『山の音』
- 2010/10/08(Fri) -
川端康成 『山の音』(新潮文庫)、読了。

川端康成の長編は、どうにも苦手意識があり、
あんまり楽しめた作品がありません。

ちなみに、短編集の『掌の小説』には衝撃を受けました
大傑作だと思います。

で、本作ですが、はじめて、川端長編で面白いと思えました。

還暦を超えた老人・信吾の目を通して、
その日常や家族とのやりとりを淡々と描いていきます。

そして、底辺を流れる死の影や青春時代の懐古などが、
淡々とした描写に暗い色を投げかけてきます。

ぼわぼわと進んでいく物語に、さして大きな山はありません。
息子の愛人と対決するシーンなど、いくらでも盛り上げられる場面はあるのですが、
あえて静かに筆を進める落ち着きに、この作家の力を感じました。

日常の会話の中に、季節の花や催し物の話題を入れてくることで、
暗いテーマに、ほんのりと彩が添えられ、
そのバランス感覚が見事です。

やはり、大作家とされるだけのものはありますね。


山の音 (新潮文庫)
山の音 (新潮文庫)川端 康成

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stars恐ろしい筆の力
stars川端は異常であるから文学である
starsそれぞれの家にはそれぞれの事情がある
stars作品の随所にエロスの秘宝が配置されている
stars小津映画の様な美しい情景

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雪国 (新潮文庫 (か-1-1))
雪国 (新潮文庫 (か-1-1))川端 康成

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stars主人公の目を通じて描かれた二人の女性
stars何でもないことひとつひとつが美しい
stars情景が勝手に浮かび上がる
stars心象風景が広がります
stars崇高なまでの美的感覚

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掌の小説 (新潮文庫)
掌の小説 (新潮文庫)川端 康成

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stars川端康成の凄さに圧倒される
stars「火に行く彼女」に尽きる
stars少女の官能的美の珠玉
stars最高の詩集
starsお薦めです!

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『みづうみ』
- 2009/05/23(Sat) -
川端康成 『みづうみ』(角川文庫)、読了。

う~ん、難しい。

難解さというよりも生理的に合わないことの方が
読んでいて辛かったかもしれません。

空想癖、妄想癖のオンパレードのような男で、
現実と頭の中の出来事を自由に行ったり来たりするので、
ついていくのが大変でした。

みづうみ (1961年) (角川文庫)
みづうみ (1961年) (角川文庫)川端 康成

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『雪国』
- 2006/04/17(Mon) -
川端康成 『雪国』(新潮文庫)、読了。

阿刀田高だったかな?『雪国』の書き出しは、
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」が有名だが、
実はそこに続く「夜の底が白くなった」こそが素晴らしい描写なのだと。

ふと、この指摘を思い出したので、『雪国』に挑戦してみました。

が、
・・・・う~ん。
ストーリーに浸ることができませんでした。
金持ちの息子と芸者という世界が、
現在から見ると想像し難い世界だからでしょうか?
わたしの力不足か。
駒子の喜怒哀楽についていくのが大変でした。

ただ、ある瞬間を切り取った描写は、圧巻です。

川端康成といえば、私は『掌の小説』で衝撃を受けたのですが、
彼の描写力に最も惹かれるようです。

あと、注釈多すぎ。
芸者世界の用語を解説しているならともかく、
注釈者の主観を解説されても読んでいて邪魔なだけ。

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