『家族の悪知恵』
- 2017/07/27(Thu) -
西原理恵子 『家族の悪知恵』(文春新書)、読了。

悪知恵シリーズっていう感じでしょうか?(笑)

前作では、サイバラ女史のブッタ斬り回答にはスッキリしたものの、
質問のレベルのバラつきにやや不満があったのですが、
本作では、質問のレベルも上がってて、読みごたえがありました。

サイバラ女史の家庭観って、
①子供に無駄なリスクを負わせない
②ダメな男が好転することを期待しない
③なるべく早く子離れできるように子供を自立させる
こんな感じでしょうか。

①は、過保護にするのではなく、
親が子供に余計な迷惑をかけないという意味で、
冷静に引けということかなと。

②については、サイバラ女史の主張は他の本も含め一貫してますね。

③は、先日、NHKの『クローズアップ現代』でサイバラ女史が出ている回を
たまたま見たのですが、つまりは「卒親」ということですよね。

どれも、言うだけじゃなく、
本人が実行しているところに説得力があります。

周囲の人間に過度な期待をせず、
未来に無暗な希望を持たず、
自分の力量を冷静に見極めて、
日々しっかり努力する。

文字にすると、ものすごく真面目な人生哲学だと思うのですが、
サイバラ女史にかかると、なぜかぶっ飛んだ主張で
笑えてしまうというのも、この人の持ち味というか、才能ですね。


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西原 理恵子

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『ベトナム怪人紀行』
- 2017/04/27(Thu) -
ゲッツ板谷 『ベトナム怪人紀行』(角川文庫)、読了。

サイバラ女史の作品に時々「金角」として登場してくる著者。
作品を読むのは初めてです。

本作は、著者とカメラマンの鴨志田さんと現地ガイドの鈴木さんの3人組が
ベトナムを縦横無尽に取材して回る旅行記。
2年前のベトナム訪問で「敗北」したからリベンジ!ということですが、
なんでベトナムを動き回っているのか、その目的というか、大義名分が
イマイチ伝わってこなくて、何を軸に読んだらよいのか分かりづらかったです。

例えば、全国の巨大仏を見て回る!とか
アマゾンでトクナレを釣る!とか
アジアの変な施設を見て回る!とか、
何かしら企画趣旨があると見やすいんですよね。
そこから派生する比較文化論だったり、人間観察だったり、自己分析だったりが面白いわけで。

2年前のベトナム訪問記を読んで、「敗北」の内容を理解すれば
今回の訪問意図も分かるのかもしれませんが、それは1冊の作品で完結してほしいところ。

あっちこっちの見て回る先を選ぶ理由が、「なんか面白そう」というフワッとしたものなので
なんでそこに行くのか読んでいて分からず、出てきた感想も場当たり的に思ってしまいます。

ベトナム戦争についての思いも書かれていますが、取って付けた感があり、表面的です。
今回のベトナム訪問まで、ベトナム戦争のことをほとんど知らなかったと書いていますが、
では、知ったからと言って、あえて作品に書き残すほどの感想だったのかなぁ・・・・・という印象です。

そして、他の旅行記との違いは、そういう重たい話と、くだらない軽い話とを繋ぐというか、
転換する作家としての技術が、低いように感じました。
重い話からいきなり軽い話へ、または、その反対になるときに、
脳内転換を上手く表現できていないので、重たい話への思いが表面的に見えてしまうのではないかと。

だから、著者のベトナム戦争に対する感想が軽いわけでも、
今回初めてベトナム戦争を知ったときに著者が受けた衝撃が小さいわけではなく、
それを表現する作家としての技術が追い付いていないのではないかと思いました。

体験は面白いものだったと思うのですが、
本の構成的にも、文章の表現的にも、
読者に十分に伝えられていないような気がして、残念です。


ベトナム怪人紀行 (角川文庫)ベトナム怪人紀行 (角川文庫)
ゲッツ板谷 西原 理恵子

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『鳥頭紀行 ジャングル編』
- 2016/10/18(Tue) -
西原理恵子 『鳥頭紀行 ジャングル編』(角川文庫)、読了。

酔った勢いで決まった企画に
数百万円と十数日を投資して、アマゾンまで行ってしまう人々。

ま、この突き抜け感が、一般人にはできない所業として
人気が出るところなんでしょうけれど。

アマゾン川で「トクナレ」なる魚を釣るというツアー。
「トクナレ???」、本作ではどういう魚か位置づけが分からなかったのですが、
読後にググってみたら、「アマゾンでトクナレ(ツクナレ)釣り」というのは
結構、有名みたいですね。
魚の写真もチェックできて、その大きさと姿から、釣り師の方が好む理由もわかりました。

という基本情報が得られないのは、
泥酔話が半分を占めるから(苦笑)。

ブラジルの文化の一端を知るには面白かったです。
でも、きっと、サイバラ女史らが見てきたのは、正当なブラジル文化ではないと思う・・・・(爆)。

ベトナム編や台湾編も後ろにくっついてたけど、
ジャングル編のようなパンチ力はなかったです。


鳥頭紀行 ジャングル編 どこへ行っても三歩で忘れる<鳥頭紀行> (角川文庫)鳥頭紀行 ジャングル編 どこへ行っても三歩で忘れる<鳥頭紀行> (角川文庫)
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『パーマネント野ばら』
- 2016/09/09(Fri) -
西原理恵子 『パーマネント野ばら』(新潮文庫)、読了。

サイバラさんのフィクション作品を初めて読みました。

きちんと読み込めた自信がないですが、
でも面白かったです。

田舎の貧しい漁村にただ1軒の美容院で繰り広げられる
女たちの喜怒哀楽。
女だけの世界だと、ここまでお下品になれるのかという日常会話が
目白押しですが、一方で、主人公の心の中は詩的な世界が広がっています。

このドギツイ日常と悲しみの漂う詩的内心のバランスが
独特の作品世界を作り出しており、
その世界に飲まれていくような感覚を覚えました。

このバランスが最適なのか、絶妙なのかは私には判断が付きませんでしたが、
その独特さは強く印象に残りました。

著者の、このような作品を他にも読んでみたいなと思います。


パーマネント野ばら (新潮文庫)パーマネント野ばら (新潮文庫)
西原 理恵子

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『鳥頭紀行ぜんぶ』
- 2016/02/13(Sat) -
西原理恵子 『鳥頭紀行ぜんぶ』(朝日新聞社)通読。

最近、著者の作品のお下劣さについていけなくなるときがあります。
私の頭が固くなったのか、著者の作風が激化しているのか・・・・・・。

露悪的な展開を、面白いと思えなくなってしまい、
引いてしまうときがあります。

そろそろ作品を選びながら読んでいかないとダメなのかもしれませんね。

本作は、雑誌の連載をまとめたものですが、
複数の雑誌を転々としながら続いた企画のようです。

どうも、私には、企画意図が分からず(旅行記なのか?)、
その企画のブレブレ感が、連載雑誌の不安定さに繋がっているような印象を受けました。

ちょっと描き散らかしてる感・・・・と言ったらよいのでしょうか。


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『恨ミシュラン 上』
- 2015/03/27(Fri) -
西原理恵子、神足裕司 『恨ミシュラン 上』(朝日文庫)、読了。

言わずと知れたサイバラ女史の出世作。

バブルが弾けた後ぐらいの連載なんでしょうかね。
すでに文庫化の時点でお亡くなりになっているお店も多いようで、
紹介されているお店で今も残っているのは、この本での評価は別として、
世間一般には認められているお店ということなんでしょうね。

老舗や高級店へは、
そのサービスレベルや店の姿勢などへも注文が付き、評価が厳しくなっております。
当然、味への評価も、値段相応、評判相応のものを求めるわけで、厳しいです。

この企画の凄いところは、
老舗だろうが、高級店だろうが、不味いものは不味いと声高らかに言ってしまうこと。
それは、店への攻撃という面よりも、「この店は凄いんだ」と思っている世間一般への反抗の面が
よりエネルギーが要るのではないかと思います。
その店が好きな人や、美味しいと思っている人も多数居るわけで・・・・。
もし、今のインターネット時代にこの企画をやっていたら、それこそ大炎上してたかもしれません。

もう一つ凄いと思うのは、この企画を朝日新聞が許可したということ。
うーん、バブルの残り香ということでお堅い頭が緩んでたんですかねぇ(爆)。

紙面構成は、サイバラ女史の漫画が見開きで上下2段、
これが意外と文庫本では読みづらい(苦笑)。
神足氏の解説も読みながら、サイバラ女史の漫画も見つつで、
ページを行ったり来たり慌しいです。

料理は、本当に、口に合うもの合わないものが人それぞれですし、
店の雰囲気も騒々しいぐらいのものが好きな人もいれば落ち着きと高級感を心地よく思う人も居て、
自分の好きなものを好きなように食べたいという思いには賛同します。

わたくし、口が貧乏性なのか、
食べログで3.5とか高得点な店よりも、3.2ぐらいの店のほうが、好きな味なことが多いです。
高得点な店は、味付けに変なこだわりが出すぎていて、あんまり好きになれないこともしばしば。

駅前の深夜まで空いているお安い中華料理屋とか、下手したら週3回とか行っちゃってますわ(笑)


恨ミシュラン (上) (朝日文庫)恨ミシュラン (上) (朝日文庫)
西原 理恵子 神足 裕司

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『スナックさいばら おんなのけものみち 男とかいらなくね?編』
- 2015/03/06(Fri) -
西原理恵子 『スナックさいばら おんなのけものみち 男とかいらなくね?編』(角川書店)、読了。

スナックさいばらシリーズ
ですが、
「男とかいらなくね?編」というタイトルの感じから、
最も過激でお下劣な言葉の応酬があるのかなと、
しばらく積読にしていたのですが、ふたを開けてみれば、一番真っ当な人生論が展開されてました。

結局、女が自分の人生を自分の頭できちんと考えるようになれば、
男に頼って生きるだけが人生じゃないのよ・・・・・というシンプルな話になるわけで。

自分が東京に上京してきたときの昔の話や、
自分が将来こうなるかもしれないという恐怖も含めた母親への批評とか、
お金にまつわる苦労話とか、
とにかく、女として生きるということをまともに語っている感じがしました。

そして、それと対比して思ったのは、
男性限定の投稿テーマのときの、男性の文章のくどさと逃げの手の打ち方(苦笑)。
サイバラ女史のファンであっても、男性はくどくどと前置きと言い訳を書き連ねるので、
とにかく文章がムダに長い。

私も他人の事を言えませんが、人生の本質について自信を持って語れる人は、
もっと短い言葉で核心をついてくると思います。

それができないわが身のつらさよ。


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西原 理恵子

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『スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上編』
- 2015/02/03(Tue) -
西原理恵子 『スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上編』(角川書店)、読了。

シリーズ第2弾。

前作は、かなり下衆な表現が飛び交っていたのですが、
本作では意外とまじめな言葉のやり取りがなされていました。

男の話ではなく、自分自身の仕事の話や人生設計の話がテーマとして多かったからでしょうか。
投稿者もまじめに書いているし、西原女史も優しく応えている印象です。

お下品表現が多いと、ちょっと私は距離を置いてしまうのですが、
かといって西原女史とそのファンの人々に真面目にやりとりされても、
少しこそばゆく感じてしまう、天邪鬼なわたくし。

周囲に毒を吐いたり、自分を自虐的に語ってみたりしますが、
本質的な部分では、みんな一生懸命生きているんだなと、
なんだか他人事のような感想で終わってしまいました。

小室女史と同時並行で読んでる本が西原女史なんて・・・・(苦笑)と最初は思っていたのですが、
実は表現方法の違いだけであって、本質は一緒なのかも。


スナックさいばら おんなのけものみち  バックレ人生大炎上篇スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上篇
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『スナックさいばら おんなのけものみち 七転び八起き編』
- 2014/12/30(Tue) -
西原理恵子 『スナックさいばら おんなのけものみち 七転び八起き編』(角川書店)、読了。

テーマごとに読者からの投稿を募り、それにサイバラ女史がツッコムという構成の本。

前に読んだお悩み相談系の本は、
相談する側の出来・不出来にモノ凄い差があったのですが、
本作では、投稿者の皆さんはサイバラ信仰の方々のようで、レベル高かったです。

ただ、テーマが「不倫」「浮気」みたいなものになると、
あまりに露悪的な物言いが連発されて、ちょっと辟易。
サイバラ女史がそういう発言をするのは仕事だからともかくとして、
読者側までそれに乗っかってしまうと、下品度が急激にアップする印象が・・・・・。
ちょっと著者に媚びているようなところも感じてしまい、苦手でした。

一方で、テーマが「赤ちゃん」だったり、「旦那を一言褒める」だったりすると、
毒を吐きつつも根底には愛情が感じられて、
投稿者の皆さんの心も余裕のようなものが垣間見れるので、
こちらもギスギスせずに楽しく読むことができました。

人間、どんなに辛い環境に置かれても、
ちょっとで良いから余裕を感じられる瞬間を持っていないと
本当にダメになるんだろうなと、なんだか本題とズレた感想を持ってしまいました。

シリーズ化されているようなので、続編を見つけたら、読んでみようかな。


スナックさいばら おんなのけものみち    七転び八転び篇スナックさいばら おんなのけものみち 七転び八転び篇
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『サイバラの部屋』
- 2014/11/03(Mon) -
西原理恵子 『サイバラの部屋』(新潮文庫)、読了。

あまりに露骨なパロディタイトルが、逆にサイバラ女史らしい(笑)。
いろんな方との対談集です。

この方の人生論とか、教育論とか、とかく極端なモノイイが印象に残りますが、
全体を通して読んでみると、非常に筋の通った考え方だと思います。

一部分だけを取り出してみると、とてもリスキーな選択をしているように思えます。
子供をあんまり叱らないとか。しつけに拘らないとか。
でも、叱らないことで消費されないエネルギーをそのまま仕事に振り向けて、
母の働く姿を見よ!という形で、人生というものを子供たちに教えている。
こちらのほうが、「アレしろ」「コレはするな」と直截的に言われるよりも、
子供たちが自分の頭で考えるようになる可能性が高いので、成長するかも・・・・と思います。
(成長しない可能性ももちろんありますが・・・・)

著者は、本質以外の無駄なところをどんどん削ぎ落とすのが上手で、
その削ぎ落とす方のパフォーマンスが面白かったり下品だったりするので
捨てられたモノゴトたちの方に目が行きがちですが、
本当は、そのプロセスによって手元に残した本質的なものとは何なのかを
読み取っていくことが、この方の人生観を知る上で大事なんだろうなと思います。

あと、決まった雑誌での連載ではなく、
いろんな企画の寄せ集めなところが、これまたサイバラ女史らしい(笑)。
いっぱい仕事してますなぁ。

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