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『インビクタス / 負けざる者たち 』
- 2019/10/19(Sat) -
『インビクタス / 負けざる者たち 』

ラグビーW杯に沸き立っている日本ですが、
ラグビー映画が放映されたのを録画していたので見てみました。

アパルトヘイト政策が終わり、マンデラ大統領が誕生した南アフリカ。
差別政策は表向きなくなっても、黒人と白人の間の対立意識は消えず、
マンデラ大統領がどう融合していくかが問われる状況です。

そんな中、白人が楽しむスポーツとして認識されていたラグビーのW杯が南アフリカで開催され、
そこでの南アフリカチームの活躍に、国民の融合を託す大統領。
陰に陽にチームを鼓舞し続け、ついにW杯決勝の舞台へ!

祖国が生まれ変わる大事な局面と、ラグビーW杯のホスト国の熱狂とを重ね合わせて
感動的な対策になっているのですが、正直イマイチ乗り切れなかったところがありました。

マンデラ大統領就任からW杯ホスト国決定への流れが降ってわいたような感じで
あんまりそこに政治的な戦略性が見える様な見せ方ではなかったです。
一方のチームの方も、冒頭では弱小チームのような描かれ方をしていたのに、
そのチームがW杯決勝戦まで勝ち進むような強さを身につけた経緯がイマイチ不明でした。

現在、日本チームがなぜこれほど強くなれたのかという報道が
毎日のように詳細に伝えられている状況では、
日本チームが強くなった理由には納得がいっても、
南アフリカチームが強くなった理由を1時間そこそこの映画で見せられても
信憑性にかけてしまう印象を受けてしまうのでしょうかね。

そして、肝心のラグビーの試合のシーンですが、
フィールド内にカメラマンを立たせて、ド迫力のシーンを撮ろうとしている努力は感じますが
いかんせん、日本戦のトリッキーなプレーの印象が強くて、霞んでしまいました。
たぶん、カメラの性能とか撮影技術とかの進歩もあって、今の試合の見せ方が各段に
面白くなっているというのもあると思うのですが、
カメラワークが満足できるものではありませんでした。

見ているこちらの気持ちが、ラグビーに浸り過ぎているので、
マンデラ大統領の「許す」という姿勢の偉大さが、陰に隠れてしまった感があります。

見たタイミングが、あまりよろしくなかったかな。




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『ヒアアフター』
- 2012/06/18(Mon) -
『ヒアアフター』

震災の影響で、劇場公開が途中で打ち切りになった本作。
冒頭の10分で、その津波のシーンが描かれますが、
波が襲ってきて、人々が飲み込まれる様子や、
さらには主人公にクローズアップして、波に巻き込まれる過程や
そばに居た子供を助けられなかったこと、流動物に頭をぶつけて失神する瞬間、
それぞれをあまりにリアルに描いていて、震災当時にこの映像は見れないわ・・・と納得。

しかし、裏を返せば、そもそもスマトラ沖地震で同じように津波被害に遭った人たちが
大勢居るはずであり、数年経てば、こういうふうに映像化されて
バンバン流されるようになるというのは、残酷なものだと感じてしまいました。
(きっと、日本の震災も、数年したら、非難轟々の中で映像化されていくんでしょうね・・・)

また、自然災害は、一度に大勢の人が亡くなるので、
本作のように関係者に配慮した措置が取られますが、
交通事故、病気、犯罪被害などで、無念の死を遂げた人の遺族の方にとっては、
個人的に耐えられない、直視できない映画というものが、やはりあるのだろうなぁと思いました。
リアルというのは、時に、容赦の無いショックを与えますからね。

てなわけで、映画を観ながらそんな感想を抱いていたということは、
あまりのめりこめなかった証拠でございまして・・・・・。

主人公3人それぞれが背負っている悲しみは理解できるのですが、どうにも共感に至らず・・・・。
「自分勝手」というと言葉がキツ過ぎるのですが、
自分が抱えている困難に向き合うときに、
あまりに不用意に周囲の人を傷つけているような気がしてしまいました。

また、3人が出会うまでの過程が長すぎて、ちょっと気持ちもダレてしまいました。
心が休まる場面が、あまり無いんですよね・・・・。

で、最後のシーン。
意味深な終わらせ方。
自分で想像しろってことなんでしょうけれど、
ここまで隠されると、「想像」ではなく「創造」になってしまうのではないでしょうか。

やや突き放し過ぎな気がしました。

というわけで、映画そのものよりも、震災や個人的な災難について考えさせられた作品でした。


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『ザ・シークレット・サービス』
- 2010/12/25(Sat) -
『ザ・シークレット・サービス』

最近、クリント・イーストウッド作品が気になります。
てなわけで、宇宙飛行士に続いて、今度はシークレット・サービス。

基本的に、イーストウッドお爺ちゃんは無茶するよね(爆)。

ケネディ大統領の護衛についていた捜査官が、
現代の大統領の現場の警備に当たるだなんて・・・。
そりゃ、心臓発作疑惑も持たれちゃいますわ。

そして、やっぱり美人で知的なヒロインと恋に落ちるし(笑)。
見た目のイメージが結構お爺ちゃんなんだから、
もう、ラブシーンは辛いと思います。
スマートだし、走ったりもできるけど、やっぱり顔も大事よね。

てなことを書いてると、面白くなかったのかと言われそうですが、
これがまた、面白いのなんの。
暗殺犯リアリーとの電話での駆け引きのシーンなんて、脚本が上手い!

ちょっと、後半は、リアリーを演じるジョン・マルコビッチに
画面での印象を奪われてしまったようなところがありますが、
でも、やっぱり、イーストウッド作品はストーリーが面白い。

犯人を追いつめる過程で、途中、少し端折ったところもありましたが、
概ね、満足のいく展開でした。

60歳過ぎて、こんな映画で主役を張れるなんて、
すごい爺さんだわ。


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『スペースカウボーイ』
- 2010/10/31(Sun) -
『スペースカウボーイ』

ソ連の通信衛星が地球に落下の恐れあり。
ところが、積んである装置が旧型すぎて、現役スタッフには直せない。
当時のエンジニアであるフランクにアイデアを求めるが、
フランクは、この機に乗じて、果たせなかった宇宙飛行を企む・・・。

69歳で宇宙へ行けるのか?と言ってしまえばそれまでなのですが、
民間人の宇宙旅行も始まってることですし、
それほど非現実的な設定でもなくなっているのかも。

とにかく、チーム・ダイダロスの面々が個性的で面白い!
しょっちゅう喧嘩してるのに、芯のところでは信頼し合っているという
まさに「男の友情」を絵にかいたような人たち。

クリント・イーストウッド監督作品って、
「男らしさ」「男の在り様」を格好良く描くというのが
ひとつのテーマになってるんですかね?
女の私でも素直に「いいなぁ」と思えるので、
男性諸氏には堪らない設定なのではないでしょうか?

通信衛星の故障はずが裏があったり、
若手エリートが暴走したり、
爺ちゃんとキャリアウーマンが恋しちゃったり、
一人月へと旅立って行ったり、
盛りだくさんすぎて展開早すぎ~、余韻に浸れない~と思いもしましたが、
そこは、娯楽性を前面に押し出すために割り切ったんだろうなと、納得。

ま、ちょっと、イーサンの単独行動は、やり過ぎかと思いますが・・・。
あの行動にどれだけ勝算があったのか不明。
地球が滅んじゃうかもしれないのに、リスクデカ過ぎだろうに。

ホークも連れて帰ってくるストーリーも描けたんじゃないの?と残念に思いながらも、
あれはあれで、宇宙飛行士として本望な結末なんでしょうね。

「ライト・スタッフ」
じゃなくて「ライブ・スタッフ」なのね(笑)。


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『ブラッド・ワーク』
- 2010/09/25(Sat) -
『ブラッド・ワーク』

どうにも気分が悪いので、この週末は映画&読書になりそうです(トホホ)。
本日の2本目は、クリント・イーストウッド監督作品。

全然知らない作品だったのですが、面白かったです。

心臓移植手術を受けた元FBI捜査官が主人公。
その心臓提供者は、強盗殺人に巻き込まれて脳死状態となったのであり、
提供者の姉が、犯人探しへの協力を依頼にやって来るところから始まります。

こんなに簡単に、臓器提供授受の関係がバレちゃって良いのかしら?
なんて疑問に思いつつも、捜査の進展が、なかなか面白いです。
(ちょっと運に恵まれすぎの感もありますが)

犯人側の動機は、ちょっと突飛なところがありますが、
そこは、話の見せ方を工夫していて、
「あぁ、この犯人なら、そういう行動とりそうだな」と思わせてくれます。

ちょっと最後の展開は、端折りすぎな気がしましたが、
面白いストーリーでした。


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『グラン・トリノ』
- 2010/07/03(Sat) -
『グラン・トリノ』

全くあらすじも何も知らない状況で観たので、
「グラン」という語感から、勝手に壮大な映画をイメージしていました。
(「グラン・トリノ」という車種も、もちろん知らず・・・)

なんと、非常に狭い世界での出来事を描いた作品でした。

妻を失い、一人暮らしになった主人公は、その頑迷さをますます深めていき、
近隣に住みつくようになった移民たちへの偏見に縛られ、
なんの幸せも見いだせない日々を送っています。

そんな彼は、ある日、隣人のモン族のトラブルに巻き込まれ、
渋々ながらも付き合いを始めると、
隣家の末っ子・トロ助の面倒を見るようになり・・・。

この辺の、「渋々つき合うようになって・・・」という過程が
結構、うまく描かれていたと思います。
ま、「モン族の習慣」ということで、強引に押し切ったところもありましたが。

そして、物語は、終盤、一気に加速していくのですが、
結末の付け方が、非常に東洋的というか、仏教的というか、
日本人好みの展開になっていたように思います。

私は、遠藤周作の『沈黙』なんぞを思い出してしまいました。

アメリカにおけるキリスト教の信仰心の弱体化、
移民が白人社会を駆逐する人種問題、
その白人社会も、基をたどれば、ポーランド移民やイタリア移民、
中流階級における親子の断絶、などなど
様々な社会問題をうまく取り込んで、重みのある作品に仕上がっていたと思います。

他のイーストウッド作品も観てみたくなりました。


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starsヒーローは現れない
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starsさすが集大成と言われる作品です
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