『仕事学』
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- 2020/01/17(Fri) -
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藤田晋 『仕事学』(日経BP社)、読了。
藤田氏の著作は、結構、具体的なビジネスマンの心構えを説いてくれるので勉強になります。 本作でも、経営者としての目線だけでなく、若手ビジネスマンの立場での心構えも示してくれるので 様々な読者にとって学ぶところがあるかなと思います。 著者の本を読むまでは、サイバーエージェントという会社について 成り上がりベンチャー企業という目でしか見ていませんでしたが、 ビジネスのアイデアを見つけ出して具現化していくプロセスが既存の経営者と違うだけで 本質的な部分ではまっとうな経営者だなと感じます。 『渋谷ではたらく社長の告白』を読んだ時は、 正直、何を目指しているのか良く分からない印象でしたが、 その後の著作で、経営者観が定まってきたような気がします。 ヒルズ族と言われていた割には、礼儀作法に厳しかったり 身なりに気を使っていたりで、共感を覚えるのも一因かもしれません。 ![]() |
『人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見てなくはない』
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- 2014/11/30(Sun) -
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見城徹、藤田晋
『人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見てなくはない』(講談社)、読了。 シリーズ第2弾です。 前作を読んでいなかったとしても、このタイトルには惹かれます。 出川哲朗さんが、「努力をしている姿は誰かがきっと見てくれている」という趣旨の言葉を言っていて 自分の経験も重ね合せて、非常に共感できました。 努力している最中は「大変だ、大変だ、自分だけが大変だ」という気持ちになってしまいがちですが、 それで成果が出たり、もしくは失敗したとしても、必ず誰かが声をかけてくれるんですよね。 「頑張ったね」良かったね」とか、「いい経験になったね」とか。 しかも、すぐ近くに居た人よりも、少し遠いところに居る人の方が 優しい言葉を心に染み入るタイミングで与えてくれるような気がします。 これを、出川さんはピュアな人なのでポジティブな表現にしていますが、 見城さんは、世間の厳しさも知れという意味で皮肉の入った表現にしています。 でも、自分の後輩にかける言葉としては、言っている内容も、そこに込められている感情も 共通したものだと思います。 ビジネスの世界で頑張ろうと思う人には、見城さんのような厳しい表現の方が 「なにくそ!」という思いになれそうで、効果が大きいように思います。 このような、刺激的な言葉が、本作でもたくさん詰まっています。 さすがに出版界の一流編集者の見城さんが放つ言葉なので、 頭にスッと入ってきますし、頭の中で反響して残る言葉になっています。 それを、丸々一冊が見城さんの言葉だと重たすぎで消化できないような気がするのですが、 藤田さんが噛み砕いて、私の日常に少し近い視点で語ってくれるので、 胃にもたれずに読み進められる本になっているのだと思います。 面白かったです。
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『憂鬱でなければ、仕事じゃない』
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- 2014/08/24(Sun) -
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見城徹、藤田晋 『憂鬱でなければ、仕事じゃない』(講談社)、読了。
タイトルに惹かれて、 また、見城徹という人物のことが知りたくて買ってみました。 見城氏の手書きの「ことば」と簡単な解説で見開き そして、見城氏のコメント2ページと、藤田氏のコメント2ページ、 こういう構成になっています。 深みのある言葉から、ビジネスマナーのお小言まで、 幅広く、あるいは思いつき順?で登場してきますが、 興味深く読めました。 「ことば」自体は、見城氏が発したものなので、 コメントの重みは見城氏の方が感じられます。 また、納得感も高いです。 それに対して、藤田氏のコメントが、見城氏と同じことを言っている場合もあれば、 まれに反対意見を述べているものもあり、 また、全然違う方向を向いたコメントをしているものも結構あります。 この最後のパターンを面白く感じました。 1つの「ことば」から、2人の経営者が同じことを戒めている場合は、 誰もが認める大事なことなんだなと思いますが、 1つの「ことば」から、2つのベクトルの異なる価値観が生まれるのも、 なんだか2倍の価値があるようで、面白いと思えました。 決して、2人が別のことを言ってるから絶対的な価値観じゃないんだな、価値は低いんだな、 とは思えないところに、惹かれました。 さくっと読めるのですが、意外といろんな教えが得られる本だと思います。 で、これって、幻冬舎の出版じゃないんですね(苦笑)。
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『BQ』
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- 2013/02/10(Sun) -
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林野宏 『BQ』(プレジデント社)、読了。
お取引先からいただいたということで、会社にあった本。 クレディセゾンの社長が説く、ビジネスマンの心得です。 BQ=IQ×EQ×SQ という公式が出てきます。 言わんとしていることは分かりますが、それぞれの項目の定義や計測方法が曖昧なため、 具体的に何をやれば良いのかが、この公式だけでは読み取れません。 その分、あれこれと自分の体験談や時事ネタなどを述べることで、 BQの上がり下がりに関わる例示がたくさん出てきます。 ここは、読み物として面白かったです。 やっぱり、ひらめきを行動に移せる人は、成功しますよね。 ひらめくだけではダメ、つっ走るだけでもダメ、その両方を兼ね備えた人が果実を得る。 そんなことを思いながら、先ほど述べた公式を振り返ると、 3つの要素を兼ね備えていることと、その中で何か1つ自分の強みを持つこと、 これが成功への道なのかなと思います。 まずは、自分の強みをきちんと知ることですね。 そして、強みを伸ばし、弱みを穴にならない程度に防ぐこと。 最後に、サイバーエージェントの藤田社長との対談が載ってます。 かつて、藤田社長の著書を読んだときは、その信念が私の肌に合わなかったのですが、 この対談では、年配社長への敬意の表れか、 それとも世間から意味なくチヤホヤされる青年社長ではなくなったからか、 落ち着いた対談だなと感じました。
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『渋谷ではたらく社長の告白』
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- 2011/06/02(Thu) -
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藤田晋 『渋谷ではたらく社長の告白』(幻冬舎文庫)、読了。
正直、サイバーエージェントという会社は、 企業名は知っているものの、どんな会社か分かっていませんでした。 アメブロなんかを運営していることは知っていますが、 あまり、事業の独自性を理解できていなかったのです。 で、この本を100円で見つけたので、読んでみました。 ITバブルに乗って急成長した会社の内実を、実に生々しく、赤裸々に描いています。 熱気はあるので一気に読める本でしたが、その一方で、空疎な印象も強く残りました。 なぜなら、核となる事業に対する思いが伝わってこないから。 「21世紀を代表する会社を作りたい」というフレーズが何度も出てきますが、 「代表だ」と言い張るための指標が、売上や時価総額、史上最年少上場といった 数字でしか表されないのです。 「新しい技術を提供する」「新スキームを構築する」「人々の生活を変える」 そのような、事業の内容における思いや信念が、全くといってよいほど語られません。 サイバーエージェントとしての最初の商品が、 他社が成功していた事業モデルを丸々コピーしたものであったことが 素直に描かれていますが、まさに、彼にとって商品とは、会社を大きくする手段でしかないのです。 提供しているサービスや技術への思いがないことが見えてしまったため、 顧客への思いも無いのではないかと疑わざるを得ません。 そして、まさにそのとおり、本作の後半は、株主対応のことしか出てきません。 著者が持つエネルギーは感じられましたが、 経営者としての魅力は、いまいち伝わってきませんでした。
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