『クドリャフカの順番』
- 2017/01/13(Fri) -
米澤穂信 『クドリャフカの順番』(角川文庫)、読了。

古典部シリーズ第3弾。
次を読むかどうしようか迷う・・・・と書いた第2弾の感想

結局、読んでみたのですが、
段々と冗長さには慣れてきたみたいで(苦笑)、結構面白く読めました。

前半は、話の展開がゆっくりだったこともあり、
ことのほか冗長さが気になりましたが、
「十文字」の活動が周知の事実となってくると、
学校全体を動かしながらの騒動となり、
どんな展開になるのだろうかとワクワクしながら読みました。

そして、地味に気になったのが、
どうやって古典部文集『氷菓』を200部も売るのかということ。
誤発注で200部作ってしまい、売値200円ということは、
全く売れなくても耐えられない赤字額ではないとはしても、
文化祭3日間でどうやって売るとするのか、そのプロセスが気になりました。

サイドストーリーではありましたが、
福部の作戦は、意外と好きでした。面白かったです。

わらしべ長者とか、くだらないサイドストーリーも
結構楽しめました。

しかし、それらのサイドストーリーを絡ませていき、
大団円に持っていくための最も要となる場面に
お姉さん登場で、その展開は、ちょっと無理過ぎないか???と。
行動に必然性がないように思え、すっと気持ちが醒めちゃいました。
それとも、この行動も謎解きの末の計算の上なのでしょうか?

高校の中という狭い世界で、
文化祭というハレの空間において、
罪のないゲームをワイワイ繰り広げているようで、
読後感はスッキリとした青春作品でした。


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米澤 穂信

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『儚い羊たちの祝宴』
- 2015/02/06(Fri) -
米澤穂信 『儚い羊たちの祝宴』(新潮文庫)、読了。

「暗黒ミステリ」という紹介文のとおり、
ブラックというか、ダークなストーリーが5編。

謎解きの方よりも、動機の方に重きが置かれたミステリです。
その動機の暗さが異様なのですが、
それを楽しめるかどうかにかかっている作品集です。

ちょっと私には、異様さが極端すぎて、
あまり上手く受け入れられませんでした。
作り物の度が過ぎているという感じでしょうか。
「実は、こんな人、周囲に居そうだな」という怖さが感じられませんでした。

著者のマニアックな知識に触れられるのは面白かったです。


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米澤 穂信

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『愚者のエンドロール』
- 2014/03/08(Sat) -
米澤穂信 『愚者のエンドロール』(角川文庫)、読了。

古典部シリーズの第2弾。

第1弾はちょっとダメだったのですが、念のため再挑戦。
しかし、やはり、冗舌さが受け入れにくく・・・・。

登場人物の会話が冗舌ということよりも、
本筋にあんまり影響がなさそうな描写が多いような印象を受け、
その割には真相へのヒントとなる重大な事象が上手に紛れ込んでいるわけでもなく
結構、文章の中で異様な目立ち方をするというところが・・・・
ストーリーの冗舌さとでも言いましょうか・・・・。

でも、真相自体は面白かったです。
真相の真相があったりして。

素材は良いけど、調理法が苦手という場合は、
第3弾に手を出すべきでしょうか、ここいらで止めておくべきでしょうか、
悩むところです。


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『ボトルネック』
- 2013/01/15(Tue) -
米澤穂信 『ボトルネック』(新潮文庫)、読了。

もっとラノベっぽいノリかと思っていたら、意外と面白く読めました。
パラレルワールドものなのですが、結構、重たい展開なんですよねー。

不仲な両親、事故で植物人間の兄、恋人は崖から転落死、
全てに見放されたかのような主人公の特技は「受け入れること」。
そんな主人公が別世界に飛ばされ、そこで出会ったのは「姉」。
その世界では自分は存在せず、仲の良い両親と元気な兄と姉の4人家族。

ところどころ違って見えるこの世界について、違っている理由が、
自分と「姉」との行動にあることが分かってきます。
そして、分岐点になった行動の1つ1つが、いずれも「姉」の方で良い結果を生んでいる。
それが、些細なことなのではなく、人生の幸不幸や、人の生き死にとして
厳然とした結果の相違を生んでいるのです。

これって、知った時の衝撃は凄まじいですよ。
自分の行動が他人の人生を終わらせてしまったりしているのですから。
主人公が終盤に見せる苦悩の重さは、並々ならぬもののはず。
それを一撃で破壊するかのような最後の一行。
うーん、容赦ないです。

ストーリーでやや違和感があったのは、
人の生き死にを左右するほどの影響力を持ちながら、
影響が及んでいる範囲がごくごく限定的で、
日常生活の大半においては、ほとんど差が生じていないこと。
この設定は、ちょっと都合よすぎなように感じました。
バタフライ・エフェクトのような要素を使うなら、それこそ至る所に影響が出て、
全く異なる世界になっているでしょうからね。

ま、そこはご愛嬌かな。
あんまり気にならなかったのは、「姉」のキャラクターによるところが大きいかも。
この登場人物は、ラノベの香りをぷんぷん臭わせているのですが、
意外とすんなり読めちゃったんですよねー。不思議。
こういうサッパリした女性のキャラが好きなのかもしれません。

一方、ノゾミとフミカのキャラクター設定には、
リアリティの無さをひしひしと感じてしまいました。
重要な役回りのキャラですが、ポイントでしか出てこないので耐えられたのかも。

ま、文句も言いつつ、全体的には楽しめました。


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『インシテミル』
- 2012/04/24(Tue) -
米澤穂信 『インシテミル』(文春文庫)、読了。

面白かった!

普段は、あまりにも現実世界からかけ離れた設定でになりがちな
クローズド・サークルものって好みではないのですが、
本作には、のめり込めました。

「この破格の給料は誰が出すの!?」
「SHMクラブってどんな組織なの!?」
「暗鬼館のハイテクさは何なの!?」
「そもそも何のためにこんなことやってるの!?」

これらの根本的な疑問に一切答えることなく(爆)、物語は終わってしまいます。
ここまで、クローズド・サークルそのもののリアリティを無視して物語ってしまう度胸に
ある意味、胸を打たれました(笑)。

ここまで割り切って描くなら、こちらも頑張ろうじゃないかと、
12人のリストを作ったりしてガッツリと取り組みました。

12人が閉じ込められて、殺し合いの準備が整ったとしても、
どうやって殺戮が始まるかの切っ掛けが重要なのですが、
本作では、その端緒となる出来事の納得感は十分にありました。
もちろん、その後の殺されていく理由も、それぞれに納得。

各人の行動も、突飛なものはあまりなく、
考えられる範囲で合理的に動いているように感じたので、
作者の都合での無理な行動は、目に付きませんでした。
これにより、気持ちに水を差されることなく、最後まで一気に楽しめました。

主人公の結城のキャラクターが、
序盤と終盤で、結構、受ける印象が変わってくるのが気になりましたが、
まぁ、なんとか1つの人格には収まっていたと思います。
外面的には「演技でした」「隠してました」で通りますが、
内面の描写は、ちょっと恣意的だったかなと感じました。

あと、キャラクターで言えば、須和名には、ちょっとガッカリ。
もう少し、「えーっ、こんな人だったの!?」的な展開があると期待したのですが・・・。

そして、安東、割と好きなキャラでしたが、
映画版のキャスティングを見たら、なんと北大路欣也(苦笑)。
お前、何歳なんだよ!


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『氷菓』
- 2010/01/31(Sun) -
米澤穂信 『氷菓』(角川文庫)、読了。

あちこちのBlogでお名前を見かけますが、本作がお初です。
軽めの学園ミステリー。

北村薫さんの作品を想起させますが、ちょっと感覚が違う感じ。

主人公たちが非常に饒舌で、雑学や教養を会話で楽しむタイプ。
こういう登場人物たちって、興味深さとウザさのバランスの上にいると思うんです。
北村薫作品は、絶妙なバランスで、興味深さの方へ傾いてる感じ。
本作は、ちょっとイラッとするほうに傾いている感じ。
鼻につくというか・・・・。

ま、これは、私がこの作家さんにまだ慣れていないだけなのか、
それとも読んだ時の気分に左右されたのか、
こちら側に原因がある可能性も大なのですが。

手探り状態のままで読み終わってしまったので、
他の作品も試してみようと思います。


氷菓 (角川スニーカー文庫)
氷菓 (角川スニーカー文庫)上杉 久代

おすすめ平均
stars氷菓とは?
stars日常の謎
stars大人向けの学園もの。
stars私には合わなかった
stars久々に心残る作品

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