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『スナックさいばら サバイバル篇』
- 2020/06/14(Sun) -
西原理恵子 『スナックさいばら サバイバル篇』(角川文庫)、読了。

このシリーズはお下劣でちょっと苦手なところがあるのですが、
結局買ってしまうのは、サイバラ女史の人生哲学を読みたいから。

浮気の話とか、ピロートークとか、そういうテーマはささっと読み飛ばして、
離婚とか、残り物とか、そういう生活感あふれるテーマに期待しながら読みました。

投稿者の女性の愚痴のように見えて、結構、本人が笑い飛ばしていたり、
もしくはサイバラ女史に笑い飛ばしてもらえるように演出してたり、
そういうのを見ると、女性ってみんな根性あるなーと思います。

だって、旦那の浮気とか、借金とか、姑問題とか、自分だったら耐えられそうな思い問題ばかり。
それを、自分も仕事をやりながらとか、専業主婦業をこなしながら
なんとか受け止めたり、うまく受け流したりして生きていくのって、すごいパワーだなと思います。
私にはそんな根性ないから、結婚という制度から逃げまくってます。

最後のテーマが「旦那を一言褒めるなら」で、あら、珍しく褒めるのね・・・・と思ったら、
このシリーズが本作で一旦完結を迎えたようですね。
最後は前向きに締まったと思いますが、
中盤の下ネタが凄かったから、これはブックオフ行きかな(苦笑)。




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『とりあたまJAPAN』
- 2020/05/15(Fri) -
西原理恵子、佐藤優 『とりあたまJAPAN』(新潮文庫)、読了。

サイバラ女史と佐藤氏のコンビは3作目ですが、
前回読んだのかシリーズ第3弾で、今回は第2弾、逆になってしまいました。

第3弾では、コラムと漫画の内容の乖離が進んでいますが、
第2弾では比較的結びついています。
というか、サイバラ女史の脱線がそんなに進んでいないということか(苦笑)。

ちょうど3.11の前後のあたりの話となっており、
さすがに、そのタイミングのサイバラ女史の漫画は、
人情に訴えるやさしい内容となっていますが、
意外と、震災からの立ち直りも早く、漫画もコラムも通常営業に戻った感じです。

当時は、「いかに早く平常運転に戻すか」みたいな視点が大事だったころなんですかね。
意外とあっさりしてるなという印象を受けました。

佐藤氏のコラムの分量が少ないので、どうしてもそこが物足りなく感じてしまいます。
民主党政権への皮肉っぽい物言いは面白く読ませてもらいましたが、
それは短い文章の中でチクチク刺している面白さがありました。

第3弾はコラムと漫画の乖離が目につくようなので、
第4弾以降を見つけたら、買おうかなぁ、どうしようかなぁ。




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『怒涛の虫』
- 2019/07/18(Thu) -
西原理恵子 『怒涛の虫』(双葉文庫)、読了。

著者の名前だけで気軽に買ってきたのですが、
なんとご自身初のエッセイ作品だったようで、
そんな若い時の作品だったのか!とびっくり。

確かに、編集者とのやり取りが多く描かれていたり、
自分の文章の出来を気にかけているような心情描写があったり、
なんだか初々しいです(笑)。

エロなネタはエロなんですけど、
でも、自分の子供のころの思い出にも浸ってたりして、
私の好きなサイバラ女史の人生観が垣間見えます。

あんまりエロネタ漬けのサイバラ作品は好みじゃないので、
適度にサイバラ哲学を感じさせてくれる作品にうまく出会いたいものです。




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『とりあたま帝国』
- 2019/06/17(Mon) -
西原理恵子、佐藤優 『とりあたま帝国』(新潮文庫)、読了。

鴨ちゃんの次は、サイバラ女史の本。

週刊新潮に連載されているもので、
佐藤優氏がコラムを書き、サイバラ女史がマンガを描く。
一応、毎週テーマが決まっているのですが、コラムとマンガの内容に関連性は無し。
かろうじてテーマで繋がっているだけです。
それが、それぞれの個性を出してて面白いです。
同じテーマで、こうも捉え方が違うのかと。

ただ、前にも書きましたが、このコラムの分量では足りないです。
新聞記事の引用が入ったりすると、もう、記事を紹介しているだけのような状態に。
せめて2倍の分量にして欲しいです。

サイバラ女史のマンガには、様々な人が登場してきますが、
お下劣な発言のように見えて、それぞれが濃厚な人生を歩んできてるから、
重たい言葉が散りばめられていて、勉強になります。

鴨ちゃんのことは、著者としても大事に思っていたのでしょうけれど、
言葉の端々からアル中患者に対する恨み節が見えてきます。
高須先生は、あっけらかんとしてますが、判断軸が明確で頼りになる感じです。
人生の積み重ねが、自信となって決断力に繋がっているような感じで、憧れます。
岩井志摩子さんだけ、さすがにお下劣過ぎて、ちょっと苦手(苦笑)。

シリーズはたくさん出版されているようですが、
佐藤氏のコラムの分量がこのままなら、買うのどうしようかなぁ・・・・・。




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『家族の悪知恵』
- 2017/07/27(Thu) -
西原理恵子 『家族の悪知恵』(文春新書)、読了。

悪知恵シリーズっていう感じでしょうか?(笑)

前作では、サイバラ女史のブッタ斬り回答にはスッキリしたものの、
質問のレベルのバラつきにやや不満があったのですが、
本作では、質問のレベルも上がってて、読みごたえがありました。

サイバラ女史の家庭観って、
①子供に無駄なリスクを負わせない
②ダメな男が好転することを期待しない
③なるべく早く子離れできるように子供を自立させる
こんな感じでしょうか。

①は、過保護にするのではなく、
親が子供に余計な迷惑をかけないという意味で、
冷静に引けということかなと。

②については、サイバラ女史の主張は他の本も含め一貫してますね。

③は、先日、NHKの『クローズアップ現代』でサイバラ女史が出ている回を
たまたま見たのですが、つまりは「卒親」ということですよね。

どれも、言うだけじゃなく、
本人が実行しているところに説得力があります。

周囲の人間に過度な期待をせず、
未来に無暗な希望を持たず、
自分の力量を冷静に見極めて、
日々しっかり努力する。

文字にすると、ものすごく真面目な人生哲学だと思うのですが、
サイバラ女史にかかると、なぜかぶっ飛んだ主張で
笑えてしまうというのも、この人の持ち味というか、才能ですね。


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『ベトナム怪人紀行』
- 2017/04/27(Thu) -
ゲッツ板谷 『ベトナム怪人紀行』(角川文庫)、読了。

サイバラ女史の作品に時々「金角」として登場してくる著者。
作品を読むのは初めてです。

本作は、著者とカメラマンの鴨志田さんと現地ガイドの鈴木さんの3人組が
ベトナムを縦横無尽に取材して回る旅行記。
2年前のベトナム訪問で「敗北」したからリベンジ!ということですが、
なんでベトナムを動き回っているのか、その目的というか、大義名分が
イマイチ伝わってこなくて、何を軸に読んだらよいのか分かりづらかったです。

例えば、全国の巨大仏を見て回る!とか
アマゾンでトクナレを釣る!とか
アジアの変な施設を見て回る!とか、
何かしら企画趣旨があると見やすいんですよね。
そこから派生する比較文化論だったり、人間観察だったり、自己分析だったりが面白いわけで。

2年前のベトナム訪問記を読んで、「敗北」の内容を理解すれば
今回の訪問意図も分かるのかもしれませんが、それは1冊の作品で完結してほしいところ。

あっちこっちの見て回る先を選ぶ理由が、「なんか面白そう」というフワッとしたものなので
なんでそこに行くのか読んでいて分からず、出てきた感想も場当たり的に思ってしまいます。

ベトナム戦争についての思いも書かれていますが、取って付けた感があり、表面的です。
今回のベトナム訪問まで、ベトナム戦争のことをほとんど知らなかったと書いていますが、
では、知ったからと言って、あえて作品に書き残すほどの感想だったのかなぁ・・・・・という印象です。

そして、他の旅行記との違いは、そういう重たい話と、くだらない軽い話とを繋ぐというか、
転換する作家としての技術が、低いように感じました。
重い話からいきなり軽い話へ、または、その反対になるときに、
脳内転換を上手く表現できていないので、重たい話への思いが表面的に見えてしまうのではないかと。

だから、著者のベトナム戦争に対する感想が軽いわけでも、
今回初めてベトナム戦争を知ったときに著者が受けた衝撃が小さいわけではなく、
それを表現する作家としての技術が追い付いていないのではないかと思いました。

体験は面白いものだったと思うのですが、
本の構成的にも、文章の表現的にも、
読者に十分に伝えられていないような気がして、残念です。


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『パーマネント野ばら』
- 2016/09/09(Fri) -
西原理恵子 『パーマネント野ばら』(新潮文庫)、読了。

サイバラさんのフィクション作品を初めて読みました。

きちんと読み込めた自信がないですが、
でも面白かったです。

田舎の貧しい漁村にただ1軒の美容院で繰り広げられる
女たちの喜怒哀楽。
女だけの世界だと、ここまでお下品になれるのかという日常会話が
目白押しですが、一方で、主人公の心の中は詩的な世界が広がっています。

このドギツイ日常と悲しみの漂う詩的内心のバランスが
独特の作品世界を作り出しており、
その世界に飲まれていくような感覚を覚えました。

このバランスが最適なのか、絶妙なのかは私には判断が付きませんでしたが、
その独特さは強く印象に残りました。

著者の、このような作品を他にも読んでみたいなと思います。


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『恨ミシュラン 上』
- 2015/03/27(Fri) -
西原理恵子、神足裕司 『恨ミシュラン 上』(朝日文庫)、読了。

言わずと知れたサイバラ女史の出世作。

バブルが弾けた後ぐらいの連載なんでしょうかね。
すでに文庫化の時点でお亡くなりになっているお店も多いようで、
紹介されているお店で今も残っているのは、この本での評価は別として、
世間一般には認められているお店ということなんでしょうね。

老舗や高級店へは、
そのサービスレベルや店の姿勢などへも注文が付き、評価が厳しくなっております。
当然、味への評価も、値段相応、評判相応のものを求めるわけで、厳しいです。

この企画の凄いところは、
老舗だろうが、高級店だろうが、不味いものは不味いと声高らかに言ってしまうこと。
それは、店への攻撃という面よりも、「この店は凄いんだ」と思っている世間一般への反抗の面が
よりエネルギーが要るのではないかと思います。
その店が好きな人や、美味しいと思っている人も多数居るわけで・・・・。
もし、今のインターネット時代にこの企画をやっていたら、それこそ大炎上してたかもしれません。

もう一つ凄いと思うのは、この企画を朝日新聞が許可したということ。
うーん、バブルの残り香ということでお堅い頭が緩んでたんですかねぇ(爆)。

紙面構成は、サイバラ女史の漫画が見開きで上下2段、
これが意外と文庫本では読みづらい(苦笑)。
神足氏の解説も読みながら、サイバラ女史の漫画も見つつで、
ページを行ったり来たり慌しいです。

料理は、本当に、口に合うもの合わないものが人それぞれですし、
店の雰囲気も騒々しいぐらいのものが好きな人もいれば落ち着きと高級感を心地よく思う人も居て、
自分の好きなものを好きなように食べたいという思いには賛同します。

わたくし、口が貧乏性なのか、
食べログで3.5とか高得点な店よりも、3.2ぐらいの店のほうが、好きな味なことが多いです。
高得点な店は、味付けに変なこだわりが出すぎていて、あんまり好きになれないこともしばしば。

駅前の深夜まで空いているお安い中華料理屋とか、下手したら週3回とか行っちゃってますわ(笑)


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『スナックさいばら おんなのけものみち 男とかいらなくね?編』
- 2015/03/06(Fri) -
西原理恵子 『スナックさいばら おんなのけものみち 男とかいらなくね?編』(角川書店)、読了。

スナックさいばらシリーズ
ですが、
「男とかいらなくね?編」というタイトルの感じから、
最も過激でお下劣な言葉の応酬があるのかなと、
しばらく積読にしていたのですが、ふたを開けてみれば、一番真っ当な人生論が展開されてました。

結局、女が自分の人生を自分の頭できちんと考えるようになれば、
男に頼って生きるだけが人生じゃないのよ・・・・・というシンプルな話になるわけで。

自分が東京に上京してきたときの昔の話や、
自分が将来こうなるかもしれないという恐怖も含めた母親への批評とか、
お金にまつわる苦労話とか、
とにかく、女として生きるということをまともに語っている感じがしました。

そして、それと対比して思ったのは、
男性限定の投稿テーマのときの、男性の文章のくどさと逃げの手の打ち方(苦笑)。
サイバラ女史のファンであっても、男性はくどくどと前置きと言い訳を書き連ねるので、
とにかく文章がムダに長い。

私も他人の事を言えませんが、人生の本質について自信を持って語れる人は、
もっと短い言葉で核心をついてくると思います。

それができないわが身のつらさよ。


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『スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上編』
- 2015/02/03(Tue) -
西原理恵子 『スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上編』(角川書店)、読了。

シリーズ第2弾。

前作は、かなり下衆な表現が飛び交っていたのですが、
本作では意外とまじめな言葉のやり取りがなされていました。

男の話ではなく、自分自身の仕事の話や人生設計の話がテーマとして多かったからでしょうか。
投稿者もまじめに書いているし、西原女史も優しく応えている印象です。

お下品表現が多いと、ちょっと私は距離を置いてしまうのですが、
かといって西原女史とそのファンの人々に真面目にやりとりされても、
少しこそばゆく感じてしまう、天邪鬼なわたくし。

周囲に毒を吐いたり、自分を自虐的に語ってみたりしますが、
本質的な部分では、みんな一生懸命生きているんだなと、
なんだか他人事のような感想で終わってしまいました。

小室女史と同時並行で読んでる本が西原女史なんて・・・・(苦笑)と最初は思っていたのですが、
実は表現方法の違いだけであって、本質は一緒なのかも。


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