『ザ・フェミニズム』
- 2015/05/20(Wed) -
上野千鶴子、小倉千加子 『ザ・フェミニズム』(筑摩書房)、読了。

すごいタイトルの本である。
しかも、対談の片方が上野女史である。
フェミニズム論は得意ではないので、小倉女史については知見なしでした・・・・・。

さて、のっけからガンガンかましてくる両者。
お互いに賛同するところではテンポ良く掛け合いが進み、
相容れない意見には、すぐに食いつき、真意を確認し、それでも相容れないときは「反対」と明確に述べる。
ある種の潔さを感じる対談です。

私がフェミニズムを苦手とするのは、本対談の中で、「マスメディアによって拡散されたフェミニズム」
という位置づけで語られているフェミニズムの印象が強いからだと思います。
社会的弱者としての女性を強調しすぎるというか、全ての女性をひっくるめて議論してしまう強引さというか。

私自身は、お二人が批判的に語っている「女女格差」における「生存戦略」として
非常に利益志向なタイプに属すると自覚しております(苦笑)。
弱さを前面に押し出すタイプの女性は苦手ですし、一緒にして欲しくないなと正直思ってしまいます。
そこで、男性的な発想に近づいてしまうのは、私の頭の固さなのだとは思いますが。

フェミニズムが苦手な中でも、上野センセの著作はたまに挑戦してみようと思えるのは、
女性に対する見方が厳しいという点で客観性を感じられるのと、
立場や時代の違いを踏まえて、女性を一括りにしてしまわない丁寧さを感じられるためです。
それは、本作で、小倉センセの主張にも感じられるものでした。

この2人のそれぞれの主張自体には、やはり私は、全面合意も、強い共感も覚えませんが、
しかし、この2人が問題視しているポイントについては理解できるなと思います。
問題認識は納得できるけど、分析の結果重視するポイントや、その解決策には
同意できないという感じでしょうか。

ざくっと1回通して読んでみただけなので、この2人のスピーディで高度なやりとりが
なかなか消化できていない部分もありますが、知的好奇心にしっかりと応えてくれる
興味深い対談でした。


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『学問はどこまでわかっていないか』
- 2011/05/27(Fri) -
堀田力 『学問はどこまでわかっていないか』(講談社文庫)、読了。

著者が、学者先生に、その専門分野に関わる疑問をぶつけるという企画。
登場する学者たちは、錚々たるメンバーです。

ただ、著者の興味関心が、当時積極的に取り組んでいたという
ボランティア活動の話に集中しがちなため、
一冊を通してみると、やや、テーマが狭いかなと感じました。

ロッキード事件の特捜検事という経歴を持ちながら、
この対談では、結構、学者先生にバッサリと斬られたりしてます。
上野千鶴子に突っ込まれたり、切り返されたり、
野口悠紀雄に至っては取り付く島もなし・・・という感じ。

きっと、著者が真正面から向かっていったから、
学者の方も、真面目に返してきたんでしょうね。

そして、大前研一は、やはり話が上手い。

また、今回の収穫は、猪口邦子の話が面白いということが分かったこと。
国際政治学の著作は読んでみたいですね。
ただ、専門分野の話を聞いた今、なんでこの人が少子化対策の大臣だったのかは、
よく分からなくなってしまいました(苦笑)。


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『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』
- 2010/05/13(Thu) -
遥洋子 『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫)、読了。

なかなか刺激的なタイトルに惹かれて買ってきました。

上野千鶴子女史のお名前は学生のころから知っていたのですが、
未だにその著作を読んだことがありません。

どうにも、こうにも、フェミニズムというものが苦手なもので・・・・。

社会からフェミニストとみなされている人々は、
如何せんキョーレツな個性の方々ばかりなので、
その毒っ気にやられてしまうんですよね。

「男女同権」「女性の権利」なんてことを、ことさらに強調する人の中には、
ややもすると「女尊男卑」的な発想の人もいるような気がして、
なんだか本末転倒に思えてきます。

さらに、フェミニストと一括りにされる人々が、
てんでバラバラな方向を向いて主義主張を振りかざしているのも、
学問としての幼稚さに見えてしまってました。

ただ、本作を読んで、頭の中が再整理できました。

「フェミニスト」というのは社会が冠した便宜的なグループ分けにすぎず、
彼女たち(彼ら)は、男性社会からのパラダイム転換を呼びかける
革命家なのだということに気づきました。

だから、あんなに物腰が闘争的である必要があって、
かつ、一人一人の主張が異なっているのだということも、納得できました。

パラダイム転換に際して、
男性/女性という性をキーワードにしているにすぎないのです。

そして、その革命家同士が切磋琢磨する上野ゼミとは、想像を絶する戦いの場でした。
ゼミの形式は大学によって大きく異なるので、
最初は、ピンとこない光景描写もあったのですが、
大まかな仕組みが理解できてからは、参加者たちの勉強量の半端なさに驚愕。
そして、学問にかける情熱も天下イチだと思います。
さすがは最高学府の頂点に君臨する大学です。

学問するとはどういうことかを、思い知らされました。

一方で、著者が上野ゼミに入門した動機である「ケンカの仕方」は、実学として勉強になりました。
著者は、男性との議論で勝つためのスキルを身につけるのが目的だったようですが、
このテクニックは、ビジネス社会でも十分に使えそうです。
議論を活性化、もしくは揉めたときのケリの付け方として、良い技術を学べました。

解説では、本作を、秘境探訪記であり、成長譚であり、ブックガイドであると
紹介していますが、まさにそれらの面白さが詰め込まれ、
さらに実生活で役に立つ一冊です。


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