fc2ブログ
『生きる姿勢』
- 2022/07/23(Sat) -
曽野綾子 『生きる姿勢』(河出書房新社)、読了。

この方のサバサバした生き方、好きです。
ただ一方で、裕福な家庭に生まれ、才能があり、生活に余裕があるからこそ
こういう割り切った考え方を実行できるのか、
それとも、こういう割り切った考えを実行できるから成功したのか、
どちらなのかなー、なんて本題に関係ないことを思いながら読んでました。

どっちが、というものではなく、
余裕があるから割り切れるし、割り切れるから成功するという
良いループにはまっているということなのかなと思いますが、
自分の信念にそって一生懸命頑張り、現場に立ち、また組織のトップに立ち、
やれることはやってきたという清々しさも、エネルギーになるのかなと思いました。

悪意というものはもともと破壊的なものだが、善意と信じられる感情もまたやっかいな存在。
善意の背後には、自分がその人を理解しているという自負がある。

ありがた迷惑という言葉があるように、概念としては理解できてて、
具体的にそういうものを押し付けられたときに嫌だなと感じても、
それに対処するのはなかなか難しく、つい諦めて受け入れてしまいますよね。

私自身は、なるべく、ありがた迷惑なことはしないように気をつけてるつもりですが、
断る力までは持っていません。
でも、きっと著者は、断る力まで持ってそうだなー、うらやましいなー、と思ってしまします。
まぁ、断るストレスもあるので、断って捨てられるストレスと、どちらが大きいかを
判断することになると思うのですが、著者のような強い心で判断できるようになりたいなと。

強い心を形成している1つは信仰心だと思うのですが、
私は、仏教+神道+アニミズムの上に積みあがった日本人的な常識観みたいなものに、
ビジネスライクなコスパ重視の考え方をミックスしたものが拠り所なのかな。
なんだか相反するもののようでもありますが、なんとなく自分の中には共存できてるので
きちんと自分なりに考えて突き詰めていくプロセスが大事なのかなと思います。




にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『続 誰のために愛するか』
- 2017/07/18(Tue) -
曽野綾子 『続 誰のために愛するか』(角川文庫)、読了。

近所のおばちゃんから頂いた本。
続編の方だけ(笑)。

夫婦間、親子間、兄弟間など
様々な人間関係の元での「愛」について語った本。

ただ、そこは、曽野綾子さんらしく、
情熱的に「愛」を語るのではなく、かなり冷淡です。

私は、この方の、冷淡な物言いが小気味良くて好きなのです。
今の時代なら炎上しかねない放言もありますが、
こうやって世の中を突き放す人の存在って、結構、大事な気がします。

本作では特に、女性に対して冷淡であり、
妻、嫁、母、どんな立場の女性に対しても冷淡です(笑)。

かといって、決してモノの考え方が男性的なのではなく、
女性らしい現実主義的な面が強いのかなと思います。

続編から読んでしまいましたが、
第一作にはどんな物言いが登場してたのでしょうかね。


誰のために愛するか〈続 いつも心の底に必要な決心〉 (1977年) (角川文庫)誰のために愛するか〈続 いつも心の底に必要な決心〉 (1977年) (角川文庫)
曽野 綾子

角川書店 1977-10
売り上げランキング : 817305

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ


この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『人づきあい』
- 2016/10/12(Wed) -
曽野綾子 『人づきあい』(イースト・プレス)、読了。

自著からの名言集。

普段は、この手の抜粋文章は
話の流れというか、バックグラウンドが見えないので
あまり好きではないのですが、
本作にある数々の言葉は、心にしっかりと入ってきました。

基本、曽野綾子氏は冷静というか冷淡というか、
世の中を突き放したような見方をする人だと思っているのですが、
本作でも、善悪の捉え方とか、他人を信頼することの意味とか、
本来は道徳的だったり倫理的だったりを求められるジャンルの話を
バッサリぶった斬っているので、爽快感すら覚えます。

心の中で思ってはいても、
なかなか口に出しては言いにくい本音の意見って各自持っていると思いますが、
そこを思うままに口にしてくれるので
著者が代弁してくれたような気持になります。

各名言の出典が書かれているので、
それらの本も追いかけていきたいと思います。


人づきあい 疲れない人間関係のヒント新装版人づきあい 疲れない人間関係のヒント新装版
曽野 綾子

イースト・プレス 2013-09-07
売り上げランキング : 494895

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『人間にとって成熟とは何か』
- 2015/11/12(Thu) -
曽野綾子 『人間にとって成熟とは何か』(幻冬舎新書)、通読。

うーん、あんまり中身が頭に入ってきませんでした。

仕事が忙しい状況で読むには、合ってなかったのかもしれません。

タイトルほどの重みが感じられないというか、

ちょっと寄せ集め感のある本だと思ってしまいました。


人間にとって成熟とは何か (幻冬舎新書)人間にとって成熟とは何か (幻冬舎新書)
曽野 綾子

幻冬舎 2013-07-28
売り上げランキング : 10154

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(1) | TB(0) | ▲ top
『人生の旅路』
- 2014/07/11(Fri) -
曽野綾子 『人生の旅路』(河出書房新書)、読了。

久々となった曽野センセの本。
雑誌の連載とかですかね?エッセイです。

イタリアに行ったり、ウイグルに行ったり、ウガンダに行ったり、イスラエルに行ったり、
まー、とにかく海外に行きまくり、しかも一般人があまり行かなそうなところに出没してます。

でも、「作家先生はあちこち行けていいわね」とか
「これらの支援活動は高額所得者の道楽かしら?」とならないのは、
結構、辛らつな目をお持ちだから。

支援対象の人々に向けて、
「国づくりのビジョンもないのに独立したって未来が見えない」とか
「そんな技術レベルでは民芸品として売り物になってない」とか
バッサリ斬っていて、支援対象者を過保護にちやほやするのとは違います。
このあたりの著者の姿勢を、私は、結構、信頼してます。
ま、言い過ぎな表現とか、決め付けに過ぎるのではないかと思うところもありますが・・・・・。

近所の口うるさいオバサン的な立ち位置で面白いかなと思います。
若干、無責任な放言な所も含めて(苦笑)。

本作は、誌面の都合と思いますが、1本1本が短いのが残念。
もうちょっとしっかりと主張を読みたいです。


人生の旅路人生の旅路
曾野 綾子

河出書房新社 2011-10-26
売り上げランキング : 446934

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『虚構の家』
- 2011/04/30(Sat) -
曽野綾子 『虚構の家』(文春文庫)、読了。

曽野綾子の代表作に挑戦。
経済的には豊かな2つの家庭が、内側で次第に崩壊していく様子を描いた作品。

どちらの家庭も、母親目線で語られるシーンが多いのですが、
視野の狭さがあまりにも残念です。
ま、彼女たちが受けてきた教育の内容からすると、仕方がないんでしょうけれど。
そして、それと対をなすような父親の家族への無関心。
関心があるのは、自分の世間体に関わる部分だけ。

両親がこんな状態なら、当然、子供もおかしくなるわけで、
息子たちは、人間らしい感情を持たないガリ勉受験生と感受性が高すぎる潔癖症。
彼らに比べて、娘たちは人間らしく育っていて、そこだけが救いです。

この2つの家には、特別に問題が集中しているわけではなく、
どの家でも、何か一つ問題が起きると、連鎖的に問題が発生してくるのではないかと
思わせる怖さがあります。
例えば、ありきたりなストーリーとしては、両親の不仲から、子供たちが非行に走り、
家族が崩壊していくというような・・・。

登場してくる家族は、誰も、問題にぶつかったときの対処を反省することなく、
なし崩し的に進んで行ってしまったので、破滅へと向かっていきましたが、
果たして、自分の家族は、問題を先送りにしたり、反省をないがしろにしたりしていないか、
見つめなおす良い機会だと思いました。


虚構の家 (文春文庫)虚構の家 (文春文庫)
曽野 綾子

文藝春秋 1976-01
売り上げランキング : 450394

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『夫婦の情景』
- 2009/02/24(Tue) -
曽野綾子 『夫婦の情景』(新潮文庫)、読了。

30組以上もの夫婦の日常を扱った短編集。

夫婦の危機もひょいと乗り越えてしまう作品を読んでいると
田辺聖子作品を読んでいるような軽やかな気分になりますが、
ところどころで悲しい展開を予感させる物語もあって、
「おぉぉ、曽野綾子作品だった・・・」と気づかせてくれます。

どの夫婦にも存在感というか現実感があって、
なかなかに面白い作品でした。


夫婦の情景 (新潮文庫)
夫婦の情景 (新潮文庫)曽野 綾子

新潮社 1983-03
売り上げランキング : 663314

おすすめ平均 star
star人物造形に優れる

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『飼猫ボタ子の生活と意見』
- 2007/12/01(Sat) -
曽野綾子 『飼猫ボタ子の生活と意見』(河出文庫)、読了。

曽野綾子のネコシリーズ。

『ボクは猫よ』
は面白く読んだのですが、
本作は、いまいち乗りきれず・・・。

猫になんだかんだ言わせることが
ちょっとくどいように感じました。

雌だったのが良くなかったのかな?


飼猫ボタ子の生活と意見 (河出文庫―文芸コレクション)
飼猫ボタ子の生活と意見 (河出文庫―文芸コレクション)曽野 綾子

河出書房新社 1997-04
売り上げランキング : 49524

おすすめ平均 star
starボタ子から言わせれば人間なんて何にもわかっていないのです

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ボクは猫よ
ボクは猫よ曽野 綾子

文芸春秋 1985-04
売り上げランキング : 133228


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ
この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『あとは野となれ』
- 2007/05/23(Wed) -
曽野綾子 『あとは野となれ』(朝日文庫)、読了。

宗教感を題材にした文章が多かったので、
ちょっと距離を置きながら読んでいたのですが、
この方らしい物言いが面白かったです。

物不足と闘っているマダガスカルの産院を訪ねたその足で
取材のためにカジノへ行き、
たまたま勝った配当金を産院へ寄付する・・・

両極端な世界の間を、一本の線でぐっとつなげてしまう行動や思考に、
清々しさと違和感とを同時に感じさせてくれる人です。

あとは野となれ
あとは野となれ曽野 綾子

朝日新聞 1992-01
売り上げランキング : 682112


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『アラブのこころ』
- 2006/10/06(Fri) -
曽野綾子 『アラブのこころ』(集英社文庫)、読了。

思ったこと感じたことを恐れずにズバッと書いてしまう作家さん。
極端な物言いで時々非難されたりもしていますが、
その主張を読んでいてスカッとすることも多いです。

さて、今回はアラブ諸国を巡っての「アラブとは」の本。
ニュースで目にするだけの遠い世界であるアラブは、
どんな本を読んでも新聞を読んでも、なかなかに理解は難しいのですが、
この本は、多面的で複雑なアラブ世界の一側面を見せてくれたように思います。

また、アラブを語る日本人が活き活きしていて、
彼らの言葉やモノの見方が非常に面白かったです。

中学校のときに、地理の宿題で、イスラム世界を学ぶために
岩波ジュニア文庫の「世界の宗教」を読まされましたが、
全く中身を覚えてません(苦笑)。
読み通せたかどうかも記憶にありません。

曽野綾子の作品が宿題に適しているかは知りませんが、
教科書的ではない作品を読んでみることで、
子供心に何か残るんじゃないかなという気がします。

アラブのこころ
アラブのこころ曾野 綾子

集英社 1979-01
売り上げランキング : 399056


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

世界の宗教―世界史・日本史の理解に
世界の宗教―世界史・日本史の理解に村上 重良

岩波書店 1980-01
売り上げランキング : 315139

おすすめ平均 star
star世界史観を築くのに最適。
star教科書的、余りに教科書的

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ
この記事のURL |  曽野綾子 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
| メイン | 次ページ