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『ウツボカズラの夢』
- 2022/08/04(Thu) -
乃南アサ 『ウツボカズラの夢』(双葉文庫)、読了。

地方都市に住む主人公の未芙由は、高校3年生の時に母を病気で亡くし、
その治療に金がかかり、また自身も介護のため時間を取られ、
進学も就職も何も道が決まっていない状況で卒業となります。
父は、母が亡くなるとすぐに具体的な再婚話をしはじめ、どうやら不倫していた模様。
居場所がなくなった未芙由は、面識のない母のいとこという女性を頼って東京に出ていきます。

初めて訪問した東京の叔母の家は立派で金持ちらしく、そこで最初に遭遇したのは老婆。
住み込みのお手伝いかと思いきや、叔母の夫の母親ということですが、
あまりに攻撃的な物言いと、さらに義理の親夫婦と叔母夫婦は一つの家の中で住空間を
完全に壁で仕切り、間のドアには鍵をかけているというピリピリした関係。
しかも、未芙由が住み始めることを一切義理の母に話していないという状況に
未芙由は大混乱となります。そこに遊び歩いている雰囲気の叔母が帰ってきて・・・・・。

この強烈なはじまりの第1章を読んで、「なんだ、このドロドロ&ピリピリとした家族関係は!?」と
非常に期待値があがったのですが、第2章以降、この怖い義理の母が、物語りに絡んでこないどころか
全く出ても来なくなり、「あれ?なにこの肩透かし感???」」。

さらに、未芙由がいかに田舎者で世間知らずの小娘とは言っても、
この新しい家族たちに向かってほんんど会話らしい会話もできず、困った状況になっても
自分の力で何とか解決しようという努力もせず、社会性が全くないので共感できません。

それなのに、なぜか中盤から魔性の女ぶりを発揮して家族を翻弄するようになり、
キャラクターに統一感が感じられませんでした。

最後の展開も、取ってつけたような結末で、作者的にはすっきり〆たつもりかもしれませんが、
全然スッキリ感がなかったです。

乃南作品って、過去の履歴を見ると結構な冊数を読んでいるのですが
最近、間隔があきがちになっているのは、作品に納得感が得られなくなっちゃったからかなぁ・・・・・。




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『しゃぼん玉』
- 2019/09/18(Wed) -
乃南アサ 『しゃぼん玉』(新潮文庫)、読了。

乃南作品は、意図しているわけじゃないけど、
なんとなく間隔があいてしまいがちになります。
で、久々に読んで、「やっぱり面白いわ」と再確認することが多く、
作品の毛色の違いの幅広さもあって、「また読もう」と積読が増えていくことに。

本作は、タイトルの単調さと表紙絵も女の子が街路を歩く後ろ姿で、
あんまり刺さってくるものがなく、長らく積読になっていた本でした。

物語は、非行少年からかっぱらいの常習犯に転落しつつある若者が主人公で始まります。
とにかく今を生きるだけの金が手に入ればよい、
かっぱらいをして、財布に二万円入ってたら満足、数千円だと「ちぇっ」となる。
それだけの日々を送っています。

そんな中で、ただ脅すためだけに持っていたナイフが
ほんのはずみでかっぱらいターゲットの女性の脇腹に刺さってしまいます。
「殺してしまった!」と思った少年は、バイクを捨て、ヒッチハイクをしながら逃走。
乗せてもらったトラック運転手とけんかをして置き去りにされたのは宮崎県の山の中。

人も車も全く通らない早朝の山道で、偶然出会った老婆の家に行き、
成り行きで一泊することに。
すると、その家に遊びに来た近所の人が、孫が返ってきたと勘違いして
村のコミュニティの日々に巻き込まれていきます。

前半の殺伐とした雰囲気から一転して、中盤以降は山の中でののどかな暮らしが描かれ、
その、のほほんとしつつも、人間同士の信頼関係で維持されている生活の堅固さに
興味をそそられました。

じじばばだけでコミュニティを作っているから、
少年のような若者がやってきたら、そりゃ喜ばれるでしょうし、
ここの家の孫だという出自が分かってれば、初対面でも警戒心はないでしょう。
そんな人々の様子に、毒抜きされていくかのような非行少年。

まぁ、うまくコミュニティに溶け込みすぎだという、リアリティ面への指摘はあるでしょうけれど、
私は、そこはもうファンタジーだと思って読んでました。
ド田舎ファンタジー、悪く言えば都会の人の田舎幻想。

どちらかというと、後半における私の興味は、
この少年が、なんで犯罪で生計を立てるような道に進んでしまったのか、
そして、なぜ、そこから抜け出せなかったのかということでした。
特に後者の部分。

田舎に来て穏やかな暮らしの中に入ってからも、
「前の晩はやる気に満ちていたのに翌朝になると何もかもが面倒くさい」というような描写があり、
私が要約するとつまらぬ表現にまとまってしまいますが、その心理的な変化が
腑に落ちる形で描かれていました。

私自身は、細かく計画を立てて、その通りに実行して、なんなら計画以上に詰め込んで実行して
成果を得ていくというプロセスが好きなので、自分がやりたいとおもったことすら実行できない人を
ちょっと軽蔑気味に見てしまうところがあります。
そして、なぜ実行できないのかが、理解できないのです。
本作では、そういう人の心理描写を知ることができ、あぁ、そういう風に感じているのかと
少しは分かったような気になれました。
共感はできないけど(苦笑)。

理想のように行動できない人を描くのがうまい作家さんなのかなと
この本を通して思いました。




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『禁猟区』
- 2019/03/02(Sat) -
乃南アサ 『禁猟区』(新潮文庫)、読了。

乃南作品の警察モノ短編集。
まともな警察モノは一作しか読んだことがありませんが、
その時の、女性刑事が抱えている重たい雰囲気が本作の一話目にもあって、
「乃南作品との出会いってこんな感じだったな」と懐かしく思いました。

警察モノと言いながら、テーマは「監察」。
警察組織内部での不適切行為を取り締まる話です。

一話目は、ホストクラブに溺れてしまうベテラン女性刑事を主人公に据えて、
ホストにどうやって金を巻き上げられているか、その金をどうやって調達しているかを
じっとりとした描写で書いていきます。
客観的な読者の目線で見ると「バカだなぁ」の一言で終わってしまうのですが、
こういう状態に陥っている人、結構いるんだろうなぁと憂鬱な気持ちになります。

この一話目では、監察の人間はチラリとしか登場してきませんが、
二話目以降は、監察の若手女性刑事が主人公となります。
このあたりの構成はうまいなぁと思いました。

ただ、一話目でのチラ見せでは、優秀な女刑事のような印象だったのに、
二話目以降ガッツリ出てくるようになると、どうも仕事ぶりが不安定な若手刑事
かつ甘えが垣間見えちゃってるような女性要素も強くなって、
「あれ?キャラ変??」と、少し混乱しました。

観察対象になった警察官は、
ホスト狂い、クスリ転売、マスコミへの情報漏洩、ストーカーと、
「警察官として、それはどうなのよ?」と思ってしまうものばかりでしたが、
でも、それぞれの警察官のバックボーンがしっかり描かれていて、
話に説得力がありました。組織が大きければ、こんな人も出てきちゃうかなと。

警察官を監視する監察という、特殊な組織の目線でストーリーが進むので、
最近たくさんある警察モノですが、新鮮な気持ちで読めました。

監察チームのメンバーの描写があまりなかったので、
続編があったら、もっと他の観察メンバーにスポットを当てた作品を読んでみたいです。




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『暗鬼』
- 2018/12/01(Sat) -
乃南アサ 『暗鬼』(文春文庫)、読了。

お見合いで一目惚れした主人公。
優しそうな夫は、両親だけでなく、祖父母や兄弟も一緒に住む大家族だった。
しかし、嫁姑問題が起きるでもなく、小姑にいじめられることもなく、
毎日皆が笑顔の楽しい家庭生活が始まった。
そこに、突然、怪しい男が現れ、何かをおどおどと伝えようとするも、姑に遮られ・・・・。

姑をはじめ、家族みんなが嫁に優しく、笑顔を振りまき、気を配る。
もちろん旦那は優しく、常に自分を一番に扱ってくれる。
これって、本人にとっては嬉しくて仕方がない状況なんでしょうね。幸せ満喫。
でも、文章になって客観的な立場から読むと、すごく不気味、気持ち悪いです。

自分を取り巻く新しい家族が、何か目論見を隠し持って行動しているという状況が、
こんなに恐ろしいホラー作品になるとは思いませんでした。
こりゃあ、乃南さん、上手いなあ・・・・・と思って読み進めていました。

この一家が貸主だった建物が、ガス爆発事故で一家全滅。
あの、主人公に何かを伝えようとしていた怪し男の家族です。
家主として慌てるのかと思いきや、いつものように笑顔を絶やさず暮らす家族に、
主人公は小さな不審を抱きます。
そこから、様々な日々の一場面が気になるようになってきて、
この家族は何か変なのではないかと、不審が不審を呼んで精神的に不安定な状況に。
この過程の描き方は、本当に怖くて、ぐいぐい読んでいけました。

で、彼女は、親友に相談するのですが、
外部に漏れたことで家族の態度が一気に硬化。
主人公を肉体的、精神的に追い詰めるような行動をとりはじめます。
この辺りの描写は、なんとなく、学生運動の中で行われた洗脳ってこんなのかな?
カルトで行われる洗脳ってこんなのかな?と思いながら読んでいました。

ただ、ここまで家族に対して不信感を持ちながら、
そこから脱出しようとしない理由が、「3か月で結婚生活に失敗したと思われたくない」という
なんとも曖昧なもので、この主人公がここまでしがみつく理由なのかな?と不思議でした。

という疑問が湧いてくると、そもそも、結婚直前に、
寝たきりの祖父と知恵遅れの弟がいると、いきなり告白されて、主人公ブチ切れ。
そこで結婚を躊躇するのかと思いきや、すんなり丸め込まれてます。
ここでもきっと、「この結婚相手を逃がしたくない」という理由にしがみついたのでしょうけど、
プライドが高く、かつ甘ちゃんなところがある主人公です。

このあたりから、だんだん読み進めるのが苦しくなってきました。
最初に起きたガス爆発事件への疑問は置き忘れのような状態で、
家族の中で、いかに主人公を洗脳するかということばかり描かれるようになり、
息苦しさが充満してきます。
主人公の性格に共感できないまま読まされると、
知らない他人がリンチされている姿を見ているようで、気持ちが重くなります。

そして、主人公は、この家族に飲み込まれていくのかと思いきや、
ふとした拍子に家族への不信感を口にしたりして、
なんだか思考回路が良く分かりません。
家族の怖さを描くために、あえて主人公に変なタイミングで変なことを口にさせているかのような
都合の良ささえ感じてしまいました。

最後、ガス爆発事故の真相とかも明かされますが、
なんだか、ただただ気持ちの悪い家族の素性をしっただけのような状態になってしまい、
この読書を通じて私は何を得たのだろうか?と空疎な気持ちになってしまいました。




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『氷雨心中』
- 2017/03/04(Sat) -
乃南アサ 『氷雨心中』(新潮文庫)、読了。

日本の伝統的な工芸品の職人世界を舞台にした短編集。
染物、杜氏、提灯など、その製造現場には馴染みのない世界が続き、
日本の工芸文化を覗き見るには面白い作品でした。

しかし、小説として見た場合、情感を描くことが優先されてしまっており、
プロットの輪郭が弱いように感じてしまいました。
物語がぼんやりしてしまっているというか、
「えっ、ここで終わり!?」みたいな感じを受けるものが多かったです。

その中で、表題作の「氷雨心中」は、
短い枚数の中で、50年前の封印された出来事が現在に甦り、
登場人物たちの「情」が一点においてスパークする感じで、
これは見事な世界観の作品だと思いました。

逆に、この作品と他の作品との温度差が
読み手としての私の中にありありと生まれてしまい、
後半は読み流し気味の読書となってしまいました。


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『今夜もベルが鳴る』
- 2013/01/28(Mon) -
乃南アサ 『今夜もベルが鳴る』(祥伝社文庫)、読了。

うーん、イマイチでした。

主人公の女性が、男友達に紹介してもらった男性に惹かれ、
その男性と電話をするうちに、恋になっていく。
しかし、なんとなく電話の応対がおかしいことに気が付いて・・・・。

ま、裏表紙の作品紹介を読むと、
サスペンス作品という位置づけになっているようなのですが、
事件が動き出すまでが長いよー。
正直、飽きちゃいました。

しかも、この主人公女性が、なんでこの男性に惹かれるのか、
全然共感できず・・・・。
決して、この男性が良くないと言っているのではなく、
なぜそこまで惹かれるのかの描写が、足りてない気がしました。

それは、サスペンス側の犯人が、なぜそこまでぞっこんになったのかについても、
あんまり踏み込んだ説明がなく、ふーん・・・という感じです。

で、物語に入り込めないまま、
最後にバタバタと事態が動いて、なんとか解決!
最後まで置いてきぼりの読書になりました。


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『ボクの町』
- 2012/06/16(Sat) -
乃南アサ 『ボクの町』(新潮文庫)、読了。

見習いお巡りさんが、交番勤務で経験する出来事を描いた一冊。

交番勤務というのは、こんな感じなのか・・・・という
お仕事紹介的な目線で読むと、知らないところがたくさんあって、非常に興味深かったです。
勤務体系といい、仕事内容といい、交番を訪れる市民とのやりとりといい、
面白く読めました。

しかし、新人お巡りさんの成長期としてみると、
残念ながら、私は楽しめませんでした。

まず、先輩-後輩という関係がなってないんです。
ちょっと指導されたらすぐに不貞腐れ、
あまりものごとを深く考えずに、聞き流してしまいます。
熱心に日々の仕事に取り組む同期の姿に感化されることもなく、
先輩から何かを学び取ろうという熱意も無い。
新しい警察組織の人物像を目指したのかもしれませんが、
あまり上手くいっているようには思えませんでした。

また、一応なりとも警察学校を出た身で、
この言葉遣いは無いのではないかと思ってしまいました。
ここは、主人公のキャラクター云々というよりは、小説のリアリティの問題です。
組織で動くことを旨とする警察で、この教育は無いだろうと思うのです。

というわけで、満足半分、不満半分の読書となりました。



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『団欒』
- 2012/03/30(Fri) -
乃南アサ 『団欒』(新潮文庫)、読了。

狂気を狂気と思わず、それが日常であり常識だと勘違いしている人間を描かせたら
ピカ一の作家さんですね。

本作も、のっけから気持ちの悪い家族が登場します。

ちょっとデフォルメしたところはあるものの、
身の回りに、こういう気持ちの悪い集団(=家族)がいるということを
思い起こさせてくれる短編が並んでいます。

ただ、1つ1つの作品は面白く読めるのですが、
さすがに、これだけ立て続けに読むと食傷気味・・・・・。
というか、気分が悪くなります。

乃南さん、やり過ぎ(苦笑)。
ま、それも作家の力量なのでしょうけれど。


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『ピリオド』
- 2011/12/01(Thu) -
乃南アサ 『ピリオド』(双葉文庫)、読了。

乃南長編は、気づいたら2年ぶりでした。
文庫で550ページの大作。
面白かったです。

40代でバツイチ子供なしの女性が、
兄の病気、甥や姪の状況、不倫の後始末、実家の処分といった
日常生活の延長上にあるんだけれど、日常ではない事象に巻き込まれ、
それにより自分を見つめ直してみる・・・・・・・
あぁ、なんとも陳腐な要約しか出来ない自分が残念(苦笑)。

この主人公の、兄を見る視線、その嫁でかつての同級生への評価、
不倫相手の男への冷酷なまでに冷静な判断、
仕事仲間のちょっとした言動へのアンテナ、
その一つ一つの自分の行動や思考回路に対しても、
ときには自己嫌悪に陥るような醒めた目をもつところが、非常に惹かれます。

素敵な女性だという意味ではなく、そういう面を自分も持っているなぁという親近感に似た感覚。
もしくは、40代になったら、自分もこんな風になるのだろうかという怖いもの見たさ。

そういう意味では、主人公が、一人で住む部屋で時々寂しさに気が滅入ってしまうところや、
甥や姪が上京してきたときに、面倒だという思いが先にたちながらも、
心の奥では嬉しさを感じてしまうところなど、
その心境がなんとなく分かってしまう自分がいます。

この本を読み通して、そんな人生に、
前向きな結論も、後ろ向きな結論も持つには至らなかったのですが、
何らかの覚悟が必要だということは分かりました。

なかなかに重たい読後感。

読んでいる途中は、殺人事件やレイプ事件など、非日常的な要素に対して、
どれも有耶無耶のまま過ぎていくようなところがあり、
少しモヤモヤを感じていたところもあったのですが、
読み終わってみると、現実とはそんなものかもしれないと思いました。

他人がどうなったか、ということよりも、
自分がどうありたいのか、ということに気持ちが向いた読後感でした。


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『悪魔の羽根』
- 2011/04/12(Tue) -
乃南アサ 『悪魔の羽根』(新潮文庫)、読了。

あんまりピンとくる作品がないままに読み終わってしまった短編集でした。

どんでん返しの妙があまり感じられず、
そんなものか・・・・・で終わってしまう作品が多いように思えました。

主人公たちも、なんとなく一人相撲な感じというか、
それぞれが抱える悩みのようなものに、親しみを持って共感することが
できないままに終わってしまいました。

乃南短編集は、どうも、合うもの、合わないものがはっきり分かれてしまいます。

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