『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

映画館でかかっていたことは知っていたのですが、
どんな題材の作品なのか知らないまま、WOWOWでやってたので観てみました。
何となくタイトルの語感から、『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』のような
柔らかな感じを想定していたのですが・・・・。

舞台は、９．１１の後のニューヨーク。
WTCで父親を亡くし、母子家庭で育つ主人公。
幸いにも、祖母が通りの向かいのアパートに住んでいるので、
心細くなったらトランシーバーで会話をしています。

もともとアスペルガー症候群的で繊細な気質だった主人公の少年は、
大好きな父を亡くし、PTSDに陥ってしまいます。
そんなある日、父の部屋で見知らぬ鍵を見つけ、
自分宛のものだと思い込んだことで、その鍵で開けられるものを探し始めます。

鍵が入っていた紙袋に「BLACK」と書かれれていたことから、
ニューヨーク中のブラックさんを訪ね歩くことに。
しかし、PTSDのせいで、怖くて列車やバスに乗れず、橋も苦手、
高層ビルにも、上を見上げる人にも不安を感じてしまいます。
それを押しのけて、徒歩で探し回ることで、肉体・精神ともボロボロに。
そんな中、祖母のそばに１人の老人がいることに気づき・・・。

と、話が展開していくのですが、
それまで自分の内に溜め込んでいた９．１１のショックを
少年が他人にぶちまけるかのように話すシーンが２度登場し、
その悲しみの重さに、正直、観ているのが辛かったです。
映画の感動とか言う前に、辛かったのです。

９．１１から十年を経て映画化された作品ですが、
遺された人々は、この作品を直視できたのかということを思うと、
辛くてなりませんでした。

私たち日本人は、３．１１から十年経た時に、
地震で残された人々を描いた作品を直視できるようになるのでしょうか。
（すでに何本か震災関連の映画は公開されていますが、本作ほどに
　多くの一般人が観た作品は、まだ出てきていないのではないかと思っています）

私自身は、身内にも、友人にも、知人にも、今回の震災で亡くなった人はいませんでした。
しかし、例えば会社の同僚の身内の方が亡くなったり、
父の友人の友人が亡くなったりという話は聞いています。

２０２１年になれば、震災で大きな傷を負った人々を描く映画を
多くの日本人は直視できるようになっているのでしょうか。

私は、自信がないです。
海の向こうの話でさえ、日本の姿に重ねて、辛く感じてしまったので。

映画作品としては、演者が良かったです。ナイスキャスティング。
主人公の少年を演じたトーマス・ホーンもそうですが、
トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、その他の脇を固める俳優陣の演技が見事でした。

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『ザ・インターネット』

90年代のハイテク犯罪映画なので、
内容が古くてしょぼいかな？とも懸念したのですが、
サンドラ作品だったので、観てみました。

意外と面白かったです。

凄腕のバグ潰し技術者なのに、引き篭もりで友人もゼロに近い。
ご近所さんとも交流がなく、唯一の肉親である母親はアルツハイマーで娘と認識できず。
こんな孤独な状況で、ハッカー集団に狙われ、自身の情報を全て奪われてしまう・・・。

ストーリーは、ハッキングモノの王道だと思うのですが、
主人公の設定がなかなか面白かったです。

一方、悪の集団の側は、相当な資金力があるはずなのに、
ヘマばっかりやってるジャックにずーっと本件をまかせっきりにしてて、
なかなかお間抜けです。

最後、問題のシステムを破壊したところまでは分かったのですが、
アンジェラは自分の情報をどうやって元に戻したのでしょうかね？
そこが、ちょい疑問。

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『ウルトラ I Love You！』

これまた酷い邦題だわ（爆）。
マツケンの映画にあやかろうとしたのでしょうか・・・・。
ラジー賞受賞作らしいですが、この邦題にもキイチゴ賞を与えるべきですね。

さて、内容はと言いますと、
サンドラ演じる主人公のクロスワードパズル作家が、あまりにもイタイ女で引いてしまいました（苦笑）。
結婚したいのはわかりますが、その思考展開も、論理展開もさすがに無しでしょう・・・。
あまりのストーキングぶりに、途中、スティーブが発狂するシーンがありますが、
その気持ち、わかります！

恋に盲目になった女性を、少々極端な行動に走らせて笑わせるという手法はありますが、
笑えるか、狂気に映るかのラインを、本作は、結構、大きく踏み外している気がします（爆）。

あと、サンドラが、金髪になってたのも残念。
この方の黒髪は、本当に美しいと思っていたので・・・。

キャスティングでは、スティーブの同僚を演じたケン・チョンが拾い物！
物静かな女性の突然の爆発について語るシーンに爆笑。
良いコメディ・センスを持ってる人だと思います。

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『デンジャラス・ビューティ』

サンドラ、最高（笑）。
セリフ回し、動き、表情、どれをとっても完璧なコメディエンヌ！

連続爆弾事件の脅迫状から、ミスコン会場での犯行が疑われ、
ミスコンに潜入捜査をすることになったＦＢＩ捜査官のサンドラ。

犯人探しは、正直、かなり手抜きなプロット。
大した証拠もないままに、直感で犯人探しが行われていきます。
科学性も組織力もなんにもなし。
でも、コメディとして笑えるから、それでいいの（爆）。

特に、ミスコンを皮肉ったギャグの数々が最高に面白い。
最後はサンドラに感動のセリフを吐かせて上手くまとめていますが、
それでも、やっぱり、ミスコンって変（苦笑）。

決して、フェミニスト的な「崇高な」反感の意見ではなく、
感覚としては”interesting”と”funny”の中間ぐらい。
人間観察の対象として興味深いですし、笑いの対象として最高に面白い。

サンドラのコメディ作品はもっと観たいですね。
凄い女優さんだわ。

みんなで祈ろう、”Ｗｏｒｌｄ Ｐｅａｃｅ”を！

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『トゥー・ウィークス・ノーティス』

サンドラ・ブロックとヒュー・グラントのラブコメ。

相当に左ががった優秀弁護士が、ひょんなことから、反対運動の相手である
不動産グループの社長のもとで、顧問弁護士になってしまう・・・・
その後の展開は、ま、良くあるパターン（苦笑）。

ヒューをブッキングしたラブコメということで、まー、展開は見えているんですけれども、
社会奉仕活動に熱心な（というか、周囲が見えないぐらいアディクティッドな）
女弁護士が主人公ということで、社会派コメディというか、もっとシニカルな部分が
あるかな？と注目していましたが、そこは期待外れ。

反対運動の相手方だった企業に乗り込んだのに、
そこで何かをやった描写は無く、ただただ、社長のヒューとの日常が繰り広げられるだけ。
ま、お気楽に観られて良いんですけどね・・・。

サンドラのコメディエンヌぶりは気に入っているので、そこは楽しめたのですが、
Ｐｒｏｄｕｃｅｄ by サンドラ でわざわざやるような内容だったのかというと、
ちょい疑問。

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『あなたは私の婿になる』

面白かったです！
サンドラ・ブロックが最高！！

出版会社の編集長として辣腕をふるう「魔女」の一挙手一投足に
編集部のスタッフたちはビクビクして過ごしています。

この、サンドラ演じるマーガレットのキャラクターをバチッと定義する
最初の５分の持って行き方がお見事。
テンポも最高！

マーガレットの横暴な振る舞いを全て受け止める犠牲者となるのは
アシスタントのアンドリュー。
彼を演じるライアン・レイノルズも、おとぼけかと思いきや
意外としたたかな一面もあるところを、うまく演じています。

会話はシニカルだし、
ギャグもふんだんに盛り込まれていて、飽きることがありません。

結婚式での展開は、ちょっと王道＋破壊的すぎて
ここだけは納得がいかなかったのですが（苦笑）、
おばあちゃんのナイスアシストに助けられました。

脚本×演出×演技がみごとにマッチしたコメディの佳作でした。

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『シャッフル』

前半２／３はものすごく面白かったです。

どういう理屈で世界が動いているのかがつかめず、
そんな状況で緊張感ピリピリの演出。

本当に精神に異常を来たした人の世界観というのは
実はこんな感じなのかもしれない・・・と余計なことまで考えながら。

サンドラ・ブロックの演技も良かったし、
娘２人も可愛らしかったです。

リンダが状況を把握する瞬間が面白さのピーク。
そのあとは、なんだか整合が取れない箇所が気になってしまいました。

結論的には「運命は変えられない」ということなんだと思うのですが、
火曜日にできた傷は木曜日には取れてた？？

シャッフルされることで、まだ体験していない日の記憶は
持ち合わせていないはずなのに、
木曜日の朝は、水曜日から出張に行ってることを理解してた？？？

せっかく面白かったのに、
なんだかスッキリしない幕切れでした。

でも、Ｙａｈｏｏのレビューを見ている限り否定的な意見が多そうな
結論のもってき方については、私はアリだと思います。
可哀そうですけれどね。

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