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『新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?』
- 2015/12/09(Wed) -
ROCKGIRLS編
 『新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?』
                                                       (かんき出版)、読了。
新潟の米菓メーカーである岩塚製菓と、品川女子学院の中学2年生が
米菓「ふわっと」の新フレーバーを考えるというプロジェクトを追った本。

女子中学生の日記+岩塚製菓の担当者の振り返り+CMプランナーによるツッコミ
という3部構成で話が進んでいきます。

日記を書いている女子中学生は、相当な気合でこのプロジェクトに取り組んだようで、
正直、周りの友達から浮いちゃってたんじゃないかと心配になったり、
もしくは本書用の架空の人物なんじゃないかと思ってしまったり(苦笑)。
でも、女子中学生の本音のダメ出しは、お菓子メーカーにとってはありがたいヒントですよね。

一方の岩塚製菓の担当者のコメントは、
いろいろ学んだことがあると有意義に書きつつも、ちょっと詰めが甘い印象も。
女子中学生とのコラボなんていうニュースバリューのある話題なのだから、
もっと価値を使い倒すぐらいの必死さが欲しいなと思ってしまいました。
地方の安定した企業ののんびりさが出てしまったのではないかなと。

そこにツッコミを入れるのが、CMプランナーである澤本嘉光氏。
この本の価値は、この人の存在にあると思います。
なんとなく満足感が前面に出てしまっている岩塚製菓の面々に対して、
ビシッと、「ここが物足りない」「ここが勿体無い」と注文をつけています。
そこには、CMプランナーとして第一線で活躍する人の目の厳しさがあり、勉強になりました。

また、そのような厳しいコメントを、自社社員の甘いコメントとセットにして
そのまま本にすることを了承した岩塚製菓の懐の深さも感じられました。

最後に、楠木先生が急に登場して総括していますが(苦笑)、
こういうものって、実際に商品化されて、市場に出るということが大事なんだとまさにそう思います。

私が過去に受けたことのある研修でも、実際の企業のデータを使って戦略を立てたり・・・・というものが
ありましたが、所詮、実現しなければ机上の空論であり、どうとでも評価・批判できてしまうと思います。
しかし、市場に商品として投入されたら、女子中学生がどんなに盛り上がってても、
岩塚製菓の社員がどんなに良い先生役をこなしても、販売数という数字で現れるので、
客観的に評価が下されます。
この厳しさを体験できるか、口先だけで終わるかは、大きな違いだと思います。
そして、それを中学生という時期に経験できた彼女たちが羨ましいです。

事前モニタリングで、完全勝利的な評価を得たCチームのアイデアの商品化が
最も後回しになったという経緯は、正直???でした。
このあたりの企画力というか、マーケティング力が備わっている会社であれば、
もっと大きなヒットになっていたのではないかと思われるとことが残念でした。

でも、いろいろ勉強になり、エネルギーをもらえる本でした。


新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?
ROCKGIRLS

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『Think!2014春号』
- 2014/07/19(Sat) -
『Think!2014春号』

『一橋ビジネスレビュー』誌
に広告が載っていたので、試しに買ってみました。
が・・・・・税込で1,944円、高い!

「この経営学がすごい!」という特集タイトルでしたが、
それほど個別の経営学の理論を深堀り彫りして紹介をしているわけではなく、
やや看板と内容が一致していない印象が。

むしろ、「経営学をどのように活用していくのか」という命題のもとで書かれた
入山章栄先生や三品和弘先生、杉野幹人先生の論文が面白かったです。

連載では、購入時に気になっていた楠木先生の「経営者好き嫌い対談」。
日本電産の永守重信社長との対談だったのですが、
永守社長はお名前とある種のイメージを知っているだけで、経営論は良く知らないままです。
今回の対談で、非常にメリハリのある経営思想の持ち主だと分かったので、
是非、この方の経営論について学んでみたいと思いました。

あと、「グローバル企業の掃除術」という連載が面白かったです。
「掃除に価値を置く」という企業は有名どころで何社かありますが、
その行動を支える理念や戦略について、深堀りすると違いが見えてきて面白いなと感じました。
著者の大森信先生の本は、機会があれば読んでみたいです。


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『経営センスの論理』
- 2014/05/20(Tue) -
楠木建 『経営センスの論理』(新潮新書)、読了。

勤め先から早稲田通りをてくてくと歩いて帰っていたら、
古本屋の100円ワゴンに出ていたので、「おー、楠木先生!」と、買ってきました。

ところが、「なーんか、読んだことがある気がするなぁ・・・・」と思い、
後ろの方を見てみたら、ダイヤモンド社が運営するサイト「ハーバード・ビジネス・レビュー」での連載
まとめたものとのこと。
この連載、ほとんど読んだわ!

てなわけで、あんまり新しいものを得る機会にはなりませんでしたが、
復習にはなりました。

というか、本を一冊ヒットさせると、
これほどに副次的収入が何重にも得られるものかと、改めて驚きました。


経営センスの論理 (新潮新書)経営センスの論理 (新潮新書)
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『戦略読書日記』
- 2013/08/05(Mon) -
楠木建 『戦略読書日記』(プレジデント社)、読了。

大学時代の友だちとの話の中で、「今、この本読んでるよ~」と出てきたのが本書。
で、早速わたくしめも久々に新品を本屋で購入。

今日は一日勤め先からお休みをもらっているので、
夏休み気分で、じっくり読むかぁ・・・と昨夜から読み始めたら、
読み止めることができずに、まさかの一気読み(笑)。

楠木先生一押しの本が紹介されているだけと言えば、だけなのですが、
なぜ、この本が面白いのかということを、非常なる情熱をもって語っています。
訴えかける力がすごくて、紹介されている本の半分は、
自分の「読みたい本リスト」に追加することになりました。

翻って、自分の仕事を考えてみた時に、
自分に最も欠けているのが、この「人を動かす力」「他人を巻き込む力」だと再実感。

自分自身、仕事には情熱とプライドをかけて取り組んでいるつもりなのですが、
情熱も行動も、基本的に自己完結型なんですよね~。
全部自分でやっちゃう・・・。
そして、下手にそれで出来てしまうと、周りの人が、
「あの人は何でもできる人だから手を出さない方が良い」と判断されてしまい・・・。

まぁ、まだ、そうなってしまう程には、自分の能力が足りていないし、
やっている仕事自体も、それほど高度なものではないので、
上記の表現は相当に誇張しちゃってますが、突き詰めるとそういう悪循環に陥ってます。

それに引き替え、この楠木先生の、
「自分がワクワクしたことを語り、他人にもワクワクさせる巻き込み力」というものは
原著の『ストーリーとしての競争戦略』もそうでしたが、
本作は「読書感想文」なだけに、ますます強烈に感じられました。

訴えかけ、動かし、どんどん巻き込む、
この能力を少しでも自分のものにしていきたいです。

『ストーリーとしての競争戦略』の副読本として、面白かったです。


戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉
楠木 建

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『ストーリーとしての競争戦略』
- 2012/09/02(Sun) -
楠木建 『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)、読了。

楠木先生のヒット本、ようやく読みました。
全500ページの大作に、時間かかりそうだなぁと尻込みしたのですが、
読み始めたら、それこそあっという間に読めてしまいました。

今まで、いくつかマーケティングや戦略の解説をしている本を読みましたが、
1つ1つのフレームワークで言わんとしていることは分かった気になっても、
さて、それを使う段になると、1つ分析して終わり、次も分析して終わり、
果てさて、これらをどう活用したらよいのだか・・・・と
途方に暮れることがしばしばありました。

本作で分かったのは、ストーリーなしに、いきなりフレームワークに頼るから、
それぞれが分断された結果をもたらし、何を言いたいのかわからなくなるということ。
そして、その企業の置かれた文脈をきちんと汲み取ることの重要さです。

全てが繋がり、循環しなければ、事業のどこかに綻びが出来て、いずれは破綻してしまう。
だから、まずは上から下まで流れる骨太のストーリーが必要なんですね。

以上のことを、これまた面白く読めるストーリーの中で
グイグイと語ってくれるので、一気に読めます。

何よりも、自分の会社の事業を、他人に対して楽しく語れる人間になりたい、
そんな会社にしたいとの思いを新たにしました。


ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
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