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『13歳からの反社会学』
- 2023/04/07(Fri) -
パオロ・マッツァリーノ 『13歳からの反社会学』(角川文庫)、読了。

パオロ先生の著作は当たり外れがあるように感じますが、
本作は私的には当りでした。Amazonレビューは低めだけど・・・・・。

世の中で常識とされていることや、議論の対象にすらならないことを
「それは変じゃない?」と突っ込んで深掘りしていく内容です。

著者の本は、文章がくどすぎると感じしてまうと面白さが半減するのですが、
本作は、くどさは特に気になりませんでした。
むしろ、「バカは極論が好き」などの、ぶった斬ったフレーズに溢れてて、
ふふふと笑いながら読めました。

また、本書発行年の2010年の段階で、
「芸能人や有名人の謝罪会見を見たら、何が悪くて何に謝罪しているのか考えろ」と言っているのは
なかなか早い時期での慧眼ではないかなと思いました。
今は、芸能人が不祥事的なことを起こしたり巻き込まれたりしたときに
「この謝罪会見は一体誰に対して何を謝ってるんだ?」というツッコミが
主にTwitter上でなされたりしますが、その走りのような気がします。

幸田來未さんの羊水発言は、当時めちゃめちゃ叩かれてましたが、
産むなら母体が若い方がリスクは少ないという状況はその通りだと思ったので、
言葉選びのセンス(科学的事実に基づかないセンセーショナルな表現を選んだこと)と、
未婚で出産経験のないの若い女性が年上女性に喧嘩を売ったような状況や
幸田來未というスタイルやキャラクターへのそもそもの反感層の存在などが合わさっての
大炎上なんだろうなと当時感じてました。
著者も、同様の総括をしていて、もし当時、今ほどのTwitter文化の浸透度があったら、
擁護派というか、「表現はアレだけど、産むなら若いときに」という主張が
もう少し大きな声になっていたのかなという気がします。

「問題点を見つけ出すだけの知性があるのに、そこから先を考えようとしない思考停止の残念な人」
「100%の正義は存在しない、だから正しいことをしようとする人は自動的に偽善者になる」
という言葉に現れているように、著者は、正義面して糾弾するだけで何も動かない人を
軽蔑してるんだろうなーと思います。
私も、正義を振りかざすだけで何も提言しない人は苦手です。
こういう評価をズバッと言ってくれるところは、読んでいてスカッとしますね。

ところで、本作はいつも通りブックオフで買ってきたのですが、
残念ながらピンクのマーカーペンでところどころに線が引かれてました。
うーん、邪魔だな・・・・と思いながら読んでいたのですが、
著者の主張で「線を引いても勉強した気分になれるだけ」というパラグラフには
一切マーカーが引かれていませんでした(爆)。
でも、次のパラグラフからはマーカー復活してたので、著者の主張は無視されたようです。




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『日本列島プチ改造論』
- 2022/05/10(Tue) -
パオロ・マッツァリーノ 『日本列島プチ改造論』(角川文庫)、読了。

ちょい毒の効いたお気楽エッセイだろうと手に取ったのですが、
予想以上に軽い内容でした・・・・トホホ。

大和書房のサイトに連載されていたものをまとめた本ということですが、
1章ごとの分量が短くて物足りないです。

そして、一応の設定が、「ナポリ3区から参議院選に出馬する著者による日本の改革提言」という
ものになっているのですが、そこまで徹底されているわけでもなく、
章によっては小さい視点の話だったり、何章も続けて一つのテーマを述べていたり。

山椒は小粒でもピリリと辛い的なエッセイを期待しましたが、
イマイチでした。




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『反社会学の不埒な研究報告』
- 2014/06/28(Sat) -
パオロ・マッツァリーノ 『反社会学の不埒な研究報告』(二見書房)、読了。

久々にマッツァリーノ先生の本を見つけたので買ってきました。

うーん、何度読んでもクドイ文章を書くヒトだ(苦笑)。

ちょっと本作では、統計による詐術の話から、
オジサマの尊敬されたい症候群の話から、
ちっぽけな街の喫茶店で繰り広げられるストーカー小説まで、
テーマを広げすぎというか、雑食すぎというか、ノン・ジャンルというか、
まぁ、やりたい放題過ぎて、ちょっとしんどかったです。

もう少し、言いたいことを絞って欲しいなぁ。


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『反社会学講座』
- 2010/10/09(Sat) -
パオロ・マッツァリーノ 『反社会学講座』(イースト・プレス)、読了。

社会学者の胡散臭さを一刀両断にした本作。
都合の良い統計の使い方や、社会不安を煽ることで自分の提案を
社会の中に浸透させていく手法などを分析しています。

『つっこみ力』のときは、ちょっとクドイと思ったユーモアセンスも、
本作では非常に面白く感じました。
社会学者をネタにしているからでしょうか(笑)。

この本を読んでいると、社会学者の大半は、
テレビでのんきに感想を垂れ流しているコメンテーターと同じ人たちのようですね。
流行に合わせて無責任なコメントや提案を言いっぱなしという・・・。

この方の講義を実際に聞いてみたくなりました。
どこの大学の誰なんでしょうかね?


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『つっこみ力』
- 2009/03/21(Sat) -
パオロ・マッツァリーノ 『つっこみ力』(ちくま新書)、読了。

イザヤ・ベンダサン氏を想起させる筆名と
本の趣旨がよく見えない始まり方と
ギャグ満載で不真面目にも思える文章で、
最初はかなり引き気味で読んでいたのですが(苦笑)、
社会学や経済学のあり方を批判する部分に入ってくると
その指摘内容はナルホドと思えるもので、面白かったです。

ただ、ご本人は面白さを追求して、この文体になっているようですが、
お笑いのセンスがどれほどあるのかはちょっと疑問。

クドイ。

でも、土屋賢二先生の本もくどいですし、
学者先生のお笑いセンスはこういう方向性なのかも。

他の作品も挑戦してみたいと思います。


つっこみ力 ちくま新書 645
つっこみ力 ちくま新書 645パオロ・マッツァリーノ

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stars良い本なのでしょう
starsちょいとご隠居さん、めっけもんですぜぃ
stars硬いテーマ
stars増長が鼻につく
stars楽に生きたいのならば人には優しくしておこう

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日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)
日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)イザヤ・ベンダサン

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starsうーん
stars中身より存在することに意味がある
stars日本人論としては秀逸
starsおすすめ
stars日本人は,水と安全をただだと思っている

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われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う (文春文庫)
われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う (文春文庫)土屋 賢二

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stars「著者紹介」から笑わせる
starsわれ悩む、ゆえに本書あり
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