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『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』
- 2019/05/30(Thu) -
ひろゆき 『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』(扶桑社新書)、読了。

最近、残業しながらYoutubeを見ていることが多いのですが、
ひろゆきさんの出ている動画も良く見ます。
一言で言うと、本作の中で佐々木俊尚さんが評した「身も蓋もない」という言葉が
最も上手くひろゆきさんを表現しているかなと思います。
現実を直視する、無駄な理想を語らない、本音で話す、そういうところが特徴かなと。

IT技術なり、WEBサービスなりというところへの評価や考察よりも、
「WEB2.0を定義することに何の意味があるの?」というような世の中の動きへの見解や、
「これが当然だと思える人は、僕らみたいな人」と、一般の日本人と自分との間に
線を引いていることを明言してしまうような強さのようなところに興味を覚えます。

佐々木俊尚さんとの対談では、IT技術の革新やWEBサービスの拡充について
基本的には前向きな評価をしている佐々木氏に対して、
「それって意味あるんですか?」的な意見をポンポン放り込んでしまうひろゆきさんを見て、
そういう視点で考えることも必要だなと思いました。
世の中の称賛の流れに、何も考えずに流されるようなことはしないという自重と言いますか。

ただ、ひろゆきさんが、このような斜に構えたところから発言して一定の評価が得られるのは、
梅田望夫さんとかが一生懸命IT技術やWEB世界の夢を語って世の中の期待を呼び起こして
いるからこそだと思うので、ひろゆきさんの主張がメインストリームになることはないと思いますが。

あと、対談では、小飼弾さんとの対談が興味深かったです。
プログラマーとしての技術的な話はさっぱり分かりませんが、
2人が日本人社会をどのように捉えているのかという部分が面白かったです。

最後に、著者自身が書いている(とされる)対談以外の文章ですが、
あまりに読み難くて、内容が頭に入ってこなかったです。
本作は、著者の語り下しだと思うのですが、テープ起こしをそのまま文章にしたのではないか
と思えるような、粗い文章で、残念でした。

ひろゆきさんの動画では、発言しているときの行間の間合いとか、ワードを発した時の口調の強さとか、
話ながら訂正を入れたり、補足をしたりする、その言葉のつなぎ方とか、表情とか、(笑)とか(怒)とか、
画面から様々な情報が伝わってくるので、文章にしたときに違和感があっても、
聞いている側の脳内できちんとした内容に整理できていきます。

しかし、文字の文章は、整った日本語が書かれていると頭は思い込んでいるので、
語り下しそのままでは、非常に読みづらいです。
そこは編集者の腕だと思うのですが、レベルが低くて残念でした。

ひろゆきさんの著作を読むのが、本作が初めて!というような人には、
「日本語で相手に伝えるのが下手な人」という印象がついてしまわないか心配です。




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『ブログ論壇の誕生』
- 2019/05/20(Mon) -
佐々木俊尚 『ブログ論壇の誕生』(文春新書)、読了。

これは面白い本でした。
炎上がニュースになった事件を通して、
なぜ、そのような事態になったのか、何がネット民の怒りに触れたのかを解説し、
ネット民の思考傾向について分析しています。
ブロガーという、著名人や評論家として名をなしている人とは違う人たちの発言について
ここまでまとまった論評を読んだことがなかったので、非常に興味深かったです。

ブログ論壇というのは、存在は認識していますが、
私自身、あまり馴染みのないものでした。
ブログって、文章を読まないといけないので、結構、時間を取られるんですよね。
意識して読み行かないと目に留まらないし。
ニュースサイトとかで引用されているのを読むぐらいでした。
つまりは、切り取りでしか読んでいません。

それに比べて、動画で発信してくれる人は、ながら見ができるので仕事しながらよく見ます。
ここ3年程、Youtubeで主義主張を発信している人のチャンネルはよく見ています。
なので、本作も、ブログをYoutubeチャンネルに置き換えて読んでました。

もう10年前の本ですが、そのころ、かなり仕事が忙しくてニュースを追えてなかったので
「こんな事件があったんだぁ」という感じで、半分ぐらいは知らない炎上事件でした。
なので、新鮮な気持ちで読めました。
何が炎上したのか、どこが着火点だったのか、なぜ延焼したのか、
いつもの佐々木氏の冷たいレポートの仕方が、これらの分析を読むには読みやすかったです。

ちょっと、「怒っているブログ民=経済的に恵まれない若者」と決めつけるようなところは
そんな単純なものではないだろうと思いましたが、
まぁ、そこは画面の向こうで顔の見えない人々なので
思い切って単純化しないと書けないのかな。

Youtubeで論陣を張っている人って、基本的に顔を出しているので(私が見てるチャンネルだけかな?)、
どんな人が発言しているのか、なんとなく分かった気になってしまいます。
しかし、ブログって、基本的に文字だけなので、Youtuber以上に過激な文章になりそうだなと、
あまりブログ論壇を読んだことのない身からすると、そんな印象を持ってます。

でも、そこに、本音がズバッと出ているというか、黒い感情を隠していない、
むしろ増幅させてぶつけてくるようなところがありますね。
正直、私は、そこまで重たいものを受け止め続ける自信がないので
ブログ論壇からは距離を取っていた方が良いかも。

ニュース記事などで取り上げられるブログの記事をつまみ読みするぐらいがちょうど良いかな。
偏ってる、切り取られているという注意付きでね。




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『起業家2.0』
- 2017/12/26(Tue) -
佐々木俊尚 『起業家2.0』(小学館)、読了。

ITベンチャー9組の起業ストーリーを紹介した本。

冒頭がエニグモの物語だったので、
「あぁ、読んだことある話だなぁ・・・・」と思って、
新鮮味を感じられなかったのですが、
それは、次のミクシィまででした。

それ以降は、あまり知らないベンチャー企業の話だったので、
読み進めるほど、だんだんと興味が湧いてくる感じでした。

特に本作では、起業のプロセスの話だけでなく、
起業家が生まれてきたバックグラウンドまで掘り下げていて
家庭の話とか教育の話とか、興味深かったです。

そして、紹介されている9つの企業は、
そのまま現在も同じ事業を続けている会社もあれば、
事業内容が変わったり、企業名自体が変わったりしているところもあるようで、
ITビジネスの柔軟性というか、スピードの速さが
10年前に書かれたこの本を通しても、良く分かります。

著者の本って、ちょっと目が醒めているようで苦手意識があったのですが、
本作のようなインタビューに近い取材形式だと、
その冷静さが味のある分析になって、良い作品に仕上がっているなと感じました。


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『次世代ウェブ』
- 2015/09/23(Wed) -
佐々木俊尚 『次世代ウェブ』(光文社新書)、読了。

やっぱり、著者の本には、ワクワク感を覚えることができません(苦笑)。

新しい技術の話やビジネスモデルの話はたくさん詰まっているので
要素は揃っているはずなのに、文章からエネルギーが立ち昇ってこないんですよねぇ。

この新技術やビジネスモデルを使って、世界を変えてやろう!
という人々の思いが見えないというか、伝わってこないというか。

ま、浮ついた業界を取りあげるに当たって、
この冷静さが著者の良いところなのかもしれませんが。

時代が変わっていく躍動感のようなものを、もっと感じ取りたいです。


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『ネットがあれば履歴書はいらない』
- 2015/09/13(Sun) -
佐々木俊尚 『ネットがあれば履歴書はいらない』(宝島社新書)、読了。

ネットを活用してセルフブランディングをしようという本。

まだ本書内で「Twitterというサービスは・・・・・」という説明がなされている時代の話であり、
実名いてWEB上での情報発信をすることで、自分という存在を訴求していこうという主張は
当時は結構思い切った提案というか、抵抗感を生む提案だったのではないかと思います。
(今でも、抵抗感を持つ人は多いかもしれませんね・・・・)

セルフブランディングにWEBを活用したい人には分かりやすい本だと思います。

セルフブランディングに注力したい人は積極的にWEBを活用し、
静かな環境を好む人は匿名でWEBを楽しむというように
使い分けが自由にできるようになればよいのではないかなと思います。

LINEをやってないと仲間に入れないとか、
一緒に遊んでもFacebookに写真が載せられないとか、
まだ、今は、上手い共存の仕方を試行錯誤している段階なのでしょうかね。


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『ネットVSリアルの衝突』
- 2015/02/15(Sun) -
佐々木俊尚 『ネットVSリアルの衝突』(文春新書)、読了。

リアル世界で大きな存在になってきたネット世界との
対立の姿、もしくは、それを経ての共存の姿を描いた本かと思ったのですが、
半分以上をWinny事件の解説に費やしており、
マクロとミクロの視点が、読む側と書く側で全然かみ合いませんでした(苦笑)。

Winny事件自体、金子被告の哲学を通して考えると
非常に興味深いテーマだとは思うのですが、
なんせ頭がマクロモードになっていたのでニーズ違いでした。

タイトルの付け方が良くないのだと思います・・・・・。

後半のインターネットの歴史や、各国政府の思惑、政策の変遷のようなところは、
ニーズと近い視点だったので面白く読みました。

たとえ国家権力が相手であろうとも、
ネット社会の思想や哲学を踏みにじるような行為をとると、
ネット社会全体が反旗を翻すというのは、
まさに「革命」と呼ばれる名に相応しい権力の移行の姿だなと思いました。


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『グーグル』
- 2014/02/07(Fri) -
佐々木俊尚 『グーグル』(文春新書)、読了。

結構ヒットしていた記憶がありますが、
今読むには、ちょっと時代遅れですね・・・・。

Googleを中心とするWebサービスの勃興ぶりを描いていますが、
淡々と事実を追っていく手法なので、今からすると
あまりに当たり前なことが書かれているような印象を受けてしまいます。

Webの発展の歴史を知るには、手ごろな一冊だとは思います。

梅田氏の本は、同じようにGoogleを扱いながらも、
「どんなサービス?」という面だけではなく、
このサービスを通じて、彼らが一体なにをしようとしているのか、何を目指しているのか
その熱いビジョンを語っているので、今読んでも、ちっとも古さを感じません。
というよりも、まさに今のエネルギーを感じ取ることができます。

そこが本作には足りないような気がして、物足りなかったです。


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