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『ぴんぽんぱん ふたり話』
- 2024/03/06(Wed) -
瀬戸内寂聴、美輪明宏 『ぴんぽんぱん ふたり話』(集英社文庫)、読了。

たまたまブックオフで見つけて、怖いもの見たさで買ってしまいました(苦笑)。

裏表紙の紹介文では、「大人が忘れてはいけない人生の真理とは?」
「子供たちに足りていない大切な教育とは?」という切り口が書かれていたので、
現在の日本社会に対する深い考察や鋭い指摘が読めるのかなと思ったのですが、
読み始めたら、「前世が~」「背後に霊が~」「霊視で見えて~」みたいな話のオンパレードで、
「日本社会どころか、地面から足が浮き上がっちゃってるよ・・・・・」。

まぁ、この二人の組み合わせなら、こういう世界観が読者から求められているということなんですかね。
・・・・・・自分にはついていけない世界です。
スピリチュアルが一大ブームになった20年位前の対談なのかな?と思ったら
大元の単行本は2003年の発行だそうで、やっぱり時代の空気が、こういう感じだったんでしょうね。

お二人が直接体験されたという霊的体験に関しては、
私は興味関心がないので、「ふーん」で終わってしまいましたが、
寂聴氏が住職を務めている八葉山天台寺に関して、その寺で亡くなったと伝わっている長慶天皇の
怨霊話は面白かったです。井沢史観を裏付けるような話ですね。

後半は、三島由紀夫氏を巡る話。
寂聴氏は小説家同士として交流があり、美輪氏は歌手・舞台俳優として、そして三島が恋する相手として
存在してきたことから、三島由紀夫の素顔について対談していきます。

私自身は、三島作品を数作品読んだことがあるだけの平均的な日本人読者であり
特に三島由紀夫という人物には思い入れはない立場ですが、それでも、へぇ~と思うエピソードが
いくつも紹介されていて、興味深く読みました。
三島由紀夫の特異な人間性を際立たせるエピソードもあれば、
小説家としての鋭さを感じさせる世の中の見方のエピソードもあり、面白かったです。

一方で、あまりにも私的な空間での話というか、三島氏と美輪氏の個人的関係の中で交わされた
会話の数々を、こうやって公表しても良いのかなぁ?という疑問も拭えず。
三島由紀夫ほどの小説家になれば、文学研究の対象になるレベルの才能であり、
隠せる私的な部分というのは存在せず、全てオープンに記録されることが社会のためだ!という
考え方もあるのかもしれませんが、私はちょっと嫌な印象を抱いてしまいました。

特に対談の中で二人自身が、「三島さんのことを書いた福島次郎という人がいるじゃない。
私は、ああいうのは嫌なの。男でも女でも寝た相手の悪口を言うのは最低ですよ」と述べていて、
そりゃ、この対談で公開された内容は、悪口でもなければ、寝た話でもないけれど、
私の感覚からすると、この話も、個人的会話の暴露であり、同じ線の上にあるんじゃないの?と
思ってしまいました。特に美輪氏は、恋愛関係ではなかったようですが、世間的にはそういう目で
見られていた立場だと思うし、恋愛関係の入り口に立っていたことをぷんぷん匂わせている
エピソードばかりなので。

まぁ、これは、寂聴氏や美輪氏と三島氏の関係性を知らないまま、杓子定規な感覚で
測ってしまってるので、もしかすると、この二人に暴露されるなら、是非やってくれと
三島氏も草葉の陰で思っているのかもしれませんが。




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『終わりの旅』
- 2023/12/15(Fri) -
瀬戸内晴美 『終わりの旅』(集英社文庫)、読了。

どこでもらってきたか記憶にないぐらい積読で放置していた本。
自分でお金出して買ったものではないはず。

前半は旅のエッセイ的な文章が収録され、後半は小説的な文章が収録されていますが、
バチッとエッセイと小説に線引きがある感じではなく、
グラデーションがついているイメージです。

大きな山場があるわけではなく、地味な作品達なので、
ちょっと自分的には物足りない印象で終わってしまいましたが、
こういう静かな作品に心が洗われるようだと感じる読者層も一定いると思います。

旅先で出会った街並みや人との交わり、自分の内面の見つめ直しなど
旅のウキウキした雰囲気はほとんどなく、基本的には内省的な暗めの印象。

個人的に印象に残ったのは、旅先よりも、自分の故郷に戻ってくるというシチュエーションの「旅」。
嫌な思い出がある故郷の土地を離れ、ずっと距離を置いてきたものの、
止むを得ず故郷に足を踏み入れないといけない事態が起きて、
重い気持ちで故郷に向かう「旅」。

私自身は故郷に重苦しい思い出はないので、いつも気楽にふらっと戻ることができ、
それは当たり前のことだと思ってましたが、幸せなことなのかもしれませんね。




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『寂聴古寺巡礼』
- 2018/10/16(Tue) -
瀬戸内寂聴 『寂聴古寺巡礼』(新潮文庫)、読了。

寂聴尼による京都や奈良のお寺巡り。

その寺が歩んだ歴史や、仏教における位置づけなども詳しく説明されていますが、
軸となるのは、寂聴尼がその寺で何を感じ、どこが好きなのかという
非常に主観的な言葉で紡がれていきますが、
そこに著者の思いが乗っているから、とても読み心地が良いです。

このお寺は、この季節の、この景色が素晴らしい。
私は、こじんまりとしたお寺が好き。
著者の感情で成り立っている文章ですが、
その分、伝わってくるものがあります。

私自身は、三重県生まれなので、遠足とか修学旅行とかで
奈良や京都のお寺は巡っているはずですが、
子供では理解できないところもあり、記憶があやふや。
非常にもったいないことです。

大人になってから行った知恩院仁和寺は素敵でした。
素直に建物や仏像の迫力を感じましたし、
また、仏教の教えや、その寺の歴史なども知っていたので
感慨深いものがありました。
遠足や修学旅行は、大人になってからしたいものです。




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『仏教ハンドブック』
- 2017/03/20(Mon) -
瀬戸内寂聴 『仏教ハンドブック』(三省堂)、通読。

こちらも近所のおじいいさんからの頂きもの。

「ハンドブック」の名の通り、
仏教用語解説とか半分は辞書的な内容になっており、
そのあたりは読み飛ばしながらの読書でした。

冒頭の「日本の仏教」ということで
仏教伝来のところから起こした歴史がコンパクトにまとまっていて
分かりやすかったです。


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『私の好きな古典の女たち』
- 2008/10/04(Sat) -
瀬戸内晴美 『私の好きな古典の女たち』(新潮文庫)、読了。

歴史背景の説明や和歌の解説をあんまりしてくれないので、
なかなか読む側の教養を試されているような一冊でした。
『額田女王』読んだことがあって助かったぁ~。

情愛の作家らしいラインナップで
古典に出てくる女性たちの激しい恋をつづります。

1年前に瀬戸内氏の手による解説本を読んで以来、
結局、まだ 『源氏物語』 に手をつけられていません。

どうやったら、この大作に挑戦するとっかかりを得られるのでしょうか?


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『寂聴の仏教入門』
- 2008/02/12(Tue) -
瀬戸内寂聴、久保田展弘 『寂聴の仏教入門』(講談社文庫)、読了。

山越阿弥陀図屏風の余韻で、素人向け仏教本をば。

対談という形式は、専門家同士が分かりあうレベルで話をされると
読者は置いてきぼりになって、読んでいてつらい思いをすることがあるのですが、
本作は、「入門」と謳っているだけあって、初心者向けのお話から入ってくれます。

対談者2人が、読者をきちんと意識してお話してくれているからこそなのですが、
もうひとつ、司会進行役の方の話の振り方がうまくて、
素人にも分かりやすい噛み砕いた説明を促すように進行してくれています。
この方が非常に重要な役割を果たされていると思いました。

また、後半は、この進行の方が登場しなくなり、
お2人だけの対談になって行き、内容も多少高度化しています。
その匙加減が、とても読みやすかったです。

さらに、用語解説が、巻末や章末ではなく、
本文中に適宜入っているので、ページを前後することなく読み進められて
これも読みやすさを促進していました。

なんだか、構成についての話ばかりになってしまいましたが、
仏教について、入口の部分の解説書としては、非常に分かりやすかったです。
寂聴さんは、文中で、「講演会などを開くと、仏教そのものの話よりも
寂聴さん個人の話を聞きたがる人が多い」旨のコメントをされていますが、
私は是非とも、寂聴さんのお話される仏教の話を聞いてみたいと思いました。


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『わたしの源氏物語』
- 2007/11/18(Sun) -
瀬戸内寂聴 『わたしの源氏物語』(集英社文庫)、読了。

あまりに有名すぎて、またあまりに大作すぎて、
これまで全く触れたことがなかった『源氏物語』。

とりあえず、解説本で概要ぐらいは知っておこうと、本作を手にしました。

まぁ、しかし、光源氏というのはとんでもない人物ですな(苦笑)。
あちこちの姫君や女御に手を出して、
正妻が悲しむの姿に「かわいそうなことをした」と反省したと思ったら
次の女性に目が眩む・・・。

この頃の貴族の「仕事」とは何だったんでしょうか?
子孫繁栄・お家の隆盛こそが本職か??

冗談はさておき、紫式部という大作家の力量を思い知らされました。
これだけの多くの登場人物を巧みに使い、
物語の展開も山あり谷ありで、
また伏線の張り方も見事。
舞台も、王朝内だけではなく、市井の様子も踏まえ、
さらに須磨や九州のような遠方まで及びます。

そして、やはり出てくる和歌が面白い。
和歌で互いの気持ちを伝えあうという日本貴族社会の仕組みは
非常に高度な教養を求められるものであり、
当時の世界で比較しても文化レベルの高さは相当だと思います。
この和歌を、登場人物のキャラクターにあわせて使い分ける才能も
素晴らしいです。

日本人であるならば、読んでおかなければならない作品だと痛感。
いつか、いつか、きっと・・・。


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『女たち』
- 2005/11/12(Sat) -
瀬戸内晴美『女たち』(集英社文庫)、読了。

初めて読みましたが
お噂どおりの生々しい描写でした。

たまにはこういうものもね。

登場人物の言葉遣いに
ちょっと違和感を覚えるものの、
ストーリーは面白かったです。

女たち
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