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『眠れぬ夜に読む本』
- 2021/02/17(Wed) -
遠藤周作 『眠れぬ夜に読む本』(光文社文庫)、読了。

「眠れぬ夜に読む本」についての本かと思ったら、
「眠れぬ夜に読む話が書かれた本」でした。

いろんな本が紹介されているのかな?と期待したので
著者の博識ぶりからして、ちょっと重たい読書になるかも・・・・と覚悟していたのですが、
ウィットにとんだ読みやすいエッセイで、素直に読めました。
週刊誌に連載されたコラムだったようで、分量の適度に短い中に
しっかり言いたいことが詰まっている点も魅力でした。

出張先で訪問した史跡に何を見たのか、
学術書を読んで何を考えたのか、
作家仲間にどんな目に遭わされたのか、
著者の情緒豊かな日々が垣間見れて面白かったです。




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『狐狸庵読書術』
- 2020/01/08(Wed) -
遠藤周作 『狐狸庵読書術』(河出文庫)、読了。

この前に読んだ遠藤先生のエッセイが結構脱線多めな感じだったので、
本作も気軽な気持ちで手に取ったら、かなりガッツリ読書の話で、
襟を正して読みました。

著者の人生で、大きな影響を与えた作品の思い出や、
読書の姿勢について学んだ話とか、
短い文章ながら読ませるものが多く、読みごたえがありました。

紹介されている本は、古典だったり、舶来ものだったりで、
私の好みとはズレていたので、読んだことのある本は全く出てきませんでしたし、
読んでみたいなと興味を持った本もなかったのですが、
でも、その読書に向き合う姿勢には学ぶべきものが多くありました。

読書を通して、こういう世界を見られるんだなという
人生の世界観の広がりを実感できる本でした。




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『勇気ある言葉』
- 2019/05/15(Wed) -
遠藤周作 『勇気ある言葉』(集英社文庫)、読了。

Blogを辿ってみたら、遠藤作品を読むのはなんと13年ぶり!
特に避けてたわけではないのですが、
今回、近所のおっちゃんにもらったので久々に読んでみました。

古今東西の名言について、狐狸庵山人が独自の解釈を
ユーモアを交えて行うという企画です。
『悪魔の辞典』的な皮肉の効いた解釈が披露されるのかなと思ったのですが、
名言に縛られず、ゆるやかなテーマ設定という感じでエッセイが進んでいきます。

社会に対して怒ったり茶化したり、
短いエッセイの中で詰め込まれてます。

どの文章にも、最後に編集部コメントがついていて、
これまた遠藤氏の文章を茶化したり同意したりしていますが、
ピリッとしたものから、ダラッとしたものまで、ちょっと出来不出来の波があって
オチとしては弱いものもあったのが残念。

遠藤周作氏のような大作家のエッセイのオチを担当するとは、
どの編集部さんか分かりませんが、これこそ勇気がありますね。




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『父親』
- 2006/10/10(Tue) -
遠藤周作 『父親』(講談社文庫)、読了。

不倫モノの王道を行くようなストーリー展開でした。
偶然の出来事が重なり、それぞれがキーポイントとなって話が展開するので、
「都合よくイベントが起きるなぁ」という気がしないでもないですが、
親子の生活圏は意外と重なっていて、
そこで出会う人々も意外と重なっていて、
実はみんな狭い範囲で生きているのかもしれません。

あと、娘・純子の描き方やキャラ設定に、
どことなく著者の冷たさを感じてしまいました。
大家となった男性作家が若い女性を描いたものを女の視点で読んでいるから
こう感じちゃうんですかねぇ?

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『スキャンダル』
- 2006/04/25(Tue) -
遠藤周作 『スキャンダル』(新潮文庫)、読了。

久々に遠藤周作作品をば。

参りました。
精神的に参りました。
読むのがしんどかったです。

この方の小説は、読んでいる間も読んだ後も
ずっしりと自分の中に沈みこんでくる作品が多いのですが、
この作品は事の他ずっしり重かったです。
重すぎて、心の床が破れそうです。

性についてギトギトと描いた作品が私の苦手とする分野なうえに、
キリスト教信者と倒錯の性癖とを絡めて描くだなんて、
しかも主人公に作者自身とも言える人物を据えるだなんて。
私の頭の許容範囲を超えそうでした。

しかし、衝撃と憂鬱とを大いに与えられながらも、
読み通させる力、それを強いるような力を感じる作品でした。

この作家の知らなかった側面、大作家たる所以を感じ取りました。

スキャンダル
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star知りたいようで知りたくない心の奥底
star心理学の浅薄な小説への応用の例
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『ただいま浪人』
- 2005/10/11(Tue) -
遠藤周作 『ただいま浪人』(講談社文庫)、読了。

文庫本で700ページ超の大作だったが、
ぐいぐい読ませる内容だった。

最後、まさかあの歴史的大事件が絡んでくるとは思わなかったが、
違和感なくつながっていた。

遠藤周作の小説は、
登場人物が各々自分の人生を考えに考えたうえで、
最後、重ーい終わり方をすることが多いが、
この作品もそんな一つ。

フラットな気分で読まないとしんどいかも。

ただいま浪人
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