『痺れる』
- 2016/11/25(Fri) -
沼田まほかる 『痺れる』(光文社文庫)、読了。

短編集は初めてでしたが、
長編作品よりも、短編集の方が好きかも。

人間の気持ち悪いところを描きつつ、
その気持ち悪さをどこかで受け入れてしまう人間の不思議さを
描いていて、興味深かったです。

ちょっと病んでいる感じの人物は、
どちらかというと女性で描かれることが多いような印象を持っているのですが、
本作では、男性側が病んでいる設定が多く、
慣れないせいかドキドキしてしまいました。

そして、そんな病んだ男性に恐怖を感じながらも
どこかの点で受け入れてします女性。
結局、女性の方も病んでいるということか・・・・・。

自分は日常生活を送っているつもりでも、
急に降りかかってくる不気味な接点。
その接点を振りきることができなければ、
どんどんドツボにはまっていってしまう恐怖。
それを上手く描いている短編集でした。


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『アミダサマ』
- 2013/11/02(Sat) -
沼田まほかる 『アミダサマ』(新潮文庫)、読了。

ここ数日、風邪っぴきで微熱が続いていました。
早めに布団に潜りこみ、就寝前の読書に本作を手に取ったのですが、
なんだか読み止められなくて、ずんずん読み進めていくうちに、
風邪の症状と本作の怖さが相まって、変な体験をしてしまいました。

ちょうど、飼い猫が衰え死に向かいつつあるシーンに差し掛かり、
(もう本作ではここが一番気持ち悪いと思ったのですが)
熱が上がっってきたのか脂汗をかき、周囲の部屋の生活音が異様に耳につくように・・・・
隣の住人が深夜の掃除か何かをしていた(と思いたいのですが)、
ガタガタガタガタと音がしたと思ったら、耳がボーっとして音がこもり、
一気に体が熱くなったかと思うと、汗がじとーっと・・・・。

不気味でした。
思わず本から目を上げて、周囲を見回してしまいました。
気持ちの悪さを感じ、「南無阿弥陀仏」と10編唱えて、もう眠ることにしました。

ま、風邪の症状だというだけの話だと思いますが。
本当に心地が悪かったです。

と、ホラーを読んで、ホラーを味わったのですが、
では小説としての本作にのめり込んでいたかと言うと、イマイチ・・・(爆)。

猫の死のシーンが最もドキドキして読んだのですが、
それ以外のところは、あまり引き込まれませんでした。

現象の「なぜ」が良く分からなかったですし、
「なぜ」を問わせないだけの迫力が物語にあるかと言うと、それも足りない。

最初の産廃処理場のシーンでの「僧」と「青年」という2人の主人公に感じた感覚と
日常生活に戻った場面での2人に感じるものとにギャップがありすぎて、
キャラクターに感情移入できなかったというところも大きかったです。

青年の方の日常生活も、人間として気持ちの悪いものでしたし・・・・。

というわけで、恐怖は「体験」できましたが、作品からはあまり得るものがなかったです。


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『猫鳴り』
- 2013/02/04(Mon) -
沼田まほかる 『猫鳴り』(双葉文庫)、読了。

先日、著者の作品に初挑戦してみたものの、負けてしまいました(苦笑)。
というわけで、有名な本作でリベンジです。

結果、面白かった~。

年が行ってからようやく授かった赤ん坊を流産させてしまった夫婦。
そんな家に迷い込んできた弱った子猫。
亡くした子どもと重なるからとの理由で猫を遠くに捨てに行くが・・・。

この猫を軸に、3つの物語が展開されますが、
そのどれもが全く異なるテイストを持っており、
しかも3つの物語が時間を経て積み重なることで、
不思議な深みを増していきます。

最初の話は、赤ん坊を亡くした女性の悲しみがじっくりと描かれていて、
次の話は、親の愛情を満足に得られない少年の悲しみを突き放して描き、
最後は、年金生活者と老猫との最期の時間を淡々と描きます。

内面を抉りだす作品から、淡々と日々を綴る作品へとレンズは引いていくのに、
その物語の積み重ねにより、様々な思い出を勝手に読者が想像していくような
そんな深みのある物語に仕上がっています。

リベンジしておいて良かった~。


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『九月が永遠に続けば』
- 2013/01/03(Thu) -
沼田まほかる 『九月が永遠に続けば』(新潮文庫)、読了。

新年一発目の読書は、お初の作家さんです。
高校生の息子の失踪事件を追うサスペンスということで、
青春系のお話を勝手に期待したのですが、非常にグロい真相でした・・・。

複数の男たちにレイプされ精神を崩した少女が、数年後に再びレイプ被害に遭うとか、
ちょっとやり過ぎなんですよねー。えげつないというか・・・。
そこに何か具体的な理由があるならともかく、
「その少女が魅惑的だったから」というような理由では腑に落ちない展開です。
他にも、いろいろ展開を盛り過ぎていて、付いていけませんでした。

失踪した息子とその親友の少女、さらにその親父など、
キャラクター設定には、結構、魅力的なものを感じていただけに、
物語の中で使いこなされていないように感じて残念でした。

失踪の真相究明も、最後、いきなり回答がこっちにやってきて、
謎解き感がモヤモヤしたまま終わってしまいました。

新しい作家さんに挑戦するときは、作品を選ぶべきだということを
実感した読書となりました。


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