『遅れてきた青年』
| ||
- 2014/10/14(Tue) -
| ||
大江健三郎 『遅れてきた青年』(新潮文庫)、通読。
今年もまた、ノーベル文学賞で、候補者に村上春樹氏の名前が取りざたされていましたが、 「なーんか、そんなにスゴイ作家さんなのか、よう分からんわぁ」てなもんです。 で、この、「よう分からんわぁ」路線に乗っているノーベル文学書作家ということで 手元にあった大江作品に挑戦。 ま、「よう分からん」の意味は、春樹作品と、大江作品とでは違うのですが・・・・・。 で、結局、今回も脱落・・・・・。 前半の子供時代の部分で、すでに、「なんでこんな展開になっていくんだろうか・・・・」と ついていくことができず、ほぼ流し読み状態でした。 流し読みでも、最後まで行くのに1週間近くかかってしまいました。 第二部冒頭の教護院のくだりは、 主人公の心理描写とか、教護院の子供たちの反応とか、教官の様子とか、 結構面白く読めたのですが、そこがピークでした。 学生運動の話とか、なんだか、うんざりしてしまうようなお話で。 ま、これは、父の世代への反発を自分が持っているからかもしれませんが。 というわけで、大江作品は、そろそろ諦めるべきかもしれませんね。
![]() |
||
『二百年の子供』
| ||
- 2012/06/06(Wed) -
| ||
大江健三郎 『二百年の子供』(中公文庫)、通読。
よく分からない内容に、途中で半分諦めてしまいました。 最後まで読みはしましたが、流し読みに近い状態です(苦笑)。 物語展開とか、主題とかいう前に、 そもそも主人公3人の存在を、現実味をもって受け止められませんでした。 中学生に、この言葉遣いをさせるということ、 このような思考をさせるということ、 そこにどんな演出、意味があるのか、測りかねました。 共感の糸口を掴みそこないました。 そこからは、過去に行こうが、未来に飛ぼうが、 あまり関心を持つことが出来ませんでした。 うーん・・・・・・。 前回は、本流の大江作品で梃子摺ってしまったので、 ファンタジー小説ならいけるかと思ったのですが、 そんなに甘くは無かったです。
![]() |
||
『死者の奢り・飼育』
| ||
- 2011/10/22(Sat) -
| ||
大江健三郎 『死者の奢り・飼育』(新潮文庫)、読了。
久々に硬派な小説に挑戦です。 冒頭の「死者の奢り」は、 大学病院の地下に保管された検体の整理のアルバイトに携わった 文学部学生の心情を記録したもの。 物語の設定としては面白いと思いましたが、 描写が主人公の内面世界にどんどん沈んでいってしまうと、 追いついていけなくなる自分が居ました。 そこまで突き詰めて読み込むのに拒否感があるというか・・・。 自分が知っている大学生の像と、上手く結びつかないせいかもしれません。 一方、もう一つの表題作である「飼育」は、高校の教科書で一度読んでいます。 そのときも、相当な迫力のある作品だと思っていたのですが、 今回初めて通しで読んでみて、そのグロテスクな構成に驚きました。 う~ん。 で、やっぱり、本作ものめりこむところにはいけませんでした。 なんだか、生理的な拒絶感を覚えてしまうんですよね。 戦争、子供、性、民族、土着性・・・・・なんだか、そういういろんな要素を消化する力が 自分には足りないのだと思います。 個人的に面白く読めたのは、「他人の足」。 脊椎カリエスで自由に生活が出来ずに、療養所に収容されている少年たち。 そこに足の事故で一時的に大学生が入院してくる・・・。 同じように足が動かなくとも、不知の病と一時的な怪我の違い、 その違いには目を向けずに、不知の少年たちの目を外の社会に向けさせるだけ向けさせて、 怪我が治ったらさっさと退院していく大学生・・・・。 この手の残酷さは、様々な局面で人間が示すものですが、 結構、私好みの”嫌らしさ”の見せ方です(苦笑)。 いずれにしても、大江作品をガツガツ読んでいけるステージには、 私は、まだ立てていないようです。
![]() |
||
| メイン |
|