『天使の囀り』
- 2011/11/13(Sun) -
貴志祐介 『天使の囀り』(角川ホラー文庫)、読了。

バイオホラーというのは、
「現実世界でも起こりうるのではないだろうか・・・」という恐怖心を煽るので、
いわゆるホラーものよりも、一層怖いですね。
何と言うか・・・・たちの悪いホラーだと思います。

出だしの、アマゾン探検隊の一員からのメールの内容が延々と続くところは、
アマゾンという非日常世界からの語りかけだということに加えて、
どうも書かれている内容が独りよがりで、読み進めるのに苦労したのですが、
日本での自己啓発セミナーのシーンに変わってから、ぐいぐいと惹かれていきました。
(あ、決して、自己啓発セミナー自体に興味があるわけではないですよ 苦笑)

カルト教団的な活動に、線虫を利用するという観点が、
オウム真理教の犯罪を生んだ日本という国で語られると、
非現実的だと切り捨てられないのではないかという不安を掻き立てられます。

セミナーハウスでのシーンは、本当に、気持ち悪い。
でも、読みとめることが出来ない。
この描写力は凄いです。

カルト教団の行為を、警察や司直の手に委ねずに、葬り去らせるという判断には
ちょっと引っかかりを覚えましたが・・・。
いくら、学術世界での力関係が存在するとはいえ、
むしろ、この線虫の話を捜査の場に上げることで、警察力を背景にした
研究が出来るようになるのではないかと思いました。
研究者にとっては、最強の支援者だと思うんだけどなぁ・・・。

ま、それでも、物語の最後のシーン、
よくよく考えたらありうべき展開だったのですが、
完全に油断していたので、驚かされました。
なるほどね。


天使の囀り (角川ホラー文庫)天使の囀り (角川ホラー文庫)
貴志 祐介

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『十三番目の人格』
- 2009/01/05(Mon) -
貴志祐介 『十三番目の人格』(角川ホラー文庫)、読了。

また性懲りもなくホラー作品を読んでしまいました。
怖いの苦手なのに・・・・・。
貴志作品なので、つい。

千尋の13人の人格が、最初は警戒していたのに
浩子の誘導ですんなり由香里を受け入れたり、
由香里のエンパスの能力が特に他人に(特に千尋らに)バレなかったり
真部と突発的なまでに相思相愛になったりと、
ちょっと都合いいかなーと思う設定もありましたが、
それでも物語としては面白かったです。

13人の人格を読み解いていく中盤、
そして、まさに十三番目の人格「ISOLA」が覚醒する終盤と、
畳みかけるような展開が読んでいてゾクゾクしました。

また、効果的に使われる『雨月物語』。
この本は、以前挑戦したのですが、怖くて飛ばし読みしちゃいました。
多重人格症という西洋的な訳の分らぬモノと
怪談という純日本風の訳の分らぬモノとが相まって、
不思議な世界観を「ISOLA」の背景に与えていました。


十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)貴志 祐介

おすすめ平均
stars貴志ホラーとしては微弱な刺激。
stars精神について
stars他人にすすめるという意味では星4つですが。
starsペルソナの出現の仕方が斬新!
stars最後はありがちな感じもしましたが・・・

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雨月物語 (ちくま学芸文庫)
雨月物語 (ちくま学芸文庫)上田 秋成

おすすめ平均
stars怪談の味付けをした理知的な短編集
stars古典の授業では得られなかった感覚
stars「義」とは何かを教えてくれる「怪談」
stars江戸時代の作品とは思えない位の新しさ

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『青の炎』
- 2007/03/13(Tue) -
貴志祐介 『青の炎』(角川文庫)、読了。

最初にこの作品を知ったのは、映画化されたときだったのですが、
「アイドル映画か・・・」と思い、興味を持ちませんでした。
ところが、原作が貴志祐介氏だと最近知り、
早速買ってきました。

秀一、いいわ。

頭が良いけど、良い子じゃなくて、世間からちょっと距離をとっている
そんな中高生が主人公の小説は、概ねハマッてしまいます。
一昔前の日比谷高校の生徒みたいな感じ?

ミステリーというより、
高校生の生活や内面を描いた作品として読んでました。
紀子や大門やゲイツら友人達とのウィットに富んだ会話の応酬に
「オトナだなぁ」と馴染まない感想を抱いてみたり。

結末、一番最後のところで家族や友人とのやり取りが
あっさりと描かれていたのは、
ちょっと現実の重みが足りないかなという気もしましたが、
全編通して面白かったです。


青の炎
青の炎貴志 祐介

おすすめ平均
stars残念ながら
starsこの本の中での常識、貴志氏の常識
stars何かが少しでも違っていれば...
starsその根底にあるものは・・・
stars今まで読んだ中で最も感動した小説。

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青の炎 特別版
青の炎 特別版貴志祐介 蜷川幸雄 二宮和也

おすすめ平均
stars松浦亜弥以外は☆5
stars青い炎
stars「読み込む」ではなく「観込む」作品
stars原作読んでないから甘い判定ですが…
stars犯罪

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