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『神去なあなあ夜話』
- 2024/03/16(Sat) -
三浦しをん 『神去なあなあ夜話』(徳間文庫)、読了。

前作を読んだのはなんと8年前
私が好きな「お仕事小説」というジャンルであり、しかも舞台が地元の三重県。
(まぁ、林業やってるような山奥の方はさすがに土地鑑ないですが・・・・・)
前作は非常に楽しく読んだ記憶はありますが、一方で、ぼやっとしたイメージしか残ってなかったのも事実。

続編を100円で見つけて、ようやく読んでみましたが、最初に感じたのは、
「こんなにチャラい感じだったっけ?」というもの。
主人公の勇気が、繁ばあちゃんや林業の大先輩たちから聞いた神的な物語を中心に
備忘録代わりに自分のパソコンに文章を書き留めていく・・・・という構成なのですが、
勇気って、こんな作文に親しい人生を送ってきた人なのかな?との疑問が。

偏見かもしれませんが、長い文章を書く習慣がる人って、結構、限られてくるような気がするんですよね。
特に若い人は、ある程度お勉強ができるタイプか、もしくは文学少年少女、そしてネットの世界での
情報発信に親しんできた人、そのあたりじゃないかなあと。
ちょっと主人公のイメージと重なりませんでした。

物語自体は、短いエピソードを集めた感じになっていて、
神話の世界と日常生活が繋がっている文化人類学的な部分は興味深く読みました。
信仰心の篤いコミュニティは、雰囲気が安定しているし、仲間意識が強いので
悪い人が出てこないという点で、気持ちよく読めます。

そして、林業の仕事についても、今回は中心テーマからは少し後退した感じですが、
チームの指示命令系統、リーダーとベテランと若手の役割分担、
神話も含めた過去の事例に学ぼうとする謙虚さ、こういうあたりは、
普通のサラリーマンにとっても、自分の仕事の仕方を振り返る点で
有意義な学びが多いのではないかなと思いました。

あと、勇気の恋愛話がかなり前面に出てきたのですが、
まぁ長編としての話の軸が特にないので、恋愛の進捗というもので串を刺すしかないと考えれば
この構成はやむなしかな。恋愛要素が強くなると、やぱり前作からのパワーダウン感は否めません。

所々に三重県の主要都市の地名も出てきて、そこは楽しかったです。
四日市や津、松阪、伊勢は小説に出てきてもまだ不思議じゃないけど、久居とか(笑)。
神去村の最寄り駅が、JRの半端な集落が終点となっているという設定なので、
名松線の伊勢奥津駅のことで、神去村はそこから車で1時間・・・・・
やっぱり津市の山奥の方、もうすぐ奈良県みたいな場所あたりかな。




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『極め道』
- 2024/01/09(Tue) -
三浦しをん 『極め道』(光文社文庫)、読了。

著者が新人時代の初のエッセイ本とのこと。

まだ古本屋でアルバイトしていたり、お付き合いのある出版社が少なかったりと、
まさに新人作家という生活が描かれていますが、
基本的に、作家らしい日々を描写しているのではなく、
オタ的な生活や、パラサイトシングル的な生活が赤裸々に語られれおり、
この人が後に直木賞作家になってしまうのか!という衝撃さはあります(苦笑)。

まあ、でも、しをんエッセイはすでにいくつか読んできたので、
この人の怠惰な生活や、呑兵衛な生活、ムフフな趣味等は知っているため、
「こんな人だったの!?」という衝撃は時になく、
むしろ、「あー、売れっ子になる前から私生活丸出しだったのね~」と、その潔さに感心。

作家としての才能がある人が勤める古本屋って、どんなのだろう?
昔ながらの小さな古本屋の店番なのか、それとも新古書店の数いるバイトの中の一人だったのか?と
思って検索をかけてみたら、どうやら古書店マニア界隈では有名はな高原書店さんという古書店らしい。
4階建てのビルで営業しているとは凄い!・・・・・・と思ったら2019年に廃業したとのこと。
これだけの規模で、マニアにも知られていたなら、事業承継とかできる相手いなかったのかなぁと
残念に思いました。

なんだか、本エッセイの内容からは外れた感想になってしまいましたが、
三浦しをんは、出てきたときから三浦しをんだったとわかったので、それでヨシ!




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『三四郎はそれから門を出た』
- 2023/12/20(Wed) -
三浦しをん 『三四郎はそれから門を出た』(ポプラ文庫)、読了。

しをんさんの書評エッセイ、出版時から読みたいなと思っていたのですが、
ようやく100円で見つけたので、早速読んでみました。

売れ筋の本から、昔の本から、マニアックな本から、ラノベから、翻訳物から、マンガから、
とにかく幅広くいろんな本をたくさん読んでいて、凄いなと。
紹介されている本の半分以上は、私が手を伸ばさなさそうなジャンルなので、
これだけの幅のものをどんどん消化していくエネルギーは凄いなと思います。
一方で、ジャンルの偏りはそれなりにありそうなので、何でもかんでもというわけではなく、
著者の好きなジャンルのものをどんどん読んでいく感じなのかなと思いました。

このジャンルの偏りが、売れ筋の本以外は、ほとんど著者と重ならなそうなので、
あんまり私が読んだことのある本は登場してきませんでした。
また、この手の書評本を読むと、読みたい本リストに一気に作品が追加されるのが
いつもの行動なのですが、今回はあんまりリスト追加したいものがなかったです。

一方で、本読みさんの姿勢としては共感できるところや学びになったところが多くて
満足度の高い読書でした。

冒頭の書評は、村上春樹氏の『海辺のカフカ』。
春樹作品には苦手意識があるので(苦笑)、『海辺のカフカ』も読んでいませんが、
著者の最大の感想は、主人公の15歳の少年の下半身事情と克己心。
そして読後感として得た教訓は「基礎体力は大事」。
作品を読んでいない私から見ても、「そんな感想にまとめてしまっていいのか!?」と
思わずにはいられませんが、自分はこう読んで、ここが印象に残った、ここが面白かった、
という読書の満足度の得方は、このスタイルが一番自然なんだろうなと思いました。

「春樹作品だからこういうう風に読まないと」とか「こういう視点は気を付けないと」とか
固定観念に染まった読み方をするのではなく、あくまで自分ありき。
「私の生活感覚からするとここが気になる」というような自然体で作品と向き合ってるので、
読んだ後に心に蓄積できるものの量が多いのかなと思います。

私も、自分が印象に残るところは、作品の主題・本質とされる部分とは必ずしも一致しない
たぶん他人の目から見たらしょーもないことに気をとられていることがありますが、
そういう作品の方が、後々になっても内容が思い出されたりするんですよね。

こんな風に、自分の価値観で本を消化していくことが、幸せな読書体験なんだろうなと
そこへの共感を強く覚えた読書となりました。

ところで、女性の読書家という点で、齋藤美奈子さんと三浦しをんさんの対談とか
読んでみたいのですが、どうですかねー。
一方はフェミニストの欺瞞に厳しいフェミニスト、もう一方は女性という枠から気づいたら外れてそうな
生活を送る女性、対談したら面白そうな着眼点がわちゃわちゃ出てきそうな気がするのですが。




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『お友だちからお願いします』
- 2022/11/22(Tue) -
三浦しをん 『お友だちからお願いします』(だいわ文庫)、読了。

タイトルから、新しい人間関係に接したときのエピソードなどを中心とした
エッセイかなと思ったら、特にそういう枠組みではなかったです(苦笑)。

しをんさんらしい、怠惰な毎日と破天荒な家族と目にした異様な人のエッセイ。
ただ、掲載誌面の制約のせいか、ちょっと分量が少な目で物足りなさを感じてしまいました。

しをんさんのエッセイは、無理せず飾らず、自分の日常をそのまま描いていて、
とても共感できるとことに惹かれます。
「私は食べ物が好きだ。美味しい食べ物である必要はない。食べられればなんでも美味しく腹に収める」
こういうとこと、私も同じです。

そもそも美味しさに対する評価のバーが異様に低いということもあるのですが、
正直、レトルトのハンバーグと、高いレストランのハンバーグ、確かにレストランの方が美味しいけど、
安く買えて短時間で作れて気楽に食べられるという点を加味すると、
私の場合、レトルトハンバーグの総合点の方が高くなったりします(爆)。

しをんさんもそうだとは言いませんが(苦笑)、でも、世の中一般の固定化された常識を気にせず、
「だって、私はこっちの方が好きなんだもん」「こっちの方が楽なんだもん」
「ダーツバーでジャージで一人飯して本読んでたっていいじゃない」という
我が道を行く感じが好きなんだと思います。

まぁ、これだけ自分の価値観がしっかりしている人には、
なかなか異性が「お友だちからお願いします」とは言ってこないような気もしますが(苦笑)。
同性の一定の階層の人には人気あると思います。




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『仏果を得ず』
- 2020/12/21(Mon) -
三浦しをん 『仏果を得ず』(双葉文庫)、読了。

文楽の世界を舞台にした作品。
いわゆるお仕事小説なのかな。

私自身、文楽は2年前に初めて「初心者のための文楽」みたいな舞台を見ただけで、
それが唯一の体験ですし、普段の生活では全く意識にのぼることがない世界です。
「あぁ、そういえば、橋下知事と揉めてたなぁ・・・・」程度の関心でした。
文楽と人形浄瑠璃の違いも分かっていないぐらいで・・・・・人形浄瑠璃の一派が文楽座なんですね。

その文楽の世界に、研修生上がりという立場で入り、語りを担当する若手の太夫が主人公。
冒頭、その主人公と師匠であり人間国宝である銀太夫との楽屋の様子から始まりますが、
最初に感じたのは、「ずいぶん弟子が師匠に対して軽い口を叩くんだな」というもの(苦笑)。
私に多少の馴染みがある落語の世界は、もっと厳しい上下関係にあるような印象を持ってました。
吉本興業の上下関係も、楽屋では結構歴然としたものがあるような気もしてました。
だんだん読み進めていくと、これは文楽全体の風土というよりは、銀太夫の個性なのかなとも思いましたが。

そんな自由な雰囲気の銀太夫のもとで、太夫としての成長に必死になる主人公。
コンビを組む三味線に指名された兎一郎は無口な変人として周囲に認識されているカタブツ。
凸凹コンビに発破をかけたりフォローしたりする先輩芸人たち。
小学校での文楽指導で一生懸命学ぼうとする女の子、それを見守る先生、そして母親。
お仕事小説目線で見ていたので、最後の小学校まわりのエピソードはちょっと異質な印象を持ちましたが
まぁ、最後の大団円に持ち込むには必要な要素だったのかな。

各章には、それぞれテーマとなる文楽の演目が充てられていますが、
著者による丁寧な解説がついていたので、素人でも楽しめました。
むしろ、演目の世界観、登場人物たちの心情を理解することについて、太夫や三味線という人たちが
こんなにも頭を悩ませながら取り組んでいるのだと初めて知りました。
もっと、業界内の通り相場的な解釈が一本あるものだと思っていたので、
演者個人個人が各自の解釈で演じるものなんだということに驚きました。

そういう、文楽の演目解説という意味では非常に手厚い内容でしたが、
お仕事小説という点では、太夫と三味線の仕事が中心に語られ、人形遣いはたまに登場する程度、
裏方スタッフについてはほとんど描写がないので、片手落ちな印象でした。
著者は、お仕事小説ではなく、文楽紹介として作品をとらえているのかもしれませんね。

兎一郎のキャラクターが特に興味深く、
そこに一生懸命ついていこうともがく主人公の姿も健気です。
先輩たちもなんだかんだ優しく、良い職場ですね。




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『白いへび眠る島』
- 2020/11/16(Mon) -
三浦しをん 『白いへび眠る島』(角川文庫)、読了。

本土から船で一晩かけて渡る島・拝島。
高校生活を本土で過ごす主人公は、13年ぶりの神社の大祭に参加するため帰省してきます。
幼馴染の同級生との再会を楽しんでいたのに、「『あれ』が出た」という噂話を耳にする・・・・。

物語の進むテンポがゆっくりなせいか、ジリジリとしか真相に近づいていかないので
結構イライラしながらの読書となってしまいました。
さらに、島の言い伝えが現実世界に現れた「ホラー」なのか、
その言い伝えを利用して人間が悪意を巡らせた「サスペンス」なのか
終盤まで状況が把握できなかったので、どっちつかずな感覚にじれてしまったものかと思います。
どっちつかずを楽しむという感覚になれなかったのが良くなかったのかなと。

主人公の悟史と幼馴染の光市との「持念兄弟」という関係性というか概念は
興味深く読んだのですが、犬丸の存在の違和感がずっと気になってしまいました。

最後、文庫版の書下ろし掌編で犬丸についてストレートに書かれているのですが、
本編中で表現しきれなかったということなのかな・・・・とマイナスに捉えてしまいました。

『あれ』騒動の真相も、その結果、島の日常に起きてしまった変化も、
ちょっとまとまり切れていないような印象でした。

うーん、私がホラー・サスペンスを読み慣れてないからかなぁ。
あんまり得意じゃないジャンルでした。




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『天国旅行』
- 2018/04/29(Sun) -
三浦しをん 『天国旅行』(新潮文庫)、読了。

面白くて一気読みでした。

様々な「死」をテーマにした短編集だと思って読んでいたのですが、
解説によると「心中」がテーマだということで、
自分の読みは全然足りないなぁ・・・・と反省。

自殺願望者同士だったり、何十年も時間が離れていたり
自殺に対する後追いだったり、変化球ばかりですが、
心中と言えば心中にあたるのかな。
少なくとも、死んだうちの1人は、心中願望があったということでしょうかね。

冒頭の「森の奥」。
事業に失敗して樹海にやってきた中年男。
首つりに失敗して、助けてくれた青年と一夜を共にすることに。
青年は男を生きるよう説得するでもなく、追い払うでもなく、
一緒にいることを黙認します。翌日、目が醒めたら・・・・・。

設定が上手いですよね。
くたびれた中年男と颯爽とした青年。場所は樹海。死の観念が2人を包み込む。
中年男は相手の腹を探ろうとするが、つかみどころのない青年。
この青年は何者なんだろうか、どういう結末を迎えるんだろうかとワクワクしました。

「初盆の客」は、祖母の初盆にやってきた男性。
たまたま家に主人公しかおらず、知らない人とは言え追い返せないので
仏間に上げて、そのまま話し込むことに。
祖母は実はバツイチで、自分は初婚の時の孫だという男。
主人公とはいとこ関係になり、突然の告白に戸惑う。

田舎に出戻った女と、突然現れた男。場所は長野の山の中。
死んだ祖母が繋ぎ合わせた2人の関係。
こちらも、祖母の過去が明らかになった上で、で、どういう展開になるの?と
興味津々で読んでいったら、思わぬファンタジー的展開。
長野の清涼な空気感が背景にあるからこそ描けた作品なのかなと。

高校で一番の、いや全国模試で2番の超優秀生徒が学校で焼身自殺。
彼を好きだった主人公、彼の彼女だった美形の少女、この2人の交流が始まる「炎」。
学校という閉鎖的な空間における人間関係を背景にしながら、
地味な少女である主人公の目で学校の人間関係が描かれていくという
私の大好きなジャンルでした。
こういう冷徹な視線の持ち主、好きなんですよね~。歪んでるけど。

佳作が詰まった短編集で、読みごたえがありました。


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『まほろ駅前番外地』
- 2017/09/17(Sun) -
三浦しをん 『まほろ駅前番外地』(文春文庫)、読了。

便利屋さんシリーズ第2弾。

第一作で登場してきた依頼人の生活を、さらに深掘りした短編が並びます。
もちろん、多田&行天のコンビが、お悩み解決に奔走。

今回は、依頼者側の目線で物語が進むので、
どんな日々を送っているのか、どんな過去を抱えているのかが
より詳しく描かれており、厚みのある作品になっていると思います。

曽根田のおばあちゃんの恋物語とか華やかなお話ですが、
私は、岡夫妻の地味な日常の方に惹かれてしまいました。
奥様の観察眼と冷静な行動、そして気難しい旦那への返答が冴えてます。

高齢になるにつれて偏屈になる人って多いですが、
(うちの家族や親戚を見てても、ほんと思います・苦笑)
そんな人と2人で暮らしていく相手の方は大変だなぁと。
岡夫人のように、適度に突き放しながらコミュニケーションを取るのが
一番うまいあしらいかたなんでしょうね。

そして、相変わらずの不思議ちゃんの行天ですが、
この人の憎めない感じは何なんでしょうね。
そこに居るみんなが、「この人なら仕方がない」という認識を
すっと共有できるのは、すごい個性だなと。

そして、そんな行天を助手として使いこなす(?)多田の経営術も
意外と凄いのかも。

まだまだシリーズは続くようで、今後も楽しみです。


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『月魚』
- 2016/10/28(Fri) -
三浦しをん 『月魚』(角川文庫)、読了。

古本屋の物語ということで期待したのですが、
どうにもBL要素が強すぎて好きになれませんでした。

そういう世界があることは理解していますが、
この本で、その要素を取り込むにしても、
無駄に過剰に匂わせすぎではないだろうかという印象です。
私的には、高村薫作品ぐらいの仄めかしまでが楽しめる範囲のようです。

肝心の古本屋のストーリーの方ですが、
思っていたほどには盛り上がりに欠けると言いますか・・・。
山間の金持ちの未亡人が依頼した遺品の本の処分に際して
遠方から来た若い男2人組の古本屋に任せるか、
町の古本屋のおやじに任せるか、親戚を巻き込んでの対決騒ぎに!
と要約してしまうと、ハラハラドキドキの展開のようですが、
そこまで紛糾することもなく、意外とすんなりかたが付いてしまったと言いますか・・・・。

それに、思わせぶりな文章が延々と続くので
読んでいて疲れてしまいました。
その行き着いた崎の展開が意外とオーソドックスで
拍子抜けしてしまったのも原因かも。

うーん、イマイチでした。


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『神去なあなあ日常』
- 2016/05/02(Mon) -
三浦しをん 『神去なあなあ日常』(徳間文庫)、読了。

映画化されたときに、ロケ地になったとして
三重県が一生懸命PR活動をしていましたが、
それほどヒットしなかったような印象が・・・・・残念です。

でも、原作本は売れているので、そちらから挑戦。

神去村という架空の村が舞台ということで、
私はてっきり、その所在自他も架空にしてあるのかと思っていたのですが、
しっかり「三重県」って出てくるんですね。
しかも、映画のロケ地が美杉だったので、そちら方面を思い描いていたら、
尾鷲の林業を取材したものだったとは!

タイトルにもなっている「なあなあ」という方言ですが、
「伊勢の『な』言葉」と言われるほど、三重県人は語尾に「~な」と付けてしゃべります。
私自身、この指摘を知るまで気にしたことがなかったのですが、
確かに、「『な』言葉」は柔らかい印象をもたらすのかもしれません。
それに加えて、紀州弁のちょっと強い口調の単語が混じっており、
神去村の面々が話す会話のリズムに酔いしれました。
とても心地よいです。
そういえば、三重弁の作品って、読むの初めてかも。

小説の世界については、お仕事小説+青春小説として
オーソドックスな展開に、神去村の奇妙な風習というアクセントをつけて
安心して読めるユーモアあふれる作品になっていると思います。

林業については、以前、三重県大台町に林業に従事するために
大阪から移住した人の話をきいたことがあったぐらいで、
正直、仕事として詳しい内容を知らなかったのですが、
ちょうど最近、樵のおじいさんを主人公にした映画を見たため、
上手く映像のイメージも湧いて、楽しく読めました。

田舎で自然を相手にする仕事・・・・・という表現をすると、
都会に疲れたサラリーマンの逃避行的な脱サラを思い浮かべがちですが、
本作の主人公のような若者が、そういう仕事に正面から向き合うと、
人間の生活と仕事と社会との関係というような本質的なものに
触れられるような気がします。

若さゆえに、まっすぐに仕事に向き合い、
自分の成長を通して、仕事のやりがいに浸る人生。
そういう素敵なお話になっていると思います。


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