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『背番号なき現役』
- 2022/08/27(Sat) -
野村克也 『背番号なき現役』(講談社)、読了。

現役引退直後に書かれた本のようです。
そのため、特に選手兼任監督の時期や、最後に西武で捕手として若手投手を育てた時期の
「自分の技術を教える」「育てる」という意識が強いようなエピソードが多く、
面白かったです。

そして、自分の現役時代を振り返って、三冠王をとり、安打数の記録なども持っているのに
そういう記録は結果として捉え、あくまで自分が「できなかったこと」「苦労したこと」「不調の時」
それをいかにして乗り越えようともがいたのか、そういう不器用な選手としての部分を
強調して書いており、やっぱり、反省して工夫して実行に移す、PDCAサイクルを
日々意識しながら仕事に向かうことが結果をもたらすんだなぁ・・・・・と実感。

本作を書いた時点では、引退後に解説者として活動しているときであり、
監督などの指導者としての人生は、この後に広がっているわけですが
すでにこの時点で、指導者としての核ができているのが凄いです。
やっぱり偉大な野球選手ですね。




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『師弟』
- 2022/07/20(Wed) -
野村克也、宮本慎也 『師弟』(講談社文庫)、読了。

ノムさんの本は何冊か読んできましたが、
本作が一番、ノムさんの教えの本質が端的に書かれているように感じ、
とても興味深く読みました。

ヤクルト監督時代のID野球の教え子である宮本氏との共著で、
ノムさんの文章と、宮本さんの文章が交互に出てくることで、
監督が目指したものと、選手が感じ取っていたものとの双方から
野村野球の野球観を知ることができ、面白かったです。

プロ野球の選手として給料をもらっている以上、
各選手が個人成績の向上を目指すのは当然であり、
一方で、チームの優勝のためには試合に勝利せねばならず、
この別の方向を見ている2つの目的を、うまく一つのところに着地させる手腕が
監督に求められるものなんだなと理解できました。

事業経営においても、個人の給料を上げるために利益を追求しますが、
新しい事業への投資のために、給料の金額を少し抑えて何かを買ったり作ったり、
そのバランスを、関係者みんなが納得する形にまとめていくことが
社長業として大事なことなんだなと改めて実感。
ノムさんの言葉は、野球業だけでなく、様々な仕事に適応できるから
これだけ読者がついているんでしょうね。

ところで、宮本さんが、冒頭で、監督業をやりたい!と明言していて、
あんまり監督業への夢をはっきり述べる野球選手っていない印象だったので、
なかなか野心家だな・・・・・と感じました。

Youtubeとかで話をしているのを聞いていると、
理論派だなと思うのですが、一方で、厳しすぎる雰囲気も感じて、
そこがなんだか昭和の精神論のような印象を受けてしまいます。
本作中にも、ベンチを蹴り上げたというエピソードを
指導のために必要だったというようなニュアンスで語っており、
うーん、PL学園・・・・・と思ってしまいました(苦笑)。
いまいちファンから監督に推す声が出てこないのは、こういうところじゃないでしょうかね。

あと、本作でも新庄さんとノムさんとのエピソードが出てきましたが、
せっかくBIGBOSSで湧いている今、新庄さんに焦点を当てたノムさん本を
是非出してほしいなぁ。




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『名将の条件』
- 2020/12/01(Tue) -
野村克也 『名将の条件』(SB新書)、読了。

日本シリーズはソフトバンクの圧勝で、あっという間に終わってしまいましたね。
しかも、栗原一人にやられた第1戦、大差で負けた第2戦、あわやノーノ―の第3戦、
そして、初のリードをその裏で即ひっくり返された第4戦と、
非常にバラエティに富んだ負け方で、私の中では33-4とどっこいどっこいでした。

あー、ノムさんのボヤキ解説を聞きたかったなぁ・・・・・と思った今年の日本シリーズ。
結局、里崎さんとかデーブさんのYoutubeチャンネルで解説を聞いてました。

というわけで、なんとなくモヤモヤしていたので、積読の中からノムさん本を。
タイトルから、「名将とは~」という大きい話が始まるのかなと思いきや、
第1章は、小久保JAPANの話から始まり、最近の話だったのでとっかかりとして入りやすかったです。
その後も、各球団の新人監督の寸評などが入り、
「まぁ、人気だけで選ばれたような指導経験の少ない新人監督はノムさん嫌いだろうな・・・」
と思いながらの読書でした。

第2章からは、歴代の名監督の話になり、
いつものノムさん本で語られている話の繰り返しではあるのですが、
ノムさんの言いたいことは、「まじめに野球と向き合え」「頭を使え」「礼儀正しくあれ」というような
本質的な話ばかりなので、何度読んでも飽きないんですよね。

現役選手としての期間も、監督としての期間も非常に長かった人なので、
エピソードの数には事欠かないというわけで、同じ話でも面白く料理することができるのかと思います。

原監督って、セリーグの中では名将扱いで、私もそういう目で見ていたのですが、
短期決戦が苦手というのは最近気づいたところです。
いつぞや、クライマックスで阪神に思いっきり下克上されてましたしね。

ただ、巨人軍のYoutubeチャンネルで垣間見える原監督や元木コーチが作る独特の空間は、
リラックスムードのようでいて、絶妙の緊張感があり、しかも球界の盟主としての余裕も感じられ、
私はアンチ巨人の家に生まれましたが、さすが巨人軍だなぁと思ってしまいます。
そもそも、アンチ巨人なのに、巨人軍の公式Youtubeチャンネルを見てしまうところが
巨人軍の凄さかなと思います。

来年は、もうちょっとセリーグも日本シリーズも見どころがあると嬉しいなと思います。
今年はコロナで一度も球場に観戦に行けなかったので、
来年こそは球場に行きたいな。




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『続・敵は我に在り』
- 2020/03/12(Thu) -
野村克也 『続・敵は我に在り』(サンケイ出版)、読了。

ノムさん、お亡くなりになっちゃいましたね。
著作を何冊か読んでいますが、
テレビ番組での「ぼやき解説」とか好きでした。
合掌。

久々のノムさん節は、ずっと積読になっていた本作をば。
現役引退後、解説者になってすぐの本のようです。
そのため、選手名を挙げての解説がかなり生々しいです。
巨人の原選手は盗塁するときにモーションでわかるとか(爆)。

営業妨害じゃないかと思うほどの具体的な書きようでしたが、
こりゃ好き(期待)の裏返しなのかなと思いました。
ノムさんは、ダメな選手の話に時間を割くような無駄はしないような気がします。

他にもいろいろと選手の名前が出てきますが、
時代が古いせいで、ほとんど選手名が分かりません。
原選手、落合選手ぐらいですかね。
なんたって工藤公康選手が新人ですからね。

その時代のプロ野球を知っていたら
もっと臨場感をもって読めただろうになと残念です。
でも、現役をやめた時点で、これだけの語るべき内容と言葉を持っていたというのは
やっぱり凄い人物だったんだなと思わざるを得ません。




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『阪神タイガース暗黒時代再び』
- 2016/06/13(Mon) -
野村克也 『阪神タイガース暗黒時代再び』(宝島社新書)、読了。

出来の悪い子供ほど可愛いということでしょうか。
野村監督が唯一成功しなかった阪神タイガースの監督時代。
いろんな本で阪神のダメっぷりを指摘していますが、
なんとか阪神が変わるきっかけを与えようとする親心のようなものを感じます。

2012年の発行のため、登場する選手たちも知っている人が多く、
野村監督が言っているシーンを具体的にイメージして読めました。
新井さんとか((笑)。

今年も阪神は、新監督の下で新しい選手起用方針を貫こうと頑張っている姿は
面白いと思いますが、こと野球の戦術という面では物足りなさを感じます。
今年は改革の年であり、収穫は来年以降ということでしょうかね。


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『野村の実践「論語」』
- 2014/12/27(Sat) -
野村克也 『野村の実践「論語」』(小学館)、通読。

渋沢翁の論語からの流れで、ノムさんの論語へ。

もう、ノムさんぐらいになれば、
別に論語の言葉を借りなくても、十分ノムさんの言葉で重みを感じられます。
という意味で、本作の企画の意図は、あまり成功しているように感じませんでした。
ま、失敗しているということはなく、あまり意義がないという感じでしょうか。

ノムさんの言葉自体は、いつもどおり、勉強になりました。
「チャラチャラするな、自分のすべきことをしっかりやれ」という教えは、
今の時代からすると少し古い考えのように受け止められるのかもしれませんが、
私自身の頭が固いのか(笑)、ノムさんの教えは、すんなり頭に入ってきます。


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『プロ野球重大事件』
- 2013/10/28(Mon) -
野村克也 『プロ野球重大事件』(角川ONEテーマ21)、読了。

「寝る前にちょっと本読むかぁ~」と思って手に取ったら、
あまりの面白さに一気読み。昨夜寝たのは3時半・・・。

いきなり、読売巨人軍の「清武の乱」の話から始まり、
「つい最近の出来事じゃん!」と引き込まれてしまいました。

清武の乱そのものについては、あんまり深くは書かれていませんでしたが、
球界の盟主への配慮か、それとも、くだらないお家騒動とみて本分の野球の話に戻したか。

過去の出来事については、いろんな裏話も読めて、面白かったです。
何度も読んだ話なのですが、なんだか、文章に引き込まれるんですよねー。
不思議。


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『弱者の兵法』
- 2013/09/13(Fri) -
野村克也 『弱者の兵法』(アスペクト文庫)、読了。

周りの人と比べて、自分の資質が劣っていた場合、
どうやって勝負をして、勝ち上がっていくか・・・・。

「頭を使え!」

非常に分かり易い答えです。

考えれば考えただけ、自分の中に経験と論理が蓄積されていく。
年齢とともに衰える資質とは違い、いくらでも蓄積が可能な能力。

この言葉は重いですね。
自分では分かっているつもりでも、
考えている量が、著者と自分では、雲泥の差だと痛感。

状況を分析し、何をすべきか考え、様々な手法を試して、ベストを経験として残す。
この繰り返しが、人間としての厚みを増し、自信を強固なものとし、
周りからの信望を集めることができる。
まさにそのとおりです。

あと、紳士たれ、人間性の成長が大事という言葉は、
最近の自分を反省して、耳が痛かったです。
ちょっと仕事で、傲慢なやり方で進めてしまった案件がありまして・・・・。

ま、日々、反省と挑戦あるのみですね!


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『野村再生工場』
- 2012/09/13(Thu) -
野村克也 『野村再生工場』(角川ONEテーマ21)、読了。

言わずと知れた野村監督の本。

かつて読んだ野村イズム的な本と、きっと同じことを言っている。
でも、きっとそれが基本で大事なことだだから、
本人が書いても、他の人が書いても、何度も繰り返すんだろうなと
納得できるものがあります。

あと、楽天やヤクルトといったチームのことはあまり知らないため、
他の人が野村監督のID野球を語った本では、
どんな選手について、どんなことを言っているのか
イマイチぴんと来ないところがあったのですが、
本作では、イメージすることが出来ました。

楽天やヤクルトの中でも、よく知られた選手にフォーカスしているという
構成の上手さもあるとは思いますが、それよりもストーリーテリングの力で
どんな選手の何について語っているのかを、ちゃんと読む側に理解させながら
物語を展開しているところが、分かりやすいのだと思いました。

監督として、芽の出ない選手をいかに引き上げるか、
勘違いしている選手をいかに正していくか、
相手に合わせた指導の数々は、どれも凄いと思わざるを得ません。

一方で、この本を読んだサラリーマンたちは、
これらの訓話をどのように自分の仕事に活かしているのだろうかと
そちらの方が気になってしまいました。

正直、私のようなろくな役職もないペーペー社員では、
監督という絶対的な立場の人が、下位に位置する選手に対して指導するという
シチュエーションを、自分の仕事環境に当てはめることが難しいです。
もちろん、部長と私とか、社長と私といった、自分が下位のケースは
十分想定できるのですが、自分が野村監督の立場に立つケースって、
実生活ではないんですよねぇ・・・・。

サラリーマンの方々は、この本から何を学んでいるのでしょうか?
それこそ上司に仕えるための術なのか、それとも自分が部長や社長になったときの備えなのか。
そこが知りたいと思いました。




野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)
野村 克也

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『勝利の方程式』
- 2011/07/02(Sat) -
永谷脩 『勝利の方程式』(知的生きかた文庫)、読了。

野村監督の勝利のセオリーを解説した本。
いろんなエピソードが盛り込まれていて興味深いです。

ただ、エピソードの構成が良く分からず、
なんだか、あれこれ雑多なものが詰め込まれているという印象です。
やはり、セオリーそのものを学ぶには、本人の手による著作を読まないと
いけないと感じました。

あと、野村監督だけに興味があるだけではダメで、
球団にも関心がないと、感動を持って、その勝負の場面を感じられないということも
よくわかりました。

だって、ヤクルト、知らないんだもん・・・・・・。

ID野球を語るなら、阪神よりはヤクルトだというのは頭では分かっているのですが、
選手を知らないと、描かれているシーンが頭に浮かんでこないんです。

それに、出来の良い生徒の話よりも、
出来の悪い生徒の話を、ボヤキを交えて聞いたほうが面白いんですよね。

てなわけで、阪神時代の野村監督の業績を
第三者の目で分析した本を読んでみたくなりました。


野村克也「勝利の方程式」―「頭」はこう使うから生きてくる! (知的生きかた文庫)野村克也「勝利の方程式」―「頭」はこう使うから生きてくる! (知的生きかた文庫)
永谷 脩

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