『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』
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- 2013/09/16(Mon) -
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『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』
前作のあまりの酷さに驚いた3か月前。 台風でやることが無いので、一応、最終回とされている第4作を見ました。 前回と比べて、メインストーリーが分かり易かったので、 とりあえず見やすいと感じました。 すみれの離職、室井の葛藤、真下の立場、 それぞれのサブストーリーも、さほど混乱せずに収斂したように思います。 というか、前作のように、意味不明で取り残されたトピックスがなかったです(爆)。 「組織の中に生きる人間の宿命」というテーマで本作を見ると、 結構、面白かったです。 嫌~なところはストレートに台詞を吐かせて際立たせるし、 茶化すところはおもいっきり茶化して、 緩急の付け方が、良い時の君塚作品に戻っていたように感じました。 ただ、「警察の捜査テクニック」もしくは「謎解き物語」として見ると、 疑問、疑問、疑問の連続で、とても視聴に耐えられるものではありません。 ま、それは前回もそうでしたが・・・・。 このあたりは、Yahoo!のレビューで、代弁してくださっている方が多数居ました。 少なくとも、日本の警察組織は、官僚組織による弊害の最たるものである一方で、 組織としての行動力、目的遂行力は、軍隊並みの規律をもっているものと思ってます。 その良い面が、本作では全く無視されています。 しかも、青島&室井コンビによる推理が合理的ならばともかく、 全くのあてずっぽうで、青島の言ってしまえば「空想」を基に、 数百人という捜査員を室井の立場で動かしてしまうというのは、ある種の犯罪ですよ。 鳥飼の台詞にあった「犯罪」という概念。 私は、実行犯の行動よりも、警察組織の腐敗よりも、 個人の思いつきで組織を動かしてしまう場当たり的な行動を、 組織論における「犯罪」と呼びたいと思います。 シリーズの主要人物がフルキャストで登場し、豪華さは抜群。 そして、室井さんが現場を指揮しているシーンにはジーンときましたが、 なんだか、誤魔化された感も拭えない最終回でした。 「リターン!」とかは、いらないからね!
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『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』
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- 2013/06/22(Sat) -
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『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』
「織田裕二の刑事ドラマか、面白そうだな・・・」と TVシリーズの初回を見たとき、刑事ドラマの概念を覆す凄い作品が来たものだと 心底驚いた記憶があります。 毎週ワクワクしながら、放送時間を待っていたものです。 が、TVシリーズの人気が出て、映画だ何だと盛り上がり始めたら、 気持ちが醒めてしまった天邪鬼なワタクシ・・・。 今や、映画をどの回まで見たのかさえ、あやふやな状態です。 今日、WOWOWで4作品を一挙に放送していて、 3番目の作品を初めて見ました・・・・・・が!? 『踊る~』って、こんなにも荒唐無稽なお話でしたっけ??? 湾岸署の面々はいろいろデフォルメされたキャラがもともと揃っていましたが、 しかし、警察組織や日常業務の描き方にはリアリティがあり、 リアリティの中の作り物だからこそ、面白く笑えていたのだと思います。 ところが、本作では、組織行動なしに単独で突っ走るわ、刑事のいろはも無視だわで、 どこにもリアリティがないんですよ! しかも、最初の銀行強盗やバスジャックの積極的な意味が最後まで分からないという ストーリーの雑さも。雑なところはこれだけでなく、全編にわたってひどいです。 湾岸署から刑事たちを外に出すためにしても、なんで銀行強盗とバスジャックだったのか。 必然性がないから、納得感がないんですよねー。 それが、あの真奈美様の計画したものだとは思えませんわ(爆)。 真奈美様の台詞には迫力があったのに、 それを説得する青島の台詞の陳腐なこと。これは織田裕二、可哀そう過ぎます。 恩田すみれの涙のメッセージも唐突過ぎるし、臭すぎるし、 ガンの人にそれ言っちゃうのか!?という無神経さも気になりました。 ま、その手前の青島のシャッターがつんがつん行為も意味不明なのですが・・・。 私が今まで本作を見る機会がなかった理由が分かりました。 この内容なら、TV放映も厳しそうですね・・・・。
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『アンダルシア 女神の報復』
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- 2011/07/11(Mon) -
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『アンダルシア 女神の報復』
久々の映画館は、またまた織田作品となりました。 あんまり興行成績が良くないらしいという情報に加え、 土曜日の夜の回@新宿なのに、半分も席が埋まっていないという状況から、 期待値マイナスの状態でみたせいか、非常に楽しめました(爆)。 織田裕二キャラクターの中で、この黒田外交官が、実は一番好きかも。 俳優としての彼が持っているオーラと、非常にマッチする役柄だと思います。 そして、相変わらず、目力が強い(笑)。 伊藤英明とのライバル関係も面白く、 骨太の黒田 vs 組織に従順な神足 という設定も、 それぞれの見てくれを上手く使いこなしているように感じました。 相変わらず、犯行の動機が「個人の私怨」という いかもに日本人的な発想なのは、いただけないのですが、 ま、でも、それは、日本人離れした外交官黒田との対比なのかもしれませんね。 キャスティングも、かなり絞った俳優陣で話が進んでいくので、 ストーリーに無駄がなく、観やすかったです。 (福山氏は、前回から不要な設定だと思っていますが・・・・・) 黒木メイサさんを、きちんと認識して見たのは初めてでしたが、 なかなか神秘的な雰囲気を持った女優さんで、 今回の配役に合っていたと思います。 スペイン市街地でのカー・アクションシーンなんかは、 緊迫感があって面白かったです。 良作の邦画サスペンスなのではないでしょうか。 |
『県庁の星』
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- 2010/07/03(Sat) -
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『県庁の星』
な~んか、納得のいかない映画でした。 要所要所がご都合主義なんですよねー。 そりゃ、県庁のエースが、こんな退廃スーパーに来たら、 在庫管理とか、システマチックな改革は、いくらでもできると思います。 でも、ソフト面では、とてもじゃないけど、 使えるアイデアを持っていたとは思えないです。 あの高級弁当が売れた理由がわかりません。 売れなかったころと比べて、お客様の目に見える形で何が変わったんですか? 織田裕二も柴崎コウも、なぜこのタイミングでその場所に?!的な 展開が多くて、物語の不明瞭さにガッカリ。 そして、民間でいろいろ学んで変わった主人公が 県議会で切々と訴えた内容は、システムよりも「意識改革」。 えーっ。 社会ルールやインフラといったシステム整備ができるのは、 政治と行政という仕事に携わる者に与えられた特権であり、義務なんですよ。 その力をフルに使って、社会を変えていくのが、 良くも悪くも官僚の仕事じゃないですか。 利用できるパワーがそこにありながら、訴えるのはマインドのみというのは、 発想が貧相すぎです。 200億円のプロジェクトをひっくり返すには、 マインドを訴えるだけではどうにもならず、 制度を上手く利用して県民投票に持ち込むとか、 不正を突いて邪魔な権力者を排除するとか、 県庁エリートらしい発想で対決して欲しかったです。 最後に・・・こういう頭の固いエリート役を織田裕二に演じさせると、 完璧に演じすぎてしまって、非常にこの役柄にイライラしてしまいます。 織田裕二の融通の利かなそうなイメージが、キャラで増幅されてしまうというか。 県庁組織内であれだけ周囲が見えてて軽口も叩けた人物が、 なぜに外に出たら、あんなに石頭になってしまうのか・・・ そのキャラクター設定も納得がいかなかったのですが。 てなわけで、織田裕二には、もうちょっと頭の柔らかい役を演じてほしいです。
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『アマルフィ 女神の報酬』
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- 2009/07/27(Mon) -
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『アマルフィ 女神の報酬』
半年ぶりに映画館に行ってきました。 織田裕二×フジテレビということで、「吉と出るか凶と出るか」という 心積りで観に行きましたが、これは当たりでした。 「フジテレビが本気で『映画』を作ったらこれぐらいできんだよ!」と 言わんばかりの大作でした。 何よりもストーリーが面白く、 それを2時間にきちんとわかりやすく構築できています。 無理な展開が無く、登場人物たちの判断も合理的で、 また、大きく展開が変わる起承「転」結も、ここがポイントだ!と 観ている側にきちんと理解できる作りになってました。 そして、画の方は、オール・イタリア・ロケと銘打っているだけあって、 名所旧跡もばっちり押さえ、アマルフィの街の美しさも伝え、 ちょっとした裏路地に俳優を歩かせて映画の雰囲気作りもバッチリ。 織田裕二も、これぞ名優!というだけの表情、 何より眼の力を持っていて、スクリーンに映えますね。 終盤、外交官としてその行動はまずいんじゃないの?拳銃って・・・・と 思うところもありましたが、まぁ、そこは黒田外交官の業績と 外務省の力とで、何とか上手くフォローしたのでしょう。 (結局、ここも揉み消しか?みたいな) テロリストの動機が「個人の私怨」というところが、 なんとも日本的と言いますか・・・・・ そしてテロ行為の結末も、至って日本的な終わり方ではありましたが、 ある意味、ハリウッド映画と差別化できていいのかもしれませんね(苦笑)。 ところで、観終わってから気づいたのですが、 この映画って、主人公もテロリストも監督も原作者も資本家も みーんな『ホワイトアウト』と同じなんですね。 『ホワイトアウト』も、面白いアクション映画でしたよね。
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