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『東大オタク学講座』
- 2021/11/14(Sun) -
岡田斗司夫 『東大オタク学講座』(講談社)、読了。

岡田斗司夫氏のYouTubeチャンネルが面白いので、よく見ています。
YouTubeでチャンネルを持つことが一般化する前に、
この方は、ニコニコ動画で番組を配信し、視聴者を囲い込む戦略を実行したり、
アップグレード動画という形式で過去の動画を何度も収益化したり、
いろんな手法を編み出し、実行し、ちゃんと軌道に乗せているところがすごいなと。

そんな岡田氏が世間一般で有名になるきっかけになったのが、
たぶん、この東大で「オタク学」を講義したことだと思います。

「オタク」という存在の分析は、前に読んだ『オタク学入門』の方が
分かりやすかったように思いました。
本作は、「ゲーム」「アニメ」「まんが」「オカルト」というように、各分野についての考察となっており
私の興味の濃い薄いで、楽しめる章とそうでない章にはっきり分かれてしまいました。

中盤は、どんどん一般的な「オタク」のイメージから離れて、
マニアックな世界というか、アングラな世界になっていったので
かなりしんどかったです。

実は、冒頭1/5ぐらいを読んでいた頃に、YouTubeのレコメンドに下の動画が出てきて、
いつもの流れで事務仕事しながら見てみたのですが、
なんと、岡田斗司夫の愛人騒動(離婚者だから愛人じゃないけど)についての言い訳動画でして・・・。
その言い訳の内容が、相手を庇っているように見えて実は相手に非を押し付けている鬼畜さと、
そもそも80人と同時に付き合っていたというブッチャケ話に
「岡田斗司夫って、そんな人だったのか・・・・・」と正直引いてしまい、
その状態でエログロな中盤を読んだので、ますます引いてしまいました(苦笑)。

まぁ、「80人と同時に」というのは盛りすぎだと思いますし(継続性のない関係を入れちゃダメでしょ)、
自分の非を認めているようでうまく逃げているところは
口の回るダメ男なところを見せていますが、でも、斗司夫愛好家の人々には、
そんなところこそ「斗司夫すごい!」という評価に繋がっていそうで、苦笑。

私は別に、不倫してる人とか、二股(以上)をする人とか、
そういうダメな人も、私自身のリアルな生活において直接的な影響を受けなければ、
「そんな人は居るだろうし、勝手にやれば~」てな感じで割り切れる方なので、
本件により、岡田斗司夫の動画の面白さへの評価は変わらなかったのですが、
ただ、岡田斗司夫という人物は、若干、胡散臭いという目で見るように変化しました(爆)。

ま、動画を見てしまったタイミングが良かったのか悪かったのか、
とにかく印象に強く残りましたが、本作の内容の評価としては、
オタクの具体的な行動そのものを説明している部分よりも、
なぜ彼らがそういう行動を好むのかという思考回路の解説の方が、やっぱり面白かったです。
ひとつの社会現象の分析ですよね。

たぶん、「オタク」のジャンルというのは、際限なく細分化していくと思うので、
本作で解説されるようなジャンルもどんどん増えていくのだと思うのですが、
そういう1つ1つよりも、「オタク」に横串を刺して分析できるような視点が得られると
より面白くなりそうだなと思いました。






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『オタクの息子に悩んでます』
- 2020/10/08(Thu) -
岡田斗司夫FREEex 『オタクの息子に悩んでます』(幻冬舎新書)、読了。

今年に入って、岡田斗司夫さんのYoutubeチャンネルをよく見るようになりました。
毎回、視点の独創性や、構造を見極める能力に感嘆してばかりです。
特に好きなのが「サイコパス人生相談」の企画。
サイコパスだと自認する岡田さんが、視聴者からの悩み相談にこたえるのですが、
そこはサイコパスらしく本質をついてバッサリと斬っていくのが心地よいです。
相談者に寄り添う温かい回答を好みそうな一般的な人生相談好きの人には不評な気がしますが(苦笑)。

朝日新聞に連載された人生相談コーナー「悩みのるつぼ」については、
Youtubeチャンネルでも何度も取り上げられているので、
「悩みの本質を見抜くにはどうしたらよいか」「そこに役に立つ回答を与えるにはどうしたらよいか」
という考え方自体は動画でも見てますし、実際に本作で紹介されている相談内容に対して
詳しい解説をしている動画を見たこともあります。
でも、本作では改めて新鮮な気づきがあり、最初から最後まで面白かったです。

私の著者への関心は、最初は、世の中の事象に対する構造や仕組みの分析が的確で
納得性が高いなぁ、どうやったらこんなに本質的な仕組みをシンプルに捉えることができるのだろうか
というところから始まりました。

で、どんどん動画を見ていくと、ホリエモンとの対談動画などもあり、
それを見ていくと、新たなスキームを作り上げてきちんと動かしていく能力のスバ抜け感が
すごいなぁと、さらに関心が広がりました。
以前、ホリエモンとの対談で「評価経済」という概念を知り
詳しくは岡田センセの本を読まないといけないなと思っていたのですが、
Youtubeチャンネルの動画を見て、具体的に、FREEexという組織を立ち上げ、
それを会員たちと一緒に動かしているという解説を聞いて、こりゃ凄い人だなと。
(さっきから「すごい」という言葉しか出てこず、自分の語彙のなさが残念です)

ホリエモン祭りで堀江さんとFREEexの仕組みについて話している動画で
すんなり腑に落ちたのですが、これはたぶん、堀江さんの理解の早さという能力にも
助けられたような気がします。

さてさて、本の感想からどんどん外れていってしまってますが、
著者に対する私の関心事は、目の前の社会状況(=悩みの内容)の本質部分を抜き出し、
シンプルに構造化し、その中で取り組むべき課題をピンポイントで抽出し、
課題解決につながる選択肢を用意し、その中でベストな1つを推す。
つまりは、構造化し、シンプル化し、課題を顕在化させ、解決プランを立てる、
このPDCAのテクニックです。

本作では、どういう視点の持ち方で悩みに向き合うのか、
どんなテクニックをどういう順番で駆使するのか、ということを
具体的な悩みに即して解説してくれていて、わかりやすいです。

さらには、著者自身が悩み相談をこなしていく中で、
自分自身が、この人生相談の仕事に対して設定していた目標に疑問を持ち、変更していく過程や、
相談者との距離感の取り方や向き合い方をいつも真摯に考えている様子が素直描かれていて、
こんなにも真正面から悩み相談に乗ってもらえたら、そりゃ実行する気になるわなぁと。

悩み相談の文面も、本人がしっかり推敲して出してきてるような本気さがうかがえますし、
相談者と回答者の共同制作物とみても良いように思います。
その点でも、ある種の評価経済の一端なのかなと感じました。






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『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』
- 2015/11/11(Wed) -
堀江貴文、岡田斗司夫
     『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』(徳間書店)、読了。

帯にホリエモンとオタキングが並んで写っているのですが、
岡田センセ、リバウンドしましたよね~(苦笑)。
堀江さんの方がスマートな体型をきっちりキープしてます。

さて、2人の対談本ですが、
中心テーマとなっているのは、「貨幣経済」に対する「評価経済」という概念。
どうやら岡田センセの造語のようですが、
「貨幣の代わりに評価が流通する社会」「評価と影響を交換する社会」とのこと。

結局は、評価や影響を直接交換することは今の社会ではできないので、
その仲介を貨幣が行っているように私は感じたのですが、
でも、貨幣そのものの価値ではなく、評価や影響が価値を定めており、
貨幣はその価値のボリュームを表現する単位に過ぎないという気はしました。

この概念を理解するためには、対談ではなく、きちんと岡田センセの著書を読んだ方が良さそうです。

もう1つ、この対談で気づいたのは、ホリエモンの知的好奇心を前にした謙虚な態度です。
ライブドアの代表だった頃は、露悪的な態度と物言いという自己演出もあって、
上から目線の嫌なヤツに見えていましたが、檻から出てきた後は演出を変えたために、
素の堀江さんが出てきているのだと思ってます。

で、自分の知らないことで、かつ面白そうだと感じたものについて、
素直に「何ですかそれ?」と質問し、「教えてください」とお願いする姿に、
知的好奇心に対する真摯な姿勢が印象に残りました。

これだけ名前が売れて、しかも時には世間に叩かれる役回りを背負わされている人にとって、
こうやって「知らない」と言える素直な態度は、意外とハードルが高いのではないかと思います。
私でさえ、知っているふりを取り繕ってしまったりしますから(苦笑)。

膨大な知識量をベースにして生きている人は、
知的好奇心に対して素直な姿勢があってこその、知識の蓄えなんだろうなと思いました。


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『いつまでもデブと思うなよ』
- 2014/01/20(Mon) -
岡田斗司夫 『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)、読了。

ここ1年ほどで、体重が10%増しになってしまいました (_ _|||)
ま、理由は酒量が増えたことだと思うんですけど・・・・。

今年は、会社が5年おきに言ってくる人間ドックの年なので、
ちゃんと体重を落とさないと面倒なことになるかなぁ・・・と思い、
とりあえず食事を改善することにしてみました。

でも、これまできちんとダイエットに取り組んだことがなかったので、
カロリー計算とか良く分からない・・・・ということで、本作を。

レコーディング・ダイエットで50kgものダイエットに成功した著者が
その取り組み方法を解説しています。

「ガマンしない」「無理しない」を基本原則に、
「データを取る」「データを分析する」という頭脳戦で進めていきます。
こういう「数字と理屈」で展開する方法は、私には受け入れやすそうです。
とにかく興味を持てないと取り組めない性質なので(苦笑)。

ということで、とりあえず、データを取ることから始めてみたいと思います。
6ヶ月で10%分を落とそう!


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岡田 斗司夫

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『オタク学入門』
- 2011/01/10(Mon) -
岡田斗司夫 『オタク学入門』(新潮文庫)、読了。

息抜きにオタク本を。

真正オタクの生態と思考回路を解明してくれますが、
彼らの「突き詰める」プロセスが非常に面白かったです。

そして、彼らが日本のアニメーション等の発展を誘ったように、
ITの世界ではプログラミングのオタクたちが開発を牽引していったのではないかと、
本作を読みながら、梅田さんの本の内容を思い出していました。

とことん突き詰めようとした人々でなければ
新しい世界には辿り着けないほど、今の各分野の技術は進歩し、
かつ細分化された専門世界になってしまっているのだと感じました。

その細分化された世界をさらに先に進めつつ、
また細分化の壁を破って横串を刺せる能力をもった人たちがオタクとなれば、
彼らを大量に保有する日本の未来は安泰・・・となるはずが、
どうやら彼らの生産プロセスは確立できていなかったようで、
今や、真正オタクは減少しているとのこと。

いろんなオタク文化が一般化、汎用化してしまったことで、
大分薄まったモノになってしまっているようです。

確かに、周りを見ても、オタク風な人ばかりですもんねー。
自分の理論を確立しているというよりは、単に流行に乗っているだけのような。
ガッツのあるオタクは、もう出てこないのかしら?

あと、最後の富野由悠季氏との対談は、噛み合わなさっぷりに笑いました(苦笑)。
ガンダムファンには、受け入れやすい対談だったのかなぁ?


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『「世界征服」は可能か?』
- 2009/03/13(Fri) -
岡田斗司夫 『「世界征服」は可能か?』(ちくまプリマー新書)、読了。

新聞だか雑誌だかの書評で目にした時から気になっていた一冊。
常々私が疑問に感じている「アクション映画の悪役は一体何がしたいんだろう?」に
何らかの回答を与えてくれそうだったので。

結論からいえば、
「今の世の中で世界を征服しても割に合わない」ということで、
どうも世界征服は頭のいい人がやることではないようです。

経済的にも政治的にも割に合わないということが次々と論じられていくので
世界征服は自己満足のためにしか達しようがないようです。

そして、岡田センセが提唱する「ネオ悪の組織」とは
「アンチ経済社会」で「情報信仰からの解放」であり、
「目上の人を言うことを守る」「ボランティア形式」・・・・・・
これって、モロにオ○ム真○教のような気が。
彼らは最先端の「悪」だったようです。

それにしても、「レインボーマン」が気になります。
DVDもたくさん出ているようですし、
いつか「死ね死ね団」に会える機会があるかな?


「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)
「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)岡田 斗司夫

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