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『ロコモーション』
- 2015/04/26(Sun) -
朝倉かすみ 『ロコモーション』(光文社文庫)、読了。

これまで一勝一敗だった著者の本ですが、
うーん、二敗目な感じの読後感でした・・・・・。

前に読んだ2作とも、確かに薄味な部分はあったのですが、
その分、設定とかで味付けをしてくれないと、淡々と終わっていってしまい、
あまり心に残りません。残念。

本作の主人公のような、表向きは良い子を演じているけれども、
心の中ではいろいろ毒づいたり批判したりと斜に構えた性格の人物の物語は、
私自身の姿を重ねてしまうこともあり、いつもは興味深く読むのですが、
本作はあまり共感ができなかったです。
反感を持ったというわけでもなく、つかみどころの無さにとまどったと言いますか。

主人公の「自分」を感じさせない突き放した文章のせいかもしれませんが、
あんまり「生きている」感じがしなかったです。

周囲の人々も、結構、あっさりと離れていったりして、
なんともお寒い人間関係です。
正直、読んでいて楽しくないので、辛いです。

うーん、いったん、著者の作品からは距離を置こうかなぁ。


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朝倉 かすみ

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『夏目家順路』
- 2015/02/08(Sun) -
朝倉かすみ 『夏目家順路』(文春文庫)、読了。

タイトルと装画の感じから、ユーモア溢れる小説なのかなと思ったら、
意外と淡々とした感じのお話でした。
やや薄味かも。

脳梗塞により、行きつけのスナックで亡くなった清茂。
深夜に息子は呼び出され、娘は全く連絡がつかず。
スナックのママは悲しみ、一緒に飲んでいた仲間は意外と冷静。
関係者のそれぞれの視点から、清茂の葬儀の様子が描かれていきます。

なんだか、もうちょっと何かが起きそうなのに・・・・・・・・
と思ってしまうのですが、回想シーンにすぐなってしまうので物足りなく感じたのかも。

もうちょっと現実世界でのドタバタを求めてしまいました。

読み終わって、あんまり印象に残らない作品でした。


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『田村はまだか』
- 2013/01/06(Sun) -
朝倉かすみ 『田村はまだか』(光文社文庫)、読了。

これは面白かったです。

小学校の同窓会の三次会でとあるバーに来た5人。
大雪でまだ到着していない同級生・田村をバーで待ちます。
その間に交わされる会話や、思い出される過去の場面をつづった連作短編集。

同窓会で久々に顔を合わせた面々というぎこちなさ、
来るべき人がなかなか来ないという不安定さ、
40歳という微妙な年齢、
この設定が作品に面白い味わいを付けていたと思います。

登場人物それぞれが主人公になり、過去を振り返りますが、
ちくっと痛いところがある物語のために、同窓会という公の場では口にできないものを、
この三次会の場で披露、もしくは断片的に話す、もしくは心の中で思い出す。
この辺の展開も面白かったです。
登場人物たちのキャラも立ってました。

読み終わってから、カバーを見たら、
「ラストには怒涛の感動が待ち受ける」の文字が。
これには「???」。
そんな話ではなかったです。
読む前にカバーをチェックしなくてよかったわ(苦笑)。



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