『幸せになっちゃ、おしまい』
- 2016/09/19(Mon) -
平安寿子 『幸せになっちゃ、おしまい』(幻冬舎文庫)、読了。

小説作品で見せるウィットに富んだ会話や女の性をシニカルに分析する視線が
エッセイでも楽しめるかな?と期待して買ってきましたが、
冒頭で3.11の原発問題などの話しが出てきて、
あれれ?なんだか重たいな・・・・・と。

すると今度は、自身の旅行エッセイ等の章になり、
重さはなくなったものの、おばちゃんのお小言みたいな印象で、
小説作品が持つポップな感じがあまりありません。

小説では、主人公たち20代や30代の女性の少し上の世代の人が
書いているのかな?と思うぐらいの、自然な若々しさやポップさがあるのに、
エッセイでは露悪的なぐらいおばちゃん風を吹かせており
イメージが全然違いました。

後半に増えてくる、社会を考察したエッセイは、
視点の面白さや、世相を切り取った絶妙な言い回しが、
平女史らしい面白さだなと、やっと思えるようになりましたが、
エッセイ集として全体を眺めると、
なんだか非常にちぐはぐとした印象を残す一冊でした。


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平 安寿子

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『くうねるところすむところ』
- 2014/09/07(Sun) -
平安寿子 『くうねるところすむところ』(文春文庫)、読了。

前田建設の流れで、建設業のお話をば。

男社会の中に飛び込んで挑戦する女2人・・・・・ということで期待したのですが、
これは合いませんでした。

主人公の梨央に共感できませんでした。
行き当たりばったりなところと、恋愛優先なところが。

勢いで状況を打破する勇気や、目線を変えて恋愛を目的に置く思考の柔軟性は
ときに大事なことであることは分かっているのですが、
この主人公のバランス感覚が、私のものとは違いすぎて共感できず。
「ここで、その軸で判断するかぁ!?」という感じです。

もうひとりの主人公(というかサブ主人公なのかな?)の
姫こと郷子が物語の軸だったら、もう少し共感して読めたかも。
でも、「社長のクセに思いつきと勢いでモノを言いすぎだろぅ」と
これまた反発してしまったかも。

時子や棚尾、工藤といった工務店の脇役の面々は
それなりに良いキャラをしてたのに、残念です。

あ、工務店のお仕事がわかるという点では、面白かったです。


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『こっちへお入り』
- 2014/02/07(Fri) -
平安寿子 『こっちへお入り』(祥伝社文庫)、読了。

落語を演じることにはまっていくOLさんのお話。

主人公が落語にはまった切っ掛けは、
友人の素人落語発表会に乞われてお客として見に行ったため。
そして、その打ち上げで楽しそうに落語の話をする皆を目のあたりにして、
何も入れ込むことがない自分に「取り残された・・・」との思いを抱く。

ある種、不純な動機で落語の勉強を始めた主人公ですが、
今のご時勢に落語に親しむには、不純な動機でもないと難しいのかなと思います。

「今、静かな落語ブームだから」「日本文化に触れてみたいから」
こんな人が多いのではないかと思います。
かくいう私も、大学のOB会誌の中に、OB会の建物の周辺情報として
「らくごカフェ」が紹介されていたので、「ちょっと見聞を広めに・・・」と
不純な動機で入ってみただけですから(笑)。

本作でちょっと不満だったのは、寄席や落語会などプロが演る姿が出てこないこと。
手本とするのはCDなんですよねー。
なんで生で噺家さんを見に行こうとしないのだろうかと不思議に思いました。
本文中に、むしろ寄席に出ている噺家のレベルを疑問視する表現があったので、
手本にならずと斬り捨てているということなんでしょうかね。
それともモデルが広島の方だったので、寄席や落語会があまり身近にないという
設定なのでしょうかね。

あー、落語が聞きに行きたくなっちゃいました。


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『恋愛嫌い』
- 2013/04/06(Sat) -
平安寿子 『恋愛嫌い』(集英社文庫)、読了。

結婚に興味がない女性の物語は結構ある気がするのですが、
恋愛自体に興味がない、もしくは一人が大好きという女性の話で、
ここまで説得力を感じたのは初めてのことかも。

素直に一人でいることに居心地の良さを感じたり、
色恋めいた展開になると急に警戒したり、
他人に恋愛の話を振られると面倒に感じたり、
でも、他人が楽しそうに恋愛している様子を見るとちょっと羨ましかったり。

そんな一つ一つの心の動きに、とっても共感できるんです。
そのたびに、自分は捻くれてるよなぁと反省も感じたり。
でも、一人が気楽で充実してるんですもの。

最後、どんな形で物語を閉めるのかと思いきや、まさかのビーンボール的展開。
うーん、これだけは、さすがに共感できませんでした。
ちょっとここだけは、一人大好き女が結婚するには
こんなに極端なシチュエーションでないと無理なのかという印象を受けましたが、
でも、女三人、それぞれに幸せそうで何よりです。


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『恋はさじ加減』
- 2012/12/22(Sat) -
平安寿子 『恋はさじ加減』(新潮文庫)、読了。

恋愛ものの短編集。
そのどれもに、料理が登場してきます。

でも、気合の入った勝負の料理ではなく、
カレーうどんであったり、ポテトサラダであったり、バターごはんであったり。
見栄を張ったものでなく、日常生活の中で味わえる美味しさなところが
とっても心惹かれます。

登場する男性も女性も
本質的なところでは素敵な人間性を感じさせてくれて、
気持ちよく話を読み進められます。

美味しく清々しい短編集。
幸せな気持ちになれます。


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『Bランクの恋人』
- 2011/05/10(Tue) -
平安寿子 『Bランクの恋人』(光文社文庫)、読了。

この作家さんが描く、いわゆる「負け犬女」が好きなんですよねー。
自分が大好きで、人に振り回されたくなく、
でも、他人の目も気になり、未婚に若干の負い目を感じる。
そんな自分を意外と冷静にかつ自虐的に評価しているところなんざ、
自分のことみたい(苦笑)。

ただひたすら負け犬根性なのでもなく、
また、一人で生きていくのよ!と肩ひじ張るのでもなく、
ちょっと自虐的に自分を笑えるキャラなのが、上手いんです。

自分を笑えるっていうのは、
意外と残酷に自分のことも周囲のことも分析しているってことじゃないかと思います。

でも、自分や周りと距離をとるだけではなく、
時々甘えて見せたり、弱さを出して見せたり。
そういうところが下手な主人公が登場してくるので、共感できるのだと思います。
そして、図らずも、上手く甘えられる展開になってしまった主人公たちを羨ましくも思います。

私も、ゲイのお友達が欲しくなっちゃいました。


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『素晴らしい一日』
- 2010/11/12(Fri) -
平安寿子 『素晴らしい一日』(文春文庫)、読了。

この方のユーモア・センス、好きだわぁ。

登場人物たちに軽い男が多いので、
締め所を間違えると、ポップなだけの中身の無い作品になりかねないのですが、
そこを上手く引き締める冷静な視線があるんですよね。

ダメな男たちを観察する女性の目が、時々、非常に醒めてるんです。
ダメな男のダメなところを見せつけられても動じない、
「所詮、男なんてこんなもん」と、どこか諦めているような
そんな落ち着きがあります。
そこに惹かれてしまいました(笑)。

他の作品も、どんどん挑戦していきたいと思います。


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『なんにもうまくいかないわ』
- 2010/10/18(Mon) -
平安寿子 『なんにもうまくいかないわ』(徳間文庫)、読了。

お初の作家さんでしたが、面白かったです。

42歳独身女、仕事はバリバリ、生活はリッチ、でも男運なし。
このキャラクターの作り方が、王道ではあるのですが、
読んでいて飽きがこないんです。絶妙。

それは多分、出だしを、キャリアウーマンの描写から始めるのではなく、
何でも言い合える女友達とのつまらない喧嘩の話から始めたからだと思います。

出来る女の私生活を次第に見せていくという手法ではなく、
ちょっと変わった独身女がいて、実は仕事もできるんですよ・・・という見せ方。
このテクニックが憎い作品でした。

なんだかんだトラブルや喧嘩に巻き込まれながら、
彼女の愛されるキャラ、憎めないキャラが伝わってきて、面白かったです。

ウィットに富んだ会話や頭の中でのツッコミも、楽しめました。


なんにもうまくいかないわ (徳間文庫)
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star志津子さんすごいです。
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