『16歳の教科書』
- 2016/07/05(Tue) -
7人の特別講義プロジェクト&モーニング編集部 『16歳の教科書』(講談社)、読了。

「ドラゴン桜公式副読本」という名前が付いていますが、
名義貸しみたいなもので、内容は識者へのインタビューです。
(私が『ドラゴン桜』を読んだことがないから演出を気づかないだけかもしれませんが・・・・)

金田一秀穂先生、竹内薫先生、藤原和博先生と、
有名どころをそろえていて、なかなか面白いインタビュー集でした。

なぜ勉強すべきなのかに加えて、どのように勉強すべきかが述べられており、
各分野で実績を残している先生方の勉強理論が垣間見えて、興味深いです。

特に印象に残ったのは、金田一先生の国語。
現在の国語教育は、感情を表現することに重きを置いているが、
まず文章とは正確に書けることが大事なんだという指摘は、目から鱗。
確かに、正確に書こうとする姿勢は、事実を客観的に把握しようという姿勢に繋がりますし、
また、なぜ自分がそのように感じたのか、冷静に分析する視点を持つことになります。
さらには、自分がどう感じているのかを深堀りするという作業も必要になります。

国語の問題は、学生生活の最後まで、自分なりの解き方というような
テクニックを身に付けられた感覚がなかったのですが、
小説よりも説明文の方が得意でした。
客観的に分析する視点というものを、もっと意識して導入すれば、
小説の問題も解けるようになったのかなぁ?


ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~
7人の特別講義プロジェクト 金田一 秀穂 鍵本 聡 高濱 正伸 大西 泰斗 竹内 薫 藤原 和博 石井 裕之 モーニング編集部

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『お金じゃ買えない。』
- 2015/09/25(Fri) -
藤原和博 『お金じゃ買えない。』(ちくま文庫)、通読。

シリーズタイトルが「よのなかの歩き方」となっているので、
若い人たちに向けた啓蒙書なのかなと思って手に取ったのですが、
自分の若かりし頃を振り返った日記のようで、イマイチでした。

そこから何か抽象化されて啓発の言葉が発されているならともかく、
なんだか、バブル臭プンプンで、おかしな時代を楽しく生きた人が
反省している振りして、そこそこ自慢げに語っているような姿勢が見え隠れして、
鼻につく感じでした。
少なくとも、下の世代から見ると、そう見えるように思います。

著者と同世代の人たちには、受け入れられる内容なのでしょうかね。

タイトルに反して、私には、
バブル期に稼いだお金で散在した記録を読んでいるような心持ちになってしまいました。

残念。


お金じゃ買えない。―[よのなか]の歩き方〈1〉   ちくま文庫お金じゃ買えない。―[よのなか]の歩き方〈1〉 ちくま文庫
藤原 和博

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『よのなか教科書 国語』
- 2015/07/22(Wed) -
藤原和博 『よのなか教科書 国語』(新潮社)、読了。

最初、藤原氏の名前が目に止まって手に取ったら、
重松清氏と橋本治氏の名前もあって、
「なんだ、この組み合わせは!?」と思って買ってしまいました。

第1章では、品川の女子中学を舞台に、
国語の先生が重松氏の作品を題材に使って、子供たちに表現方法を教える授業です。

知的レベルが相応に高い学校のようで、生徒たちの反応は柔軟でスピーディです。
そこを子供たちの頭の柔らかさと捉えるか、
先生の求める答えに近づくテクニックが高いと捉えるかは人それぞれだと思いますが、
私は、ちょっと、子供たちの回答が「知識」とか「勉強」とか「学習」とかの観点に
寄っているのが気になりました。

それでも、先生の目を意識していたとしても、授業の後半で上がってくる答えの数々は、
面白いものが多くて、先生、生徒ともに、さすが!と感じ入りました。

この授業を経て、先生の誘導なしに
自分自身の力で、世の中を解釈できるようになっていれば本物だと思います。
(という上から目線の私は、中学生時代にこんな視点は持てていなかったですが・苦笑)

第2章は、思考方法ということえ、さらに授業は奥へと入っていきます。

生徒たちの反応が一層興味深くなる一方で、
途中で挿入される重松氏の作品の断片を読むと、改めて、その完成度の高さに圧倒されます。

その感動をもって第3章に突入すると、
橋本センセの古典の話になり、女子中学生たちが紙面から消えてしまうため、
一気に華がなくなった印象です(苦笑)。

普通に読めば相応に興味深い内容になっていると思うのですが、
なにぶん、構成上の分が悪いです。
なんで、こんなにアンバランスな一冊になってしまったのか・・・・・。

最後が残念な印象になってしまいました。


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『リクルートという奇跡』
- 2013/09/29(Sun) -
藤原和博 『リクルートという奇跡』(文藝春秋)、読了。

「自己決定できるサラリーマンになれ」という帯のメッセージに惹かれて買ってきました。

リクルートに入社し、会社の成長をまさに中心で支えた幹部社員が語る、
リクルートの成長、リクルート事件、リクルートの失敗、
そして何よりも、「リクルートマンシップ」。

本作は、藤原和博というスター性のあるエース級人材の話ではありますが、
その周囲にいる人材や、後ろに続く人材も当然優秀な人が揃っているだろうと
予想させるに十分な、リクルートという会社の持つエネルギーを感じられます。

目の前のミッションを成功させるにはどうすれば良いかを入念に考え、
可能なことは全て挑戦してみて、
失敗すれば、なぜ失敗したのかを考えて次に活かす。
PDCAサイクルと言ってしまえばそれまでなのですが、
それを貫徹するエネルギーを組織および個人のそれぞれのレベルで持っていることが凄い。

自分の仕事のことを、夢と同列で語れる人のパワーと軸の強さを
しかと感じられる内容で、ワクワクしました。

後半は、リクルート事件やダイエー傘下に取り込まれる過程が
社内にいた人間の目で書かれており、
こちらは、単純に読み物として興味深かったです。

人物評や、ターニングポイントとなった出来事の分析は、
なるほどなぁと思わせる視点があり、大局を捉えることの大事さが分かりました。

リクルートのフェロー契約が切れた後に、東京都の学校の校長になったとの記述が
最後に出てきましたが、読み終わった後に調べてみたら、
「夜スぺ」などで有名な杉並区の和田中学校の校長先生とは、この人だったんですね!
勉強不足でお恥ずかしい。
本質が見抜ける人は、何に取り組んでも、「やるべきこと」がつかめ、
それを実現するために「どうやったら周囲を巻き込んでムーブメントにするか」が、
描けるんだなあと納得。

ちょっと残念だったのは、この本が発表された当時の河野栄子社長に向けた
退任を求める文章に一部、社内の人にしか分からないような言い回しがあり、
やや一般読者は置いてきぼり感。
河野社長自身の実績が本文に登場しないので、ますます唐突感を覚えました。


リクルートという奇跡リクルートという奇跡
藤原 和博

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