、驚きました。
その業績の数々が、ひっくり返されているとは・・・・・。
日本人は、幼児の頃のやけどの話を聞いてしまっているので、
英雄化のバイアスが余計にかかってしまっているのでしょうね。

そして、生物と無生物は何が違うのか・・・・という本題の話。
ウィルスって、会話でも普通に使っているのに、自分は何も知らなかったことに気づきました。
細菌と同じように生物だと思っていたのですが、細胞を持たないのですね。
なるほどぉ。

日常生活で目に見えるものは、瞬時に生物か無生物かを判断していますが、
確かに、何をもって判断しているのかと問われると、難しいところです。
自動車を無生物と判断し、花粉を生物と判断し、AIBOを無生物と判断する。
これは結局、知識でもって判断をしているだけなのでしょうかね。

「自己生成システム」という観点は、なるほどねぇと、これまた納得。
それだけだと、ウィルスの扱いが難しいようですが、
しかし、私は、社会学の「再生産」の観点や、生物学の「利己的な遺伝子」の観点に興味があるので、
この指標は面白いなと感じました。

いろんな分野の概念が繋がっていくことも、学問の面白さですね。


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『世界は分けてもわからない』
- 2014/07/26(Sat) -
福岡伸一 『世界は分けてもわからない』(講談社現代新書)、読了。

福岡センセの本はお初でございます。

タイトルから、社会科学的なテーマを扱っているのかと思って買ってきたのですが、
のっけからアミノ酸のお話で、かなり自然科学的な、
当然のことながら先生の専門の生化学のお話が詰まってました。

しかし、印象に残ったのは、文章そのもの。
不思議なリズムを持っており、その人文学的な香りに惹かれました。

お話のネタとしては、「Map Lover VS Map Hater」の分類が
非常に興味深かかったです。
ジグソーパルズを用いての解説が分かりやすく、
その思考方法の違いや、成果への到達プロセスの違いなど
いろいろな場面で適用できそうだなと感じました。

最後に、ラッカー研究室で起きた実験データ捏造の「スペクター事件」について
数章を使って詳細に述べられていますが、
この時期ですと、どうしても例の騒動に意識が向かってしまいます。
ラッカー教授は自分の研究室で起きた事件を収拾すべく様々な手を打ったようですが、
さてさて、理研や早稲田大学は、上手くケリを着けられますでしょうかねぇ。


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