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『彼女の嫌いな彼女』
- 2017/08/23(Wed) -
結川恵 『彼女の嫌いな彼女』(集英社文庫)、読了。

相当お久しぶりの結川作品

商社勤めの23歳のOLと35歳のOLが、
中途入社の27歳男子の気を引きあうバトルを展開。
そこに部長同士の権力闘争が絡まって・・・・・。

何だかコメディマンガみたいな筋立てで、
私の中の結川作品のイメージとギャップがありました。

そもそも、権力闘争はあるにしても、
スパイみたいなことって、ここまでまともにやるんですかね?
お互いに、相手の動向を探ることはあっても、
スパイを送り込むのは、バレたときの代償が大きすぎて
メリットがない気がするんですよね。

そして、色恋仕掛けでスパイ活動をするというのも、
バレたときに、スパイ当人だけでなく、スパイを送り込んだ側も
相当なダメージを追うはずで、これもメリットがないように思えます。

私のいた会社では、こういうの聞いたことなかったけど、
商社の世界じゃ、あることなのかなぁ?

というわけで、この本の中で繰り広げられていることに
親近感が湧かなかったので、最後まで作品との間に
距離を感じてしまいました。

ま、35歳・瑞子のような、仕事に一生懸命で、気づいたら35歳独身だった・・・・・
という境遇の人には、親近感が湧きますが(爆)。
彼女が後輩の女の子たちを見下している内容は
非常に共感できました(笑)。

でも、23歳・千絵の頭の働かせ方も、
熱意が仕事に向かずに恋愛に向かっているというだけで、
人間観察の内容とか、面倒な人のかわし方とか、
なかなか面白いなと思いました。
なので、クリスマス・イブに千絵が取った行動は、
「お、凄いじゃん!」と感心してしまいました。
このくだりで、彼女のことが好きになりました。

全体としては、結川作品ってこんなんだったっけ?という感じになってしまいましたが、
ま、恋愛小説というものは、こんなものなのかな・・・・とも思った次第です。


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唯川 恵

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『めまい』
- 2010/10/24(Sun) -
唯川恵 『めまい』(集英社文庫)、読了。

久々の唯川作品は、女性の狂気を描いた短編集。
女性の怨念って、どこまでもグロく描けますよねぇ。
怖い、コワイ。

人間というものの怖さを描いたものから、
ホラー風味のものまで、いろいろあって、楽しめました。

ただ、美容整形手術をテーマにした「きれい」は、
手術シーンの描写があまりに生々しくて、残念ながら
ちゃんと読めませんでした。(人体を切り刻むのは苦手です)

結構、私は、女流作家さんにハマると立て続けに読んでしまう傾向にあるのに
唯川作品は間隔があきやすくて、なんでだろう?と思ってました。
本作で、一つ理由に気付きました。

ちょっと日本語がひっかかるところがあるんですよね。
間違ってるとかいうものではなくて、
例えば、どの単語を省略するかという文章のセンスが微妙に違う感じ。
なので、時々、前後のつながりを確認しに読み戻ったりしてしまうんです。
読んでる時のスラスラと進むリズム感が、ちょっとずれるので、
ハマるところまで行けていないようです。
そのうち、慣れるかなぁ・・・。


めまい (集英社文庫)
めまい (集英社文庫)唯川 恵

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stars内容と併せて、とてもいい題名です。
starsめまいとは、女の「念」。
stars玉石混交
starsめまい
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『永遠の途中』
- 2009/03/03(Tue) -
唯川恵 『永遠の途中』(光文社文庫)、読了。

寿退社して主婦になった薫と出世を目指した乃梨子、
広告代理店の同期女性2人の人生を追った作品。

自分が一応、総合職に身を置く崖っぷち29歳で、
なおかつ『百年の恋』を読んだばかりということで、
乃梨子の思考や行動が気になって仕方ありませんでした。

同じ境遇に置かれたら、
たぶん、自分も乃梨子のように考えて、乃梨子のように振舞うんだろうなー、と。

一方で、薫の焦りや諦め、発奮のような部分も
主婦を経験したことはないけれども、
なるほどなぁと思える描写でした。

どちらの女性の立場に味方するのかという気持ちにはならず、
どちらも言い分も成り立つなぁと思わせるところは、
この作品がしっかりと女性の気持ちを描いている証拠だと思います。

リアリティ溢れる良い作品でした。


永遠の途中 (光文社文庫)
永遠の途中 (光文社文庫)唯川 恵

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stars対照的な女性を描くことで、男性も描いている
stars*永遠の途中*
stars生き方について考えさせられた
starsしっかりした一冊
starsそれぞれの道

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百年の恋
百年の恋篠田 節子

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stars行き当たりばったりな印象。
stars頭で生活するのではなく
starsコメディタッチではあるが…
starsまあ、コメディなんですけど。
starsコメディ,あるいは

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『病む月』
- 2006/03/11(Sat) -
唯川恵 『病む月』(集英社文庫)、読了。

タダカワ・メグミさんだと思ってました。
ユイカワ・ケイさんだったんですね。
人気作家に不慣れですみません。

女性の狂気が炸裂したり、垣間見えたり・・・
じわじわと恐怖を感じました。

普段、作品のタイトルにはほとんど注意が向かないのですが、
小池真理子女史による解説を読んで「ナルホドねぇ」。


病む月
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