『砂漠でサーモン・フィッシング』
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- 2014/06/15(Sun) -
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『砂漠でサーモン・フィッシング』
砂漠の国イエメンで鮭釣りがしたいという 石油成金の放蕩のようなアイデアでスタートしたプロジェクト。 そこに英国政府の思惑が絡まり・・・・・。 思いつきプロジェクトについては、 「こんなことに5,000万ポンドも投資するのかいな・・・」てな感じですが、 英国政府サイド目線で見ると、如何ともしがたい理由があるわけで。 マクスウェル女史をキーマンにして見ると、英国風ウィット&シニカル爆発です。 恋愛モノとして見ると、多分、予定調和すぎて面白くないのではないかと。 ビジネスプロジェクトものとしても、描写が甘くて非現実的かなと。 ま、私は政治コメディとして見たので、十分楽しめました。 あまりに、石油成金のシャイフを理想家で神聖な感じに格好良く描くので、 この映画作品自体が、何か英国政府からアラブ諸国へのメッセージなのかと 勘繰ってしまいたくなるほど(苦笑)。 ま、でも、歴史のある文化ほど、 多様な価値観の人間が生まれてきておかしくないわけですからねぇ。 ただ、アラブ諸国の人から見て、シャイフの考え方がどのように映るのかはわかりませんが。 終盤の展開は、なんだかドタバタしすぎてイマイチでしたが、 中盤までのウィットの効き方が良かったので、好印象な作品です。
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『ゴーストライター』
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- 2012/12/30(Sun) -
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『ゴーストライター』
冒頭、夕暮れのフェリーが到着した島の港で、 ただ1台だけ運転手が現れずに置き去りにされる乗用車・・・。 なかなか味のあるシーンで物語はスタートします。 元英国首相の自叙伝のゴーストライターに雇われた主人公。 しかし、面接で即採用された帰り道に、早速物盗りに襲われます。 そこから、小さな不審の思いを抱きながらも、米国に滞在する元首相のもとへと向かいます。 この元首相が住んでいる家の佇まいが、 うらさびれた島に、近代的な建物、そして、不順な天候。 これでもかというほどに、怪しい雰囲気を漂わせています。 こういう雰囲気に酔える良質のサスペンスです。 元首相への取材を始めた途端に、イスラム過激派のテロ容疑者に対する拷問の容疑で 元首相の周辺はあわただしくなり、逆に時間を持て余した主人公は、 急死した前任者の謎に引き寄せられるかのように、 手がかりを見つけてしまいます。 このあたりの展開は、やや都合がよいという気もしましたが、 まぁ、真相がアレなので、それまでは上手く誤魔化されていたということなのでしょうかね。 でも作品の持つ雰囲気で、そんなに気にせず見ていけました。 最後、物語の真相に辿り着くシーンは、 黒幕側が公衆の面前で会話を交わしていて、それは流石に油断し過ぎだろう! と突っ込んでしまいましたが、ま、ラストシーンに繋げるには、 こういう急展開の方が、その組織の恐ろしさを暗に示せるのかもしれませんね。 全体を通して、雰囲気を楽しめる重厚な作品でした。
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『トレインスポッティング』
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- 2010/03/07(Sun) -
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『トレインスポッティング』
ヤクブツ関係のお話は得意ではないのですが、 ところどころにユーモアもあって、 テンポも良いので観れてしまいました。 ヘロインの摂取シーンは、あまりにストレートに描写されてて、 目を覆ってしまったのですが、 中毒症状の光景などは、逆に見入ってしまいました。 とにかく、仲間がダメすぎ(爆)。 レントン自身の「薬と縁を切りたい」という意志が弱いのがそもそもダメなのですが、 それに加えて、レントンを同じ世界にとどめておこうとする仲間たちの歪んだ友情と お互いに依存し合って生きている共倒れ関係に、 荒廃する街の姿を見てしまいました。 スコットランドという土地の歴史や現状を思うと、非常に重いテーマだと思います。 ただ、結末がイマイチ腑に落ちない感じ。 重いテーマの割には、あっけらかんとしたオチのような印象です。 コレで、彼は変わることができるのでしょうか?
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