『ブラックペアン1988』
- 2015/08/06(Thu) -
海堂尊 『ブラックペアン1988』(講談社文庫)、読了。

面白くて一気読みでした。

大きな事件が起きるわけでもなく、大胆な推理が展開されるわけでもなく、
サスペンス作品としては大きなヤマはないように思えるのですが、
しかし、大学病院の医局という組織を描ききっていて非常に興味深く読めました。

外科を取り仕切る佐伯教授、ライバル大学から半ば押し付けられたビッグマウス高階講師、
佐伯一派の助教授や講師たち、手術室の悪魔こと晩年ヒラの渡海、
そして主人公の外科医1年生・世良。

極端なキャラクターたちのごった煮のような医局の様子を、
1つ1つ丁寧に描いていくことで、こういう組織もあるかな・・・・と思えてきます。
書き方が下手だと、違和感というか、現実離れした集団にしか見えないでしょうから。

むしろ、キャラクターが立っているので、
ストーリーの方では変に話を作り込まないことが良かったのかもしれません。

チームバチスタの主要メンバーの若い頃を知ることができるという点でも、
1粒で2度美味しい作品になっていると思います。


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『ジェネラル・ルージュの凱旋』
- 2013/03/13(Wed) -
海堂尊 『ジェネラル・ルージュの凱旋』(宝島社文庫)、読了。

『ナイチンゲールの沈黙』と対になる本ということで、
早速、こちらも読んでみました。

ナイチンゲールが小児科の話なら、
本作は、同時期に進行している救急救命側のお話です。

ま、冷静に考えたら、殺人事件と贈収賄事件が同時進行している病院なんて
通いたくないのですが(苦笑)、大きな混乱もなく、2つの話を進められるなんて、
その構成力は素晴らしいです。

しかも、方やファンタジー系、こちらはガッツり医療現場を描く社会派。
同じ病院を舞台にしながら、様々なジャンルの作品を書けることも
凄いことだと思います。

これまで読んだ3つの作品の中では、一番読みごたえがあったかも。
死んだ、殺した、隠したみたいなサスペンスよりも、
社会問題を抉っている分、重厚な仕上がりになっていたと思います。

また、物語の展開の大部分が、ナントカ委員会の議場だったり、
もしくは病院長などとの下ネゴであったりと、
大学病院の非常に官僚的な面をこれでもかというぐらい描いているのですが、
そこで交わされる言葉の応酬が、これまたウィットに富んでいて、
しかも、論破する過程は爽快なぐらいです。
会議の描写ばっかりなのに、こんなにワクワクする作品は初めてかも。

ま、最後、きれいに終わらせ過ぎた感じもしますが、
また、新たな問題が湧きあがってきたところで本作は終わってしまったので、
次のシリーズが楽しみです。


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『ナイチンゲールの沈黙』
- 2013/03/05(Tue) -
海堂尊 『ナイチンゲールの沈黙』(宝島社文庫)、読了。

シリーズ2作目に早速挑戦です。
前作における事件から数か月後の東城大学医学部付属病院が舞台です。
基本的な登場人物やコンセプトは同じ(「桜宮サーガ」というらしいですね)。
今回は、小児科の面々が中心です。

ただ、今回扱っている事象は、かなりファンタジー系というかSF系というか。
医療現場に適した科学的な推理が展開される作品と思って読むと、
面喰っちゃうと思います。

発生する殺人事件そのものの解決は、
本作では大した重みを持っていないように感じました。
それよりも、入院患者の子供と看護師・医師・技士との心の通い方やすれ違い方を
描きたいのだろうなと。
そういう意味では、『踊る大捜査線』の医療版なのかなと思います。

ただ、魅力的なキャラクターたちがたくさん登場する割には、
あまりうまく使いこなせていなかったのが残念。
登場人物紹介で終わってしまったような感じです。
この後のシリーズ作品で、それぞれ活躍し始めるのかな?
ま、続きを楽しみにしましょう。


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『チーム・バチスタの栄光』
- 2013/01/14(Mon) -
海堂尊 『チーム・バチスタの栄光』(宝島社文庫)、読了。

ようやく、この大ヒット作を読みました。
うん、面白かったです。納得。

まず、キャラクター作りが非常に上手いです。
強弱の付け方や、際どさと常識のラインの引き方、配置の仕方など、どれもお見事。
文庫本だと上下2巻に分かれていますが、
上下巻で探偵役が交代するところも面白さを際立たせていました。

前半で、主人公に探偵役を担わせますが、
事件の謎解きではなく、そもそもバチスタ手術とは・・・というところを
読者に分かりやすく解説させる役目をしっかりと果たしています。

そして、後半、怒涛の真相究明は、厚生省の異端児にやらせるという
この展開は、ある種リアリティの薄さにつながりかねないのですが、
キャラクターの異質さを際立たせるには、上手い立ち位置だったように思いました。

動機の面については、これまた異様なところはありますが、
私は、むしろ、恨みつらみに傾倒しがちな日本的サスペンスよりは、
こういう強烈な動機の方が、本作には合っているように感じました。

この作品だけで終わらせてしまうには勿体ない登場人物の面々ですね。
このシリーズは、今後も楽しみです。


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