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『50代からの選択』
- 2023/12/29(Fri) -
大前研一 『50代からの選択』(集英社文庫)、読了。

なんとなく買ってきた本でしたが、これまでに読んだ大前本の中で一番面白かったです。
なんせ、大前氏の本音がダダ洩れ。
高齢者には「貯めるな使え!」と怒り、若者には「なんで政治に興味がないんだ!」と怒り、
中年世代には「お前ら不憫な人生で可哀そうだな」と憐れむという、
なんとも喜怒哀楽の表出した内容で、面白かったです。

本作の最初の出版年は2004年。
その時の50代といえば、団塊世代の最後の方としらけ世代の最初の方あたり。
で、タイトルからするとこれから50代に入っていく人たち向けの本だと思うので、
要は、団塊世代を反面教師にして、しらけ世代よ、うまく老後を乗り切れ!みたいな
そんな本だと思います。

ただ、肝心の50代手前のしらけ世代に向けたメッセージよりも、
団塊世代に向けた糾弾の言葉とか、ロスジェネ世代に向けた馬鹿にするような言葉とか、
そういうストレートなメッセージの方が印象に残りました。
そして、その通りだと思います。

団塊世代は、たぶん、自己評価が高かったりしても、世代的に豊かなので大負けしないというか、
多少裏では悪口言われてても、生活には支障が無かったのではないかなと思います。
多少の失敗はリカバリできる経済力がありそうだし。

でも、しらけ世代は、団塊世代の真似をしたら致命的な失敗に陥り老後の生活に
支障をきたすレベルになってしまいそうなので、気を付けろよ!という警告はそうだなと思います。

そして、著者が都知事選に立候補して、青島幸男氏に4倍以上の票差をつけられて負けたという
その悔しさを、ここぞとばかりにボヤいてますが、理路整然とした政策提言よりも
大和言葉で「いい国つくろうよ」と呼びかけるだけで良かったんだよと言う加山雄三氏の
慰めの言葉を読み、有権者の中央値のレベルを分かっている加山雄三なら都知事になれるかも
と思ってしまいました(苦笑)。

著者自身が、60代の今、どんな生活を送り、人生を楽しんでいるのかという自慢話もたくさん出てきますが
正直これはレベルが高すぎて反感をもつ気も起きません。
成功すると、そういう老後が送れるんだな・・・・という程度。
むしろ、これだけ成功してたら、いろんな世代に人にアレコレ放言しても
まぁ許せるかな・・・・と思ってしまいました。

私自身はロスジェネ世代の後半の方なので、
こういう厳しい声には反発心はあんまり湧いてこず、とりあえず受け止めてみて
自分なら何か改善できることはないかな?という感じで捉えてしまいます。
特に取り上げるほどの意見でなければ、無視して忘れればいいや・・・・という感じで。
そういう態度は、著者から見ると、もっと反発してこないと!って思われるのかなぁ。




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『ロウアーミドルの衝撃』
- 2022/07/17(Sun) -
大前研一 『ロウアーミドルの衝撃』(講談社)、読了。

「中の下」以下であるロウアーミドル層およびロウアー層に、
日本人の8割が属するという統計データから話が始まります。

そもそもロウアーミドル層の定義が、年収300万~600万円ということで、
300万円と600万円では、生活レベルが全然違うだろ!?という
統計の切り方の部分に疑問が湧きつつも、
600万円を超えたら、相当裕福ということなのか・・・・・と驚愕。

以前、一部上場企業の本社の企画部門に勤務していたので、結構なお給料をいただいてました。
30代独身ということで、生活の不安は何もなく、仕事が忙しいので遊びにお金を使う暇もなく、
マンション購入とか車とか全く興味がなく、投資もやってないので、
使わなかった分は自然と貯金に回り、気が付けば2000万円溜まってました。
「あ、麻生さんが言ってた老後夫婦で2000万円あれば安心という条件クリアできた」と
のほほんとしてました。

その後、脱サラして地方に引っ越し、起業したため、年収は下がりましたが、
またまた忙しくてお金を使う暇がなく、田舎には娯楽もないので使い道がなく、
これまでセミナー参加とか資格取得とか自費で投資してた部分も
必要経費で落とせるようになったら、さらに貯金が積みあがっていき、
「このまま単身で老後に突入しても何とかなるかも」と一層のんきに暮らしてます。

というわけで、世間の厳しい状況は、全然実感しないまま今に至っています。
本作は、もう15年以上も前の、アベノミクス前の話なので、
じゃあ今の年収統計はどうなっているのかしら?と検索してみたら、
日本人の平均給与年収は461万円とのこと。

どういう働き方の人まで含めるのかで平均データはだいぶ変動しそうですが、
平均給与年収ということは、いわゆる週休1日とか2日とかで1年間働いた人ですよね。
想像よりも低かったです。
こりゃ、600万円からアッパーミドル層という扱いでも全然おかしくないですね。

資産を持っているのは現役を退いた高齢者ばかりで、
これでは、資産運用の施策を打っても、現役世代には響かないですね。
キッシーの「新しい資本主義」も、高齢者しか自分事として聞いてないかも(苦笑)。

本作の前半の統計データの話や、それに基づく政府批判の話は興味深く読みましたが、
後半の政策提言の話は、あんまり刺さってきませんでした。
まぁ、本作の書かれた時代が古いので、アベノミクス後の今読んでも、
あんまりピンとこない部分もあるのだとは思いますが、
そもそも著者が都知事選に出馬してたと初めて知って、びっくり。

まぁ、私が高校生の時の話のようなので、知らなかったのかもしれませんが
Wikiで調べてみたら、「供託金を没収される程の惨敗」と書かれており、こりゃダメだ。
タレント候補のような知名度はなかったのかな、それとも政治センスがなかったのか。

本作後半の主張内容があんまり刺さってこなかったということは、
やっぱり有権者に訴える力が足りなかったのかな。
経営と政治は違うんだなと、こんなところで実感してしまいました。




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『企業参謀』
- 2022/05/09(Mon) -
大前研一 『企業参謀』(講談社文庫)、読了。

薄い本でしたが、とても勉強になる要素がたくさん詰まった一冊でした。

経営分析本などを読むと、「利益率が低い企業は・・・」「ROAが高い企業は・・・・・」みたいな
指標の高い低いの傾向を解説して終わってしまうことが多いのですが、
本作では、指標の表すことを、きちんと日本語の文章に落とし込んで表現しているので
すっと頭に入っていきます。

さらに「中規模の会社の方が、大規模や小規模の会社よりも収益性が悪い。
多角化を中程度に進めると収益性が悪化する」などと解説していて、
「要は中途半端に事業を大きくすると収益性が悪化するのか!」と理解でき、
産業の構造を大まかに捉えることができる指摘が多数ありました。

どういう順番で経営指標を評価していくべきか等をロジックツリーで示したり、
伝えたいことを簡単なグラフで視覚的にパッと示したり、
コンサルらしい視覚的な整理のテクニックもたくさん見ることができました。

ノートにまとめながら、もう一度読み返して勉強したいと思います。




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『日本復興計画』
- 2016/02/01(Mon) -
大前研一 『日本復興計画』(文藝春秋)、読了。

もともと原発の設計者だった著者が、
3.11直後に福島第一原発の危機的状況に向けて発した提言をまとめた本。

3月13日、3月19日という時点で、
原発対策に関して自分の意見を発信するという行為は、
事態が良く分かっていない中で、自分のバックグラウンドや社会に対するプレゼンスを考慮し、
リスクを負ってまで世の中に働きかけるという見事な姿勢だと思います。

水素爆発を起こした建物の処置に関しても、
特殊テントで覆うというような具体的な対策を提示しており、
少なくとも、政府が行ったようなヘリコプターで水をかけるという方法と同時並行で
検討をしていく価値のある選択肢だったのではないかと思います。
準備にどの程度時間を要するものなのかは素人には分かりませんが・・・・・。

本作の出版も2011年4月30日と、非常にスピーディです。
それが分かった上で、今のタイミングで読むと、
やはり中長期的なエネルギー政策の観点が弱いので、そこをもっと知りたくなります。

1つの敷地内に、いくつも原発を並べてはいけないというのは、
確かに今回のような災害を目の当たりにするとそうだなとは思いますが、
しかし、既に建設しちゃった原発に対して、そんなことを言ってもどうしようもないのであり、
一方で、当面は原発の新設はありえないだろうということは容易に予想でき、
じゃあ、この提案は何に対して行われたんだ?という疑問が残ります。

「もう原発はダメだ」というのはシンプルな意見ですが、
しかし、あと何十年も使い続けるつもりで建設した原発をどうするのか。
潰すのか、止めたまま保留するのか、再稼動するのか、
現実的な議論を、大前氏のような原発の専門知識があり、かつコンサルという観点で
社会的な評価も出来る立場の人に、是非行って欲しいなと思います。


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『実戦!問題解決法』
- 2014/10/25(Sat) -
大前研一、斎藤顕一 『実戦!問題解決法』(小学館文庫)、通読。

先日、鼻で笑ってしまった「プロブレム・ソルバー」という言葉がここでも登場し、
あらま、マッキンゼーさんも使っちゃうのね・・・・・という感じだったのですが、
マッキンゼー東京事務所の学卒採用第1号が著者の斎藤氏だったという紹介に、
期待値がぐーっと上がってしまいました。

が・・・・・なんだかイマイチ。

述べている内容は正しいし適切だと思うのですが、
なんだか印象に残らないんですよねぇ。
刺さる言葉が無いというか・・・・・。

マッキンゼーブランドに期待しすぎたのかもしれません。
それほど特徴的ではない本のように感じてしまいました。


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『即戦力の磨き方』
- 2014/10/09(Thu) -
大前研一 『即戦力の磨き方』(PHPビジネス新書)、通読。

うーん、大前研一氏でも、こんな程度の本を書くのかと、いささかガッカリ。

なんだか書き散らした感があります。

自慢話が多いからでしょうか、言葉がドギツイからでしょうか。

言っている1個1個の能力の重要性は良く分かるのですが、
どうにも統合性に欠けるような・・・・・1人の人間としての完成形がイメージしにくかったです。

自分はエリートだ!と自覚している人が自己を再認識して、よりエリート意識を高めたり、
自分に自信を持つんだ!上に食い込むんだ!!という気概で頑張ろうという人には
良い本なのかもしれません。


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『新・国富論』
- 2012/08/01(Wed) -
大前研一 『新・国富論』(講談社文庫)、通読。

気持ちが疲れているときに読む本ではなかったです。

全然、内容が頭に入ってきませんでした。

この本が悪いのではなく、私の方の問題です。

もう一度、仕切り直して読むようにします。


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『ボーダレス・ワールド』
- 2012/05/29(Tue) -
大前研一 『ボーダレス・ワールド』(新潮文庫)、読了。

1990年発行、つまり20年以上も前の本なので、
さすがに、最初は、内容の古さに目が行ってしまいました。

だって、
「レジで代金を払うとき、品物の原産地を気にする消費者はいない」
なんて言われちゃうと、隔世の感があるんですもの。

ただ、その導入部を超えると、
今でも通用するような経営理論が出てきます。

つまりは、20年前も、今も、
目の付けどころ、押さえどころは、おんなじだということなんだと、改めて理解できました。

消費者が原産地を気にするような時代になれば、
その変化を察知して、経営戦略に取り込まなければならないという、
ただ、それだけのことなのだと。

「ボーダレス」という言葉の新鮮さは、とうに失われてしまいましたが、
逆に、一般的な経営論を復習するのに手ごろな本だと思います。




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『お金の流れが変わった!』
- 2011/12/23(Fri) -
大前研一 『お金の流れが変わった!』(PHP新書)、読了。

リーマンショックの原因となったサブプライム・ローン、
さらには、その仕組みを支えることとなった資金の流れであるホームレス・マネーについて
非常に分かりやすく整理しています。

最初は、「単なる分析結果の説明なら、新聞記事と同じじゃないか」とも思いましたが、
ここまで簡潔にまとめられるのは、さすが大前研一だと思います。

後半では、専門である原子力発電についての話題にも触れ、
震災直前に発行された著作であるために、原発推し推しになっていますが、
今現在の彼がどのような主張をするのか気になるところです。
(私は、やはり、ある程度技術力のある日本が業界を仕切っていないと
 中国とかが原発業界を仕切り始めると怖いなぁ・・・と感じてしまいます)

各国が、様々な金融商品を上手く活用し、また痛手を負いながら、
経済が上がったりする中で、なぜ日本は停滞したままなのか・・・・・・
その理由が、本作でわかりました。

頭が昭和で止まったままなので、
新しい金融・経済の動きに乗れていないのですね。(というか背を向けている感じ)

この状況を打破するには、やはり傑出した腕力を持った政治家が必要だと思うのですが
今の政界はお寒い限り。
日本国民がまじめに選挙に取り組まなければならないと再認識しました。


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『私はこうして発想する』
- 2011/06/04(Sat) -
大前研一 『私はこうして発想する』(文藝春秋)、読了。

サクサク読めます。

発想法の本かと思ったら、
あんまり体系だった話ではありませんでした。

章立てはそれっぽくなっていますが、内容は時事ネタの解説どまりで、
それぞれへの考察は興味深いのですが、
「発想法の本である」というには、少々心もとない内容だと思います。

1/3は、ビジネスブレークスルー大学院大学の宣伝のようでもあり・・・。
大前本としては、お勧めできないですね。


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