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『ふむふむ おしえて、お仕事!』
- 2016/01/30(Sat) -
三浦しをん 『ふむふむ おしえて、お仕事!』(新潮社)、読了。

しをんさんが、働く代女性に行ったインタビューの雑誌連載をまとめたもの。
会社員から企業家、職人、フリーランス、研究者まで、
まさに様々な仕事が登場します。

こうやって、仕事の話を聞いてみると、
独立した人は、思わぬ人生の転機を自分のものにしたんだなということが分かりますが、
企業勤めの人であっても、異動や転職で、自分の意志とは異なる転機を迎えている人が多く、
安定なんていう言葉はないんだなと実感。

給料という形で安定した収入があるという意味では、
企業勤めの安心感ではありますが、自分が納得のいく仕事の仕方が出来るかという点では、
企業勤めもフリーランスも変わらない不安定さがあるなと思いました。

一方で、どんなにマニアックな仕事でも、やり方次第で、生計を立てていくことは
可能なのだということも分かりました。
もちろん、本人の努力や、市場をきちんと読んでツボを突くということは必要ですが、
人が居る以上、仕事はどうにでも形作れると腹を括れば、
どんなことでも仕事にできるのではないかと明るい気持ちになりました。

自分で、自分の仕事を誇れるようになること、誇りを深めることが
仕事と向き合う上で、大事であると、再認識しました。

少なくとも、こうやってインタビューの申し入れがあったときに、
「やりましょう!」と応えられるだけの自信を持ちたいなと思いました。


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三浦 しをん

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『星間商事株式会社社史編纂室』
- 2015/08/14(Fri) -
三浦しをん 『星間商事株式会社社史編纂室』(ちくま文庫)、読了。

期待しすぎたのか、イマイチでした。

左遷社員のたまり場、社史編纂室では、会社創立50周年を過ぎても
まだ社史が完成せず、目標を失ったまま制作の日々をダラダラと過ごす面々。

そこに同人誌オタク、南国での悪徳商売、怪文書での恫喝、女神の失踪、
同棲と結婚の境目問題、糸の切れたタコ問題など、様々な要素が絡み合い・・・・・・・

なんだかゴチャゴチャした作品でした。
ここまでいろんな要素を詰め込む必要があるのかと疑問に。
しかも、各要素が現実離れしているというか、地に足の着いていない感じがするものばかり。

一番違和感があったのは、BL同人誌を趣味とする主人公という設定。
著者のエッセイを読んでいれば、そういう世界が好きなんだなということは理解しているのですが、
なんだか、そういう世界を書きたかっただけなのではないかと思えてしまうぐらい、
本作で、ここまで一生懸命BLを書く必要もなかったのではないかという・・・・・。

最後までバタバタしていて、各要素が、それぞれの状況で、
バラバラにそれなりの結論を出したという印象で、
あんまりスッキリ大団円!というエンディングではなかったです。





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『乙女なげやり』
- 2015/05/10(Sun) -
三浦しをん 『乙女なげやり』(新潮文庫)、読了。

初めてしをんエッセイを読んだとき

をををぉっ!

と新鮮に思ったのですが、
うーん、一気に読みすぎたのでしょうか、なんだか食傷気味。
あんまり、目新しさを感じなくなってしまいました。

女流作家さんのエッセイは、こういうスパイラルにはまっちゃうことが多いような気がします。

著者の日常に変化が乏しいからでしょうかねぇ・・・・。


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『しをんのしおり』
- 2015/03/07(Sat) -
三浦しをん 『しをんのしおり』(新潮文庫)、読了。

前回読んだエッセイは、結構な歪みエネルギーを感じるもので惹かれたのですが、
本作はそれほど特異な波長は感じられず、ノーマルなエッセイでした。

もし、この作品から先に読んでいたら、あんまり印象に残らず、
エッセイは読まないでイイや・・・・・という判断になっていたかも。

作品との巡り会わせというものもあるんだなと、内容以外の感想を持って読了。


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『私が語りはじめた彼は』
- 2015/02/09(Mon) -
三浦しをん 『私が語りはじめた彼は』(新潮文庫)、読了。

大学教授の村川は、歴史学を研究するという堅物そうな仕事をしながら、
多くの女性と関係を持ち、離婚をし、新たな家庭を作るという
なかなかに波乱万丈な人生を、本人は飄々と送っている様子。
そんな村川の姿を、関係者の目で描いていく連作短編集。

最初の1、2編が、思いの外じとっと重たい空気だったので、
上手く作品の世界に入っていけませんでした。
男と女の間の、重苦しい雰囲気の間に、各短編の主人公たちは無理やり座らされており、
その居心地の悪さが、読んでいるこちらにまで伝わってきます。

作品の中で描かれている感情が伝わってくるという意味では、
上手いということになるのでしょうが、
その感情の中身が、私の苦手とする空気だったので、どうにも上手く馴染めませんでした。

話が進むにつ入れて、段々とこの作品の読み方が分かってきたのか、
はたまた、語り部となる人物の立場が特殊な設定の人に移ってきたためか、
次第に読みやすくなってきて、面白さも感じることが出来るようになりました。
「予言」とか「水葬」とか、面白かったです。
でも、最初のつまづきを取り戻すところまでは行けませんでした。


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『むかしのはなし』
- 2014/10/30(Thu) -
三浦しをん 『むかしのはなし』(幻冬舎文庫)、読了。

いろんな状況に置かれた主人公たちが
自分の過去についての話をするという構成の短編集。
日記あり、音声ディスクあり、調書あり、様々な形態で過去を記録します。

そんな過去が、少しずつ繋がっていき、ある一つの光景へと収斂していく、
点と点が線でつながり、線が集まって面としての光景を描き、
その面が、最後に1つの出来事を映し出す・・・・・・上手く流れていく展開が心地よいです。

各短編の冒頭に、いくつかの昔話のしをん版要約が付いています。
桃太郎、浦島太郎、花咲か爺・・・・・。
数行にまとめられた話は、「なんでこんな展開なんだろ?」と今更ながら疑問を持つものもあれば、
しをんさん、恣意的に要約しすぎ(笑)というものも。

その昔話のエッセンスを下敷きにして短編を読むと、
短編の持つ人間の嫌な面や、そもそも昔話に込められた毒々しさが際立ってきます。
このあたりの仕掛けも上手いですねぇ。

各短編の主人公も、普通の人から見ると、少し引いているというか、
世間というものに背を向けているようなところのある人物が多いので、
その思考回路も興味深く読めました。
その他大勢に流されない強さというか、良い意味での空気を読まない強さというか。

非常に面白い短編集でした。


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『まほろ駅前多田便利軒』
- 2014/09/20(Sat) -
三浦しをん 『まほろ駅前多田便利軒』(文春文庫)、読了。

直木賞受賞作。

当時、受賞の報を聞いたときに、「へぇ、こんなポップな名前の作品で取れるんだぁ」という
印象を抱いた記憶がありますが、読んでみても、比較的軽いタッチだと思いました。
ただ、ときどきズバッと心に刺さる言葉が出てきたり、
重たいテーマを裏側に抱えていたりと、なかなか油断できない作りになっています。

解説で、鴻巣友季子さんが「文章に自分のスタイルがある」と評していますが、
まさにそのとおりだと思います。
しをん節というのでしょうか、軽いタッチで気持ちよく読めて、しかもドキッとさせられます。

私が買った文庫本は、映画化された当時のもののようで、
表紙が瑛太さんと龍平さんが並んだ写真だったのですが、
まさに、この2人を当てはめて、多田と行天の日々を頭の中に思い描けました。

ハードボイルドっぽい雰囲気を漂わせながら、
女性の感覚で、現実世界から逸脱しない範囲にお話をまとめているように思います。
ぶっきらぼうさと、大胆さと、人情との加減が心地よいというか。
ま、これは男性読者さんにはフィットするのか分かりませんが。

しをん作品は、他にも読みたいものがたくさんあるので、
早く100円で見つけられることを祈願。


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『悶絶スパイラル』
- 2014/09/05(Fri) -
三浦しをん 『悶絶スパイラル』(新潮文庫)、読了。

売れっ子女流小説家さんって、
ばんばんエッセイ本を出されることが多いですよね。
多分、女性誌の連載とかの仕事が増えるからだと思うのですが。

江國香織さんとか、山田詠美さんとか、
小説でさえ多作なのに、こりゃ、エッセイまで読んでたらキリがないなぁ・・・・と思い、
エッセイを読むのを止めてしまいました。

その流れで、新しく読み始めた女流小説家さんのエッセイも手に取らないことが多かったのですが、
三浦しをんさんのエッセイは、ちょっと気になってました。

女流作家のコジャレた日常というのとは、
明らかに方向性が違うということを、何かで読んだので・・・・・。

で、実際に読んでみて・・・・・(笑)。

マンガを買い漁るわ(しかもBL)、弟には「ブタ」と呼ばれるわ、
男性には極端に縁がないわ(というか、寄せ付けてない感じが・・・・)、
とにかく、コジャレた日常とはかけ離れてます。

で、家に引き篭もってせっせと仕事をして、
現実世界の男性には無関心、でもBLにはゾッコン・・・・・と書くと
非常に内向的で根暗なように見えるのですが、
ものすごくパワフルな人間関係を持ってるんですよね。
一晩中、くだらないことを語り合える女友達とか、ぶっ潰れるまで飲み合える男友達とか。

さらに、電車に乗ったり、書店に向かって歩いていたり、家の窓からふと外を見たりしたときに
結構、外に向けてのアンテナの感度が良いんですよね。
しかも、相当に変な人たちが、そのアンテナに引っかかってきます(笑)。

この、アクティブなお一人さま加減が、読んでいて非常に新鮮でした。
特に、最近読んだお一人さまの本が、内向的だったので・・・・。

三浦しをんさんのエッセイシリーズは、これからも読んでいこうかな。


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『格闘するものに○』
- 2014/02/13(Thu) -
三浦しをん 『格闘するものに○』(新潮文庫)、読了。

デビュー作ということで読んでみたのですが、
主人公に共感できず、最後まで気持ちが乗りませんでした・・・残念。

1つ1つのユーモアについては、くすっと笑えるところもあるのですが、
如何せん主人公の考え方にチグハグなものを感じて、
1人の人間として捉えることができませんでした。

あの前フリをしておきながら、なぜ急に就職熱が上がるのだ?
こんな当たり障りのない面接をしながら、なぜ角川書店(作品中では丸川)の選考で
あれよあれよと進んでしまうのか。
なんだかストーリー展開もイマイチでした。

大手出版社の社風や社員の変なところを
バッサバッサと斬って捨てるところなどは、
「この作家、怖いもの知らずにも程があるだろー」と
要らぬ心配までしてしまいました。
ま、きっと変な人たちが巣食っている業界だとは思いますが・・・。

著者の作品は、まだ2作目なので、
これでサヨナラせずに、もうちょっとヒットした作品から攻めたいと思います。


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『風が強く吹いている』
- 2012/11/24(Sat) -
三浦しをん 『風が強く吹いている』(新潮文庫)、読了。

スポコンもの。しかも箱根駅伝がテーマということで、
これは青春小説の王道でしょう。

おんぼろアパート竹青荘に住む9人の学生を無理やり誘い、
大半が陸上素人のメンバーで、しかも、たった8か月の準備で
箱根駅伝を走ってしまおうとするお話。

そういう風に要約してしまうと、
「そりゃぁ、無理だよ。あまりに非現実的だ」と言いたくなってしまいますが、
そもそも箱根駅伝を走れる学生選手層が200人なのも、
全陸上選手が必死に頑張っても200人ぐらいしか残らないというのではなく、
箱根を目指して必死になる学生が200人+αぐらいしかいなくて、
素質よりも、本気になるかどうかが境目なのではないかと思いました。
本当に素質がある人が一部のトップ選手であり、
他の大半の選手は、努力するか、しないか、
本気で箱根を目指すか、目指さないかの違いだけなんだと。

そう思うと、この物語も、箱根駅伝への思いがどれだけ積み上げられるかが勝負です。
その描写が見事。

竹青荘の面々が、あまりに素直に陸上を始め、そして陸上にはまっていくのは、
多少、都合がよい展開かなと思いましたが、
私の周囲のランナーの面々を見てても、はまりっぷりは異常ですから、
一度始めたら止められなくなる、そういう世界なんでしょうね。

走りながら、それぞれの思いを見つめなおし、
自分の中に落ち込んでいく、その重さと清々しさが共生した不思議な孤独感が
興味深かったです。

これで、今度の正月も、また箱根駅伝を見てしまうのかな。


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三浦 しをん

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