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『東京からはじめよう』
- 2018/03/24(Sat) -
猪瀬直樹 『東京からはじめよう』(ダイヤモンド社)、読了。

猪瀬さんの名前でこのタイトルなら、
都知事としての政策を語ってるんだろうなぁと期待しちゃいますよねぇ。
著者プロフィール欄を見たら、石原都政での副知事時代の発行だったのですが、
都政に携わる人間としての見解を聞きたくなりますよねぇ。

でも、この本で行われる9つの対談は、
対談というよりもインタビューみたいな印象を受けました。
猪瀬氏は第三者的な立場で、対談相手の専門領域について質問を投げかけていくというような。
もっと、猪瀬氏が東京都の現状や政策について熱く語る様子を期待してたのに。

インタビュー自体は面白かったです。
官房長官になる前の菅さんとか、
増田レポートを出す前の増田さんとか(県知事の実績はありますが)、
近い将来日本に大きな影響を及ぼす主要な人物を押さえたりしてて、
こういう人間の先読みをする能力はさすがだなと。

でも、彼らへのインタビューになっちゃってるんです。
東京都副知事の発言ではないんですよね。

とっても残念な読後感でした。


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『ゼロ成長の富国論』
- 2012/12/23(Sun) -
猪瀬直樹 『ゼロ成長の富国論』(文芸春秋)、通読。

新都知事の本が、ずーっと積読になっていたので、この機に。

経済改革や行政改革についての政策論の本だと思い込んで読んだら、
二宮金次郎が行った農村改革の本でした(苦笑)。

子供が薪を背負っている銅像の印象しかありませんでしたが、
金貸し業で成長していったというところに興味を持ちました。
小学校で勧める職業ではないですよね(笑)。
道徳と実利が共存している人間像が面白かったです。

ただ、それを今の政治にどう生かすのかというところが、
金次郎伝に割いたページ数に比べて、物足りない印象です。

ま、この本は7年も前のもので、副都知事にもなっていない時期のものなので、
都知事としての基盤の考え方は、別の本で読まないといけないですね。


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『ミカドと世紀末』
- 2011/12/19(Mon) -
猪瀬直樹、山口昌男 『ミカドと世紀末』(小学館文庫)、読了。

『ミカドの肖像』
を受けての対談集だったので、
内容がある程度分かっているものをおさらいしていく感じになり、
対談で言っていることが理解しやすかったです。
また、注釈もたくさんついており、助けになりました。

もともとの対談に加えて、文庫版で出す際に、
対談を追加しているのですが、最後の対談(最も新しい対談)を
冒頭に置いていることで、本書の内容について客観的に総論を語っていて、
なおかつ、最新の天皇周辺情報も加味されていることで、構成も上手いと思いました。

特に、「明治天皇に対する大正天皇」と「昭和天皇に対する今上天皇」という
関係の相似性を語ったところが、興味深かったです。

今では、さらにそこに、次世代の天皇、次々世代の天皇といった議論まで加わっているので、
また、このタイミングで、この2人の天皇論を読んでみたいと感じました。

山口昌男氏の著作は、読んだことがなかったのですが、
対談での語り口が分かりやすく、またウィットに富んでいて、
主張の内容自体も興味深い切り口を持っていると感じたので、
もし、素人向けの初歩的な著作があるのなら、読んでみたいと思いました。

本作で何度となく触れられた『天皇の影法師』も既に入手済なので、
こちらも楽しみです。


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『僕の青春放浪』
- 2010/08/15(Sun) -
猪瀬直樹 『僕の青春放浪』(文春文庫)、読了。

著者の青春時代を綴ったエッセイということで読んでみました。

中学、高校時代の話から、
大学時代の学生運動の話、
卒業後に転々とした職業遍歴の話、
そして、現在の作家の取材活動や執筆活動についての話。

一つあたりの文量がさほど多くないこともあって、
読みやすく、また面白かったです。

ただ、いろんなところに発表したものの寄せ集めのようで、
体系立てて書かれているわけではないので、
自伝エッセイと呼ぶには、ちょっと物足りない感じです。

中盤、大谷光瑞の話が出てきたのには驚きました。
ちょうど、一橋フォーラムで講義を聞いたばかりだったので、
興味深く読みました。

そうか、袋小路には十年間も嵌り込むことがあるのか・・・。

もし、今、自分が袋小路に嵌り込んでしまっているのだとしたら、
本を読み、映画を見て、体内にエネルギーを蓄積しよう。


僕の青春放浪 (文春文庫)
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『ミカドの肖像』
- 2008/12/01(Mon) -
猪瀬直樹 『ミカドの肖像』(新潮文庫)、読了。

上下巻だったので、長い間積読状態だったのですが、やっとこさ。

プロローグの東京海上ビル建設問題から
皇居と周辺高層ビルをめぐる論点の曖昧な対立構造で
天皇・皇居という不思議な存在を象徴的に描いていきます。
当時の社長のインタビューを取っているところは、さすがです。

続いて、お召し列車のエピソードを挟みながら、
プリンスホテル繁栄の礎となった旧皇族からの土地購入経緯。
旧皇族の足元を見るような土地の買いあさりをしながらも
「プリンスホテル」と名づける鉄面皮は、堤康次郎ここにあり、ですな。

作品は、このあたりから西武グループの話になり、
その後も、オペラ「ミカド」の話を追求したりと、
「天皇」という存在自体からは段々と離れていってしまいました。
プロローグの切り込みぶりが凄まじかったので、
このあたりの章は、ちょっと興ざめでした。
(「♪宮さま宮さま~」の歌は気になりますが)

※追記 : 小学館から出ているものは、
      サブタイトルが「プリンスホテルの謎」となっていますね。
      どうやら天皇制度という舞台における西武グループの話だったようです。

天皇そのものよりも天皇の「肖像」ということで、
第三者が具現化した天皇という存在にスポットを当てた作品のようですので、
わたしの興味とちょっとずれてたようで残念です。

この作品だけではなく、他にも天皇モノを書いている作家さんですので、
そちらもいずれ挑戦してみたいと思います。


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『日本国の研究』
- 2007/05/12(Sat) -
猪瀬直樹 『日本国の研究』(文春文庫)、読了。

官僚たちの天下り先のからくりを暴いた作品。
著者の質問に対して、
回答拒否を決め込む人々、のらりくらりと交わす人々に交じって、
「それってギャグですか?」というようなオモシロ回答をする人々もいて
(まぁ、本人は至って本気なのでしょうけれど)
皮肉な意味で楽しめました。

長良川河口堰問題は、私の地元の話でもあり、
最も興味深かったです。
三重県庁にも努力の人が居たんだなぁとちょっと感激してみたり。


日本国の研究 (文春文庫)
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stars道路公団はソ連軍か?
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