『科学的とはどういう意味か』
- 2017/10/30(Mon) -
森博嗣 『科学的とはどういう意味か』(幻冬舎新書)、読了。

このタイトルにあるようなテーマは
特に日本人は真剣に向き合うべきだという問題意識を私は持っているので
期待して買ってきたのですが、なんだかイマイチでした。

まず、文系/理系という括り方の話からスタートするのですが、
そもそも、その着眼点というか問題提起が古い気がします。

今の学問分野の最先端は、文系と理系(個人的には社会科学と人文科学と呼びたい)の
ハイブリッドで論じられるようになっていると思います。
というか、昔も、自然科学者は神学者も兼ねていたりして、
最先端の知識人には文系/理系なんていう区別の意識はなかったと思います。

高度成長期以降の受験戦争の時代に生まれた、
非常に現代的で、かつ表面的・形式的な概念だと思います。

そんな形骸的な概念について議論を深めても、
あまり意味がないように思います。

むしろ、著者が途中で述べているように、
科学的な思考が身についていない人は実生活において不利益を被る可能性が高い
ということについて、もっと警鐘を鳴らすべきだと思います。

この本で不満に感じたのは、読者層が良く分からないこと。
科学的思考の必要性について意識がある読者にとっては、
本作で述べられた内容はあまりに初歩的というか形式的で得るものが少ないと思いますし、
文系/理系の枠組みにどっぷり浸かっている人は、そもそもこんなタイトルの本に
関心が向かないと思いますし、一体どんな人に本作を読んでもらいたかったのか
狙いが見えてきませんでした。

日本における教育の充実ということを考えるにあたって、
タイトルの問題提起は非常に重要なことだと思いますが、
残念ながら、羊頭狗肉な感じです。


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『自分探しと楽しさについて』
- 2016/01/09(Sat) -
森博嗣 『自分探しと楽しさについて』(集英社新書)、通読。

「自分探し」という言葉が苦手です。
なんで、そんなことをやろうとするののか理解ができないのです。
というか、そもそも、どういう行為を「自分探し」と呼ぶのかが理解できていないのでしょう。

周囲の人との関係や、社会との関係、外部環境における位置づけ、
それらの複合的な要因が重なって自分という存在があるのだと私は思っているので、
周囲への眼を取っ払って、自分だけを見ようとしているように思える「自分探し」という行為が
理解できないのだと思います。

というわけで、通常、自分探しをテーマにした本には関心が向かないのですが、
森博嗣氏が書いているということで試しに読んでみました。
理系センスが織り込まれた小説を手がけている著者なので、
「自分探し」という行為を、ロジカルに捉えた文章が読めるだろうと期待したのですが、
なんと、相当に情緒的な文章が続き、掴みどころがないまま終わってしまいました。

つくづく、この方の作品とは相性が悪いようです・・・・。


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『四季 春』
- 2014/07/13(Sun) -
森博嗣 『四季 春』(講談社文庫)、通読。

何やかんやと文句を言いつつ、4冊目となってしまった森作品。

謎解きモノを読みたいなぁ・・・・と思ってブックオフに行ったときに
ついつい買ってしまうのですが、
ミステリとはちょっと違うものを買ってしまって、いつも挫折(苦笑)。
そして、同じ過ちを本作でも・・・・・。

真賀田四季と言えば、例の作品に登場する強烈キャラですが、
その四季の幼少のみぎりのお話・・・・・って、
そんなエピソード・ゼロ的なものを読むほど、森作品にはまってませんがな(苦笑)。

ところどころで、この四季が発する価値観についてのコメントは
面白いなと思うものがあるのですが、なにぶん、そこまで思い入れがないので・・・・・。

殺人事件は起こりますが、「別にいらないんじゃない?」というぐらい
真賀田四季とは・・・・という話に終始しております。

うーん、そろそろ、森作品は潮時かな。


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『虚空の逆マトリクス』
- 2014/03/24(Mon) -
森博嗣 『虚空の逆マトリクス』(講談社文庫)、読了。

何となく・・・・で買ってきました。短編集です。

長編のS&Mシリーズから繋がっているものもありますが、
私は、まだ作品に馴染んでいないため、普通の短編集として読みました。

冒頭の「トロイの木馬」が、あまりにも概念的過ぎて付いていけなかったので
「うわー、こんな作品が続いたらどうしよう・・・・」と危惧したのですが、
それ以降は、通常の短編ミステリだったので、挫折せずに読み通せました。

というか、「三重県」がところどころに出てきて、
「こんな地味な県がどうして!?」と驚いたのですが、
三重大学に勤務されていた時期があるのですね。納得。

という、変なところで楽しんでしまいましたが、お気楽に読める短編集です。

「ゲームの国」に出てくる回文の数々、
その力作ぶりには驚きました。


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『今夜はパラシュート博物館へ』
- 2013/05/10(Fri) -
森博嗣 『今夜はパラシュート博物館へ』(講談社文庫)、読了。

短編集はお初でしたが、
ちょっと私の好みとは違ってました。

連作集?と思ったのですが、
そういうわけでもなく、軽めのミステリーから純文学的な香りの作品まで
幅広い作品がそろっているのですが、
残念ながら、どれも肌合いが微妙でした・・・。

短編集においては、ミステリーに限らず、
オチがはっきりしているものの方が、私は好きなようです。

長編作品
でもイマイチ乗り切れなかったので、
こりゃ、ダメかな・・・。


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『すべてがFになる』
- 2011/08/17(Wed) -
森博嗣 『すべてがFになる』(講談社文庫)、読了。

熱狂的なファンがいる作家さんというイメージだったので、
期待していたのですが、ちょっと肩透かしを食らった感じ。

トリック重視のミステリーなので、登場人物に共感できるというところまで行けず、
また、「天才」とか「孤島」とか「十四年間建物から出てない」とかいう設定に親しみがもてないので、
淡々と話が進んで、謎が解かれていったような印象です。

探偵役の主人公2人は、登場シーンでは、結構な強烈キャラなのかと思ったのですが、
島に渡ってからは、意外と普通の言動だったような印象です。
この2人ならではの、特異な行動があるかな?と期待したのですが・・・。

犀川助教授や真賀田博士の思考回路は、読んでいて面白かったです。
自由観とか、死生観とか。

とりあえず、このシリーズは、基本、トリックメインだと思うので、
次には手が伸びないかなぁ・・・。


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