『GOTH 夜の章』
- 2014/03/09(Sun) -
乙一 『GOTH 夜の章』(角川文庫)、読了。

相変わらず気持ち悪い乙一作品。

何もここまでグロくしなくても・・・・と思いつつも、
グロくなくては乙一らしくないような気もして、
なかなか困った問題です。

正義感とか倫理観とかからは
大きくかけ離れた主人公たちが出てくるのも乙一作品らしさではありますが、
本作は、そちらもかなり際どいキャラクター設定になっております。

読んでいて「やるなぁ」と思う内容だったのですが、
それを「面白かった」と表現してしまうと、
なんだか自分がまずい人間の側にカテゴライズされてしまいそうな怖さがあります。

というわけで、興味深く読みました・・・という感想にとどめておきます。

冷静に読んでいけば、各短編の「肝となるタネ」の部分は想像できるものですが、
あんまり想像したくない気持ち悪さがあり、
目をそらしながら真相に辿り着くという感じ。
乙一は、たまに読むぐらいにとどめておいたほうが、身のためのような気がします。


GOTH 夜の章 (角川文庫)GOTH 夜の章 (角川文庫)
乙一

角川書店 2005-06-25
売り上げランキング : 21608

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『ZOO2』
- 2014/01/19(Sun) -
乙一 『ZOO2』(集英社文庫)、読了。

『ZOO1』
からたいぶ時間が経ってしまいました。
多ジャンルの短編集です。

初っ端の「血液を探せ!」は、ドタバタコメディタッチで、いきなり吃驚させられました。
ただ、悪いほうの意味で・・・。安っぽいコントのようでした。
スプラッタ・コメディというのは、簡単に狙ってできるものではないようです。

3つ目の「Closet」も、文体はまともですが、それぞれの人物達の行動がぎこちなくて、
そこで笑うべきなのでしょうが、私には合いませんでした。

前半で2つ、自分に合わないコメディをぶつけられたので、
正直、ここで作品との距離ができてしまい、最後まで縮まりませんでした。

最後の「落ちる飛行機の中で」も、みんな思考回路がふわふわしてて
やっぱりどこか笑わせにかかっているのだと思うのですが、なんだかフガフガ。

これらコメディ風の作品の間に、ゾクッとさせる人間の悪意を描いた作品が
入ってくるのですが、なんだかアンバランスなように感じてしまい、
作品の世界に入っていけませんでした。

多ジャンルさ、無ジャンルさが、この作家の特徴なのだとは思うのですが、
どうも自分は合いにくいようです。


ZOO 2 (集英社文庫)ZOO 2 (集英社文庫)
乙一

集英社 2006-05-19
売り上げランキング : 137346

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『平面いぬ。』
- 2013/03/19(Tue) -
乙一 『平面いぬ。』(集英社文庫)、読了。

著者の作品に対するイメージと、タイトルの語感から
なんとなくホラーちっくな作品を思い浮かべていたのですが、
表題作は、腕に彫った可愛らしい犬の刺青が動き出すというお話。

他の作品も、物語の作り方によってはホラーになりそうな題材でしたが、
どちらかというとファンタジー寄りなテイストに仕上がってました。
「石ノ目」だけは、じとっとした雰囲気でしたが・・・。

「BLUE」も、人間の利己的な部分を描いているのですが、
なんだか温かい雰囲気でのエンディングとなりました。
人間だけでなく、おもちゃのエゴまで出てきて、結構ドロドロしてたんですけどね。

というわけで、何となく、物足りないところも・・・。
もっとガッツリいやーな情景を描いてくるのかと期待していたので。



平面いぬ。 (集英社文庫)平面いぬ。 (集英社文庫)
乙一

集英社 2003-06-20
売り上げランキング : 238057

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『暗いところで待ち合わせ』
- 2012/04/10(Tue) -
乙一 『暗いところで待ち合わせ』(幻冬舎文庫)、読了。

タイトルとカバーデザイン、そして著者のイメージから、
完全にホラーものだと思って読み始めました。

まさかの人間の繋がりを描いた作品(爆)。

普通に読んでたらすんなり楽しめたのかもしれませんが、
思い込みの頭で読んでしまったので、
なんだか最後までしっくりこないままでした。

登場人物たちの切なさを共有する作品なのだと思いますが、
本読みとして、失敗しました。
残念。


暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)
乙一

幻冬舎 2002-04
売り上げランキング : 90397

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ


この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『死にぞこないの青』
- 2011/08/22(Mon) -
乙一 『死にぞこないの青』(幻冬舎文庫)、読了。

今まで読んだホラー系作品の中で、相当ハイレベルなものでした。
(ま、怖がりの私が読むホラーなんて限られていますが・・・・)

大卒新人教師が受け持ったクラスでは、
生徒の人気を維持しようと、先生自らが、一人の生徒をいじめの標的にした・・・・。

この手の作品を読むと、人間の内面の嫌らしさのようなものに恐怖を感じるのですが、
本作では、それ以上に、アオの存在感が恐怖でした。
その身体的特徴の描写が恐ろしくて。

しかし、しかし、もちろん、人間たちが恐ろしいことには変わりが無く。
特に、担任教師がいじめに走る過程の描写がお見事。

最初は、純粋に、生徒や親たちの期待感により人気があった先生が、
熱心に教育を施そうとした結果、生徒たちが距離を置き始め、
それを取り戻そうとした手段が、「いじめの構造の創出」だったというところ。
やっている行動の程度は異常すぎるのですが、でも、その心理的な部分は
読んでいて理解できるものがありました。この辺の説得力が凄いです。

最後、どのような結末に持っていくのか興味深々でしたが、
担任教師にとっては、不安の種をずっと持ち続けるという復讐になっています。
ある意味、死よりも、過酷な復讐なのかもしれません。

ところどころ、小学5年生にしては難しい思考をしているところがあり、
(著者があとがきで書いているような表現の話ではなく、思考内容のこと)
キャラクター設定を加味しても、ちょっと無理があるかなと思いましたが、
全般的には、このような環境に置かれた子供をよく描いていると思いました。

凄い作品です。


死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)
乙一

幻冬舎 2001-10
売り上げランキング : 38408

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『ZOO1』
- 2011/04/01(Fri) -
乙一 『ZOO1』(集英社文庫)、読了。

さっそく、乙一作品を広げてみました。
映画にもなったし・・・と期待していたのですが、やや空振り感。

グロさとか、嫌らしさとかもあるのですが、
何より、設定を捻り出すのに力を使いすぎて、
物語自体のヤマが平坦になっているように感じます。

ストーリーテリングの力が、少し弱いというか・・・。
「で、何がいいたかったの?」が、あまり伝わってきません。

作品としては、「SO-far」が面白かったです。
起承転結の「転」が、結構、好みな感じでした。
あとは、最後を、しっかりと印象を残す一文で締められれば、
面白い作品として完成していたのではないかと思います。


ZOO 1 (集英社文庫)ZOO 1 (集英社文庫)
乙一

集英社 2006-05-19
売り上げランキング : 93128

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ
この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(2) | ▲ top
『夏と花火と私の死体』
- 2011/03/21(Mon) -
乙一 『夏と花火と私の死体』(集英社文庫)、読了。

物語の視点の置き方が斬新で、一気に読んでしまいました。
なんせ、死体がストーリーテラーなんですから。

子供が子供を嫉妬で殺す。
殺された子供の視点で、殺した子供が自分をどうやって隠すのか
事の顛末を淡々と報告する。

怖ーい!

そして、この作品を16歳という年齢で描いたという作者・・・

怖ーい!

物語の展開は、かなり都合よく進むところがあり、
また、伏線の張り方も、「ここ、伏線ですよ!」と自己主張が強い印象で、
まだ小説書きとしては幼さを感じるところがありましたが、
併録されている「優子」にしても、作品構成が面白く、
他の作品を読んでみたくなる力量を感じさせます。

やっぱり、子供って怖い!と思い起こさせる作品でした。


夏と花火と私の死体 (集英社文庫)夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
乙一

集英社 2000-05-19
売り上げランキング : 30344

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ
この記事のURL |  乙一 | CM(4) | TB(3) | ▲ top
『失踪HOLIDAY』
- 2010/04/20(Tue) -
乙一 『失踪HOLIDAY』(角川スニーカー文庫)、読了。

表題作は、母が再婚したところから始まり、
新しい父親との距離感、母の死、父の再婚、継母との確執・・・・と
まぁ、ドロドロの設定が冒頭でササッと語られ、
「これからこの冷静な主人公の内面に落ちていくのかしら?」と期待していたら、
後半は狂言誘拐事件に発展し、
最後は謎解きミステリーみたいになってしまいました。

作品の軸がズレまくりというか、
竜頭蛇尾というか、
どんどん軽~くなっていくというか。

併録されていた「しあわせは小猫のかたち」が、
ちょっと世間と距離を取っている主人公から眺めた世界のお話だったので、
同じようなテイストを表題作にも求めてしまったのかもしれません。
(ま、「子猫」のほうも、最後は謎解きみたいな要素がありましたが)

ちょっと、自分のニーズと合っていなかった印象でした。

あと、挿し絵が、電車の中で読むにしては、
ちょっと恥ずかしくて、周りの目が気になっちゃいました。


失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)
失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)羽住 都

おすすめ平均
stars“胎内回帰願望と子宮からの脱出”の物語
stars惹かれることは惹かれる
stars挿絵がかわいい
stars心に染みいる物話です。
starsイマイチ・・・

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ
この記事のURL |  乙一 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
| メイン |