『まじめの罠』
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- 2017/03/31(Fri) -
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勝間和代 『まじめの罠』(光文社新書)、読了。
このところ、経済コメンテーターから、キワモノ系タレントに 扱いが変わってきているような感がある著者。 本作で論じている「まじめ」とは、ある目標に一心不乱に向かって行ってしまうこと。 目標に向かってまじめに努力した結果、トータルで見ると自分も周囲も悪い方向に 陥ってしまう行動のことを指しています。 著者の指摘する「まじめ」な行動は、 言われたとおりにまじめに実行するという行動が得意な日本人には よく見られる行動パターンだと思います。 「なんで、そんなことをやんなきゃいけないの?」と疑問を持つのではなく、 「指示されたからやりました」的な。 そういう、頭を使わない人間が増えていくと 社会が悪い方向に堕ちて行ってしまうというのは分かります。 でも、本作のように、半分以上もの紙面を割いて 「アレがいけない」「コレがいけない」とダメな行動を列挙しなくても もう十分、ダメなところは分かりましたから、どう変えるかの議論に早く進みましょうよ と言いたくなってしまいました。 なんだか、著者の愚痴を延々と聞かされているような気分になり 途中で気が滅入ってきました。 で、解決策はというと、たぶん、こういう行動が身に付いちゃってる人には 無理ですよ・・・・・と言いたくなるような、啓発度の高い項目が並びます。 これを読んでいると、もう、人間は2種類に厳然と分かれるんだろうなと。 勝間的な人と、まじめな人と。 私は、やっぱり勝間的な人の方に入っていたいので(爆)、 これからも多分、勝間さんの本は気になるものがあれば読むと思いますが、 もう少し建設的な内容のものが良いなぁ。
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『史上最強の人生戦略マニュアル』
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- 2016/11/18(Fri) -
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フィリップ・マグロ― 『人生最強の人生戦略マニュアル』(きこ書房)、読了。
面白味を感じられませんでした。 これだけのページ数を費やして言うような内容なのかと思ってしまいました。 カツマさんなら5ページぐらいに要約できるのではないでしょうか。 翻訳ではなく、要約して解説してほしいぐらいでした(苦笑)。 冒頭のオプラ・ウィンフリーのエピソード自体、 書く人が書けばもっとワクワク・ドキドキする話だと思うのですが、 最初に滑っちゃったので、最後まで合わない感じでした。
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『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』
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- 2015/11/27(Fri) -
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勝間和代 『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』(Discover)、読了。
勝間女史の仕事論は、やっぱり面白いですね。 勉強になります。 なんとなく頭では分かっているつもりのことを、 ちゃんとやれ!とことんやれ!と力強く迫ってくるパワーがあります。 このパワーが、私にとっては押し付けがましい感じではなく、 背中を押してくれる感じがします。 (人によっては圧迫感を覚えるかもしれないですが) 今回は、フレームワークの話が中心になされていますが、 あれやこれやとフレームワークを紹介するのではなく、 基本的なものについて、具体事例を挙げて詳しく解説してくれます。 その解説が、ありきたりな良く聞く話ではなく、 勝間女史テイストに仕上がっているので、面白く読めるのだと思います。 ところどころで紹介される、コンサルの先輩のありがたいお言葉というものも、 ズバッと本質を突いていて、小気味良いです。 そういうことを口に出せるぐらい、自分も世界を斬れるようになってみたいものです。
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『勝間さん、努力で幸せになれますか』
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- 2015/07/11(Sat) -
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勝間和代、香山リカ 『勝間さん、努力で幸せになれますか』(朝日新聞出版)、読了。
とても話が噛み合いそうにない2人の対談ですが、 予想どおり全く噛み合っておりません(苦笑)。 お互い、普段が面と向かっている人々の層が違いすぎて、たぶん「社会」とか「日常」とか言ったときに それぞれが描いているイメージが全く違っているのだと思います。 別の世界を生きているんだということを確認しあっただけなのではないかと感じました。 基本的に、香山氏が勝間氏に勝間流生き方への疑問を投げかけるという構成ですが、 勝間氏は不器用ですね。全ての質問にきちんと答えを出そうとするから、 揚げ足取り的な質問もあえて突っ込んでくる香山氏との対話が 大した展開につながっていきません。 「そこまでやる気のない人には、教えるべきことはありません」とか、 「大した努力もできない人が、勝間流をやったって無駄なんです」とか、 どこかでバッサリ切っちゃえば良いのに・・・・と思うのですが、 真面目に「やればできる」と答えてしまうんですよね。このお方。 私は、努力できることは重要な能力の1つだと思うので、 「やればできる」という言葉は、ある種、欺瞞だと思っています。 「やれば出来る人なら、やれば出来る」というのが正しいのではないでしょうか。 そもそも「決めたことをやれない人」とか「やるべきことを決められない人」というのは、 たくさん居るように思います。 言っていることは、勝間氏の言い分の方が、私にはすんなり入ってくるのですが、 その言い分が通じる相手は世の中の全員ではないことを もっと割り切るべきだとイライラしてしまう読書となりました。
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『ビジネス頭を創る100の難問』
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- 2014/09/06(Sat) -
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ジョン・ケイドー著、勝間和代監修 『ビジネス頭を創る100の難問』(Discover)、読了。
外資系コンサルやマイクロソフトなどの有名企業での入社面接で 使われるクイズたちが100問紹介されています。 有名どころは、私でも聞いたことのある問題がいくつかありました。 読んでいると、どうやら原書は、面接対策に力点を置いて書かれているようで (日本で言うところの面接ハウツー本的な?) そのままの構成で訳してしまうと、 「日本人として、この100問で学んだ思考スキルをどの場面で発揮すればよいんだろう?」と ちょっと戸惑ってしまうところがあるかもしれません。 そんな疑問を覚えない人は、もともと自分の日常生活で「考える」というプロセスが 自然に組み込まれているのでしょうし、 そういう疑問を持ってしまう人は、たぶん、この100問の説き方を知ったところで クイズ知識が増えたに過ぎず、飲み会の話のネタにしか使い道がないのではないでしょうか。 ちょっと読書の目的を設定するのが、難しい本でした。 目の付け所として面白いな!と思うポイントはいくつかありましたが。 あと、この手の問題が得意な人は、自信過剰で 得てして嫌な人間が多いのではないかと勝手な想像がムクムク(苦笑)。 できれば、問題を解く力だけではなく、 こういう問題の解き方を楽しくプレゼンテーションできるような コミュニケーション能力の高い人であってほしいです。
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『日本を変えよう』
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- 2014/06/09(Mon) -
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勝間和代 『日本を変えよう』(毎日新聞社)、通読。
女性差別や貧富格差の問題に焦点を当て、問題提起をしている本。 なーんか、本作では勝間本としての面白さが感じられないんですよねぇ。 何でだろう?と読みながら考えていたのですが、 どうにも説教臭い感じが気になってしまうのだと気づきました。 自己啓発的な内容の本も、「ああしろ、こうしろ」と説教なのには変わりないのですが、 なぜか納得して受け入れる気持ちになるんですよねぇ。 その違いが何なのかを考えながら読んでいたのですが、 「猪口さんとの少子化についての対談の本が最も売れなかった」というくだりまで来て、 わかった!!! 自己啓発本は、目指すべき達成水準が明確で、 そこに向けて何をすべきなのか、手取り足取り教えてくれる具体性があるんです。 つまり、ゴールが明確で、しかも行き方と使うべき道具が示されているんです。 でも、男女差別とか、少子化とか、貧困問題になると、 「ここが間違っている」という問題提起は大きな声でするのですが、 そのために何をどう直すべきなのかの具体性に欠けるところがあるのです。 そうすると、「じゃぁ、現実問題として、どこから手をつけるのよ?」という疑問が残ってしまいます。 これは、読んでいる側からすると、「理想論」「正論」をぶつけられた感じがして、 「そうは言うけどさぁ・・・・」で終わってしまいがちです。 本作では、西原理恵子さんや雨宮処凛さんとの対談など 企画的には面白かったのですが、それでもやっぱり、現状分析と理想の提起で 終わってしまっている印象を受けました。 てなわけで、この本もそれほど売れなかったのではないだろうかと推測してみたり。
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『高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人』
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- 2014/03/19(Wed) -
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勝間和代 『高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人』(小学館新書)、読了。
こんなタイトルですが、学歴の話ではないです(苦笑)。 高学歴さを誇る「アカデミック・スマート」に対して、 状況に応じて柔軟な判断をして正解を勝ち取る「ストリート・スマート」についての本です。 簡単に言うと、「頭が良い人は何を考え行動しているのか?」ということを いくつかのシンプルな要素に分解して解説している本です。 ただ、単なるハウツー本なのではなく、 あくまで、「頭が良い人の行動」について、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と 分解していくスタイルなので、シンプルな言葉の中に学ぶべきことがたくさんあります。 「自分もそういう行動を取ってるな」と思えるものから、 「ここは自分に足りないな」というところまで、 いろいろ自分に引き付けて読んでみると、勉強かつ反省になりました。 著者の本は、「儲け」とか「投資」とかよりも、 この手の「学ぶ」「成長する」という本が、自分には合っているようです。
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『決算書の暗号を解け!』
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- 2013/11/17(Sun) -
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勝間和代 『決算書の暗号を解け!』(ランダムハウス講談社)、読了。
少し前に、粉飾決算の手法について述べた本を読み、 ちょっと興味を持っていたタイミングで勝間女史の本を見つけたので買ってきました。 基本は、決算書をどう読むかという基礎的なことを解説しているのですが、 それを投資家として見るべき視点に特化して、語っています。 そして、ライブドアの事例など、興味関心を引くサンプルで語っており、 やはり、いつもの勝間本のように、「見せ方上手いなぁ」というところで感心します。 難しいことは言わない。 逆に、簡単なことも流さない。 要点をきちんと押さえて、それを「大事なことですよ!」と読者にきちんと示す。 それでいて、説教臭くなく、前向きに読む気にさせる。 さすがの売れっ子です。 とまぁ、いつも通り、内容よりもプレゼン力に目が行ってしまいましたが、 基本的な決算資料の読み方としても分かりやすいと思います。
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『起きていることはすべて正しい』
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- 2012/10/28(Sun) -
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勝間和代 『起きていることはすべて正しい』(ダイヤモンド社)、通読。
なんとなく7冊目になってしまった勝間本。 かといって、カツマーというような信奉者でもなく・・・。 「売れる本ってどんなんだろう?」という興味本位なのが正直なところ。 本作は、タイトルから、勝手に「行動経済学的な何かが書かれているのかな?」と 思い込んで買ってきたのですが、全然違いました(苦笑)。 効率よく仕事をし、成果を上げるためのテクニックを述べています。 ま、これまで読んだ本と、内容は被るところが多々あるものの、 ハウツー本としては、「こう改善しなきゃ!」と思わされる一冊です。 ストリーテラーとして上手いなぁと思うのは、 自分の失敗談をあからさまに書き、かなり情緒不安定になっていた頃のことも そのまま書いてしまっているところ。 「勝間さんにもこんな時期があったんだ・・・自分も頑張れば勝間さんみたいになれるかも!」 そんなふうに読者に思わせる効果があると思います。 ただし、そんな状態から復活して、成長するためのステップが とてつもなくハードルが高いです(爆)。 これは、19歳で公認会計士試験に合格という地金があってのことかと思われ。 一般人が真似ようとしても、最初の一歩は本に書いてありますが、 それを継続すること、そしてステップアップへの二歩目が 相当ハードな印象を受けました。 ま、自分が、しょっちゅう上司から、これらのことで動きが悪いと叱られているので できない感を一層強く感じてしまうのかもしれませんが(苦笑)。 なんだか、頭の痛い指摘を延々と受けているような気持ちになってしまいました。
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