『マーシャル・ロー』
- 2016/06/17(Fri) -
『マーシャル・ロー』

イスラム過激派がNYで連続爆弾テロを仕掛け、
それに立ち向かうFBI、CIA、軍隊の三つ巴の組織闘争という構図の作品。

どんどん次のテロ事件が起きていくというスピード感と、
累積死者数の加速度的な増加、そして、何よりもNYが機能不全に陥るという
シチュエーションに、「911後にここまで踏み込んで描くとは勇気あるなぁ」と思ったのですが、
観終わった後に調べたら、なんと1998年の作品。

911の3年も前に、イスラム過激派VS米国市民社会という構図で
ここまで具体的で深刻な対立構造を描けてしまってたアメリカという国に、
病気の根深さを見てしまいました。

本作では、戒厳令が敷かれ、米国軍が出動する事態となりますが、
その手前では、一応、米国内で米国民(であるイスラム系住民)に対して軍隊を出動させるなんて
軍のあり方として間違っているというような本質論での議論が展開されていました。

しかし、もしトランプ大統領の治政下でこのような事件が起きたら、
即刻軍隊出動&イスラム系住民の弾圧が始まりそうで、恐ろしいです。

テロ事件に直面するアメリカ国民の動揺や混乱を描きながら、
アメリカが中東諸国に対して行ってきた長年の政治介入や裏工作、
それを支える大国主義的思想について批判的な目を注ぎます。

しかし、作品としての結末は、個人的な話に急に矮小化してしまい、
適当にお茶を濁してしまった感じがあります。
何も解決していないのに、上手く丸め込んでしまったような印象です。

作品が扱う問題が根深過ぎて、2時間の映画では受け止めきれないということなのでしょうが。
アメリカはどこに向かっていくのか、特にこの大統領選挙を前にした今、
本作を見てモヤモヤとしたものが残ってしまいました。


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『フライト』
- 2016/05/26(Thu) -
『フライト』

航空機事故から奇跡の生還を果たしたパイロットが、
一転してアルコール操縦の疑いをかけられるというサスペンス。

ま、疑いというか、もろアル中なんですけどね(苦笑)。

前半の飛行機事故シーンは、
緊迫の場面の連続で、手に汗握る、まさに映画としての本領発揮でした。

事故当日の朝に、コカインを吸うシーンがあったので、
最初は、薬物による操縦ミスという設定なのかと思ってしまいましたが、
事故原因は機体の整備ミスという展開。
機長としてはベストを尽くしたということでしょう。

で、物語は中盤から、
機長のアル中をどうやって隠ぺいするのかということに向けて
組合や弁護士が動いていくわけですが、
そこはアル中、期待を裏切らないダメ男っぷりを露呈していきます。

この隠ぺい作業が、意外とあっさり進んでいくのが何だか拍子抜け。
マスコミの攻勢もぬるい感じですし。

で、最後は大きな展開があるのかと思いきや
オーソドックスな流れで大団円を迎えました。
ま、社会派メッセージを持った作品ですから、
こういう締めくくりにしておかないと落ち着かないのかな。

一つ気になったのは、
機長の問題が、アルコールに集中していて、コカインへの言及が少なかったこと。
日本人の感覚としては、アルコールよりも薬物の方が重大な問題のように思えるのですが、
コカインというのは米国では、その程度の扱いなのでしょうかね。
生活を破壊する威力としては、アルコールの方が怖いということなのでしょうか。

この米国人の感覚も、何だか麻痺してしまっているようで怖いです。


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『デンジャラス・ラン』
- 2014/01/23(Thu) -
『デンジャラス・ラン』

CIAものです。
舞台が南アフリカだったので、結構、街並みや景色、市井の様子が興味深かったです。
新しく作られていく町と、根底に広がる貧困という対比が明瞭。

さて、本題ですが、CIAを裏切って秘密情報を売買していた元・凄腕工作員が
南アの総領事館に逃げ込んできます。
彼が自首してきた理由は?
その彼を拉致しようとCIAの隠れ家に堂々と乗り込んでくる謎の集団・・・。

CIA×人質という組み合わせでは、
ある種、王道を行く作品なのかなと思います。
隠れ家を宿泊施設に見立てた符丁のやりとりは面白かったですが。

カーチェイスや銃撃戦がてんこ盛りでしたが、
ちょっと押し過ぎで飽きてきました(苦笑)。
でも、南アのサッカースタジアムなどが舞台になってるので、
周囲の環境に目が行って、そちらは楽しめました。

黒幕の設定も非常にありきたりで、
あぁ、やっぱりね・・・・という結論。
展開のスピード感とデンゼル・ワシントン演じる元・凄腕工作員の
哲学や心理戦のテクニックで見せてくれる映画でした。

主人公に肩入れする人にとっては
一種のビルディングス・ロマン的な物語かもしれませんが、
CIAはスマートにアグレッシブであってほしいと思う私としては、
やはり、これでは頼りない・・・。

人を撃ってから後悔&動揺するなよーーー(爆)。


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『ジョンQ-最後の聖戦-』
- 2013/06/30(Sun) -
『ジョンQ-最後の聖戦-』

重い心臓病を患う息子には心臓移植手術しかないが、
25万ドルという大金を用意できない貧しい父親が起こした行動とは・・・。

社会問題を扱った感動作ということで観てみましたが、
正直、主人公に共感できませんでした。

以前、会社の研修で米国の医療保険の仕組みについて学んだので、
その構造的な歪みについては、人よりも知っているつもりです。
現在の不況という環境の要素もわかります。
高額医療というジャンルがあることも知っています。

しかし、そういった現実に対してこの作品が投げかけるものは、
あまりに自分勝手な理屈と、ご都合主義な展開であり、
全く答えにも希望にもなっていないと思いました。

重い心臓病の人が、手術費を用意できず、
日本でも○○基金などと銘打って活動している様子を報道で目にします。
しかし、必ずしも最良の治療を受けられるわけではないのは、
心臓を患っている人だけではありません。

例えば、日本に30万人いるというガン患者の方たちも、
費用の面で治療の選択肢が狭まったり、保険が利くか否か、
有名な執刀医が居るか、病院の設備が整っているかなどで、
何かしらの制約のもとで、出来る限りの治療を受けているものと思います。
夜間に急患で運ばれたら、たまたま宿直の医師が専門外だったとかというような
運不運もあると思います。

それは、医療が無限に与えられるものではないという現実がある以上、
仕方がないことだと思います。

むしろ、この作品を見ていて、心臓外科医の立場に共感しました。
自分は心臓移植手術をする技術を持ち合わせながら、
必ずしも全ての患者を助けることができないという現実。
例えば、適合するドナーが見つからないとき、
例えば、適合するドナーが出たのに、リストの順番の関係で待たなければけないとき。

医療は、受けられる患者を選ぶとともに、執行する医師をも選ぶんです。
医療関係者の苦悩を思うと、本当に大変な仕事をされているのだと頭が下がります。

本作では、心臓移植というのは、誰かの死を望んで待つことだという一面をも
軽く扱っていて、そこも不満でした。
冒頭のシーンから、ご都合主義的なエンディングになることは分かっていましたが、
「誰かの死」を、「奇跡が起きた」という扱いをしていて、非常に不愉快でした。

米国では、医療保険の歪みに苦しめられている人たちは大勢いると思いますが、
彼らがこの作品をどのような気持ちで見たのか、知りたいです。

小金持ちが趣味で作ったお涙ちょうだい作品のようで、
なんだか、24時間テレビにも似た気持ちの悪さを感じる作品でした。


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『アンストッパブル』
- 2012/12/15(Sat) -
『アンストッパブル』

整備員の職務怠慢と判断ミスから、無人の貨物列車が暴走してしまう。
そこへ、運転士と車掌の2人組を中心に、鉄道マンたちが命を顧みずに挑戦する。

内容は非常に単純明快。
主人公たちの家庭の悩みを絡めつつ、現場と本社の温度差もあり、
人間ドラマも描いていきます。

ただ、前半は、正直、間延びした印象を受けました。
1つは、そもそもの原因が、あまりにお粗末なものだから。
日本の鉄道運行の感覚からすると、あんな整備ミスも、スタッフの判断ミスもあり得ません。
さらに、暴走列車がどこを走っているさえ把握できない運行システムや、
ピンポイントの個人スキルに頼った場当たり的な対策の打ち方など、
鉄道会社という組織はどこへ行ってしまったんだというような無秩序ぶりです。

さらに、それぞれのエピソードが上手く絡んでないところも、見にくさの原因です。
主人公たちの家庭の問題の描き方も、やたらと重たい出だしになっていて、
気持ちが作品の中に乗っていきません。
反対に、社会科見学の子供たちのエピソードは、結構あっさり終わってしまって物足りない。
ネッドも、何かしてくれそうなキャラなのに、細切れの登場ばかり。
なーんか、ちぐはぐな印象です。

ただ、主人公たちが、列車との衝突を避けようとしていた立場から、
列車を止めようとする立場に変わってからは、
一気にスピード感も出て、エピソードも繋がりだしたので、ぐぐっと作品に入っていけました。

その後の展開も、予想を超えたり、予想を覆したりするものではなく、
至って王道なストーリーでしたが、映像の見せ方で面白く見れました。
重量級の貨物列車の迫力が、画面にうまく出てたと思います。

最後も明るすぎるほどのハッピーエンド(笑)。
この事故により、もともとあった夫婦の溝が埋まるのか、非常に疑問です(爆)。


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『ペリカン文書』
- 2010/09/11(Sat) -
『ペリカン文書』

ジュリア・ロバーツって、本当に変わらないですね。
ま、この作品での24歳の役には、ちょっと老け顔な気もしますが・・・。

さて、最高裁判事2名の暗殺事件の真相解明を行おうとする
法学生ダービーとヘラルド記者グランサム。
しかし、真相が解明されれば、ウォーターゲイト事件と同じくらいの衝撃を
ホワイトハウスに与えるということで、暗殺者に狙われる羽目に・・・。

こういう、政治サスペンスもの大好きです。

腹黒政治家や悪徳商人が懲らしめられるのが痛快というのではなく、
そういうのは、国が繁栄するためにある程度必要悪だと思っています。
むしろ、そういう必要悪の存在にスポットが当たるので、
この手の作品が好きなのです。

一法学生が公文書を調べただけで、この仮説を立てられるのは凄すぎだろう・・・
とは思いましたが、仮説の裏を取っていく過程が面白かったです。

あと、刺客がヘボすぎないか?とか、
刺客なのに、モロ顔を見せてて大丈夫なの?とか、
街中の人ごみの中で暴れすぎじゃない?とか
アクションシーンの面では、いろいろ疑問に思いましたが、
ま、作品の本質と関わるところではないので、置いておきましょう。

デンゼル・ワシントン、格好良かったなぁ。


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『トレーニング・デイ』
- 2009/02/13(Fri) -
『トレーニング・デイ』

前半、デンゼル・ワシントンのキャラクターに惹かれましたが、
1時間を過ぎたあたりで、「こりゃ、爽やかなエンディングはないな」と
気づいてからはしんどい映画でした。

ずぶとい悪役。

開き直りも、屁理屈もピカ一。

最後、ある意味、イライラをスカッとさせるようなエンディングでした。

でも、アロンゾが評価するとおり、
イーサン・ホークの眼が、
次第に鋭くなっていく様は良かったです。

まさに覚醒。


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