『おはん』
- 2015/12/18(Fri) -
宇野千代 『おはん』(新潮文庫)、読了。

昭和文学の名作ということでチャレンジ。

嫁を捨てて芸子に走った男。
その男と嫁が、偶然、橋の上で再会するシーンから始まります。

男の一人語りで綴られる物語は、
2人の女の間でふらふらする男に相応しい滑らかな一面ふにゃふにゃした言葉のリズムで、
するすると読めてしまいます。

自分が捨てた息子への愛情を示しながらも、どこか表面的で軽薄。
息子への愛情を覚えた自分自身が好き・・・・・みたいな。

冷静に読むと、ダメ男の心情話なのですが、
リズムに乗って読めてしまうところが、名著のゆえんでしょうか。

内容的に、そこまでのめりこむことはできませんでしたが、
文学の香りを感じることはできましたかね。


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『生きて行く私』
- 2013/06/10(Mon) -
宇野千代 『生きて行く私』(角川文庫)、読了。

先日読んだ日記集での宇野千代作品が面白く、
さっそく自伝を読んでみました。

正直、どんな作品を書いた作家なのか、
どんな活動をした人なのか、全く予備知識がない状態だったのですが、
まさかこんなに波乱万丈の人生とは!
しかも、それを、こんなに赤裸々に書き記すとは!

前半などは、男性諸氏との恋愛、駆け落ち、破綻、離別を描いているといっても良いほど
「気が付いたら出かけた先に滞在しっぱなしになって新たな生活が始まっていた」
という、何とも言い難い人生の転換を何度も起こしているのですが、
それを読んでも嫌な気持ちになることはなく、
なんとアッパレな!と思えてしまうのは、著者のキャラクターか、それとも文章力か。

少なくとも、すべて実名で記されている(と思われる)ことから、
隠そう、取り繕おうというような意図がなく、
ドロドロとした変な気配を感じさせないというところはあると思います。
あとは、男性諸氏に対する恨み辛みがほとんど書かれていないことに依るのでしょうかね。
その寛容さは、それこそ健忘症か痴呆症かと思えてしまうほど。
良いことだけを覚えている脳のようであります。

著者の行動力には、驚嘆するとともに、
自分が身近なところにいたら、結構な迷惑ぶりだろうな・・・と思うところもありましたが、
芸術家のバイタリティを本作に見たように思いました。



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『書くに値する毎日』
- 2013/05/31(Fri) -
つかこうへい選 『書くに値する毎日』(集英社文庫)、読了。

有名作家の日記を集めた一冊。

作家が書く日記とはどんなものなのだろうかと興味津々だったのですが、
途中で、日記とは一体何なのかが分からなくなってしまいました。

「自分の日常を綴った詩的な文章」ぐらいに捉えていたので、
作家が読者を想定して書いたものは「日記」なのだろうか?と疑問がふつふつ。
それってエッセイと何が違うのでしょうか?

さらには、作家があくまで自分の私的な文章として書いていた場合、
死後に全集とかを出されて、日記まで白日の下に晒されることは
果たして彼・彼女は望んでいたのだろかという疑問も。
有名作家は死んだら「私」な部分はなくなってしまうのでしょうかね?

とまぁ、いろいろ考えつつも、
やっぱり有名作家の書いたものは、それが何であれ面白かったです。

私個人の好みとしては、激情がほとばしるものや理屈っぽいものは苦手で、
日記らしい日記というか、些細な日常のことが綴られている日記が、
当時の時代を写していて興味深いです。

平林たい子や宇野千代、筒井康隆の日記が面白かったです。


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