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『お友だちからお願いします』
- 2022/11/22(Tue) -
三浦しをん 『お友だちからお願いします』(だいわ文庫)、読了。

タイトルから、新しい人間関係に接したときのエピソードなどを中心とした
エッセイかなと思ったら、特にそういう枠組みではなかったです(苦笑)。

しをんさんらしい、怠惰な毎日と破天荒な家族と目にした異様な人のエッセイ。
ただ、掲載誌面の制約のせいか、ちょっと分量が少な目で物足りなさを感じてしまいました。

しをんさんのエッセイは、無理せず飾らず、自分の日常をそのまま描いていて、
とても共感できるとことに惹かれます。
「私は食べ物が好きだ。美味しい食べ物である必要はない。食べられればなんでも美味しく腹に収める」
こういうとこと、私も同じです。

そもそも美味しさに対する評価のバーが異様に低いということもあるのですが、
正直、レトルトのハンバーグと、高いレストランのハンバーグ、確かにレストランの方が美味しいけど、
安く買えて短時間で作れて気楽に食べられるという点を加味すると、
私の場合、レトルトハンバーグの総合点の方が高くなったりします(爆)。

しをんさんもそうだとは言いませんが(苦笑)、でも、世の中一般の固定化された常識を気にせず、
「だって、私はこっちの方が好きなんだもん」「こっちの方が楽なんだもん」
「ダーツバーでジャージで一人飯して本読んでたっていいじゃない」という
我が道を行く感じが好きなんだと思います。

まぁ、これだけ自分の価値観がしっかりしている人には、
なかなか異性が「お友だちからお願いします」とは言ってこないような気もしますが(苦笑)。
同性の一定の階層の人には人気あると思います。




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『仏果を得ず』
- 2020/12/21(Mon) -
三浦しをん 『仏果を得ず』(双葉文庫)、読了。

文楽の世界を舞台にした作品。
いわゆるお仕事小説なのかな。

私自身、文楽は2年前に初めて「初心者のための文楽」みたいな舞台を見ただけで、
それが唯一の体験ですし、普段の生活では全く意識にのぼることがない世界です。
「あぁ、そういえば、橋下知事と揉めてたなぁ・・・・」程度の関心でした。
文楽と人形浄瑠璃の違いも分かっていないぐらいで・・・・・人形浄瑠璃の一派が文楽座なんですね。

その文楽の世界に、研修生上がりという立場で入り、語りを担当する若手の太夫が主人公。
冒頭、その主人公と師匠であり人間国宝である銀太夫との楽屋の様子から始まりますが、
最初に感じたのは、「ずいぶん弟子が師匠に対して軽い口を叩くんだな」というもの(苦笑)。
私に多少の馴染みがある落語の世界は、もっと厳しい上下関係にあるような印象を持ってました。
吉本興業の上下関係も、楽屋では結構歴然としたものがあるような気もしてました。
だんだん読み進めていくと、これは文楽全体の風土というよりは、銀太夫の個性なのかなとも思いましたが。

そんな自由な雰囲気の銀太夫のもとで、太夫としての成長に必死になる主人公。
コンビを組む三味線に指名された兎一郎は無口な変人として周囲に認識されているカタブツ。
凸凹コンビに発破をかけたりフォローしたりする先輩芸人たち。
小学校での文楽指導で一生懸命学ぼうとする女の子、それを見守る先生、そして母親。
お仕事小説目線で見ていたので、最後の小学校まわりのエピソードはちょっと異質な印象を持ちましたが
まぁ、最後の大団円に持ち込むには必要な要素だったのかな。

各章には、それぞれテーマとなる文楽の演目が充てられていますが、
著者による丁寧な解説がついていたので、素人でも楽しめました。
むしろ、演目の世界観、登場人物たちの心情を理解することについて、太夫や三味線という人たちが
こんなにも頭を悩ませながら取り組んでいるのだと初めて知りました。
もっと、業界内の通り相場的な解釈が一本あるものだと思っていたので、
演者個人個人が各自の解釈で演じるものなんだということに驚きました。

そういう、文楽の演目解説という意味では非常に手厚い内容でしたが、
お仕事小説という点では、太夫と三味線の仕事が中心に語られ、人形遣いはたまに登場する程度、
裏方スタッフについてはほとんど描写がないので、片手落ちな印象でした。
著者は、お仕事小説ではなく、文楽紹介として作品をとらえているのかもしれませんね。

兎一郎のキャラクターが特に興味深く、
そこに一生懸命ついていこうともがく主人公の姿も健気です。
先輩たちもなんだかんだ優しく、良い職場ですね。




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『白いへび眠る島』
- 2020/11/16(Mon) -
三浦しをん 『白いへび眠る島』(角川文庫)、読了。

本土から船で一晩かけて渡る島・拝島。
高校生活を本土で過ごす主人公は、13年ぶりの神社の大祭に参加するため帰省してきます。
幼馴染の同級生との再会を楽しんでいたのに、「『あれ』が出た」という噂話を耳にする・・・・。

物語の進むテンポがゆっくりなせいか、ジリジリとしか真相に近づいていかないので
結構イライラしながらの読書となってしまいました。
さらに、島の言い伝えが現実世界に現れた「ホラー」なのか、
その言い伝えを利用して人間が悪意を巡らせた「サスペンス」なのか
終盤まで状況が把握できなかったので、どっちつかずな感覚にじれてしまったものかと思います。
どっちつかずを楽しむという感覚になれなかったのが良くなかったのかなと。

主人公の悟史と幼馴染の光市との「持念兄弟」という関係性というか概念は
興味深く読んだのですが、犬丸の存在の違和感がずっと気になってしまいました。

最後、文庫版の書下ろし掌編で犬丸についてストレートに書かれているのですが、
本編中で表現しきれなかったということなのかな・・・・とマイナスに捉えてしまいました。

『あれ』騒動の真相も、その結果、島の日常に起きてしまった変化も、
ちょっとまとまり切れていないような印象でした。

うーん、私がホラー・サスペンスを読み慣れてないからかなぁ。
あんまり得意じゃないジャンルでした。




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『天国旅行』
- 2018/04/29(Sun) -
三浦しをん 『天国旅行』(新潮文庫)、読了。

面白くて一気読みでした。

様々な「死」をテーマにした短編集だと思って読んでいたのですが、
解説によると「心中」がテーマだということで、
自分の読みは全然足りないなぁ・・・・と反省。

自殺願望者同士だったり、何十年も時間が離れていたり
自殺に対する後追いだったり、変化球ばかりですが、
心中と言えば心中にあたるのかな。
少なくとも、死んだうちの1人は、心中願望があったということでしょうかね。

冒頭の「森の奥」。
事業に失敗して樹海にやってきた中年男。
首つりに失敗して、助けてくれた青年と一夜を共にすることに。
青年は男を生きるよう説得するでもなく、追い払うでもなく、
一緒にいることを黙認します。翌日、目が醒めたら・・・・・。

設定が上手いですよね。
くたびれた中年男と颯爽とした青年。場所は樹海。死の観念が2人を包み込む。
中年男は相手の腹を探ろうとするが、つかみどころのない青年。
この青年は何者なんだろうか、どういう結末を迎えるんだろうかとワクワクしました。

「初盆の客」は、祖母の初盆にやってきた男性。
たまたま家に主人公しかおらず、知らない人とは言え追い返せないので
仏間に上げて、そのまま話し込むことに。
祖母は実はバツイチで、自分は初婚の時の孫だという男。
主人公とはいとこ関係になり、突然の告白に戸惑う。

田舎に出戻った女と、突然現れた男。場所は長野の山の中。
死んだ祖母が繋ぎ合わせた2人の関係。
こちらも、祖母の過去が明らかになった上で、で、どういう展開になるの?と
興味津々で読んでいったら、思わぬファンタジー的展開。
長野の清涼な空気感が背景にあるからこそ描けた作品なのかなと。

高校で一番の、いや全国模試で2番の超優秀生徒が学校で焼身自殺。
彼を好きだった主人公、彼の彼女だった美形の少女、この2人の交流が始まる「炎」。
学校という閉鎖的な空間における人間関係を背景にしながら、
地味な少女である主人公の目で学校の人間関係が描かれていくという
私の大好きなジャンルでした。
こういう冷徹な視線の持ち主、好きなんですよね~。歪んでるけど。

佳作が詰まった短編集で、読みごたえがありました。


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『まほろ駅前番外地』
- 2017/09/17(Sun) -
三浦しをん 『まほろ駅前番外地』(文春文庫)、読了。

便利屋さんシリーズ第2弾。

第一作で登場してきた依頼人の生活を、さらに深掘りした短編が並びます。
もちろん、多田&行天のコンビが、お悩み解決に奔走。

今回は、依頼者側の目線で物語が進むので、
どんな日々を送っているのか、どんな過去を抱えているのかが
より詳しく描かれており、厚みのある作品になっていると思います。

曽根田のおばあちゃんの恋物語とか華やかなお話ですが、
私は、岡夫妻の地味な日常の方に惹かれてしまいました。
奥様の観察眼と冷静な行動、そして気難しい旦那への返答が冴えてます。

高齢になるにつれて偏屈になる人って多いですが、
(うちの家族や親戚を見てても、ほんと思います・苦笑)
そんな人と2人で暮らしていく相手の方は大変だなぁと。
岡夫人のように、適度に突き放しながらコミュニケーションを取るのが
一番うまいあしらいかたなんでしょうね。

そして、相変わらずの不思議ちゃんの行天ですが、
この人の憎めない感じは何なんでしょうね。
そこに居るみんなが、「この人なら仕方がない」という認識を
すっと共有できるのは、すごい個性だなと。

そして、そんな行天を助手として使いこなす(?)多田の経営術も
意外と凄いのかも。

まだまだシリーズは続くようで、今後も楽しみです。


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『月魚』
- 2016/10/28(Fri) -
三浦しをん 『月魚』(角川文庫)、読了。

古本屋の物語ということで期待したのですが、
どうにもBL要素が強すぎて好きになれませんでした。

そういう世界があることは理解していますが、
この本で、その要素を取り込むにしても、
無駄に過剰に匂わせすぎではないだろうかという印象です。
私的には、高村薫作品ぐらいの仄めかしまでが楽しめる範囲のようです。

肝心の古本屋のストーリーの方ですが、
思っていたほどには盛り上がりに欠けると言いますか・・・。
山間の金持ちの未亡人が依頼した遺品の本の処分に際して
遠方から来た若い男2人組の古本屋に任せるか、
町の古本屋のおやじに任せるか、親戚を巻き込んでの対決騒ぎに!
と要約してしまうと、ハラハラドキドキの展開のようですが、
そこまで紛糾することもなく、意外とすんなりかたが付いてしまったと言いますか・・・・。

それに、思わせぶりな文章が延々と続くので
読んでいて疲れてしまいました。
その行き着いた崎の展開が意外とオーソドックスで
拍子抜けしてしまったのも原因かも。

うーん、イマイチでした。


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『神去なあなあ日常』
- 2016/05/02(Mon) -
三浦しをん 『神去なあなあ日常』(徳間文庫)、読了。

映画化されたときに、ロケ地になったとして
三重県が一生懸命PR活動をしていましたが、
それほどヒットしなかったような印象が・・・・・残念です。

でも、原作本は売れているので、そちらから挑戦。

神去村という架空の村が舞台ということで、
私はてっきり、その所在自他も架空にしてあるのかと思っていたのですが、
しっかり「三重県」って出てくるんですね。
しかも、映画のロケ地が美杉だったので、そちら方面を思い描いていたら、
尾鷲の林業を取材したものだったとは!

タイトルにもなっている「なあなあ」という方言ですが、
「伊勢の『な』言葉」と言われるほど、三重県人は語尾に「~な」と付けてしゃべります。
私自身、この指摘を知るまで気にしたことがなかったのですが、
確かに、「『な』言葉」は柔らかい印象をもたらすのかもしれません。
それに加えて、紀州弁のちょっと強い口調の単語が混じっており、
神去村の面々が話す会話のリズムに酔いしれました。
とても心地よいです。
そういえば、三重弁の作品って、読むの初めてかも。

小説の世界については、お仕事小説+青春小説として
オーソドックスな展開に、神去村の奇妙な風習というアクセントをつけて
安心して読めるユーモアあふれる作品になっていると思います。

林業については、以前、三重県大台町に林業に従事するために
大阪から移住した人の話をきいたことがあったぐらいで、
正直、仕事として詳しい内容を知らなかったのですが、
ちょうど最近、樵のおじいさんを主人公にした映画を見たため、
上手く映像のイメージも湧いて、楽しく読めました。

田舎で自然を相手にする仕事・・・・・という表現をすると、
都会に疲れたサラリーマンの逃避行的な脱サラを思い浮かべがちですが、
本作の主人公のような若者が、そういう仕事に正面から向き合うと、
人間の生活と仕事と社会との関係というような本質的なものに
触れられるような気がします。

若さゆえに、まっすぐに仕事に向き合い、
自分の成長を通して、仕事のやりがいに浸る人生。
そういう素敵なお話になっていると思います。


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『木暮荘物語』
- 2016/02/13(Sat) -
三浦しをん 『木暮荘物語』(祥伝社文庫)、読了。

築ウン十年のぼろアパートには、
訳ありな人々が、ちょっと変わった日常を過ごしており、
その1人1人の生活を覗いていく連作短編集です。

最初の章からして、3年前に出て行ったきり音信普通の放浪癖彼氏が突然帰ってきて、
今の彼氏となぜか3人で同居生活が始まる不思議な展開。

最初は、若い男女のちょっと変わった恋愛模様を書いていくのかな?と
ちょっと警戒気味になってしまったのですが(苦笑)、
続いて大家のおじいさんの話になったところで、一気に面白くなってきました。

ちょっと世の中に取り残されてしまう不器用さがあり、
世間への反発や反感も心の底に溜まっており、
でも、そんな自分も好きになれず、
もやもやと思いつつも、何かを変えるほどの行動力もなく・・・・
という主人公たちに訪れる変なデキゴト。

そこから変わっていく自分や周囲との関係を
日常目線で描いているので、各章を閉じたときにホッとする感じがあります。

どこかで人生が少し屈折してしまった人も、
ちょっとした切っ掛けで、また少し道行きが変わる、決して真っ直ぐになるわけではないけれど・・・・
という慎ましやかなお話たちだと思いました。


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『ふむふむ おしえて、お仕事!』
- 2016/01/30(Sat) -
三浦しをん 『ふむふむ おしえて、お仕事!』(新潮社)、読了。

しをんさんが、働く代女性に行ったインタビューの雑誌連載をまとめたもの。
会社員から企業家、職人、フリーランス、研究者まで、
まさに様々な仕事が登場します。

こうやって、仕事の話を聞いてみると、
独立した人は、思わぬ人生の転機を自分のものにしたんだなということが分かりますが、
企業勤めの人であっても、異動や転職で、自分の意志とは異なる転機を迎えている人が多く、
安定なんていう言葉はないんだなと実感。

給料という形で安定した収入があるという意味では、
企業勤めの安心感ではありますが、自分が納得のいく仕事の仕方が出来るかという点では、
企業勤めもフリーランスも変わらない不安定さがあるなと思いました。

一方で、どんなにマニアックな仕事でも、やり方次第で、生計を立てていくことは
可能なのだということも分かりました。
もちろん、本人の努力や、市場をきちんと読んでツボを突くということは必要ですが、
人が居る以上、仕事はどうにでも形作れると腹を括れば、
どんなことでも仕事にできるのではないかと明るい気持ちになりました。

自分で、自分の仕事を誇れるようになること、誇りを深めることが
仕事と向き合う上で、大事であると、再認識しました。

少なくとも、こうやってインタビューの申し入れがあったときに、
「やりましょう!」と応えられるだけの自信を持ちたいなと思いました。


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『星間商事株式会社社史編纂室』
- 2015/08/14(Fri) -
三浦しをん 『星間商事株式会社社史編纂室』(ちくま文庫)、読了。

期待しすぎたのか、イマイチでした。

左遷社員のたまり場、社史編纂室では、会社創立50周年を過ぎても
まだ社史が完成せず、目標を失ったまま制作の日々をダラダラと過ごす面々。

そこに同人誌オタク、南国での悪徳商売、怪文書での恫喝、女神の失踪、
同棲と結婚の境目問題、糸の切れたタコ問題など、様々な要素が絡み合い・・・・・・・

なんだかゴチャゴチャした作品でした。
ここまでいろんな要素を詰め込む必要があるのかと疑問に。
しかも、各要素が現実離れしているというか、地に足の着いていない感じがするものばかり。

一番違和感があったのは、BL同人誌を趣味とする主人公という設定。
著者のエッセイを読んでいれば、そういう世界が好きなんだなということは理解しているのですが、
なんだか、そういう世界を書きたかっただけなのではないかと思えてしまうぐらい、
本作で、ここまで一生懸命BLを書く必要もなかったのではないかという・・・・・。

最後までバタバタしていて、各要素が、それぞれの状況で、
バラバラにそれなりの結論を出したという印象で、
あんまりスッキリ大団円!というエンディングではなかったです。





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