『クレイマー、クレイマー』
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- 2010/12/25(Sat) -
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『クレイマー、クレイマー』
クリスマスですねー。 ダスティン・ホフマンの出世作を観てみました。 こりゃぁ、ヒットするわ。 だって、どんどんダスティンの表情が魅力的になっていくんですもの。 父親という役割と責任と満足感を得ることで、 彼の人生が豊かになっていく過程を一緒に見ていくことができます。 最初、仕事のことしか考えていないダメ男だったのが、 反抗的だった息子が悲しげな声を漏らすのを聞いて改心、 そこから自分の生き方を見つめ直していきます。 その過程での、息子ビリーとの距離の縮まり方が、 これまたホロっとさせてくれるんです。 ビリーの子役ちゃんがまた演技派なんだわ。 病院で痛がるシーンとか、もう、迫真の演技。 そんな息子を捨てて出て行った母親はメリル・ストリープ。 最初は、なんて可哀そうな奥さんなんだと思いましたが、 なかなか帰ってこない様子に、こちらもイライラ。 で、やっと連絡をしてきたかと思ったら、 子供を引き取りたいだなんていう我が儘な言い分。 この作品って、最初父親、次は息子、最後は母親と、 それぞれが、それぞれのタイミングで我が儘を言うんですよね。 お互いを思う気持ちのタイミングが、ちょっとずつ合わない。 だから、我が儘がMAXの状態で表に出てきて、観てる方にもイライラが伝わってきます。 でも、人間なんて、こんなものなんでしょうね。 裁判で親権を争うシーンは、本当に、人間の欲と欲のぶつかり合いで、 とても残念な気持ちになってしまったのですが、 このシーンがあったからこその、ラストへの流れが活きるんですよねぇ。 父親も母親も息子も、みんな、この経験を通して大きくなったということが 如実に感じられるエンディングで、完全なハッピーエンドにはならないことに 逆に、未来が示されているような気がして、感慨深い終わり方でした。 アカデミー賞でいくつか賞を獲得したのも納得。 今も語り継がれる作品であることにも納得。
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『パフューム ある人殺しの物語』
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- 2008/09/03(Wed) -
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『パフューム ある人殺しの物語』
「臭い」「匂い」「香り」という、 映像作品では最も表現しにくいと思われるものを 可能な限り感じさせてくれる映画でした。 パリの街の臭い、果物の匂い、香水の香り、 最もリアルだったのが「悪臭」でした。 市井の人々の服装、表情、立ち振る舞いから 生活臭が立ち昇っているようです。 そして、主人公ジャン=バティストの特異さが ベン・ウィショーの演技力、演出の見事さ、映像の美しさで 恐ろしいほどに感じられました。 赤ちゃんグルヌイユ、怖いよ・・・・・。 (あの赤ちゃんって、特撮?ホンモノ??) 出だし、主人公の生い立ちを駆け足でみせる演出が非常にテンポよく、 頭から引き込まれました。 重ーい演出の中に、ふっとユーモアが盛り込まれていて、 監督の力量が感じられます。 話題になったというラストシーン。 確かに映像で見せられると強烈なシーンでしたが、 ジャン=バティストの作った香水の「効果」そのものについては、 意外とありきたりな内容で、ちょっとガッカリ。 それでも、十分に楽しめる作品でした。
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『トッツィー』
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- 2008/03/16(Sun) -
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『トッツィー』
何気なく見始めたのですが、 ダスティン・ホフマン、凄いわ! 女装っぷりも、仕種も、言葉も、声もドロシーになりきってます。 また、コメディタッチな身のこなしもキレがあってバッチリ。 シーン転換直前のちょっとしたところでクスッとした笑いを攫っていきます。 なんとも芸達者。 ちょっとウディ・アレンがはいってるなって感じがしましたが。 男性として見ると、ちょっぴりタッパが足りないですが、 ドロシー役にはぴったりですね。 そして、ドロシーは美人。 きれいな人は、性別を超えられるんでしょうね。 物語の舞台が「昼メロ」というのも笑える設定です。 ドロシーの周りの役者さんもスタッフも、一流半から二流、三流レベルで ドタバタ感増幅。 どたばたコメディの完璧作品でした。
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