『彼らの夏、ぼくらの声』
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- 2012/02/24(Fri) -
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山際淳司 『彼らの夏、ぼくらの声』(角川文庫)、読了。
スポーツ・ノンフィクションというと、 まずは、対戦相手との心理的な駆け引きの面白さを想起します。 そして、ゲームが展開していく躍動感・・・・。 なので、本作の冒頭が、エベレスト登頂の話で始まったことが、 ちょっと心理的に入り込みにくさを感じてしまいました。 読みたいものとのミスマッチ。 残念。 後半は、野球やサッカーをはじめ、様々なスポーツが登場してきますが、 なんとなく、どれも小粒に感じてしまいました。 ちょっと期待過剰だったのかな。
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『空が見ていた』
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- 2011/10/19(Wed) -
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山際淳司 『空が見ていた』(角川文庫)、読了。
野球を中心としたエッセイ集。 発行年が古いこともあって、登場する野球選手たちの知識が無いため、 若干、読んでいての臨場感に欠けました。 ま、年代的に仕方が無いことなのですが。 そんな中で、巨人の新人として開幕戦に臨んだ長島茂雄と、 彼を迎え撃った金田正一の対決のエピソードは 非常に面白く読めました。 長島という選手には、時代を超える力があるんでしょうね。 そして、金田投手にも。 技術とか、戦略とか、作戦とか、いろいろ大事な要素があるのでしょうが、 それでも「気持ち」というものが試合を左右するスポーツというのは やはり面白いですね。
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『男たちのゲームセット』
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- 2011/03/27(Sun) -
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山際淳司 『男たちのゲームセット』(角川文庫)、読了。
巨人VS阪神を描いた作品だということで、買ってきました。 1973年の巨人のV9に至る最後の数試合を、 巨人、阪神の双方からキーマンを選び、描き出していきます。 試合を決めた中心人物だけではなく、 そこに参加していた様々な人物の視点を借りて、 ゲームを多角的に見せる手法は、相変わらず面白いです。 ただ、本作は、各章ごとに同じ時間を何度も行ったり来たりして、 また、同じシーンが別の視点から繰り返し語られることについての 書き分けが、あまり上手く出来ていないような印象を受けました。 つまり、ちょっと読みにくい。 ま、あくまで文章技術のお話です。 巨人と阪神というライバルであり、かつ両極端な組織集団の様子がわかり、面白かったです。 特に、阪神サイドは、野村監督の阪神論を読んでいたこともあり、 一段と興味深く読めました。
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『ルーキー』
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- 2011/03/06(Sun) -
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山際淳司 『ルーキー』(角川文庫)、読了。
西武ライオンズ入団一年目の清原選手を 他の選手たちの目を通して描き出した作品です。 私は子供のころ、近鉄バファローズのファンだったので、 パリーグの有名どころの選手は知っていたつもりですが、 清原選手の名前こそ知れど、その成績の偉大さは本作で初めて認識しました。 高卒ルーキーとして入団1年目で残した記録の素晴らしさは、 この本を読めば、良くわかります。 そして、高校生時代から、彼がどれだけ真剣に野球に取り組んできたかも。 きっと、私が森監督の野球スタイルをあまり面白いと思えなかったので、 無意識のうちに西武というチームを私が遠ざけていたのかもしれません。 (だって、いてまえ打線と森・西武は対極のチームですよね!?) 巨人に移籍し、オリックスへ移り、その間にいろいろと言われた清原選手ですが、 巨人での最後の年だったか、オリックスに移ってからだったか、 シーズン初めに「もの凄く精悍な顔つきをしてる!」と印象に残った年がありました。 30代後半に入ったベテラン選手であり、かつ大選手なのに、 それでも肉体改造をしてシーズンに臨むのかと、驚いた記憶があります。 その時、世間の評価を突き抜けて、「清原というのは凄い野球選手だ」と 初めて認識した記憶があります。 彼の野球への真摯な思いは、この作品を通して伝わってきたので、 テレビで解説をしてくれたら、面白そうだな・・・と感じました。 あと、本作の中でちょこっとだけ落合選手と清原選手の対談のシーンが 収録されていますが、いつかしっかりと落合理論を読んでみたいです。
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『いつかまた、プレイボール』
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- 2010/12/25(Sat) -
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山際淳司 『いつかまた、プレイボール』(角川文庫)、読了。
プロ野球にまつわるエッセイを集めた一冊。 Jリーグが出来た当初、 野球はワンプレーごとに動きが止まるからスピード感が無くて面白くないと 我が友人のにわかサッカーファンは評していました。 また、私の父も、野球ほど、監督やコーチが試合中も選手につきっきりで指示を出す 過保護なスポーツって、他に無いよなぁ・・・なんて呟いてました。 (ちなみに父は昔も今もプロ野球好きです) でも、私は、その間が好きです。 選手も監督も、一つ一つの間に様々なことを考え、その中で最善と思うことを仕掛け、 そして、一方は思惑通りに勝負に勝ち、もう一方は負ける。 一瞬一瞬に、中身の詰まった勝負があるところに面白さを感じます。 そんな野球の一瞬一瞬を追った本作が、面白くないわけ無い! 有名選手から、私が知らない選手まで登場し、 また選手だけではなく、コーチやスカウトまでインタビューしています。 バリエーションもばっちり。 読み応えのある一冊でした。
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『スタジアムで会おう』
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- 2010/11/07(Sun) -
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山際淳司 『スタジアムで会おう』(角川文庫)、読了。
山際作品は2作目ですが、前作ほどには引き込まれなかったなぁ・・・。 それは、自分があまりスポーツ選手を知らないせいだと思います。 日本のプロ野球は好きなので、古い選手も有名な人は知ってるのですが、 テニスやボクシングとなると一流プレイヤーもほとんど知らない・・・。 なので、出だしの清原選手の話とかは非常に面白く読んだのですが、 野球から離れるにつれて、興味関心が失速してしまいました。 ブライアント~ローズの頃の近鉄が大好きだったので、 昔のプロ野球の話になると、パリーグの方が親近感があります。 今は、母の影響で阪神ファンをやってるので、 セリーグの選手しか、ほとんどわからなくなってるのですが。 西武VS巨人の日本シリーズを振り返る両軍の参謀役の視点とか、 ものすごく興味深く読みました。 じっくりとした駆け引きが見られる野球は、やっぱり面白い!
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『スローカーブを、もう一球』
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- 2010/04/02(Fri) -
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山際淳司 『スローカーブを、もう一球』(角川文庫)、読了。
スポーツもののノンフィクションは、 あんまり読んだことがなかったのですが、面白かったです。 野球、陸上、ボクシング、ボート、スカッシュと、様々なスポーツの、 これまたプロから高校生まで、様々な立場の選手が登場します。 で、いろいろ読み比べた結果、 やっぱり野球って面白いな・・・と思っちゃいました。 結局、一人でやるスポーツは自分との戦いになって、 作品の内容も、その選手の哲学や克己心みたいなものが中心になります。 でも、野球は、一球の動きに、 野手9人、バッター、監督、コーチ、ベンチと、 何人もの人の思惑が絡まり、駆け引きがあります。 そこが、面白い! 有名な「江夏の21球」も面白かったのですが、 「八月のカクテル光線」の劇的な試合展開にハラハラしました。
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