『葡萄が目にしみる』
- 2011/04/02(Sat) -
林真理子 『葡萄が目にしみる』(角川文庫)、読了。

傑作青春小説ということで読んでみたのですが、
どうも、林真理子作品は合わないのかなぁ・・・と思い始めてしまいました。

田舎の中学・高校を舞台に、内気な女の子が世界に目を広げていく過程を
描いていきますが、どうにも純粋さが気になってしまって・・・(苦笑)。

人間が持つ悪意(無意識なものも含めて)に感覚的には気付いていながら、
そこに蓋をするような無関心さを装う姿に、
少しイライラしてしまうところがあります。

むしろ、山田詠美や江國香織のように、
悪意に対して悪意で挑むぐらいの、ドロドロとした人間模様が展開されるほうが
私は好きなようです。
現実は、それでは疲れてしまって仕方がないでしょうけれど(苦笑)。

というわけで、ちょっとキレイ過ぎるような印象で終わってしまいました。


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『本を読む女』
- 2011/03/18(Fri) -
林真理子 『本を読む女』(新潮文庫)、読了。

林真理子作品は、最初に『星に願いを』を読んだせいか、
ユーモアに溢れる軽めの作品という思い込みがありました。

で、本作も、『本を読む女』というタイトルから、
ちょっと斜に構えたような主人公でも出てくるのかと思っていたら、
思いのほか真面目な内容で、やや拍子抜け。

「読書が何よりも好き」「自由に生きたい」「結婚なんてとんでもない」
大正生まれでこの発想をする女の子は、
トンでる印象を受けますが、ところが彼女は行動が中途半端。
最初は息巻くのですが、ちょっとつまづくと、後は流されてしまうのです。

このつまづきを真面目に描写するので、
読んでいて、結構、鬱々としてしまいました。
あっけらかんと描いてくれれば、もう少し違った印象を受けたかもしれません。

ただ、この主人公の流され方には、
自分の姿が見え隠れするから、鬱々としてしまうのだろうと思います。
何かきっかけを見つければ、易々と環境に妥協してしまう自分。
主人公の生き方を通して、自分を反省してしまいました

一方で、流されながらも、流されっぱなしではなく、
時々、自分の意思を持ち直して、再び前を向こうとする姿勢を持っています。
この踏ん張りは学びたいところです。

ところで、物語の途中で、主人公は仕事で相馬に引っ越します。
あの、福島県の相馬地区です。
読書をしてても、地震の記憶が追いかけてくるのが辛いです。


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『20代に読みたい名作』
- 2009/05/12(Tue) -
林真理子 『20代に読みたい名作』(文藝春秋)、読了。

「名作」と謳っているだけあって、
古典や、古典とまではいかなくとも古い作品の紹介が多かったです。

そのため、作品名すら知らないというものはほとんどありませんでした。
ただ、名作と呼ばれているものを全然読んでいないなぁということも
再認識させられました。

個人的には、有吉玉青さんの『身がわり』が紹介されていて感激しました。
この作品は、私に本の魅力を教えてくれた記念すべき作品なのです。

古典を読むとともに、『身がわり』も再読したくなってきちゃいました。


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